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列王記 下 6:1−7   

斧の頭が浮き上がる

 

翻訳比較


聖書協会共同訳2018
◆エリシャ、鉄の斧を浮かび上がらせる
列下 6:1 預言者の仲間がエリシャに言った。「御覧のように、あなたと一緒におりますこの場所は、私たちには狭すぎます。
列下 6:2 ヨルダン川に行って、梁にする木をめいめいが一本ずつ切り出し、そこに私たちの住む場所を造りましょう。」エリシャが、「行きなさい」と言うと、
列下 6:3 その中の一人が、「どうか、あなたも僕たちと一緒に来てください」と頼んだ。エリシャは、「それでは、私も行こう」と言って、
列下 6:4 一緒に出かけた。彼らはヨルダン川に着くと、木を切り出した。
列下 6:5 一人の者が梁にする木を切り落としていると、鉄の斧が水に落ちてしまった。彼は叫んで、「ああ、ご主人様、あれは借り物なのです」と言った。
列下 6:6 神の人が、「どこに落ちたのか」と尋ねると、彼はその場所を指し示した。エリシャは木の枝を切り取ってそこに投げ入れ、鉄の斧を浮かび上がらせ た。
列下 6:7 エリシャが、「拾い上げなさい」と言うと、その人は手を伸ばしてそれを取り上げた。


フランシスコ会訳2013

001
預言者の子らがエリシャに言った、「ご覧のとおり、わたしたちがあなたの前に座っているこの場所は、狭すぎ ます。

002ヨルダン川に行き、そこで各自 が一本ずつ梁を手に入れて、わたしたちの集まる場所を造りましょう」。エリシャは「そうしなさい」と答えた。

003その中の一人が「どうかあなた も、僕たちと一緒に来てください」と頼んだので、エリシャは「では、わたしも行こう」と言って、

004彼らと一緒に出かけた。彼らは ヨルダン川に行き、木を切り始めた。

005彼らの一人が梁にする木を切り 倒していると、鉄の斧が水の中に落ちた。彼は大声で、「ああ、ご主人さま、あれは借り物なのです」と叫んだ。

006「どこに落ちたのか」と神の人 が尋ねると、彼はその場所を示した。エリシャは枝を切り取ってそこに投げ入れ、鉄の斧を浮かび上がらせた。

007エリシャが「拾い上げなさい」 と言ったので、その人は手を伸ばし、それを取り上げた。


 

新共同訳1987

6:1 預言者の仲間たちがエリシャに言った。「御覧のように、わたしたちがあなたと共に住んでいるこの場所は、わたしたちには狭すぎます。

6:2 ヨルダンに行き、梁にする材木を各自一本ずつ取って来て、わたしたちの住む場所を造りましょう。」エリシャは、「行きなさい」と言った。

6:3 一人が、「どうぞあなたもわたしたちと一緒に来てください」と頼んだので、「わたしも行こう」と言って、

6:4 エリシャも彼らと共に行った。彼らはヨルダンに来て、木を切り出した。

6:5 そのうちの一人が梁にする木を切り倒しているとき、鉄の斧が水の中に落ちてしまった。彼は、「ああ、御主人よ、あれは借り物なのです」と叫んだ。

6:6 神の人は、「どこに落ちたのか」と尋ね、その場所が示されると、枝を切り取ってそこに投げた。すると鉄の斧が浮き上がった。

6:7 「拾い上げよ」と言われて、その人は手を伸ばし、それを取った。

 

新改訳1970

6:1 預言者のともがらがエリシャに、「ご覧のとおり、私たちがあなたといっしょに住んでいるこの場所は狭くなりましたので、

6:2 ヨルダン川に行きましょう。そこからめいめい一本ずつ材木を切り出して、そこに、私たちの住む所を作りましょう。」と言うと、エリシャは、「行きなさ い。」と言った。

6:3 すると、そのひとりが、「あなたもどうか、思い切ってしもべたちといっしょに行ってください。」と言ったので、エリシャは、「では、私も行こう。」と言っ て、

6:4 彼らといっしょに出かけた。彼らは、ヨルダン川に着くと、木を切り倒した。

6:5 ひとりが材木を倒しているとき、斧の頭を水の中に落としてしまった。彼は叫んで言った。「ああ、わが主。あれは借り物です。」

6:6 神の人は言った。「どこに落としたのか。」彼がその場所を示すと、エリシャは一本の枝を切って、そこに投げ込み、斧の頭を浮かばせた。

6:7 彼が、「それを拾い上げなさい。」と言ったので、その人は手を伸ばして、それを取り上げた。

 

口語訳1955

6:1 さて預言者のともがらはエリシャに言った、「わたしたちがあなたと共に住んでいる所は狭くなりましたので、

6:2 わたしたちをヨルダンに行かせ、そこからめいめい一本ずつ材木を取ってきて、わたしたちの住む場所を造らせてください」。エリシャは言った、「行きなさ い」。

6:3 時にそのひとりが、「どうぞあなたも、しもべらと一緒に行ってください」と言ったので、エリシャは「行きましょう」と答えた。

6:4 そしてエリシャは彼らと一緒に行った。彼らはヨルダンへ行って木を切り倒したが、

6:5 ひとりが材木を切り倒しているとき、おのの頭が水の中に落ちたので、彼は叫んで言った。「ああ、わが主よ。これは借りたものです」。

6:6 神の人は言った、「それはどこに落ちたのか」。彼がその場所を知らせると、エリシャは一本の枝を切り落し、そこに投げ入れて、そのおのの頭を浮ばせ、

6:7 「それを取りあげよ」と言ったので、その人は手を伸べてそれを取った。


文語訳1917

6:1 茲に預言者の徒エリシヤに言けるは視よ我儕が汝とともに住ふ所はわれらのために隘し
6:2 請ふ我儕をしてヨルダンに往しめよ我儕おのおの彼處より一の材木を取て其處に我儕の住べき處を設けんエリシヤ往よと言ふ
6:3 時にその一人希はくは汝も僕等と共に往けと言ければエリシヤ答へて我ゆかんと言ふ
6:4 エリシヤかく彼等とともに往り彼等すなはちヨルダンにいたりて樹を?りたふしけるが
6:5 一人の材木を?りたふすに方りてその斧水におちいりしかば叫びて嗚呼主よ是は乞得たる者なりと言ふ
6:6 神の人其は何處におちいりしやと言ふにその處をしらせしかば則ち枝を切おとして其處に投いれてその斧を浮ましめ
6:7 汝これを取れと言ければその人手を伸てこれを取り


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

 

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(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

 

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(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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列王記 下 6:8−23  

アラムの別動隊を策略にかける

 

翻訳比較


聖書協会共同訳2018
列下 6:24 その後、アラムの王ベン・ハダドは全軍を召集して攻め上り、サマリアを包囲した。
列下 6:25 サマリアはひどい食糧不足となり、さらに包囲が続いたので、ろばの頭一つが銀八十シェケル、鳩の糞四分の一カブが銀五シェケルまでになった。
列下 6:26 あるとき、イスラエルの王が外壁の上を歩いていると、一人の女が彼に向かって叫んだ。「王様、お救いください。」
列下 6:27 すると王は言った。「主があなたを救わないのなら、どうして私が救えよう。麦打ち場の物でか、それとも搾り場の物でか。」
列下 6:28 王がさらに、「何があったのか」と尋ねると、彼女は答えた。「この女は私に、『あなたの子どもをよこしなさい。今日はその子を食べ、明日は私の 子どもを食べましょう』と言いました。
列下 6:29 それで、私たちは、私の子どもを煮て食べました。次の日、私が、『あなたの子どもをよこしなさい。その子を食べましょう』と言いますと、この女 は自分の子どもを隠してしまったのです。」
列下 6:30 王はその女の話を聞くや、自分の衣を引き裂いた。この時王は外壁の上を歩いていたので、民衆が見ると、肌着は粗布であった。
列下 6:31 王は言った。「シャファトの子エリシャの首が今日もつながっているなら、神が私を幾重にも罰してくださるように。」
列下 6:32 さて、エリシャは自分の家におり、長老たちも一緒にいた。王は自分のもとから人を差し向けたが、この使いの者が着く前に、エリシャは長老たちに 言った。「見なさい。あの人殺しの子が、私の首をはねるために人を差し向けました。いいですか、使いの者が来たら戸を閉め、戸のとこ ろで押しとどめなさい。すぐ後ろに、主君の足音がするではありませんか。」
列下 6:33 エリシャが彼らとまだ話しているその時、使いの者が下って来て言った。「この災いは主からのものだ。これ以上、主に何が期待できるというの か。」


聖書協会共同訳2018

◆アラムとの戦い
列下 6:8 アラムの王がイスラエルと戦っていたとき、王は家臣たちと相談して、「これこれの場所に陣を敷こう」と言った。
列下 6:9 だが、神の人はイスラエルの王に人を遣わして言った。「あの場所は通らないように注意しなさい。そこにはアラムが攻め下って来ますから。」
列下 6:10 イスラエルの王は、神の人が言った場所に人を遣わし、警告に従って、そこを警戒するようになった。それは一度や二度のことではなかった。
列下 6:11 このことによって、アラムの王の心は荒れ狂い、家臣を呼んで言った。「我々の中の誰がイスラエルの王と通じているのか。私に言えないのか。」
列下 6:12 家臣の一人が答えた。「いいえ、王様。イスラエルにいる預言者エリシャが、寝室でお話しになることさえイスラエルの王に知らせているのです。」
列下 6:13 するとアラムの王は、「彼がどこにいるのか、捜して来い。人をやって捕まえてやる」と言った。やがて彼のもとに、「彼はドタンにいる」との知ら せが届いたので、
列下 6:14 王は、馬と戦車、および大軍をそこに差し向けた。彼らは夜のうちに到着し、その町を包囲した。
列下 6:15 神の人の召し使いが、朝早く起きて外に出てみると、軍隊が馬と戦車で町を包囲していた。従者が、「ああ、ご主人様、どうしたらよいでしょう」と 言うと、
列下 6:16 エリシャは、「恐れることはない。私たちと共にいる者のほうが、彼らと共にいる者より多いのだ」と答えた。
列下 6:17 エリシャが祈って、「主よ、どうかこの男の目を開き、見えるようにしてください」と言うと、主はこの従者の目を開かれた。そこで彼が見てみる と、山はエリシャを取り囲む火の馬と戦車で満ちていた。
列下 6:18 アラム人が攻め下って来ると、エリシャは主に祈って、「どうか目をくらますことによって、この異国の民を打ち倒してください」と言った。主はエ リシャの言葉どおり、目をくらますことによって、彼らを打ち倒された。
列下 6:19 エリシャは彼らに、「こちらは、あなたがたの行くべき道ではない。あちらは、あなたがたの目指す町ではない。私の後に付いて来なさい。あなたが たが捜している人のもとへ連れて行ってあげよう」と言って、彼らをサマリアへ連れて行った。
列下 6:20 アラム人がサマリアに着いたとき、エリシャが、「主よ、この者たちの目を開き、見えるようにしてください」と言うと、主は彼らの目を開かれた。 そこで彼らが見ると、サマリアの真ん中にいるのであった。
列下 6:21 イスラエルの王は彼らを見て、エリシャに、「わが父よ、打ち殺しましょうか。打ち殺しましょう」と言ったが、
列下 6:22 「打ち殺してはならない。あなたは剣や弓で捕らえた者を打ち殺すのか。彼らにパンと水をやりなさい。そうすれば、彼らは食べて飲み、主君のもと へ帰るだろう」とエリシャは答えた。
列下 6:23 王が盛大な宴会を催したので、彼らは食べて飲んだ。王は彼らを主君のもとへと送り返した。アラムの部隊がイスラエルの地に来ることは二度とな かった。


フランシスコ会訳2013

008
アラムの王がイスラエルと戦っていた時のことである。王は家来たちと相談し、「わたしはこれこれの所に陣を 敷こう」と言った。

009しかし、神の人はイスラエルの 王に人を遣わして言った、「あの場所は通らないように注意しなさい。アラム軍がそこに下って来る」。

010イスラエルの王は、神の人に言 われた場所に人を遣わして警戒した。神の人が王に警告すると、王はそこを注意した。それは一度や二度のことではなかった。

011アラム王の心はこのことによっ て大層苛立ち、彼の家来たちを呼び集めて言った、「言え。われわれの中の誰がイスラエルの王と通じているのか」。

012家来の一人が言った、「誰も通 じてはいません、わが主君である王さま。イスラエルの預言者エリシャが、あなたが寝室で語られるその言葉まで、イスラエルの王に知ら せているのです」。

013アラムの王は言った、「行っ て、彼がどこにいるか捜してこい。人を遣って彼を捕らえよう」。エリシャがドタンにいるという知らせがあったので、

014王は馬と戦車と大軍をそこに差 し向けた。彼らは夜中に到着し、その町を包囲した。

015神の人の召使が朝早く起きて外 に出ると、何と馬や戦車を持った軍隊が町を包囲していた。「ああ、ご主人さま、どうしたらよいのでしょう」と従者は尋ねた。

016エリシャは答えた、「恐れては ならない。われわれに味方する者のほうが、彼らに味方する者より多いのだから」。

017そしてエリシャは、「主よ、彼 の目を開いて、見えるようにしてください」と祈った。主は従者の目を開かれ、彼は火の馬と戦車がエリシャを取り巻いて、山に満ちてい るのを見た。

018アラム軍が攻めてきたので、エ リシャは主に祈って言った、「どうかこの異邦の民を、目の眩むような光で打ってください」。主はエリシャの言葉どおり、目の眩むよう な光で彼らを打たれた。

019エリシャは彼らに、「これはあ なたたちの行く道ではないし、これはあなたたちの目指す町ではない。ついて来なさい。あなたたちが捜している人の所へ連れていってあ げよう」と言って、彼らをサマリアに連れていった。

020彼らがサマリアに入ると、エリ シャは言った、「主よ、彼らの目を開いて見えるようにしてください」。主が彼らの目を開かれて彼らが見ると、何と彼らはサマリアのた だ中にいた。

021イスラエルの王は彼らを見て、 エリシャに言った、「わが父よ、わたしが彼らを討ちましょうか、討ちましょうか」。

022エリシャは答えた、「討っては ならない。あなたは捕虜を剣と弓で討つのか。彼らに食物と水を与えて飲み食いさせ、彼らの主人のもとへ帰らせなさい」。

023王は彼らのために盛大な宴を設 け、飲み食いさせて彼らを去らせた。彼らは自分たちの主人のもとへ帰った。アラムの略奪隊は、二度とイスラエルの地に来なかった。


 

新共同訳1987

6:8 アラムの王がイスラエルと戦っていたときのことである。王は家臣を集めて協議し、「これこれのところに陣を張ろう」と言った。

6:9 しかし、神の人はイスラエルの王のもとに人を遣わし、「その場所を通らないように注意せよ。アラム軍がそこに下って来ている」と言わせた。

6:10 イスラエルの王は神の人が知らせたところに人を送った。エリシャが警告したので、王はそこを警戒するようになった。これは一度や二度のことではなかった。

6:11 アラムの王の心はこの事によって荒れ狂い、家臣たちを呼んで、「我々の中のだれがイスラエルの王と通じているのか、わたしに告げなさい」と言った。

6:12 家臣の一人が答えた。「だれも通じていません。わが主君、王よ、イスラエルには預言者エリシャがいて、あなたが寝室で話す言葉までイスラエルの王に知らせ ているのです。」

6:13 アラムの王は言った。「行って、彼がどこにいるのか、見て来るのだ。わたしは彼を捕らえに人を送る。」こうして王に、「彼はドタンにいる」という知らせが もたらされた。

6:14 王は、軍馬、戦車、それに大軍をそこに差し向けた。彼らは夜中に到着し、その町を包囲した。

6:15 神の人の召し使いが朝早く起きて外に出てみると、軍馬や戦車を持った軍隊が町を包囲していた。従者は言った。「ああ、御主人よ、どうすればいいのです か。」

6:16 するとエリシャは、「恐れてはならない。わたしたちと共にいる者の方が、彼らと共にいる者より多い」と言って、

6:17 主に祈り、「主よ、彼の目を開いて見えるようにしてください」と願った。主が従者の目を開かれたので、彼は火の馬と戦車がエリシャを囲んで山に満ちている のを見た。

6:18 アラム軍が攻め下って来たので、エリシャが主に祈って、「この異邦の民を打って目をくらましてください」と言うと、主はエリシャの言葉どおり彼らを打って 目をくらまされた。

6:19 エリシャは彼らに、「これはあなたたちの行く道ではない。これはあなたたちの求める町ではない。わたしについて来なさい。あなたたちの捜している人のとこ ろへわたしが連れて行ってあげよう」と言って、彼らをサマリアに連れて行った。

6:20 彼らがサマリアに着くと、エリシャは、「主よ、彼らの目を開いて見えるようにしてください」と言った。主が彼らの目を開かれ、彼らは見えるようになった が、見たのは自分たちがサマリアの真ん中にいるということであった。

6:21 イスラエルの王は彼らを見て、エリシャに、「わたしの父よ、わたしが打ち殺しましょうか、打ち殺しましょうか」と言ったが、

6:22 エリシャは答えた。「打ち殺してはならない。あなたは捕虜とした者を剣と弓で打ち殺すのか。彼らにパンと水を与えて食事をさせ、彼らの主君のもとに行かせ なさい。」

6:23 そこで王は彼らのために大宴会を催した。彼らは食べて飲んだ後、自分たちの主君のもとに帰って行った。アラムの部隊は二度とイスラエルの地に来なかった。

 

新改訳1970

6:8 アラムの王がイスラエルと戦っているとき、王は家来たちと相談して言った。「これこれの所に陣を敷こう。」

6:9 そのとき、神の人はイスラエルの王のもとに人をやって言った。「あの場所を通らないように注意しなさい。あそこにはアラムが下って来ますから。」

6:10 そこで、イスラエルの王は神の人が告げたその場所に人をやった。彼が王に警告すると、王はそこを警戒した。このようなことは一度や二度ではなかった。

6:11 このことで、アラムの王の心は怒りに燃え、家来たちを呼んで言った。「われわれのうち、だれが、イスラエルの王と通じているのか、あなたがたは私に告げな いのか。」

6:12 すると家来のひとりが言った。「いいえ、王さま。イスラエルにいる預言者エリシャが、あなたが寝室の中で語られることばまでもイスラエルの王に告げている のです。」

6:13 王は言った。「行って、彼がどこにいるかを突き止めなさい。人をやって、彼をつかまえよう。」そのうちに、「今、彼はドタンにいる。」という知らせが王に もたらされた。

6:14 そこで王は馬と戦車と大軍とをそこに送った。彼らは夜のうちに来て、その町を包囲した。

6:15 神の人の召使が、朝早く起きて、外に出ると、なんと、馬と戦車の軍隊がその町を包囲していた。若い者がエリシャに、「ああ、ご主人さま。どうしたらよいの でしょう。」と言った。

6:16 すると彼は、「恐れるな。私たちとともにいる者は、彼らとともにいる者よりも多いのだから。」と言った。

6:17 そして、エリシャは祈って主に願った。「どうぞ、彼の目を開いて、見えるようにしてください。」主がその若い者の目を開かれたので、彼が見ると、なんと、 火の馬と戦車がエリシャを取り巻いて山に満ちていた。

6:18 アラムがエリシャに向かって下って来たとき、彼は主に祈って言った。「どうぞ、この民を打って、盲目にしてください。」そこで主はエリシャのことばのとお り、彼らを打って、盲目にされた。

6:19 エリシャは彼らに言った。「こちらの道でもない。あちらの町でもない。私について来なさい。あなたがたの捜している人のところへ連れて行ってやろう。」こ うして、彼らをサマリヤへ連れて行った。

6:20 彼らがサマリヤに着くと、エリシャは言った。「主よ。この者たちの目を開いて、見えるようにしてください。」主が彼らの目を開かれたので、彼らが見ると、 なんと、彼らはサマリヤの真中に来ていた。

6:21 イスラエルの王は彼らを見て、エリシャに言った。「私が打ちましょうか。私が打ちましょうか。わが父よ。」

6:22 エリシャは言った。「打ってはなりません。あなたは自分の剣と弓でとりこにした者を打ち殺しますか。彼らにパンと水をあてがい、飲み食いさせて、彼らの主 君のもとに行かせなさい。」

6:23 そこで、王は彼らのために盛大なもてなしをして、彼らに飲み食いをさせて後、彼らを帰した。こうして彼らは自分たちの主君のもとに戻って行った。それから はアラムの略奪隊は、二度とイスラエルの地に侵入して来なかった。

 

口語訳1955

6:8 かつてスリヤの王がイスラエルと戦っていたとき、家来たちと評議して「しかじかの所にわたしの陣を張ろう」と言うと、

6:9 神の人はイスラエルの王に「あなたは用心して、この所をとおってはなりません。スリヤびとがそこに下ってきますから」と言い送った。

6:10 それでイスラエルの王は神の人が自分に告げてくれた所に人をつかわし、警戒したので、その所でみずからを防ぎえたことは一、二回にとどまらなかった。

6:11 スリヤの王はこの事のために心を悩まし、家来たちを召して言った、「われわれのうち、だれがイスラエルの王と通じているのか、わたしに告げる者はない か」。

6:12 ひとりの家来が言った、「王、わが主よ、だれも通じている者はいません。ただイスラエルの預言者エリシャが、あなたが寝室で語られる言葉でもイスラエルの 王に告げるのです」。

6:13 王は言った、「彼がどこにいるか行って捜しなさい。わたしは人をやって彼を捕えよう」。時に「彼はドタンにいる」と王に告げる者があったので、

6:14 王はそこに馬と戦車および大軍をつかわした。彼らは夜のうちに来て、その町を囲んだ。

6:15 神の人の召使が朝早く起きて出て見ると、軍勢が馬と戦車をもって町を囲んでいたので、その若者はエリシャに言った、「ああ、わが主よ、わたしたちはどうし ましょうか」。

6:16 エリシャは言った、「恐れることはない。われわれと共にいる者は彼らと共にいる者よりも多いのだから」。

6:17 そしてエリシャが祈って「主よ、どうぞ、彼の目を開いて見させてください」と言うと、主はその若者の目を開かれたので、彼が見ると、火の馬と火の戦車が山 に満ちてエリシャのまわりにあった。

6:18 スリヤびとがエリシャの所に下ってきた時、エリシャは主に祈って言った、「どうぞ、この人々の目をくらましてください」。するとエリシャの言葉のとおりに 彼らの目をくらまされた。

6:19 そこでエリシャは彼らに「これはその道ではない。これはその町でもない。わたしについてきなさい。わたしはあなたがたを、あなたがたの尋ねる人の所へ連れ て行きましょう」と言って、彼らをサマリヤへ連れて行った。

6:20 彼らがサマリヤにはいったとき、エリシャは言った、「主よ、この人々の目を開いて見させてください」。主は彼らの目を開かれたので、彼らが見ると、見よ、 彼らはサマリヤのうちに来ていた。

6:21 イスラエルの王は彼らを見て、エリシャに言った、「わが父よ、彼らを撃ち殺しましょうか。彼らを撃ち殺しましょうか」。

6:22 エリシャは答えた、「撃ち殺してはならない。あなたはつるぎと弓をもって、捕虜にした者どもを撃ち殺すでしょうか。パンと水を彼らの前に供えて食い飲みさ せ、その主君のもとへ行かせなさい」。

6:23 そこで王は彼らのために盛んなふるまいを設けた。彼らが食い飲みを終ると彼らを去らせたので、その主君の所へ帰った。スリヤの略奪隊は再びイスラエルの地 にこなかった。

 


文 語訳1917
6:8 茲にスリアの王イスラエルと戰ひをりその臣僕と評議して斯々の處に我陣を張んと言たれば
6:9 神の人イスラエルの王に言おくりけるは汝愼んで某の處を過るなかれ其はスリア人其處に下ればなりと
6:10 イスラエルの王是において神の人が己に告げ己にヘたる處に人を遣して其處に自防しこと一二回に止まらざりき
6:11 是をもてスリアの王是事のために心をなやましその臣僕を召て我儕の中誰がイスラエルの王と通じをるかを我に告ざるやと言ふに
6:12 その臣僕の一人言ふ王わが主よ然るにあらず但イスラエルの預言者エリシヤ汝が寝室にて語る所の言語をもイスラエルの王に告るなり
6:13 王いひけるは往て彼が安に居かを見よ我人をやりてこれを執へんと茲に彼はドタンに居ると王に告ていふ者ありければ
6:14 王そこに馬と車および大軍をつかはせり彼等すなはち夜の中に來りてその邑を取かこみけるが
6:15 神の人の從屬夙に興て出て見に軍勢馬と車をもて邑を取かこみ居ればその少者エリシヤに言けるは嗚呼わが主よ我儕如何にすべきや
6:16 エリシヤ答へけるは懼るなかれ我儕とともにある者は彼等とともにある者よりも多しと
6:17 ヱリシヤ祈りて願くはヱホバかれの目を開きて見させたまへと言ければヱホバその少者の眼を開きたまへり彼すなはち見るに火の馬と火の車山に盈てエリシヤの 四面に在り
6:18 スリア人エリシヤの所に下りいたれる時エリシヤ、ヱホバに祈りて言ふ願くは此人々をして目昏しめたまへと即ちエリシヤの言のごとくにその目を昏しめたまへ り
6:19 是においてエリシヤ彼らに言けるは是はその途にあらず是はその城にもあらず我に從ひて來れ我汝らを汝らが尋ぬる人の所に携ゆかんとて彼等をサマリヤにひき 至れり
6:20 彼等がサマリヤに至りし時エリシヤ言けるはヱホバよ此人々の目をひらきて見させたまへと即ちヱホバかれらの目を開きたまひたれば彼等見るにその身はサマリ ヤの中にあり
6:21 イスラエルの王かれらを見てエリシヤに言けるはわが父よ我撃殺すべきや撃殺すべきや
6:22 エリシヤ答けるは撃殺すべからず汝劍と弓をもて?にせる者等を撃殺すことを爲んやパンと水と彼らの前にそなへて食飮せしめてその主君に往しむべきなり
6:23 王すなはちかれらの爲に大なる饗宴をまうけ其食飮ををはるに及びてこれを去しめたればすなはち其主君に歸れり是をもてスリアの兵ふたたびイスラエルの地に 入ざりき


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳 ロマ 8:31

8:31 それでは、これらの事 について、なんと言おうか。もし、神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか。

 

口 語訳 ロマ 12:20

12:20 むしろ、「もしあなたの敵が飢えるなら、彼に食わせ、かわくなら、彼に飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃えさ かる炭火を積むことになるのである」。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口 語訳 ロマ 8:31

8:31 それでは、これらの事 について、なんと言おうか。もし、神がわたしたちの味方であるなら、だれがわたしたちに敵し得ようか。

 

口 語訳 ルカ 24:31

24:31 彼らの目が開けて、それがイエスであることがわかった。すると、み姿が見えなくなった。

 

口 語訳 使  13:11

13:11 見よ、主のみ手がおまえの上に及んでいる。おまえは盲目になって、当分、日の光が見えなくなるのだ」。たちまち、かすみとやみとが彼 にかかったため、彼は手さぐりしながら、手を引いてくれる人を捜しまわった。

 

口 語訳 ロマ 12:20

12:20 むしろ、「もしあなたの敵が飢えるなら、彼に食わせ、かわくなら、彼に飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃えさ かる炭火を積むことになるのである」。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

新共同 ロマ 8:31

8:31 では、これらのことについて何と言ったらよいだろうか。もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。

 

新共同 ロマ 12:20

12:20 「あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。」

 

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列王記 下 6:24−7:2 

アラム人、再度サマリアを包囲する

 

翻訳比較


聖書協会共同訳2018
列下 6:24 その後、アラムの王ベン・ハダドは全軍を召集して攻め上り、サマリアを包囲した。
列下 6:25 サマリアはひどい食糧不足となり、さらに包囲が続いたので、ろばの頭一つが銀八十シェケル、鳩の糞四分の一カブが銀五シェケルまでになった。
列下 6:26 あるとき、イスラエルの王が外壁の上を歩いていると、一人の女が彼に向かって叫んだ。「王様、お救いください。」
列下 6:27 すると王は言った。「主があなたを救わないのなら、どうして私が救えよう。麦打ち場の物でか、それとも搾り場の物でか。」
列下 6:28 王がさらに、「何があったのか」と尋ねると、彼女は答えた。「この女は私に、『あなたの子どもをよこしなさい。今日はその子を食べ、明日は私の 子どもを食べましょう』と言いました。
列下 6:29 それで、私たちは、私の子どもを煮て食べました。次の日、私が、『あなたの子どもをよこしなさい。その子を食べましょう』と言いますと、この女 は自分の子どもを隠してしまったのです。」
列下 6:30 王はその女の話を聞くや、自分の衣を引き裂いた。この時王は外壁の上を歩いていたので、民衆が見ると、肌着は粗布であった。
列下 6:31 王は言った。「シャファトの子エリシャの首が今日もつながっているなら、神が私を幾重にも罰してくださるように。」
列下 6:32 さて、エリシャは自分の家におり、長老たちも一緒にいた。王は自分のもとから人を差し向けたが、この使いの者が着く前に、エリシャは長老たちに 言った。「見なさい。あの人殺しの子が、私の首をはねるために人を差し向けました。いいですか、使いの者が来たら戸を閉め、戸のとこ ろで押しとどめなさい。すぐ後ろに、主君の足音がするではありませんか。」
列下 6:33 エリシャが彼らとまだ話しているその時、使いの者が下って来て言った。「この災いは主からのものだ。これ以上、主に何が期待できるというの か。」
7章

列下 7:1 エリシャは言った。「主の言葉を聞きなさい。主はこう言われる。『明日の今頃、サマリアの門では、上質の小麦粉一セアが一シェケル、大麦二セアが 一シェケルとなる。』」
列下 7:2 王の介添えをしていた侍従が神の人に、「主が天に窓を造られたとしても、そんなことはありえない」と答えると、「あなたは自分の目でそれを見るこ とになる。だが、それを食べることはない」とエリシャは言った。


フランシスコ会訳2013

024
その後、アラムの王ベン・ハダドは全軍を召集し、攻め上って来てサマリアを包囲した。

025包囲が続いたので、サマリアは ひどい飢饉に陥り、ろばの頭一つが銀八十シェケル、鳩の糞四分の一カブが五シェケルで売られるまでになった。

026イスラエルの王が城壁の上を歩 いていると、一人の女が彼に向かって、「わがあるじ、王さま、お助けください」と叫んだ。

027王は答えた、「主が助けてくだ さらなければ、わたしはお前のためにどこから助けを得られよう。麦打ち場からか、それとも酒ぶねからか」。

028王はさらに、「どうしたのか」 と尋ねると、その女は答えた、「この女がわたしに、『あなたの息子をよこしなさい。今日その子を食べ、明日はわたしの息子を食べま しょう』と言いました。

029わたしたちは、わたしの子を煮 て食べました。次の日、この女に『あなたの息子をよこしなさい。その子を食べましょう』と言いますと、この女は息子を隠してしまいま した」。

030王はこの女の話を聞くと自分の 衣を裂いた。王は城壁の上を歩いていたので、人々には王が肌着に粗布を着ているのが見えた。

031王は言った、「シャファトの子 エリシャの首が、今日、彼の上についているなら、神がわたしにそれ相応の罰、否、それ以上の罰を下されるように」。

032エリシャは自分の家で座ってお り、長老たちも一緒に座っていた。王は自分のもとから人を差し向けた。王の使者が着く前に、エリシャは長老たちに言った、「分かりま すか。あの人殺しがわたしの首を刎ねるために人をよこしました。気をつけなさい。使者が来たら戸を閉めて、入れないように押さえてい なさい。使者の主人の足音が使者の後ろに聞こえるではないですか」。

033エリシャがまだ彼らと話してい るうちに、王が彼のもとに来て言った、「見よ、この災いは主からのものだ。これ以上、主に何を期待できるのか」。

7章
001エリシャは答えた、「主の言葉を聞きなさい。主はこう仰せになる、『明日の今ごろ、サマリアの城門で、上質の小麦粉一セアが一 シェケルで、大麦二セアが一シェケルで売られる』」。
002王の介添えをしていた士官が、神の人に答えて言った、「主が天に窓を造られたとしても、そんなことは起こるまい」。エリシャは 言った、「見よ、あなたは自分の目でそれを見る。しかし、それを食べることはない」。


 

新共同訳1987

6:24 その後、アラムの王ベン・ハダドは全軍を召集し、攻め上って来て、サマリアを包囲した。

6:25 サマリアは大飢饉に見舞われていたが、それに包囲が加わって、ろばの頭一つが銀八十シェケル、鳩の糞四分の一カブが五シェケルで売られるようになった。

6:26 イスラエルの王が城壁の上を通って行くと、一人の女が彼に向かって叫んだ。「わが主君、王よ、救ってください。」

6:27 王は言った。「主が救ってくださらなければ、どのようにしてわたしがあなたを救えよう。麦打ち場にあるものによってか、それとも酒ぶねにあるものによって か。」

6:28 王は更に、「何があったのか」と尋ねると、彼女は言った。「この女がわたしに、『あなたの子供をください。今日その子を食べ、明日はわたしの子供を食べま しょう』と言うので、

6:29 わたしたちはわたしの子供を煮て食べました。しかしその翌日、わたしがこの女に、『あなたの子供をください。その子を食べましょう』と言いますと、この女 は自分の子供を隠してしまったのです。」

6:30 王はこの女の話を聞いて、衣を裂いた。王は城壁の上を通っていたので、それが民に見えた。王の肌着は粗布であった。

6:31 王は言った。「シャファトの子エリシャの首が今日も彼についているなら、神が幾重にもわたしを罰してくださるように。」

6:32 エリシャは自分の家に座り、長老たちも一緒に座っていた。王は彼に向けて人を遣わしたが、この使者が着く前に、彼は長老たちに言った。「分かりますか。あ の人殺しはわたしの首をはねるために人を遣わしました。見よ、使者が来たら、戸を閉じ、戸のところでその人を押し返してください。そ の後に、彼の主君の足音が聞こえるではありませんか。」

6:33 エリシャがまだ彼らと話しているうちに、使者が彼のところに下って来て言った。「この不幸は主によって引き起こされた。もはや主に何を期待できるのか。」

7:1 エリシャは言った。「主の言葉を聞きなさい。主はこう言われる。『明日の今ごろ、サマリアの城門で上等の小麦粉一セアが一シェケル、大麦二セアが一シェケ ルで売られる。』」

7:2 王の介添えをしていた侍従は神の人に答えた。「主が天に窓を造られたとしても、そんなことはなかろう。」エリシャは言った。「あなたは自分の目でそれを見 る。だが、それを食べることはない。」

 

新改訳1970

6:24 この後、アラムの王ベン・ハダデは全軍を召集し、サマリヤに上って来て、これを包囲した。

6:25 そのころ、サマリヤには、ひどいききんがあった。そのうえ、彼らが包囲していたので、ろばの頭一つが銀八十シェケルで売られ、鳩の糞一カブの四分の一が銀 五シェケルで売られるようになった。

6:26 イスラエルの王が城壁の上を通りかかると、ひとりの女が彼に叫んで言った。「王さま。お救いください。」

6:27 王は言った。「主があなたを救われないのなら、どのようにして、私があなたを救うことができようか。打ち場の物をもってか。それとも、酒ぶねの物をもって か。」

6:28 それから王は彼女に尋ねた。「いったい、どうしたというのか。」彼女は答えた。「この女が私に『あなたの子どもをよこしなさい。私たちはきょう、それを食 べて、あすは私の子どもを食べましょう。』と言ったのです。

6:29 それで、私たちは、私の子どもを煮て、食べました。その翌日、私は彼女に『さあ、あなたの子どもをよこしなさい。私たちはそれを食べましょう。』と言った のですが、彼女は自分の子どもを隠してしまったのです。」

6:30 王はこの女の言うことを聞くと、自分の服を引き裂いた。彼は城壁の上を通っていたので、民が見ると、なんと、王は服の下に荒布を着ていた。

6:31 彼は言った。「きょう、シャファテの子エリシャの首が彼の上についていれば、神がこの私を幾重にも罰せられますように。」

6:32 エリシャは自分の家にすわっており、長老たちも彼といっしょにすわっていた。王はひとりの者を自分のもとから遣わした。しかし、その使者がエリシャのとこ ろに着く前に、エリシャは長老たちに言った。「あの人殺しが、私の首をはねに人を遣わしたのをご存じですか。気をつけなさい。使者が 来たら、戸をしめ、戸を押してもはいれないようにしなさい。そのうしろに、彼の主君の足音がするではありませんか。」

6:33 彼がまだ彼らと話しているうちに、使者が彼のところに下って来て言った。「見よ。これは、主からのわざわいだ。これ以上、何を私は主に期待しなければなら ないのか。」

7:1 エリシャは言った。「主のことばを聞きなさい。主はこう仰せられる。『あすの今ごろ、サマリヤの門で、上等の小麦粉一セアが一シェケルで、大麦二セアが一 シェケルで売られるようになる。』」

7:2 しかし、侍従で、王がその腕に寄りかかっていた者が、神の人に答えて言った。「たとい、主が天に窓を作られるにしても、そんなことがあるだろうか。」そこ で、彼は言った。「確かに、あなたは自分の目でそれを見るが、それを食べることはできない。」

 

口語訳1955

6:24 この後スリヤの王ベネハダデはその全軍を集め、上ってきてサマリヤを攻め囲んだので、

6:25 サマリヤに激しいききんが起った。すなわち彼らがこれを攻め囲んだので、ついに、ろばの頭一つが銀八十シケルで売られ、はとのふん一カブの四分の一が銀五 シケルで売られるようになった。

6:26 イスラエルの王が城壁の上をとおっていた時、ひとりの女が彼に呼ばわって、「わが主、王よ、助けてください」と言ったので、

6:27 彼は言った、「もし主があなたを助けられないならば、何をもってわたしがあなたを助けることができよう。打ち場の物をもってか、酒ぶねの物をもってか」。

6:28 そして王は女に尋ねた、「何事なのですか」。彼女は答えた、「この女はわたしにむかって『あなたの子をください。わたしたちは、きょうそれを食べ、あす、 わたしの子を食べましょう』と言いました。

6:29 それでわたしたちは、まずわたしの子を煮て食べましたが、次の日わたしが彼女にむかって『あなたの子をください。わたしたちはそれを食べましょう』と言い ますと、彼女はその子を隠しました」。

6:30 王はその女の言葉を聞いて、衣を裂き、――王は城壁の上をとおっていたが、民が見ると、その身に荒布を着けていた――

6:31 そして王は言った「きょう、シャパテの子エリシャの首がその肩の上にすわっているならば、神がどんなにでもわたしを罰してくださるように」。

6:32 さてエリシャはその家に座していたが、長老たちもきて彼と共に座した。王は自分の所から人をつかわしたが、エリシャはその使者がまだ着かないうちに長老た ちに言った、「あなたがたは、この人を殺す者がわたしの首を取るために、人をつかわすのを見ますか。その使者がきたならば、戸を閉じ て、内に入れてはなりません。彼のうしろに、その主君の足音がするではありませんか」。

6:33 彼がなお彼らと語っているうちに、王は彼のもとに下ってきて言った、「この災は主から出たのです。わたしはどうしてこの上、主を待たなければならないで しょうか」。

7:1 エリシャは言った、「主の言葉を聞きなさい。主はこう仰せられる、『あすの今ごろサマリヤの門で、麦粉一セアを一シケルで売り、大麦二セアを一シケルで売 るようになるであろう』」。

7:2 時にひとりの副官すなわち王がその人の手によりかかっていた者が神の人に答えて言った、「たとい主が天に窓を開かれても、そんな事がありえましょうか」。 エリシャは言った、「あなたは自分の目をもってそれを見るであろう。しかしそれを食べることはなかろう」。

 


文 語訳1917
6:24 此後スリアの王ベネハダデその全軍を集めて上りきたりてサマリヤを攻圍みければ
6:25 サマリヤ大に糧食に乏しくなれり即ちかれら之を攻かこみたれば遂に驢馬の頭一箇は銀八十枚にいたり鳩の糞一カブの四分の一は銀五枚にいたる
6:26 茲にイスラエルの王石垣の上を通りをる時一人の婦人かれに呼はりて我主王よ助けたまへと言ければ
6:27 彼言ふヱホバもし汝を助けたまはずば我何をもてか汝を助くることを得ん禾場の物をもてせんか酒?の中の物をもてせんか
6:28 王すなはち婦に何事なるやと言ば答へて言ふ此婦人我にむかひ汝の子を與へよ我儕今日これを食ひて明日わが子を食ふべしと言り
6:29 斯われら吾子を煮てこれを食ひけるが我次の日にいたりて彼にむかひ汝の子を與へよ我儕これを食はんと言しに彼その子を隱したり
6:30 王その婦人の言を聞て衣を裂き而して石垣の上を通りをりしが民これを見るにその膚に麻布を著居たり
6:31 王言けるは今日シヤパテの子エリシヤの首その身の上にすわりをらば神われに斯なしまた重ねてかく成たまへ
6:32 時にエリシヤはその家に坐しをり長老等これと共に坐し居る王すなはち己の所より人を遣しけるがエリシヤはその使者の未だ己にいたらざる前に長老等に言ふ汝 等この人を殺す者の子が我の首をとらんとて人を遣はすを見るや汝等觀てその使者至らば戸を閉てこれを戸の内にいるるなかれ彼の主君の 足音その後にするにあらずやと
6:33 斯彼等と語をる間にその使者かれの許に來りしが王もつづいて來り言けるは此災はヱホバより出たるなり我なんぞ此上ヱホバを待べけんや

7:1 エリシヤ言けるは汝らヱホバの言を聽けヱホバかく言たまふ明日の今頃サマリヤの門にて麥粉一セアを一シケルに賣り大麥二セアを一シケ ルに賣にいたらん
7:2 時に一人の大將すなはち王のその手に依る者神の人に答へて言けるは由やヱホバ天に窓をひらきたまふも此事あるべけんやエリシヤいひけるは汝は汝の目をもて 之を見ん然どこれを食ふことはあらじ


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

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(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳 ルカ 13:32

13:32 そこで彼らに言われた、「あのきつねのところへ行ってこう言え、『見よ、わたしはきょうもあすも悪霊を追い出し、また、病気をいや し、そして三日目にわざを終えるであろう。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

 

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(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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