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サムエル記下 1:1−27  

シロにおけるエルカナとその家族

 

翻訳比較



聖書協会共同 訳2018
◆サウルの死とダビデの哀歌
サム下 1:1 サウルが死んだ後のことである。ダビデはアマレク人を討ってツィクラグに帰り、二日を過ごした。
サム下 1:2 三日目になって、サウルの陣営から一人の男がたどりついた。衣服は裂け、頭には土埃をかぶり、ダビデの前に出ると、地に伏して彼を拝した。
サム下 1:3 ダビデは尋ねた。「どこから来たのか。」彼は答えた。「イスラエルの陣営から逃れて参りました。」
サム下 1:4 ダビデは彼に言った。「状況はどうなっているのか。話してくれ。」彼は言った。「兵は戦場から逃げ去り、多くの者が倒れて死にました。サウル王も その子ヨナタンも亡くなられました。」
サム下 1:5 ダビデは知らせをもたらしたこの若者に尋ねた。「サウル王とその子ヨナタンが死んだのをどうして知っているのか。」
サム下 1:6 知らせをもたらしたこの若者は答えた。「私はたまたまギルボア山におりました。その時、サウル王は槍にもたれかかっておりましたが、戦車と騎兵が 王に迫っていました。
サム下 1:7 王は振り返って私を御覧になり、お呼びになりました。『はい』とお答えすると、
サム下 1:8 『お前は誰か』とお尋ねになり、『アマレク人です』とお答えすると、
サム下 1:9 『そばに来て、とどめを刺してくれ。死にきれずに震えが止まらない』と言われました。
サム下 1:10 そこでおそばに行って、とどめを刺しました。すでに倒れており、もはや生き延びることはできないと分かったからです。頭にかぶっておられた王冠 と腕に付けておられた腕輪を取って、ご主人様に届けに参りました。これでございます。」
サム下 1:11 するとダビデは自分の衣を強くつかんで引き裂いた。共にいた者も皆それに倣った。
サム下 1:12 彼らは、剣に倒れたサウルとその子ヨナタン、そして主の民とイスラエルの家を悼んで泣き、夕暮れまで断食した。
サム下 1:13 ダビデは、知らせをもたらした若者に尋ねた。「お前はどこの出身か。」彼は答えた。「私は寄留者のアマレク人です。」
サム下 1:14 ダビデは彼に言った。「主が油を注がれた方を、恐れもせず手にかけ、殺害するとは何事か。」
サム下 1:15 ダビデは従者の一人を呼び、「ここに来て、この者を打て」と命じた。従者は彼を打ち殺した。
サム下 1:16 ダビデは言った。「お前の流した血はお前の頭に返る。お前自身の口が、『私は、主が油を注がれた方を殺した』と証言したのだから。」
サム下 1:17 ダビデは、サウルとその子ヨナタンのために次のような哀歌を詠み、
サム下 1:18 「弓」と題して、ユダの人々に教えるよう命じた。これは『ヤシャルの書』に記されている。
サム下 1:19 「イスラエルよ、かの麗しき者は/お前の高い丘の上で刺し殺された。/ああ、勇士らは倒れてしまった。
サム下 1:20 ガトに知らせるな。/アシュケロン一帯で公にするな。/さもないと、ペリシテ人の娘たちが喜び/割礼なき者の娘たちが勝ち誇るかもしれない。
サム下 1:21 ギルボアの山々よ、いけにえに飢えた大地よ/お前たちの上には露も降りるな、雨も降るな。/そこには勇士らの盾とサウルの盾が/油も塗られずに 打ち捨てられている。
サム下 1:22 刺し殺された者たちの血を吸うことなく /勇士らの脂をなめずには /ヨナタンの弓は元に戻ることはなく /サウルの剣が空しく納められること もなかった。
サム下 1:23 サウルとヨナタン、愛され喜ばれた二人。 /命ある時も、死に臨んでも離れることはなく /鷲よりも速く、獅子よりも強かった。
サム下 1:24 イスラエルの娘たちよ、サウルのために泣け。/お前たちに贅沢な深紅の衣をまとわせ /その衣の上に金の飾りを施してくれた。
サム下 1:25 ああ、勇士らは戦いのさなかに倒れた。/ヨナタンはあの高い丘の上で刺し殺された。
サム下 1:26 あなたを思って私は悲しむ。/兄弟ヨナタンよ、あなたはまことに私の喜び。 /あなたの愛は女の愛にもまさってすばらしかった。
サム下 1:27 ああ、勇士らは倒れた。/戦いの器はうせてしまった。」


フランシ スコ会訳2013
001
サウルの死後、ダビデはアマレク人を討って帰還 し、ツィクラグに二日間留まった。

002三日目に一人の男がサウルの陣営からやって来た が、その衣服は裂かれ、頭には土をかぶっていた。彼はダビデの所に来て、地面にひれ伏して拝した。

003ダビデが「どこから来たのか」と尋ねると、彼は 「イスラエルの陣営から逃れてきました」と答えた。

004ダビデは言った、「戦況はどうなのか。話してく れ」。彼は答えた、「兵士たちのある者は戦場から逃げ、また、多くの兵士が倒れて死にました。サウル王とご子息ヨナタンも討ち死 にされました」。

005ダビデは知らせをもたらした若者に尋ねた、「サウ ルとその息子ヨナタンの死をどうして知ったのか」。

006ダビデに知らせをもたらした若者は答えた、「わた しは、たまたまギルボア山にいました。見るとサウルは槍にもたれかかっており、戦車と騎兵がサウルに迫っていました。

007サウルは振り返ってわたしを見て、お呼びになりま した。わたしが『はい』と答えると、

008サウルは、『お前は誰か』とお尋ねになりました。 わたしが『アマレク人です』と答えますと、

009サウルはわたしに、『さあ、わたしのそばに立っ て、わたしを殺してくれ。ひどいけいれんが起きているのに、まだ死にきれない』と言われました。

010それでわたしはおそばに立って、あの方を殺しまし た。倒れてしまわれ、もはや助からないと分かったからです。わたしはその頭にあった王冠と腕にはめていた腕輪を取って、わたしの 主君に持って参りました。ここにございます」。

011するとダビデは、自分の衣服をつかんで裂いた。彼 とともにいたすべての者も同じようにした。

012彼らはサウルとその息子ヨナタンのため、また、主 の兵士、イスラエルの家のために、悼み悲しんで声をあげて泣き、夕暮れまで断食した。彼らが剣に倒れてしまったからである。

013さて、ダビデは知らせをもたらした若者に、「お前 はどこの者か」と尋ねた。彼は、「わたしはアマレク出身で、在留する他国の者の子です」と答えた。

014ダビデは彼に言った、「主の油注がれた者に恐れも なく手を下して殺すとは、いったいどういうことだ」。

015ダビデは従者の一人を呼んで命じた、「近寄ってこ の男を討て」。そこで従者は彼を打ち殺した。

016その時、ダビデは彼に言った、「お前の血はお前の 頭上に降りかかれ。お前の口が、『わたしは主の油注がれた者を殺しました』と不利な証言をしたからである」。

017ダビデは、サウルとその息子ヨナタンのために、こ の悲しみの歌を作った。

018ダビデは歌った。――見よ、ユダの人々に教 えるためのこの「弓」の歌は『ヤシャルの書』に記されて いる。――

019「ああイスラエル、お前の誉れは

お前の高い山で殺された。

ああ、勇士らは倒れた。

020このことをガトで語るな。

アシュケロンの巷で告げるな。

ペリシテ人の娘らを喜ばせないために、

割礼のない者の娘らを勝ち誇らせないために。

021ギルボアの山々よ、

お前の上に露は降りず、雨も降ることのないように。

豊かな野で覆われることもないように。

そこには勇士らの盾が、

もはや、油塗られることもないサウルの盾が

捨てられているからだ。

022殺された者の血にも、勇士らの脂にも、

ヨナタンの弓は怯むことなく、

サウルの剣は空を切ることはなかった。

023サウルもヨナタンも愛され慕われていた。

二人は生きていた時も死ぬ時も

離れることなく、

鷲よりも速く、

獅子よりも強い二人だった。

024イスラエルの娘らよ、サウルのために泣け。

彼はお前たちに真紅の薄絹をまとわせ、

衣の上に金の飾りをつけてくれた。

025ああ、勇士らは戦いのさなかに倒れた。

ヨナタンはお前の高い山で殺された。

026わたしの兄弟ヨナタンよ、

わたしはあなたのために悲しむ。

あなたはわたしにとって大きな喜びだった。

あなたの愛は、

女の愛にも勝って素晴らしかった。

027ああ、勇士らは倒れた。

戦いの器は失われた」。


 

新共同訳1987

1:1 サウルが死んだ後のことである。ダビデはアマレク人を討ってツィクラグに帰り、二日過ごした。

1:2 三日目に、サウルの陣営から一人の男がたどりついた。衣服は裂け、頭に土をかぶっていた。男はダビデの前に出ると、地にひれ伏して礼をした。

1:3 ダビデは尋ねた。「どこから来たのだ。」「イスラエルの陣営から逃れて参りました」と彼は答えた。

1:4 「状況はどうか。話してくれ」とダビデは彼に言った。彼は言った。「兵士は戦場から逃げ去り、多くの兵士が倒れて死にました。サウル王と王子のヨナタンも 亡くなられました。」

1:5 ダビデは知らせをもたらしたこの若者に尋ねた。「二人の死をどうして知ったのか。」

1:6 この若者は答えた。「わたしはたまたまギルボア山におりました。そのとき、サウル王は槍にもたれかかっておられましたが、戦車と騎兵が王に迫っていまし た。

1:7 王は振り返ってわたしを御覧になり、お呼びになりました。『はい』とお答えすると、

1:8 『お前は何者だ』とお尋ねになり、『アマレクの者です』とお答えすると、

1:9 『そばに来て、とどめを刺してくれ。痙攣が起こったが死にきれない』と言われました。

1:10 そこでおそばに行って、とどめを刺しました。倒れてしまわれ、もはや生き延びることはできまいと思ったからです。頭にかぶっておられた王冠と腕につけてお られた腕輪を取って、御主人様に持って参りました。これでございます。」

1:11 ダビデは自分の衣をつかんで引き裂いた。共にいた者は皆それに倣った。

1:12 彼らは、剣に倒れたサウルとその子ヨナタン、そして主の民とイスラエルの家を悼んで泣き、夕暮れまで断食した。

1:13 ダビデは、知らせをもたらした若者に尋ねた。「お前はどこの出身か。」「わたしは寄留のアマレク人の子です」と彼は答えた。

1:14 ダビデは彼に言った。「主が油を注がれた方を、恐れもせず手にかけ、殺害するとは何事か。」

1:15 ダビデは従者の一人を呼び、「近寄って、この者を討て」と命じた。従者は彼を打ち殺した。

1:16 ダビデは言った。「お前の流した血はお前の頭に返る。お前自身の口が、『わたしは主が油を注がれた方を殺した』と証言したのだから。」

◆哀悼の歌「弓」

1:17 ダビデはサウルとその子ヨナタンを悼む歌を詠み、

1:18 「弓」と題して、ユダの人々に教えるように命じた。この詩は『ヤシャルの書』に収められている。

1:19 イスラエルよ、「麗しき者」は/お前の高い丘の上で刺し殺された。ああ、勇士らは倒れた。

1:20 ガトに告げるな/アシュケロンの街々にこれを知らせるな/ペリシテの娘らが喜び祝い/割礼なき者の娘らが喜び勇むことのないように。

1:21 ギルボアの山々よ、いけにえを求めた野よ/お前たちの上には露も結ぶな、雨も降るな。勇士らの盾がそこに見捨てられ/サウルの盾が油も塗られずに見捨てら れている。

1:22 刺し殺した者たちの血/勇士らの脂をなめずには/ヨナタンの弓は決して退かず/サウルの剣がむなしく納められることもなかった。

1:23 サウルとヨナタン、愛され喜ばれた二人/鷲よりも速く、獅子よりも雄々しかった。命ある時も死に臨んでも/二人が離れることはなかった。

1:24 泣け、イスラエルの娘らよ、サウルのために。紅の衣をお前たちに着せ/お前たちの衣の上に/金の飾りをおいたサウルのために。

1:25 ああ、勇士らは戦いのさなかに倒れた。ヨナタンはイスラエルの高い丘で刺し殺された。

1:26 あなたを思ってわたしは悲しむ/兄弟ヨナタンよ、まことの喜び/女の愛にまさる驚くべきあなたの愛を。

1:27 ああ、勇士らは倒れた。戦いの器は失われた。

 

新改訳1970

1:1 サウルの死後、ダビデはアマレク人を打ち破って帰り、二日間、ツィケラグに滞在した。

1:2 三日目に、突然、ひとりの男がサウルの陣営からやって来た。その着物は裂け、頭には土をかぶっていた。彼は、ダビデのところに来ると、地にひれ伏して、礼 をした。

1:3 ダビデは言った。「どこから来たのか。」彼はダビデに言った。「イスラエルの陣営からのがれて来ました。」

1:4 ダビデは彼に言った。「状況はどうか、話してくれ。」すると彼は言った。「民は戦場から逃げ、また民の多くは倒れて死に、サウルも、その子ヨナタンも死に ました。」

1:5 ダビデは、その報告をもたらした若者に言った。「サウルとその子ヨナタンが死んだことを、どうして知ったのか。」

1:6 報告をもたらした若者は言った。「私は、たまたま、ギルボア山にいましたが、ちょうどその時、サウルは槍にもたれ、戦車と騎兵があの方に押し迫っていまし た。

1:7 サウルが振り返って、私を見て呼びました。私が『はい。』と答えると、

1:8 サウルは私に、『おまえはだれだ。』と言いましたので、『私はアマレク人です。』と答えますと、

1:9 サウルが、『さあ、近寄って、私を殺してくれ。まだ息があるのに、ひどいけいれんが起こった。』と言いました。

1:10 そこで私は近寄って、あの方を殺しました。もう倒れて生きのびることができないとわかったからです。私はその頭にあった王冠と、腕についていた腕輪を取っ て、ここに、あなたさまのところに持ってまいりました。」

1:11 すると、ダビデは自分の衣をつかんで裂いた。そこにいた家来たちもみな、そのようにした。

1:12 彼らは、サウルのため、その子ヨナタンのため、また、主の民のため、イスラエルの家のためにいたみ悲しんで泣き、夕方まで断食した。彼らが剣に倒れたから である。

1:13 ダビデは自分に報告した若者に言った。「おまえはどこの者か。」若者は答えた。「私はアマレク人で、在留異国人の子です。」

1:14 ダビデは言った。「主に油そそがれた方に、手を下して殺すのを恐れなかったとは、どうしたことか。」

1:15 ダビデは若者のひとりを呼んで言った。「近寄って、これを打て。」そこで彼を打ち殺した。

1:16 そのとき、ダビデは彼に言った。「おまえの血は、おまえの頭にふりかかれ。おまえ自身の口で、『私は主に油そそがれた方を殺した。』と言って証言したから である。」

1:17 ダビデは、サウルのため、その子ヨナタンのために、この哀歌を作り、

1:18 この弓の歌をユダの子らに教えるように命じた。これはヤシャルの書にしるされている。

1:19 「イスラエルの誉れは、おまえの高き所で殺された。ああ、勇士たちは倒れた。

1:20 これをガテに告げるな。アシュケロンのちまたに告げ知らせるな。ペリシテ人の娘らを喜ばせないために。割礼のない者の娘らを勝ち誇らせないために。

1:21 ギルボアの山々よ。おまえたちの上に、露は降りるな。雨も降るな。いけにえがささげられた野の上にも。そこでは勇士たちの盾は汚され、サウルの盾に油も塗 られなかった。

1:22 ただ、殺された者の血、勇士たちのあぶらのほかは。ヨナタンの弓は、退いたことがなく、サウルの剣は、むなしく帰ったことがなかった。

1:23 サウルもヨナタンも、愛される、りっぱな人だった。生きているときにも、死ぬときにも離れることなく、わしよりも速く、雄獅子よりも強かった。

1:24 イスラエルの娘らよ。サウルのために泣け。サウルは紅の薄絹をおまえたちにまとわせ、おまえたちの装いに金の飾りをつけてくれた。

1:25 ああ、勇士たちは戦いのさなかに倒れた。ヨナタンはおまえの高き所で殺された。

1:26 あなたのために私は悲しむ。私の兄弟ヨナタンよ。あなたは私を大いに喜ばせ、あなたの私への愛は、女の愛にもまさって、すばらしかった。

1:27 ああ、勇士たちは倒れた。戦いの器はうせた。」

 

口語訳1955

1:1 サウルが死んだ後、ダビデはアマレクびとを撃って帰り、ふつかの間チクラグにとどまっていたが、

1:2 三日目となって、ひとりの人が、その着物を裂き、頭に土をかぶって、サウルの陣営からきた。そしてダビデのもとにきて、地に伏して拝した。

1:3 ダビデは彼に言った、「あなたはどこからきたのか」。彼はダビデに言った、「わたしはイスラエルの陣営から、のがれてきたのです」。

1:4 ダビデは彼に言った、「様子はどうであったか話しなさい」。彼は答えた、「民は戦いから逃げ、民の多くは倒れて死に、サウルとその子ヨナタンもまた死にま した」。

1:5 ダビデは自分と話している若者に言った、「あなたはサウルとその子ヨナタンが死んだのを、どうして知ったのか」。

1:6 彼に話している若者は言った、「わたしは、はからずも、ギルボア山にいましたが、サウルはそのやりによりかかっており、戦車と騎兵とが彼に攻め寄ろうとし ていました。

1:7 その時、彼はうしろを振り向いてわたしを見、わたしを呼びましたので、『ここにいます』とわたしは答えました。

1:8 彼は『おまえはだれか』と言いましたので、『アマレクびとです』と答えました。

1:9 彼はまたわたしに言いました、『そばにきて殺してください。わたしは苦しみに耐えない。まだ命があるからです』。

1:10 そこで、わたしはそのそばにいって彼を殺しました。彼がすでに倒れて、生きることのできないのを知ったからです。そしてわたしは彼の頭にあった冠と、腕に つけていた腕輪とを取って、それをわが主のもとに携えてきたのです」。

1:11 そのときダビデは自分の着物をつかんでそれを裂き、彼と共にいた人々も皆同じようにした。

1:12 彼らはサウルのため、またその子ヨナタンのため、また主の民のため、またイスラエルの家のために悲しみ泣いて、夕暮まで食を断った。それは彼らがつるぎに 倒れたからである。

1:13 ダビデは自分と話していた若者に言った、「あなたはどこの人ですか」。彼は言った、「アマレクびとで、寄留の他国人の子です」。

1:14 ダビデはまた彼に言った、「どうしてあなたは手を伸べて主の油を注がれた者を殺すことを恐れなかったのですか」。

1:15 ダビデはひとりの若者を呼び、「近寄って彼を撃て」と言った。そこで彼を撃ったので死んだ。

1:16 ダビデは彼に言った、「あなたの流した血の責めはあなたに帰する。あなたが自分の口から、『わたしは主の油を注がれた者を殺した』と言って、自身にむかっ て証拠を立てたからである」。

1:17 ダビデはこの悲しみの歌をもって、サウルとその子ヨナタンのために哀悼した。――

1:18 これは、ユダの人々に教えるための弓の歌で、ヤシャルの書にしるされている。――彼は言った、

1:19 「イスラエルよ、あなたの栄光は、/あなたの高き所で殺された。ああ、勇士たちは、ついに倒れた。

1:20 ガテにこの事を告げてはいけない。アシケロンのちまたに伝えてはならない。おそらくはペリシテびとの娘たちが喜び、/割礼なき者の娘たちが勝ちほこるであ ろう。

1:21 ギルボアの山よ、/露はおまえの上におりるな。死の野よ、/雨もおまえの上に降るな。その所に勇士たちの盾は捨てられ、/サウルの盾は油を塗らずに捨てら れた。

1:22 殺した者の血を飲まずには、/ヨナタンの弓は退かず、/勇士の脂肪を食べないでは、/サウルのつるぎは、むなしくは帰らなかった。

1:23 サウルとヨナタンとは、愛され、かつ喜ばれた。彼らは生きるにも、死ぬにも離れず、/わしよりも早く、/ししよりも強かった。

1:24 イスラエルの娘たちよ、サウルのために泣け。彼は緋色の着物をもって、/はなやかにあなたがたを装い、/あなたがたの着物に金の飾りをつけた。

1:25 ああ、勇士たちは戦いのさなかに倒れた。ヨナタンは、あなたの高き所で殺された。

1:26 わが兄弟ヨナタンよ、あなたのためわたしは悲しむ。あなたはわたしにとって、いとも楽しい者であった。あなたがわたしを愛するのは世の常のようでなく、/ 女の愛にもまさっていた。

1:27 ああ、勇士たちは倒れた。戦いの器はうせた」。

 


文 語訳1917
1:1 サウルの死し後ダビデ、アマレク人を撃てかへりチクラグに二日とどまりけるが
1:2 第三日に及びて一個の人其衣を裂き頭に土をかむりて陣營より即ちサウルの所より來りダビデの許にいたり地にふして拝せり
1:3 ダビデかれにいひけるは汝いづくより來れるやかれダビデにいひけるはイスラエルの陣營より逃れきたれり
1:4 ダビデかれにいひけるは事いかん請ふ我につげよかれこたへけるは民戰に敗れて逃げ民おほく仆れて死りまたサウルと其子ヨナタンも死り
1:5 ダビデ其おのれにつぐる少者にいひけるは汝いかにしてサウルと其子ヨナタンの死たるをしるや
1:6 ダビデにつぐる少者いひけるは我はからずもギルボア山にのぼり見しにサウル其槍に倚かかりをりて戰車と騎兵かれにせめよらんとせり
1:7 彼うしろにふりむきて我を見我をよびたれば我こたへて我ここにありといふ
1:8 かれ我に汝は誰なるやといひければ我かれにこたへて我はアマレク人なりといふ
1:9 かれまた我にいひけるはわが身いたく攣ば請ふ我うへにのりて我をころせわが生命なほわれの中にまつたければなりと
1:10 我すなはちかれの上にのりてかれを殺したり其は我かれが?に仆て生ることをえざるをしりたればなりしかして我その首にありし冕とその腕にありし釧を取りて これをわが主に携へきたれり
1:11 是においてダビデおのれの衣を執てこれを裂けりまた彼とともにある者も皆しかせり
1:12 彼等サウルのためまた其子ヨナタンのためまたヱホバの民のためイスラエルの家のために哭きかなしみて晩まで食を斷り其は彼ら劍にたふれたればなり
1:13 ダビデおのれに告し少者にいひけるは汝は何處の者なるやかれこたへけるは我は他國の人すなはちアマレク人なりと
1:14 ダビデかれにいひけるは汝なんぞ手をのばしてヱホバの膏そそぎし者をころすことを畏ざりしやと
1:15 ダビデ一人の少者をよびていひけるは近よりてかれをころせとすなはちかれをうちければ死り
1:16 ダビデかれにいひけるは汝の血は汝の首に歸せよ其は汝口づから我ヱホバのあぶらそそぎし者をころせりといひて己にむかひて證をたつればなり
1:17 ダビデ悲歌をもてサウルと其子ヨナタンを吊ふ
1:18 ダビデ命じてこれをユダの族にをしへしむ即ち弓の歌是なり是はヤシル書に記さる
1:19 イスラエルよ汝の榮耀は汝の崇邱に殺さる嗚呼勇士は仆れたるかな
1:20 此事をガテに告るなかれアシケロンの邑に傳るなかれ恐くはペリシテ人の女等喜ばん恐くは割禮を受ざる者の女等樂み祝はん
1:21 ギルボアの山よ願は汝の上に雨露降ることあらざれ亦供物の田園もあらざれ其は彼處に勇士の干棄らるればなり即ちサウルの干膏を沃がずして彼處に棄らる
1:22 殺せし者の血をのまずしてヨナタンの弓は退かず勇士の脂を食ずしてサウルの劍は空く歸らず
1:23 サウルとヨナタンは愛らしく樂げにして生死ともに離れず二人は鷲よりも捷く獅子よりも強かりき
1:24 イスラエルの女等よサウルのために哀けサウルは絳き衣をもて汝等を華麗に粧ひ金の飾を汝等の衣に着たり
1:25 嗚呼勇士は戰の中に仆たるかなヨナタン汝の崇邱に殺されぬ
1:26 兄弟ヨナタンよ我汝のために悲慟む汝は大に我に樂き者なりき汝の我をいつくしめる愛は尋常ならず婦の愛にも勝りたり
1:27 嗚呼勇士は仆たるかな戰の具は失たるかな



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各国旧約聖書における新約聖書の引照

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(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳 ルカ 19:22

19:22 彼に言った、『悪い僕 よ、わたしはあなたの言ったその言葉であなたをさばこう。わたしがきびしくて、あずけなかったものを取りたて、まかなかったものを刈 る人間だと、知っているのか。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口 語訳 ルカ 19:22

19:22 彼に言った、『悪い僕 よ、わたしはあなたの言ったその言葉であなたをさばこう。わたしがきびしくて、あずけなかったものを取りたて、まかなかったものを刈 る人間だと、知っているのか。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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