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マタイ14:1−12
ヘロデとヨハネ
翻訳比較
岩波翻訳委員会訳1995
401401その時、四分封(しぶんぽう)領主ヘロデがイエスの噂を聞いて、彼の僕たちに言った、
401402「あいつは洗礼者ヨハネだ。まさにこいつが死人(しびと)たち〔の群〕から起こされたのだ。だからこそこれらの力が彼の中で働いているのだ」。
401403というのも、ヘロデは彼の兄弟フィリッポスの妻ヘロディアのゆえに、ヨハネを逮捕して[彼を]縛り、獄に閉じ込めたのである。
401404なぜなら、ヨハネは彼に〔くり返し〕言ったためである、「お前が彼女を娶るのは、許されたことではない」。
401405そこでヘロデは彼を殺したいと思ったが、群集を恐れた。なぜなら、彼らはヨハネを預言者と見なしていたからである。
401406さて、ヘロデの誕生日がやって来たので、ヘロディアの娘が〔人々の〕ただ中で舞を舞った。すると彼女はヘロデの気に入った。
401407そのために彼は、彼女が願い出るものは何でも彼女に与えると、誓いつつ公言した。
401408すると彼女はその母に唆(そそのか)されて言う、「洗礼者ヨハネの首をこのお盆の上に載せて、わたしにちょうだい」。
401409そこで王は悲しみながらも、自分と同席している者たちの前で誓った手前、〔彼女に望みのものが〕与えられるように命じ、
401410人を送って、獄でヨハネの首を斬った。
401411そして、彼の首が盆に載せて運ばれて来ると、少女に与えられた。そこで彼女は、それをその母のところに運んだ。
401412すると、ヨハネの弟子たちが来て、死体を〔引き〕取り、彼を埋葬した。そしてやって来てイエスに報告した。
新共同訳1987
14:1 そのころ、領主ヘロデはイエスの評判を聞き、
14:2 家来たちにこう言った。「あれは洗礼者ヨハネだ。死者の中から生き返ったのだ。だから、奇跡を行う力が彼に働いている。」
14:3 実はヘロデは、自分の兄弟フィリポの妻ヘロディアのことでヨハネを捕らえて縛り、牢に入れていた。
14:4 ヨハネが、「あの女と結婚することは律法で許されていない」とヘロデに言ったからである。
14:5 ヘロデはヨハネを殺そうと思っていたが、民衆を恐れた。人々がヨハネを預言者と思っていたからである。
14:6 ところが、ヘロデの誕生日にヘロディアの娘が、皆の前で踊りをおどり、ヘロデを喜ばせた。
14:7 それで彼は娘に、「願うものは何でもやろう」と誓って約束した。
14:8 すると、娘は母親に唆されて、「洗礼者ヨハネの首を盆に載せて、この場でください」と言った。
14:9 王は心を痛めたが、誓ったことではあるし、また客の手前、それを与えるように命じ、
14:10 人を遣わして、牢の中でヨハネの首をはねさせた。
14:11 その首は盆に載せて運ばれ、少女に渡り、少女はそれを母親に持って行った。
14:12 それから、ヨハネの弟子たちが来て、遺体を引き取って葬り、イエスのところに行って報告した。
前田訳1978
14:1 そのころ領主ヘロデがイエスのうわさを聞いて
14:2 家来にいった、「これは洗礼者ヨハネだ。あれが死人の中から復活したからこそ彼の中に力がはたらいている」と。
14:3 それはこうである。ヘロデが兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことでヨハネを捕えてしばり、牢に入れた。
14:4 それは、ヨハネが彼に、「あの女をめとるのはよくない」といったからである。
14:5 ヘロデは彼を殺したく思いつつも彼を預言者とあがめる群衆がこわかった。
14:6 ヘロデの誕生祝いにヘロデヤの娘が皆の中でおどったのが彼の気に入った。
14:7 そこで彼は誓って、望みのものを彼女に与える約束をした。
14:8 彼女は母にそそのかされて、「洗礼者ヨハネの首をここで盆にのせてわたしにください」という。
14:9 王は悲しんだが、誓いと客との手前それを与えよと命じ、
14:10 人をやって牢でヨハネの首をはねさせた。
14:11 首は盆にのせて持って来られて少女に渡された。彼女はそれを母に持って行った。
14:12 ヨハネの弟子が来て死体を引き取って葬り、イエスのところへ行って告げた。
新改訳1970
14:1 そのころ、国主ヘロデは、イエスのうわさを聞いて、
14:2 侍従たちに言った。「あれはバプテスマのヨハネだ。ヨハネが死人の中からよみがえったのだ。だから、あんな力が彼のうちに働いているのだ。」
14:3 実は、このヘロデは、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕えて縛り、牢に入れたのであった。
14:4 それは、ヨハネが彼に、「あなたが彼女をめとるのは不法です。」と言い張ったからである。
14:5 ヘロデはヨハネを殺したかったが、群衆を恐れた。というのは、彼らはヨハネを預言者と認めていたからである。
14:6 たまたまヘロデの誕生祝いがあって、ヘロデヤの娘がみなの前で踊りを踊ってヘロデを喜ばせた。
14:7 それで、彼は、その娘に、願う物は何でも必ず上げると、誓って堅い約束をした。
14:8 ところが、娘は母親にそそのかされて、こう言った。「今ここに、バプテスマのヨハネの首を盆に載せて私に下さい。」
14:9 王は心を痛めたが、自分の誓いもあり、また列席の人々の手前もあって、与えるように命令した。
14:10 彼は人をやって、牢の中でヨハネの首をはねさせた。
14:11 そして、その首は盆に載せて運ばれ、少女に与えられたので、少女はそれを母親のところに持って行った。
14:12 それから、ヨハネの弟子たちがやって来て、死体を引き取って葬った。そして、イエスのところに行って報告した。
塚本訳1963
14:1 そのころ、イエスの評判が領主ヘロデ・アンテパスの耳にはいった。
14:2 「これは洗礼者ヨハネにちがいない。あれが死人の中から生きかえったのだ、それだからあんな(不思議な)力が彼の中に働いている」とヘロデは家来に言った。
14:3 それにはこういう訳がある。──ヘロデは(前に)その兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことから、ヨハネを捕らえ、しばって牢に入れたことがあった。
14:4 ヨハネがヘロデに、「あなたはあの婦人を妻にするのはよろしくない」と言ったからである。
14:5 ヘロデではヨハネを殺したいと考えたが、民衆はヨハネを預言者と思っていたので、彼ら(が騒ぎ出すの)を恐れた。
14:6 ところでヘロデでの誕生祝いがあったとき、ヘロデヤの娘が満座の中で舞をまい、ヘロデを喜ばせた。
14:7 そのためヘロデは娘に、願うものはなんでもやろう、と誓いまで立てて約束した。
14:8 娘は母の入り知恵で、「洗礼者ヨハネの首を盆にのせて、今ここに戴きます」と言う。
14:9 王は悲しんだが、列座の人々の前で立てた誓いの手前、それを与えるように命じ、
14:10 人をやって牢でヨハネの首をはねさせた。
14:11 首は盆にのせて持ってきて少女に渡され、少女は母に持っていった。
14:12 ヨハネの弟子たちは来てなきがらを引き取って葬り、行ってイエスに報告した。
口語訳1955
14:1 そのころ、領主ヘロデはイエスのうわさを聞いて、
14:2 家来に言った、「あれはバプテスマのヨハネだ。死人の中からよみがえったのだ。それで、あのような力が彼のうちに働いているのだ」。
14:3 というのは、ヘロデは先に、自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで、ヨハネを捕えて縛り、獄に入れていた。
14:4 すなわち、ヨハネはヘロデに、「その女をめとるのは、よろしくない」と言ったからである。
14:5 そこでヘロデはヨハネを殺そうと思ったが、群衆を恐れた。彼らがヨハネを預言者と認めていたからである。
14:6 さてヘロデの誕生日の祝に、ヘロデヤの娘がその席上で舞をまい、ヘロデを喜ばせたので、
14:7 彼女の願うものは、なんでも与えようと、彼は誓って約束までした。
14:8 すると彼女は母にそそのかされて、「バプテスマのヨハネの首を盆に載せて、ここに持ってきていただきとうございます」と言った。
14:9 王は困ったが、いったん誓ったのと、また列座の人たちの手前、それを与えるように命じ、
14:10 人をつかわして、獄中でヨハネの首を切らせた。
14:11 その首は盆に載せて運ばれ、少女にわたされ、少女はそれを母のところに持って行った。
14:12 それから、ヨハネの弟子たちがきて、死体を引き取って葬った。そして、イエスのところに行って報告した。
文語訳1917
"401401","そのころ、國守ヘロデ、イエスの噂をききて、"
"401402","侍臣どもに言ふ『これバプテスマのヨハネなり。かれ死人の中より甦へりたり。さればこそ此等の能力その内に働くなれ』"
"401403","ヘロデ先に、己が兄弟ピリポの妻ヘロデヤの爲にヨハネを捕へ、縛りて獄に入れたり。"
"401404","ヨハネ、ヘロデに『かの女を納るるは宜しからず』と言ひしに因る。"
"401405","かくてヘロデ、ヨハネを殺さんと思へど、群衆を懼れたり。群衆ヨハネを預言者とすればなり。"
"401406","然るにヘロデの誕生日に當り、ヘロデヤの娘その席上に舞をまひてヘロデを喜ばせたれば、"
"401407","ヘロデ之に何にても求むるままに與へんと誓へり。"
"401408","娘その母に唆かされて言ふ『バプテスマのヨハネの首を盆に載せてここに賜はれ』"
"401409","王憂ひたれど、その誓と席に在る者とに對して、之を與ふることを命じ、"
"401410","人を遣し獄にてヨハネの首を斬り、"
"401411","その首を盆にのせて持ち來らしめ、之を少女に與ふ。少女これを母に捧ぐ。"
"401412","ヨハネの弟子たち來り、屍體を取りて葬り、往きて、イエスに告ぐ。"
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各国聖書引照
(日)並行個所・・・・・・塚本虎二訳
塚本訳 マコ 6:14-29
6:14 イエスの噂が高くなったので、ヘロデ(・アンテパス)王の耳にはいった。──「洗礼者ヨハネが死人の中から生きかえったのだ。それだからあんな(不思議な)力が彼の中に働いている」とある人々は言った。
6:15 しかし、「預言者エリヤだ」言う者もあり、「(昔の)普通の預言者のような預言者だ」と言う者もあった。
6:16 しかしヘロデは聞いて、「わたしが首をはねたヨハネ、あれが生きかえったのだ」と言った。
6:17 それにはこういう訳がある。──このヘロデは(前に)その兄弟ピリポの妻ヘロデヤと結婚したことから、ヨハネを捕えさせて牢につないだことがあった。
6:18 ヨハネがヘロデに、「あなたは自分の兄弟の妻を妻にするのはよろしくない」と言ったからである。
6:19 (そのため)ヘロデヤはヨハネを恨んで、殺したいと考えていたが、出来なかった。
6:20 それはヘロデがヨハネを正しい聖なる人と知って、これを恐れ、保護を加えていたからである。ヘロデはヨハネに話を聞くと非常に当惑したが、それでも喜んで聞いていたのである。
6:21 すると(ヘロデヤにとり)好い機会がきた。ヘロデが自分の誕生祝いに、大官、将軍、ガリラヤの名士たちを招待して宴会を催した時、
6:22 ヘロデヤの娘が席に出て舞をまい、ヘロデと列座の人々とを喜ばせたのである。王が少女に言った、「ほしいものがあったら言ってみよ。褒美にやろう。」
6:23 また、「願いとあらば、『国の半分でも』やろう」と誓った。
6:24 少女は出ていって母にきいた、「何を願いましょうか。」「洗礼者ヨハネの首を」と母がこたえた。
6:25 少女は大急ぎですぐ王の前に出て、「洗礼者ヨハネの首を盆にのせてすぐに戴かせてください」と願った。
6:26 王は非常に悲しんだが、客の前で立てた誓いの手前、拒みたくなかった。
6:27 そこで王はすぐヨハネの首を持ってくるように命令して、首斬役をやった。首斬役は行って牢でヨハネの首をはね、
6:28 その首を盆にのせて持ってきて少女に渡し、少女はそれを母に渡した。
6:29 ヨハネの弟子たちはこれを聞くと、来てなきがらを引き取り、墓に納めた。
塚本訳 ルカ 9:7-9
9:7 これは一切の出来事が領主ヘロデの耳にはいると、彼はすっかり不安になった。ある人は(イエスのことを洗礼者)ヨハネが死人の中から生きかえったのだと言い、
9:8 ある人は(預言者)エリヤが現われたと言い、またほかの人は、昔のある預言者が生き返ったのだと言ったからである。
9:9 しかしヘロデは言った、「ヨハネは(確かに)わたしが首をはねた。だが、こんな噂を聞くその男はそもそも何者だろう。」彼はイエスに会いたいと思った。
塚本訳 ルカ 3:19-20
3:19 ところが領主ヘロデでは、その兄弟(ピリポ)の妻ヘロデヤ(との結婚)のことについて、また自分の行ったすべての悪事について、ヨハネから非難されたので、
3:20 ヨハネを牢に閉じこめ、(これまでの)ありとあらゆる悪事に、もう一つこの悪事をつけたした。
(独)NESTLE-ALAND NOVUM TESTAMENTUM GRAECE 27版1993 の引照
・・・・
(英・米)THE NEW TREASURY
OF SCRIPTURE KNOWLEDGE 1982 の引照
・・・・
(日)新共同訳1987 の引照
新共同 使 4:27
4:27 事実、この都でヘロデとポンティオ・ピラトは、異邦人やイスラエルの民と一緒になって、あなたが油を注がれた聖なる僕イエスに逆らいました。
新共同 使 12:1
12:1 そのころ、ヘロデ王は教会のある人々に迫害の手を伸ばし、
(仏)THE
NEW JERUSALEM BIBLE 1985 の引照
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マタイ14:13−21
五千人のパン
翻訳比較
岩波翻訳委員会訳1995
401413さて、イエスはこれを聞いてそこから舟に乗って退き、荒涼としたところに彼だけで行った。すると群集はこれを聞いて、町々から徒歩で彼に従って行った。
401414さて、イエスは〔舟から〕出て来ると、多くの群集を目にした。そこで彼は、彼らに対して腸(はらわた)のちぎれる想いに駆られた。そして、彼らのうちの病んだ者たちを癒した。
401415そこで、夕方になると、弟子たちが彼のもとにやって来て言った、「ここは荒涼としたところで、もはや時も晩(おそ)くなりました。群集を解散させて下さい、そうすれば彼らは村々に行き、自分たちの食物を買って来るでしょう」。
401416すると[イエスは]彼らに言った、「彼らが行くには及ばない。あなたたちの方で、彼らに食べ物を与えるのだ」。
401417すると彼らは彼に言った、「私たちは、五個のパンと二匹の魚のほか、ここには何も持っていません」。
401418しかし彼は言った、「それらをここに、私のところに持って来なさい」。
401419そして彼は、群集に命じて草の上に横にならせ、五個もパンと二匹の魚を取り、天に向かって目を上げ、〔神を〕祝して〔パンを〕裂きつつ、弟子たちにパンを渡した。そして弟子たちは群集に〔与えた〕。
401420すると皆が食べ、満腹した。そしてパン屑の残りは十二の枝編み籠(えだあみかご)を満たすほどあった。
401421また、食べた者は、女子供を除いて、男五千人ほどであった。
新共同訳1987
14:13 イエスはこれを聞くと、舟に乗ってそこを去り、ひとり人里離れた所に退かれた。しかし、群衆はそのことを聞き、方々の町から歩いて後を追った。
14:14 イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て深く憐れみ、その中の病人をいやされた。
14:15 夕暮れになったので、弟子たちがイエスのそばに来て言った。「ここは人里離れた所で、もう時間もたちました。群衆を解散させてください。そうすれば、自分で村へ食べ物を買いに行くでしょう。」
14:16 イエスは言われた。「行かせることはない。あなたがたが彼らに食べる物を与えなさい。」
14:17 弟子たちは言った。「ここにはパン五つと魚二匹しかありません。」
14:18 イエスは、「それをここに持って来なさい」と言い、
14:19 群衆には草の上に座るようにお命じになった。そして、五つのパンと二匹の魚を取り、天を仰いで賛美の祈りを唱え、パンを裂いて弟子たちにお渡しになった。弟子たちはそのパンを群衆に与えた。
14:20 すべての人が食べて満腹した。そして、残ったパンの屑を集めると、十二の籠いっぱいになった。
14:21 食べた人は、女と子供を別にして、男が五千人ほどであった。
前田訳1978
14:13 これを聞いてイエスはひとりそこを去って舟で人里遠くへ行かれた。群衆はそれを聞いて町々から徒歩で彼に従った。
14:14 舟からあがると多くの群衆が見えた。そこで彼らをあわれみ、その中の病人をいやされた。
14:15 夕になると弟子たちが彼のところに来ていった、「ここは人里遠く、もう時もおそくなりました。群衆を解散させて、村々に行って自分の食べ物を買わせてください」と。
14:16 イエスは彼らにいわれた、「行くに及ばない。あなた方が彼らに食べ物を与えなさい」と。
14:17 弟子たちはいう、「ここにはパン五つと魚二匹しかありません」と。
14:18 彼はいわれた、「それをわたしのところに持って来なさい」と。
14:19 そして群衆に草の上にすわるように命じ、パン五つと魚二匹をとり、天を仰いで感謝し、パンを裂いて弟子たちに与えられた。弟子たちはそれを群衆に与えた。
14:20 皆が食べて満ち足りた。余りのくずを拾うと、十二の篭に満ちた。
14:21 食べた人は女こどもを別にして五千人ほどであった。
新改訳1970
14:13 イエスはこのことを聞かれると、舟でそこを去り、自分だけで寂しい所に行かれた。すると、群衆がそれと聞いて、町々から、歩いてイエスのあとを追った。
14:14 イエスは舟から上がられると、多くの群衆を見られ、彼らを深くあわれんで、彼らの病気を直された。
14:15 夕方になったので、弟子たちはイエスのところに来て言った。「ここは寂しい所ですし、時刻ももう回っています。ですから群衆を解散させてください。そして村に行ってめいめいで食物を買うようにさせてください。」
14:16 しかし、イエスは言われた。「彼らが出かけて行く必要はありません。あなたがたで、あの人たちに何か食べる物を上げなさい。」
14:17 しかし、弟子たちはイエスに言った。「ここには、パンが五つと魚が二匹よりほかありません。」
14:18 すると、イエスは言われた。「それを、ここに持って来なさい。」
14:19 そしてイエスは、群衆に命じて草の上にすわらせ、五つのパンと二匹の魚を取り、天を見上げて、それらを祝福し、パンを裂いてそれを弟子たちに与えられたので、弟子たちは群衆に配った。
14:20 人々はみな、食べて満腹した。そして、パン切れの余りを取り集めると、十二のかごにいっぱいあった。
14:21 食べた者は、女と子どもを除いて、男五千人ほどであった。
塚本訳1963
14:13 これを聞くと、イエスは自分(と弟子たち)だけ、そこから舟で人里はなれた所へ立ちのかれた。すると群衆はそれと聞いて、町々から陸を歩いてついて行った。
14:14 イエスは(舟から)上がって多くの群衆を見ると、かわいそうになり、その中の病人をなおされた。
14:15 夕方になると、弟子たちはイエスのそばに来て言った、「ここは人里はなれた所、それにもう時間も過ぎました。だから群衆を解散させ、村々に行って自分で食べる物を買わせてください。」
14:16 イエスは言われた、「買いに行くには及ばない。あなた達が自分で食べさせてやったらよかろう。」
14:17 彼らが言う、「ここにはパン五つと、魚二匹しか持ちあわせがありません。」
14:18 イエスは言われた、「それをここに持ってきなさい。」
14:19 それから群衆に命じて草の上に座らせ、(いつも家長がするように、)その五つのパンと二匹の魚を(手に)取り、天を仰いで(神を)讃美したのち、パンを裂いて弟子たちに渡されると、弟子たちは群衆に渡した。
14:20 皆が食べて満腹した。そして余ったパンの屑を拾うと、十二の篭に一ぱいあった。
14:21 食べた者は、女、子供ぬきで、男五千人ばかりであった。
口語訳1955
14:13 イエスはこのことを聞くと、舟に乗ってそこを去り、自分ひとりで寂しい所へ行かれた。しかし、群衆はそれと聞いて、町々から徒歩であとを追ってきた。
14:14 イエスは舟から上がって、大ぜいの群衆をごらんになり、彼らを深くあわれんで、そのうちの病人たちをおいやしになった。
14:15 夕方になったので、弟子たちがイエスのもとにきて言った、「ここは寂しい所でもあり、もう時もおそくなりました。群衆を解散させ、めいめいで食物を買いに、村々へ行かせてください」。
14:16 するとイエスは言われた、「彼らが出かけて行くには及ばない。あなたがたの手で食物をやりなさい」。
14:17 弟子たちは言った、「わたしたちはここに、パン五つと魚二ひきしか持っていません」。
14:18 イエスは言われた、「それをここに持ってきなさい」。
14:19 そして群衆に命じて、草の上にすわらせ、五つのパンと二ひきの魚とを手に取り、天を仰いでそれを祝福し、パンをさいて弟子たちに渡された。弟子たちはそれを群衆に与えた。
14:20 みんなの者は食べて満腹した。パンくずの残りを集めると、十二のかごにいっぱいになった。
14:21 食べた者は、女と子供とを除いて、おおよそ五千人であった。
文語訳1917
"401413","イエス之を聞きて人を避け、其處より舟にのりて寂しき處に往き給ひしを群衆ききて町々より徒歩にて從ひゆく。"
"401414","イエス出でて大なる群衆を見、これを憫みて、その病める者を醫し給へり。"
"401415","夕になりたれば、弟子たち御許に來りて言ふ『ここは寂しき處、はや時も晩し、群衆を去らしめ、村々に往きて、己が爲に食物を買はせ給へ』"
"401416","イエス言ひ給ふ『かれら往くに及ばず、汝ら之に食物を與へよ』"
"401417","弟子たち言ふ『われらが此處にもてるは、唯五つのパンと二つの魚とのみ』"
"401418","イエス言ひ給ふ『それを我に持ちきたれ』"
"401419","かくて群衆に命じて草の上に坐せしめ、五つのパンと二つの魚とを取り、天を仰ぎて祝し、パンを裂きて、弟子たちに與へ給へば、弟子たち之を群衆に與ふ。"
"401420","凡ての人食ひて飽く、裂きたる餘を集めしに十二の筺に滿ちたり。"
"401421","食ひし者は、女と子供とを除きて凡そ五千人なりき。"
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各国聖書引照
(日)並行個所・・・・・・塚本虎二訳
塚本訳 マコ 6:30-44
6:30 (さて旅行から帰った十二人の)使徒たちはイエスの所に集まって、したこと、教えたことをのこらず報告した。
6:31 彼らに言われる、「さあ、あなた達だけどこか静かな所へ行って、しばらく休んだがよかろう。」人の出入りが多く、食事する暇もなかったのである。
6:32 そこで彼らだけ、舟で(イエスと一しょに)人里はなれた所へ行った。
6:33 しかしその出かけるのを見て、多くの人はそれと感づいた。それで方々の町から陸を走ってそこへ集まり、彼らよりも先に着いた。
6:34 イエスは(舟から)あがって、多くの群衆が『羊飼のいない羊のように』しているのを見ると、かわいそうになり、多くのことを教え始められた。
6:35 とかくするうち、もう時間もおそくなったので、弟子たちはイエスのそばに来て言った、「ここは人里はなれた所、それにもう時間もおそいので、
6:36 人々を解散させ、まわりの部落や村に行って、自分で何か食べるものを買わせてください。」
6:37 イエスは答えて言われた、「あなた達が自分で食べさせてやったらよかろう。」彼らが言う、「わたし達が行って二百デナリ[十万円]のパンを買ってきて、食べさせるのでしょうか。」
6:38 彼らに言われる、「手許にいくつパンがあるか。見て来なさい。」確かめて来て言う、「五つ。それと魚が二匹です。」
6:39 そこで皆を一組一組、青い草の上に坐らせるよう弟子たちに命じられると、
6:40 あるいは百人ずつ、あるいは五十人ずつ、一列一列になってすわった。
6:41 イエスは(いつも家長がするように、)その五つのパンと二匹の魚を(手に)取り、天を仰いで(神を)讃美したのち、パンを裂き、人々に配るため弟子たちに渡された。二匹の魚も皆に分けられた。
6:42 皆が食べて満腹した。
6:43 そして(パンの)屑を拾うと、十二の篭に一杯あった。魚の残りも拾った。
6:44 パンを食べた者は、男五千人であった。
塚本訳 ルカ 9:10-17
9:10 (さて十人の)使徒たちは帰ってきて、(旅行中に)したことをみなイエスに話した。イエスは彼らを連れて、自分たちだけベツサイダという町の方へ引っ込まれた。
9:11 しかし群衆がそれと知ってついて来たので、これを迎えて神の国のことを語り、また治療を要する人々を直された。
9:12 日が傾きかけると、十二人は来てイエスに言った、「群衆を解散させ、まわりの村や部落に行って宿を取らせ、食事をさせてください。わたし達はこんな人里はなれた所にいるのですから。」
9:13 彼らに言われた、「あなた達が自分で食べさせてやったらよかろう。」彼らが言った、「手許にはパン五つと魚二匹よりありません、わたし達が行って、このみんなの食べる物を買ってこないことには。」
9:14 男五千人ばかりもいたからである。「五十人ぐらいずつ組にして坐らせなさい」と弟子たちに言われた。
9:15 そのように、皆を坐らせた。
9:16 するとイエスは(いつも家長がするように、)その五つのパンと二匹の魚を(手に)取り、天を仰いでそれを祝福したのち、(パンを)裂いて、群衆に配るように弟子たちに渡された。
9:17 皆が食べて満腹した。そして余った(パンの)屑を拾うと、十二篭あった。
塚本訳 ヨハ 6:1-13
6:1 そののち、イエスはガリラヤ湖すなわちテベリヤ湖の向こう岸に行かれた。
6:2 多くの群衆がついて行った。病人に行なわれたかずかずの徴[奇蹟]を見たからである。
6:3 イエスは山にのぼって、弟子たちとそこにお坐りになった。
6:4 ユダヤ人の祭りである過越の祭が間近であった。
6:5 イエスは目をあげて、多くの群衆があつまって来るのを見ると、ピリポに言われる、「どこからパンを買ってきて、この人たちに食べさせようか。」
6:6 こう言われるのはピリポを試すためで、自分ではどうするか、わかっておられた。
6:7 ピリポが答えた、「二百デナリ[十万円]のパンでも、みんなに少しずつも行き渡らないでしょう。」
6:8 弟子の一人で、シモン・ペテロの兄弟のアンデレがイエスに言う、
6:9 「ここに大麦パン五つと魚二匹持っている青年がいますが、こんな大勢の人に何の役に立ちましょう。」
6:10 イエスが言われた、「人々をすわらせなさい。」その場所には草がたくさんあった。そこで人々がすわった。その数、男五千人ばかり。
6:11 するとイエスは(いつも家長がするように、)そのパンを手に取り、(神に)感謝したのち、(裂いて、)坐っている人々に分け、魚も同じようにして、ほしいだけ分けておやりになった。
6:12 人々が腹一ぱい食べると、弟子たちに言われる、「余った(パンの)屑を集めなさい、すこしもむだにならないように。」
6:13 そこで集めると、人々が食べのこした五つの大麦パンの屑で、十二の篭がいっぱいになった。
(独)NESTLE-ALAND NOVUM TESTAMENTUM GRAECE 27版1993 の引照
新共同 マタ 9:36
9:36 また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。
新共同 マタ 14:22
14:22 それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。
(英・米)THE NEW
TREASURY OF SCRIPTURE KNOWLEDGE 1982 の引照
口語訳 ピリ 4:19
4:19 わたしの神は、ご自身の栄光の富の中から、あなたがたのいっさいの必要を、キリスト・イエスにあって満たして下さるであろう。
(日)新共同訳1987 の引照
新共同 使 27:35
27:35 こう言ってパウロは、一同の前でパンを取って神に感謝の祈りをささげてから、それを裂いて食べ始めた。
新共同 ロマ 14:6
14:6 特定の日を重んじる人は主のために重んじる。食べる人は主のために食べる。神に感謝しているからです。また、食べない人も、主のために食べない。そして、神に感謝しているのです。
新共同 Tコリ10:16
10:16 わたしたちが神を賛美する賛美の杯は、キリストの血にあずかることではないか。わたしたちが裂くパンは、キリストの体にあずかることではないか。
(仏)THE
NEW JERUSALEM BIBLE 1985 の引照
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マタイ14:22−36
湖の上を歩く
翻訳比較
岩波翻訳委員会訳1995
401422そこで彼は、すぐさま弟子たちを強いて舟に乗り込ませ、向こう岸に彼よりも先に渡らせた。そしてその間に、彼は群集を解散させ〔ようとし〕た。
401423そして群集を解散させた後、祈るために一人で山にのぼった。そして夕方になっても、彼は一人そこにいた。
401424他方、舟はすでに何スタディオンも陸(おか)から離れ、大波に苦しんでいた。逆風だったからである。
401425すると夜の第四刻に、彼は海の上を歩みながら彼らのところにやって来た。
401426そこで、彼が海の上を歩んでいるのを見た弟子たちは、動転して言った、「化け物だ」。そして恐怖のあまり、叫んだ。
401427しかし[イエスは]すぐに彼らに語りかけ、言った、「しっかりせよ。私だ。恐れるな」。
401428するとペテロが彼に答えて言った、「主よ、もしあなたでしたら、水の上を〔歩いて〕御もとに参るように私に命じて下さい」。
401429すると彼は言った、「来なさい」。そこでペトロは、舟を下りて水の上を歩き、イエスの方に来た。
401430しかし彼は、[強い]風を見ると恐れた。そして沈み出したので叫んで言った、「主よ、お救いを」。
401431そこでイエスはすぐさま手を伸ばし、彼をつかんだ。そして彼に言う、「信仰の薄い者よ。なぜ疑ったのか」。
401432そして彼らが舟に上がると、風は萎えた。
401433すると舟の中にいた彼らは彼を伏し拝み、言った、「まことにあなたは神の子です」。
401434さて、彼らは〔海を〕渡り、ゲネサレトの地についた。
401435すると当地の人々は彼と知って、その近隣の地のいたるところに〔人を〕遣わして〔ふれまわり〕、彼のところにすべての患っている者を運んで来、
401436彼の着物の縁(へり)にでもいいから触らせてくれるように、彼に乞い願うのだった。そして触れた者は、皆救われた。
新共同訳1987
14:22 それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。
14:23 群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。
14:24 ところが、舟は既に陸から何スタディオンか離れており、逆風のために波に悩まされていた。
14:25 夜が明けるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。
14:26 弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。
14:27 イエスはすぐ彼らに話しかけられた。「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない。」
14:28 すると、ペトロが答えた。「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して、水の上を歩いてそちらに行かせてください。」
14:29 イエスが「来なさい」と言われたので、ペトロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。
14:30 しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、「主よ、助けてください」と叫んだ。
14:31 イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」と言われた。
14:32 そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。
14:33 舟の中にいた人たちは、「本当に、あなたは神の子です」と言ってイエスを拝んだ。
◆ゲネサレトで病人をいやす
14:34 こうして、一行は湖を渡り、ゲネサレトという土地に着いた。
14:35 土地の人々は、イエスだと知って、付近にくまなく触れ回った。それで、人々は病人を皆イエスのところに連れて来て、
14:36 その服のすそにでも触れさせてほしいと願った。触れた者は皆いやされた。
前田訳1978
14:22 それからすぐ弟子たちを強いて舟に乗せ、彼が群衆を解散させる間に向こう岸へ先に行くようにされた。
14:23 彼は群衆を解散させてから自分だけ山に上って祈られた。夕方になってもひとりでそこにおられた。
14:24 舟はすでに陸から数スタデオも離れていて、向かい風のため波になやまされていた。
14:25 夜明けの三時すぎに彼は湖の上を歩いて彼らのところへ来られた。
14:26 弟子たちは彼が湖の上を歩かれるのを見ると、おどろいて、幽霊だといい、おののいて叫んだ。
14:27 イエスはすぐに語りかけられた、「安心なさい、わたしだ、こわがることはない」と。
14:28 ペテロは答えた、「主よ、あなたなら、わあしに命じて水の上を歩いてそこまで行かせてください」と。
14:29 彼はいわれた、「来なさい」と。そこでペテロは舟からおりて水の上をイエスのほうへ歩いて行った。
14:30 しかし風を見ておそれ、沈みかけたので叫んだ、「主よ、お助けを」と。
14:31 ただちにイエスは手をのべて彼をつかんでいわれる、「小信もの、なぜ疑ったか」と。
14:32 彼らが舟にあがると、風は凪いだ。
14:33 舟の中のものはひれ伏して彼にいった、「本当にあなたは神の子です」と。
14:34 湖を渡って彼らはゲネサレの地に来た。
14:35 彼と知ってそこの人々は周辺の地にくまなく人をつかわしたので、人々は病人を皆彼のところに連れて来た。
14:36 そして彼の着物の裾にだけでもさわらせてもらうよう願った。さわったものは皆いやされた。
新改訳1970
14:22 それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗り込ませて、自分より先に向こう岸へ行かせ、その間に群衆を帰してしまわれた。
14:23 群衆を帰したあとで、祈るために、ひとりで山に登られた。夕方になったが、まだそこに、ひとりでおられた。
14:24 しかし、舟は、陸からもう何キロメートルも離れていたが、風が向かい風なので、波に悩まされていた。
14:25 すると、夜中の三時ごろ、イエスは湖の上を歩いて、彼らのところに行かれた。
14:26 弟子たちは、イエスが湖の上を歩いておられるのを見て、「あれは幽霊だ。」と言って、おびえてしまい、恐ろしさのあまり、叫び声を上げた。
14:27 しかし、イエスはすぐに彼らに話しかけ、「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない。」と言われた。
14:28 すると、ペテロが答えて言った。「主よ。もし、あなたでしたら、私に、水の上を歩いてここまで来い、とお命じになってください。」
14:29 イエスは「来なさい。」と言われた。そこで、ペテロは舟から出て、水の上を歩いてイエスのほうに行った。
14:30 ところが、風を見て、こわくなり、沈みかけたので叫び出し、「主よ。助けてください。」と言った。
14:31 そこで、イエスはすぐに手を伸ばして、彼をつかんで言われた。「信仰の薄い人だな。なぜ疑うのか。」
14:32 そして、ふたりが舟に乗り移ると、風がやんだ。
14:33 そこで、舟の中にいた者たちは、イエスを拝んで、「確かにあなたは神の子です。」と言った。
14:34 彼らは湖を渡ってゲネサレの地に着いた。
14:35 すると、その地の人々は、イエスと気がついて、付近の地域にくまなく知らせ、病人という病人をみな、みもとに連れて来た。
14:36 そして、せめて彼らに、着物のふさにでもさわらせてやってくださいと、イエスにお願いした。そして、さわった人々はみな、いやされた。
塚本訳1963
14:22 それからすぐイエスは弟子たちを強いて舟に乗らせ、向う岸に先発させられた、群衆を解散させる間に。
14:23 そして群衆を解散させると、祈りのため自分だけ山に上られた。暗くなってもひとりそこにおられた。
14:24 (弟子たちの)舟はすでに幾スタデオも(一スタデオは約五分の一キロ)陸を離れていたが、向い風のため波になやまされていた。
14:25 第四夜回りのころ(すなわち夜明けの三時ごろ、)イエスは湖の上を歩いて彼らの所に来られた。
14:26 弟子たちはイエスが湖の上を歩いておられるのを見ると、幽霊だと思って肝をつぶし、恐ろしさのあまり叫んだ。
14:27 しかしイエスはすぐ彼らに話しかけて言われた、「安心せよ、わたしだ。こわがることはない。」
14:28 ペテロが答えた、「主よ、あなたでしたら、どうかわたしに命令して、水の上を歩いてあなたの所へ行かせてください。」
14:29 「こちらに来なさい」とイエスが言われた。ペテロは舟から下り、水の上を歩いてイエスの所へ行った。
14:30 しかし(いま一足という所で)強い風を見たため、おじけがつき、沈みかけたので、「主よ、お助けください」と叫んだ。
14:31 イエスはすぐ手をのばし、ペテロをつかまえて言われる、「信仰の小さい人よ!なぜ疑うのか。」
14:32 そして二人が舟に乗ると、風はやんだ。
14:33 舟にいた人たちは、「あなたは確かに神の子です」と言ってイエスをおがんだ。
14:34 ついに(湖を)渡ってゲネサレの地に着いた。
14:35 所の人はイエスと知って、その付近に隅なく人をやっ(て知らせ)たので、人々は病人を皆イエスのところにつれて来て、
14:36 せめて着物の裾にさわらせてほしいとイエスに願った。さわった者はみな直った。
口語訳1955
14:22 それからすぐ、イエスは群衆を解散させておられる間に、しいて弟子たちを舟に乗り込ませ、向こう岸へ先におやりになった。
14:23 そして群衆を解散させてから、祈るためひそかに山へ登られた。夕方になっても、ただひとりそこにおられた。
14:24 ところが舟は、もうすでに陸から数丁も離れており、逆風が吹いていたために、波に悩まされていた。
14:25 イエスは夜明けの四時ごろ、海の上を歩いて彼らの方へ行かれた。
14:26 弟子たちは、イエスが海の上を歩いておられるのを見て、幽霊だと言っておじ惑い、恐怖のあまり叫び声をあげた。
14:27 しかし、イエスはすぐに彼らに声をかけて、「しっかりするのだ、わたしである。恐れることはない」と言われた。
14:28 するとペテロが答えて言った、「主よ、あなたでしたか。では、わたしに命じて、水の上を渡ってみもとに行かせてください」。
14:29 イエスは、「おいでなさい」と言われたので、ペテロは舟からおり、水の上を歩いてイエスのところへ行った。
14:30 しかし、風を見て恐ろしくなり、そしておぼれかけたので、彼は叫んで、「主よ、お助けください」と言った。
14:31 イエスはすぐに手を伸ばし、彼をつかまえて言われた、「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」。
14:32 ふたりが舟に乗り込むと、風はやんでしまった。
14:33 舟の中にいた者たちはイエスを拝して、「ほんとうに、あなたは神の子です」と言った。
14:34 それから、彼らは海を渡ってゲネサレの地に着いた。
14:35 するとその土地の人々はイエスと知って、その附近全体に人をつかわし、イエスのところに病人をみな連れてこさせた。
14:36 そして彼らにイエスの上着のふさにでも、さわらせてやっていただきたいとお願いした。そしてさわった者は皆いやされた。
文語訳1917
"401422","イエス直ちに弟子たちを強ひて舟に乘らせ、自ら群衆をかへす間に、彼方の岸に先に往かしむ。"
"401423","かくて群衆を去らしめてのち、祈らんとて竊に山に登り、夕になりて獨そこにゐ給ふ。"
"401424","舟ははや陸より數丁はなれ、風逆ふによりて波に難されゐたり。"
"401425","夜明の四時ごろ、イエス海の上を歩みて、彼らに到り給ひしに、"
"401426","弟子たち其の海の上を歩み給ふを見て心騒ぎ、變化の者なりと言ひて懼れ叫ぶ。"
"401427","イエス直ちに彼らに語りて言ひたまふ『心安かれ、我なり、懼るな』"
"401428","ペテロ答へて言ふ『主よ、もし汝ならば我に命じ、水を蹈みて御許に到らしめ給へ』"
"401429","『來れ』と言ひ給へば、ペテロ舟より下り、水の上を歩みてイエスの許に往く。"
"401430","然るに風を見て懼れ、沈みかかりければ、叫びて言ふ『主よ、我を救ひたまへ』"
"401431","イエス直ちに御手を伸べ、これを捉へて言ひ給ふ『ああ信仰うすき者よ、何ぞ疑ふか』"
"401432","相共に舟に乘りしとき、風やみたり。"
"401433","舟に居る者どもイエスを拜して言ふ『まことに汝は神の子なり』"
"401434","遂に渡りてゲネサレの地に著きしに、"
"401435","その處の人々イエスを認めて、あまねく四方に人をつかはし、又すべての病める者を連れきたり、"
"401436","ただ御衣の總にだに觸らしめ給はんことを願ふ、觸りし者はみな醫されたり。"
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各国聖書引照
(日)並行個所・・・・・・塚本虎二訳
塚本訳 マコ 6:45-56
6:45 それからすぐイエスは弟子たちを強いて舟に乗らせ、向う岸のベッサイダに先発させられた、自分では群衆を解散させる間に。
6:46 そして群衆に別れると、祈りのため山に行かれた。
6:47 暗くなって、(弟子たちの)舟はもう湖の真中に出ていたが、イエスはひとり陸におられた。
6:48 そして向い風のために弟子たちが漕ぎなやんでいるのを見ると、第四夜回りのころ(すなわち夜明けの三時ごろ)、湖の上を歩いて彼らの所に来て、(舟のわきを)通りすぎようとされた。
6:49 弟子たちはイエスが湖の上を歩いておられるのを見ると、幽霊だと思って声をあげて叫んだ。
6:50 イエスを見て、皆肝をつぶしたのである。しかしイエスはすぐ彼らに話しかけ、「安心せよ、わたしだ。こわがることはない」と言われる。
6:51 そして彼らの舟に乗られると、風はやんだ。弟子たちはすっかり呆気にとられてしまった。
6:52 彼らは(五千人の)パンのことによっても(神の子の力を)悟らず、心が頑なになっていたのである。
6:53 ついに(湖を)渡って、ゲネサレの地に着き、舟をつないだ。(風でベツサイダに行けなかったのである。)
6:54 彼らが舟からあがると、人々はすぐイエスと知って、
6:55 そのあたりを隅なく駆けまわり、イエスがおられると聞く所に、病人を担架で運び始めた。
6:56 村でも町でも部落でも、その行かれる所にはどこでも、病人を広場にねかし、着物の裾にでもさわらせてほしいとイエスに願った。さわったほどの者はみななおった。
塚本訳 ヨハ 6:15-21
6:15 イエスは人々が来て、自分を(エルサレムに)攫って王にしようと計画しているのを知り、自分ひとり、またも山に引っ込まれた。
6:16 夕方になると、弟子たちは湖の岸に下って、
6:17 自分たちだけ舟に乗り、湖の向こう岸のカペナウムへ出かけた。もう暗くなってしまったのに、イエスはまだもどって来ておられなかったのである。
6:18 湖は大風が吹いて荒れていた。
6:19 彼らは二十五か三十スタデオ[五キロか六キロ]ばかり漕ぎ出したとき、イエスが(あとから)湖の上を歩いて舟に近づいてこられるのを見て、こわくなった。
6:20 イエスが言われる、「わたしだ、こわがることはない。」
6:21 そこで舟に迎えようと思っていると、その暇もなく、舟は目的地についた。