ダビデとバテシバ
翻訳比較
聖書協会共同
訳2018
◆ウリヤの妻バト・シェバ
サム下
11:1 年が改まり、王たちが出陣する季節になった。ダビデは、ヨアブに自分の家臣を付けて、イスラエルの全軍を送り出した。彼らはアンモン人を皆殺し
にし、ラバを包囲した。この時ダビデはエルサレムにとどまっていた。
サム下
11:2 ある夕暮れ時、ダビデは寝床から起き上がり、王宮の屋上を散歩していたところ、屋上から一人の女が水を浴びているのを見た。女は大層美しかっ
た。
サム下
11:3 ダビデは人をやってその女のことを調べさせると、「あれはエリアムの娘バト・シェバで、ヘト人ウリヤの妻です」との知らせを受けた。
サム下
11:4 ダビデは使いの者をやって彼女を召し出し、彼女がダビデのもとに来ると、床を共にした。彼女は汚れから身を清めたばかりであった。そして彼女は
自分の家に帰って行った。
サム下 11:5 やがて女は身ごもり、人をやってダビデに告げた。「私は子を宿しました。」
サム下
11:6 ダビデはヨアブに人をやり、「ヘト人ウリヤを私のもとに送り返すように」と命じたので、ヨアブはウリヤをダビデのもとに送り返した。
サム下 11:7 ウリヤが来ると、ダビデはヨアブの安否、兵の安否を問い、また戦況について尋ねた。
サム下
11:8 そしてダビデは言った。「家に帰って、足の汚れを落とすがよい。」ウリヤが王宮を退出すると、王の贈り物が後に続いた。
サム下 11:9 しかし、ウリヤは王宮の入り口で主君の家臣と同じように眠り、自分の家には帰らなかった。
サム下
11:10 ウリヤが自分の家に帰らなかったと知らされたダビデは、ウリヤに言った。「あなたは遠征から帰って来たばかりではないか。なぜ自分の家に帰ら
ないのか。」
サム下
11:11 ウリヤはダビデに言った。「神の箱も、イスラエルもユダも仮小屋に宿り、私の主人ヨアブも主君の家臣たちも野営しておりますのに、私だけが家
に帰って食べて飲み、妻と寝ることなどできましょうか。あなたは確かに生きておられます。私には、決してそのようなことはできませ
ん。」
サム下
11:12 ダビデはウリヤに言った。「今日もここにとどまるがよい。明日、あなたを送り出すとしよう。」ウリヤはその日と次の日、エルサレムにとどまっ
た。
サム下
11:13 ダビデはウリヤを呼び出し、食事を共にして彼を酔わせたが、夕方になるとウリヤは退出し、主君の家臣たちと共に眠り、自分の家に帰ろうとはし
なかった。
サム下 11:14 翌朝、ダビデはヨアブに宛てて書簡をしたため、ウリヤに託して送った。
サム下
11:15 その書簡にはこう書いてあった。「ウリヤを戦いが熾烈な最前線に出し、彼を残したまま退却して、討ち死にさせよ。」
サム下 11:16 町を見張っていたヨアブは、武勇に優れた者がいると判断した辺りにウリヤを配置した。
サム下 11:17 町の者たちは出撃してヨアブの軍と戦い、兵からもダビデの家臣からも倒れる者が出て、ヘト人ウリヤも死んだ。
サム下 11:18 ヨアブは人をやって、この戦いの一部始終をダビデに知らせた。
サム下 11:19 ヨアブは使者に命じた。「戦いの一部始終を王に報告し終えたとき、
サム下 11:20 もし王が憤って、『なぜそんなに町に接近して戦ったのか。城壁の上から射かけてくると分かっていたはずだ。
サム下
11:21 昔、エルベシェトの子アビメレクを討ち取ったのは誰だったか。あの男がテベツで死んだのは、女が城壁の上から臼の上石を投げつけたからではな
いか。なぜ、そんなに城壁に接近したのだ』と言われたなら、『あなたの僕、ヘト人ウリヤも死にました』と言うがよい。」
サム下 11:22 使者は出発し、ダビデのもとに来て、ヨアブの伝言をすべて伝えた。
サム下
11:23 使者はダビデに言った。「相手は我々よりも優勢で、野戦を挑んで来ました。我々が城門の入り口まで彼らを押し返すと、
サム下 11:24 射手が城壁の上から僕らに矢を射かけ、王の家臣からも死ぬ者が出、王の僕ヘト人ウリヤも死にました。」
サム下
11:25 ダビデは使者に言った。「ヨアブにこう伝えよ。『このことで、心配するには及ばない。いずれにせよ、剣は人を餌食にするものだ。雄々しく戦
い、町を攻め落とせ。』そう言って、彼を励ますように。」
サム下 11:26 ウリヤの妻は夫ウリヤが死んだと聞くと、夫のために嘆き悲しんだ。
サム下
11:27 喪が明けると、ダビデは人をやって彼女を王宮に引き取り、自分の妻にした。彼女はやがて男の子を産んだが、ダビデのしたことは主の目に悪とさ
れた。
フランシ スコ会訳2013
001さて、年が改まって王たちが戦いに出るころ、ダビ
デは、ヨアブと自分の家来たちとイスラエルの全軍を派遣した。彼らはアンモンの子らを滅ぼし、ラバを包囲した。しかし、ダビデは
エルサレムに留まっていた。
002ある夕暮れ時、ダビデは床から起き上がり、王宮の
屋上をそぞろ歩きしていたが、一人の女が行水をしているのがそこから見えた。女は非常に美しかった。
003ダビデは人を遣わして、その女について調べさせる
と、「その人はエリアムの娘で、ヘト人ウリヤの妻バト・シェバです」という返事だった。
004ダビデは使いを送って、彼女を連れてこさせ、彼女 が彼のもとに来ると、床をともにした。――彼女は身の汚れを清めたばかり であった。――そ
して彼女は自分の家に帰った。
005女は身籠った。そこで彼女はダビデのもとに人を送 り、「わたしは子を宿しました」と知らせた。
006ダビデはヨアブの所に人を送り、「ヘト人ウリヤを
わたしのもとに送れ」と言わせた。そこでヨアブはウリヤをダビデのもとに送った。
007ウリヤがダビデのもとに来ると、ダビデは彼にヨア
ブの安否や兵士たちの安否を問い、戦況を尋ねた。
008そしてウリヤに、「家に帰って足を洗いなさい」と
言った。ウリヤが王宮を出ると、王からの贈り物が彼の後に続いた。
009しかし、ウリヤは主君の家来たちとともに王宮の戸 口で眠り、自分の家には帰らなかった。
010「ウリヤは自分の家に帰りませんでした」との報告
を受けると、ダビデはウリヤに言った、「お前は旅から帰ったのではないか。なぜ自分の家に帰らなかったのか」。
011ウリヤはダビデに言った、「神の櫃も、イスラエル
もユダも庵に住み、わたしのあるじヨアブとわが主君の家来たちは野営していますのに、わたしだけが自分の家に帰り、飲み食いして
妻と寝ることができましょうか。生けるあなたご自身に誓って申しあげます。わたしにはそのようなことはできません」。
012ダビデはウリヤに言った、「では、今日もここに留
まるがよい。わたしは明日、お前を送り返そう」。それで、ウリヤはその日と翌日、エルサレムに留まった。
013ダビデは彼を招いて、自分とともに飲み食いさせ、
彼を酔わせた。夕方、ウリヤは退出し、主君の家来たちとともに自分の床に就いた。彼は自分の家には帰らなかった。
014朝になると、ダビデはヨアブに宛てて手紙をしたた め、ウリヤに託して送った。
015ダビデは手紙にこう書いた。「ウリヤを激戦の行わ
れている最前線に出し、お前たちは彼の後方に退け。彼は討たれて戦死するだろう」。
016ヨアブは、町を監視していて手強い相手がいると分 かっているその場所に、ウリヤを配置した。
017町の者たちが出撃してきてヨアブを襲ったが、この
時イスラエルの兵士たちとダビデの家来たちの中に倒れた者が出、ヘト人ウリヤも戦死した。
018ヨアブは使者を送って、この戦いの一部始終をダビ デに報告させた。
019その時、ヨアブは使者にこう命じた、「戦いの一部 始終を王に報告し終わったとき、
020もし王が怒って、『なぜそんなに町に接近して戦っ
たのか。城壁から射かけてくることが分からなかったのか。
021エルベシェトの子アビメレクを打ち殺したのは誰
だったか。テベツで一人の女が碾き臼の上石を城壁から投げ落とし、彼はそれにあたって死んだのではなかったか。なぜお前たちは、
そんなに城壁に接近したのか』と言われたら、『あなたの家来ヘト人ウリヤも死にました』と言え」。
022使者は出発し、ダビデのもとに来て、ヨアブから言 いつけられたことをすべて告げた。
023使者はダビデにこう言った、「敵はわれわれより優
勢で、われわれに向かって野外へ攻めてきました。そこでわれわれは、町の門の入り口まで彼らを押し返したのですが、
024射手が城壁から王の家来たちに向かって矢を射かけ
てきて、王の家来の中から死者が出てしまいました。王の家来ヘト人ウリヤも戦死しました」。
025ダビデは使者に言った、「ヨアブにこう伝えよ、
『このことは心配するな。いずれにせよ剣は人を殺すものだ。その町を激しく攻め、壊滅させよ』。そして、彼を元気づけよ」。
026ウリヤの妻は夫ウリヤが死んだと聞くと、夫のため に嘆き悲しんだ。
027その喪が明けたとき、ダビデは人を遣わして、彼女
を自分の家に召し入れた。彼女はダビデの妻となり、彼に男の子を産んだ。しかし、ダビデの行ったことは主のみ心にかなわなかっ た。
新共同訳1987
11:1
年が改まり、王たちが出陣する時期になった。ダビデは、ヨアブとその指揮下においた自分の家臣、そしてイスラエルの全軍を送り出した。彼らはアンモン人を
滅ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデ自身はエルサレムにとどまっていた。
11:2
ある日の夕暮れに、ダビデは午睡から起きて、王宮の屋上を散歩していた。彼は屋上から、一人の女が水を浴びているのを目に留めた。女は大層美しかった。
11:3
ダビデは人をやって女のことを尋ねさせた。それはエリアムの娘バト・シェバで、ヘト人ウリヤの妻だということであった。
11:4
ダビデは使いの者をやって彼女を召し入れ、彼女が彼のもとに来ると、床を共にした。彼女は汚れから身を清めたところであった。女は家に帰ったが、
11:5
子を宿したので、ダビデに使いを送り、「子を宿しました」と知らせた。
11:6
ダビデはヨアブに、ヘト人ウリヤを送り返すように命令を出し、ヨアブはウリヤをダビデのもとに送った。
11:7
ウリヤが来ると、ダビデはヨアブの安否、兵士の安否を問い、また戦況について尋ねた。
11:8
それからダビデはウリヤに言った。「家に帰って足を洗うがよい。」ウリヤが王宮を退出すると、王の贈り物が後に続いた。
11:9
しかしウリヤは王宮の入り口で主君の家臣と共に眠り、家に帰らなかった。
11:10
ウリヤが自分の家に帰らなかったと知らされたダビデは、ウリヤに尋ねた。「遠征から帰って来たのではないか。なぜ家に帰らないのか。」
11:11
ウリヤはダビデに答えた。「神の箱も、イスラエルもユダも仮小屋に宿り、わたしの主人ヨアブも主君の家臣たちも野営していますのに、わたしだけが家に帰っ
て飲み食いしたり、妻と床を共にしたりできるでしょうか。あなたは確かに生きておられます。わたしには、そのようなことはできませ
ん。」
11:12
ダビデはウリヤに言った。「今日もここにとどまるがよい。明日、お前を送り出すとしよう。」ウリヤはその日と次の日、エルサレムにとどまった。
11:13
ダビデはウリヤを招き、食事を共にして酔わせたが、夕暮れになるとウリヤは退出し、主君の家臣たちと共に眠り、家には帰らなかった。
11:14
翌朝、ダビデはヨアブにあてて書状をしたため、ウリヤに託した。
11:15
書状には、「ウリヤを激しい戦いの最前線に出し、彼を残して退却し、戦死させよ」と書かれていた。
11:16
町の様子を見張っていたヨアブは、強力な戦士がいると判断した辺りにウリヤを配置した。
11:17
町の者たちは出撃してヨアブの軍と戦い、ダビデの家臣と兵士から戦死者が出た。ヘト人ウリヤも死んだ。
11:18
ヨアブはダビデにこの戦いの一部始終について報告を送り、
11:19
使者に命じた。「戦いの一部始終を王に報告し終えたとき、
11:20
もし王が怒って、『なぜそんなに町に接近して戦ったのか。城壁の上から射かけてくると分かっていたはずだ。
11:21
昔、エルベシェトの子アビメレクを討ち取ったのは誰だったか。あの男がテベツで死んだのは、女が城壁の上から石臼を投げつけたからではないか。なぜそんな
に城壁に接近したのだ』と言われたなら、『王の僕ヘト人ウリヤも死にました』と言うがよい。」
11:22
使者は出発し、ダビデのもとに到着してヨアブの伝言をすべて伝えた。
11:23
使者はダビデに言った。「敵は我々より優勢で、野戦を挑んで来ました。我々が城門の入り口まで押し返すと、
11:24
射手が城壁の上から僕らに矢を射かけ、王の家臣からも死んだ者が出、王の僕ヘト人ウリヤも死にました。」
11:25
ダビデは使者に言った。「ヨアブにこう伝えよ。『そのことを悪かったと見なす必要はない。剣があればだれかが餌食になる。奮戦して町を滅ぼせ。』そう言っ
て彼を励ませ。」
11:26
ウリヤの妻は夫ウリヤが死んだと聞くと、夫のために嘆いた。
11:27
喪が明けると、ダビデは人をやって彼女を王宮に引き取り、妻にした。彼女は男の子を産んだ。ダビデのしたことは主の御心に適わなかった。
新改訳1970
11:1
年が改まり、王たちが出陣するころ、ダビデは、ヨアブと自分の家来たちとイスラエルの全軍とを戦いに出した。彼らはアモン人を滅ぼし、ラバを包囲した。し
かしダビデはエルサレムにとどまっていた。
11:2
ある夕暮れ時、ダビデは床から起き上がり、王宮の屋上を歩いていると、ひとりの女が、からだを洗っているのが屋上から見えた。その女は非常に美しかった。
11:3
ダビデは人をやって、その女について調べたところ、「あれはヘテ人ウリヤの妻で、エリアムの娘バテ・シェバではありませんか。」との報告を受けた。
11:4
ダビデは使いの者をやって、その女を召し入れた。女が彼のところに来たので、彼はその女と寝た。――その女は月のものの汚れをきよめていた。――それから
女は自分の家へ帰った。
11:5
女はみごもったので、ダビデに人をやって、告げて言った。「私はみごもりました。」
11:6
ダビデはヨアブのところに人をやって、「ヘテ人ウリヤを私のところに送れ。」と言わせた。それでヨアブはウリヤをダビデのところに送った。
11:7
ウリヤが彼のところにはいって来ると、ダビデは、ヨアブは無事でいるか、兵士たちも変わりないか、戦いもうまくいっているか、と尋ねた。
11:8
それからダビデはウリヤに言った。「家に帰って、あなたの足を洗いなさい。」ウリヤが王宮から出て行くと、王からの贈り物が彼のあとに続いた。
11:9
しかしウリヤは、王宮の門のあたりで、自分の主君の家来たちみなといっしょに眠り、自分の家には帰らなかった。
11:10
ダビデは、ウリヤが自分の家には帰らなかった、という知らせを聞いて、ウリヤに言った。「あなたは遠征して来たのではないか。なぜ、自分の家に帰らなかっ
たのか。」
11:11
ウリヤはダビデに言った。「神の箱も、イスラエルも、ユダも仮庵に住み、私の主人ヨアブも、私の主人の家来たちも戦場で野営しています。それなのに、私だ
けが家に帰り、飲み食いして、妻と寝ることができましょうか。あなたの前に、あなたのたましいの前に誓います。私は決してそのような
ことをいたしません。」
11:12
ダビデはウリヤに言った。「では、きょうもここにとどまるがよい。あすになったらあなたを送り出そう。」それでウリヤはその日と翌日エルサレムにとどまる
ことになった。
11:13
ダビデは彼を招いて、自分の前で食べたり飲んだりさせ、彼を酔わせた。夕方、ウリヤは出て行って、自分の主君の家来たちといっしょに自分の寝床で寝た。そ
して自分の家には行かなかった。
11:14
朝になって、ダビデはヨアブに手紙を書き、ウリヤに持たせた。
11:15
その手紙にはこう書かれてあった。「ウリヤを激戦の真正面に出し、彼を残してあなたがたは退き、彼が打たれて死ぬようにせよ。」
11:16
ヨアブは町を見張っていたので、その町の力ある者たちがいると知っていた場所に、ウリヤを配置した。
11:17
その町の者が出て来てヨアブと戦ったとき、民のうちダビデの家来たちが倒れ、ヘテ人ウリヤも戦死した。
11:18
そこでヨアブは、使いを送って戦いの一部始終をダビデに報告するとき、
11:19
使者に命じて言った。「戦いの一部始終を王に報告し終わったとき、
11:20
もし王が怒りを発して、おまえに『なぜ、あなたがたはそんなに町に近づいて戦ったのか。城壁の上から彼らが射かけてくるのを知らなかったのか。
11:21
エルベシェテの子アビメレクを打ち殺したのはだれであったか。ひとりの女が城壁の上からひき臼の上石を投げつけて、テベツで彼を殺したのではなかったか。
なぜ、そんなに城壁に近づいたのか。』と言われたら、『あなたの家来、ヘテ人ウリヤも死にました。』と言いなさい。」
11:22
こうして使者は出かけ、ダビデのところに来て、ヨアブの伝言をすべて伝えた。
11:23
使者はダビデに言った。「敵は私たちより優勢で、私たちに向かって野に出て来ましたが、私たちは門の入口まで彼らを攻めて行きました。
11:24
すると城壁の上から射手たちが、あなたの家来たちに矢を射かけ、王の家来たちが死に、あなたの家来、ヘテ人ウリヤも死にました。」
11:25
ダビデは使者に言った。「あなたはヨアブにこう言わなければならない。『このことで心配するな。剣はこちらの者も、あちらの者も滅ぼすものだ。あなたは町
をいっそう激しく攻撃して、それを全滅せよ。』あなたは、彼を力づけなさい。」
11:26
ウリヤの妻は、夫ウリヤが死んだことを聞いて、夫のためにいたみ悲しんだ。
11:27
喪が明けると、ダビデは人をやり、彼女を自分の家に迎え入れた。彼女は彼の妻となり、男の子を生んだ。しかし、ダビデの行なったことは主のみこころをそこ
なった。
口語訳1955
11:1
春になって、王たちが戦いに出るに及んで、ダビデはヨアブおよび自分と共にいる家来たち、並びにイスラエルの全軍をつかわした。彼らはアンモンの人々を滅
ぼし、ラバを包囲した。しかしダビデはエルサレムにとどまっていた。
11:2
さて、ある日の夕暮、ダビデは床から起き出て、王の家の屋上を歩いていたが、屋上から、ひとりの女がからだを洗っているのを見た。その女は非常に美しかっ
た。
11:3
ダビデは人をつかわしてその女のことを探らせたが、ある人は言った、「これはエリアムの娘で、ヘテびとウリヤの妻バテシバではありませんか」。
11:4
そこでダビデは使者をつかわして、その女を連れてきた。女は彼の所にきて、彼はその女と寝た。(女は身の汚れを清めていたのである。)こうして女はその家
に帰った。
11:5
女は妊娠したので、人をつかわしてダビデに告げて言った、「わたしは子をはらみました」。
11:6
そこでダビデはヨアブに、「ヘテびとウリヤをわたしの所につかわせ」と言ってやったので、ヨアブはウリヤをダビデの所につかわした。
11:7
ウリヤがダビデの所にきたので、ダビデは、ヨアブはどうしているか、民はどうしているか、戦いはうまくいっているかとたずねた。
11:8
そしてダビデはウリヤに言った、「あなたの家に行って、足を洗いなさい」。ウリヤは王の家を出ていったが、王の贈り物が彼の後に従った。
11:9
しかしウリヤは王の家の入口で主君の家来たちと共に寝て、自分の家に帰らなかった。
11:10
人々がダビデに、「ウリヤは自分の家に帰りませんでした」と告げたので、ダビデはウリヤに言った、「旅から帰ってきたのではないか。どうして家に帰らな
かったのか」。
11:11
ウリヤはダビデに言った、「神の箱も、イスラエルも、ユダも、小屋の中に住み、わたしの主人ヨアブと、わが主君の家来たちが野のおもてに陣を取っているの
に、わたしはどうして家に帰って食い飲みし、妻と寝ることができましょう。あなたは生きておられます。あなたの魂は生きています。わ
たしはこの事をいたしません」。
11:12
ダビデはウリヤに言った、「きょうも、ここにとどまりなさい。わたしはあす、あなたを去らせましょう」。そこでウリヤはその日と次の日エルサレムにとど
まった。
11:13
ダビデは彼を招いて自分の前で食い飲みさせ、彼を酔わせた。夕暮になって彼は出ていって、その床に、主君の家来たちと共に寝た。そして自分の家には下って
行かなかった。
11:14
朝になってダビデはヨアブにあてた手紙を書き、ウリヤの手に託してそれを送った。
11:15
彼はその手紙に、「あなたがたはウリヤを激しい戦いの最前線に出し、彼の後から退いて、彼を討死させよ」と書いた。
11:16
ヨアブは町を囲んでいたので、勇士たちがいると知っていた場所にウリヤを置いた。
11:17
町の人々が出てきてヨアブと戦ったので、民のうち、ダビデの家来たちにも、倒れるものがあり、ヘテびとウリヤも死んだ。
11:18
ヨアブは人をつかわして戦いのことをつぶさにダビデに告げた。
11:19
ヨアブはその使者に命じて言った、「あなたが戦いのことをつぶさに王に語り終ったとき、
11:20
もし王が怒りを起して、『あなたがたはなぜ戦おうとしてそんなに町に近づいたのか。彼らが城壁の上から射るのを知らなかったのか。
11:21
エルベセテの子アビメレクを撃ったのはだれか。ひとりの女が城壁の上から石うすの上石を投げて彼をテベツで殺したのではなかったか。あなたがたはなぜそん
なに城壁に近づいたのか』と言われたならば、その時あなたは、『あなたのしもべ、ヘテびとウリヤもまた死にました』と言いなさい」。
11:22
こうして使者は行き、ダビデのもとにきて、ヨアブが言いつかわしたことをことごとく告げた。
11:23
使者はダビデに言った、「敵はわれわれよりも有利な位置を占め、出てきてわれわれを野で攻めましたが、われわれは町の入口まで彼らを追い返しました。
11:24
その時、射手どもは城壁からあなたの家来たちを射ましたので、王の家来のある者は死に、また、あなたの家来ヘテびとウリヤも死にました」。
11:25
ダビデは使者に言った、「あなたはヨアブにこう言いなさい、『この事で心配することはない。つるぎはこれをも彼をも同じく滅ぼすからである。強く町を攻め
て戦い、それを攻め落しなさい』と。そしてヨアブを励ましなさい」。
11:26
ウリヤの妻は夫ウリヤが死んだことを聞いて、夫のために悲しんだ。
11:27
その喪が過ぎた時、ダビデは人をつかわして彼女を自分の家に召し入れた。彼女は彼の妻となって男の子を産んだ。しかしダビデがしたこの事は主を怒らせた。
文
語訳1917
11:1
年歸りて王等の戰に出る時におよびてダビデ、ヨアブおよび自己の臣僕並にイスラエルの全軍を遣はせり彼等アンモンの子孫を滅ぼしてラバを圍めりされどダビ
デはエルサレムに止りぬ
11:2
爰に夕暮にダビデ其床より興きいでて王の家の屋蓋のうへに歩みしが屋蓋より一人の婦人の體をあらふを見たり其婦は觀るに甚だ美し
11:3 ダビデ人を遣して婦人を探らしめしに或人いふ此はエリアムの女ハテシバにてヘテ人ウリヤの妻なるにあらずやと
11:4 ダビデ乃ち使者を遣はして其婦を取る婦彼に來りて彼婦と寝たりしかして婦其不潔を清めて家に歸りぬ
11:5 かくて婦孕みければ人をつかはしてダビデに告ていひけるは我子を孕めりと
11:6 是においてダビデ人をヨアブにつかはしてヘテ人ウリヤを我に遣はせといひければヨアブ、ウリヤをダビデに遣はせり
11:7 ウリヤ、ダビデにいたりしかばダビデこれにヨアブの如何なると民の如何なると戰爭の如何なるを問ふ
11:8 しかしてダビデ、ウリヤにいひけるは汝の家に下りて足を洗へとウリヤ王の家を出るに王の贈物其後に從ひてきたる
11:9 然どウリヤは王の家の門に其主の僕等とともに寝ておのれの家にくだりいたらず
11:10
人々ダビデに告てウリヤ其家にくだり至らずといひければダビデ、ウリヤにいひけるは汝は旅路をなして來れるにあらずや何故に自己の家にくだらざるや
11:11
ウリヤ、ダビデにいひけるは櫃とイスラエルとユダは小屋の中に住まりわが主ヨアブとわが主の僕は野の表に陣を取るに我いかでわが家にゆきて食ひ飮しまた妻
と寝べけけんや汝は生また汝の霊魂は活く我此事をなさじ
11:12 ダビデ、ウリヤにいふ今日も此にとどまれ明日我汝を去しめんとウリヤ其日と次の日エルサレムにとどまりしが
11:13
ダビデかれを召て其まへに食ひ飮せしめダビデかれを酔しめたり晩にいたりて彼出て其床に其主の僕と共に寝たりされどおのれの家にはくだりゆかざりき
11:14 朝におよびてダビデ、ヨアブヘの書を認めて之をウリヤの手によりて遣れり
11:15 ダビデ其書に書ていはく汝らウリヤを烈しき戰の先鉾にいだしてかれの後より退きて彼をして戰死せしめよ
11:16 是においてヨアブ城邑を窺ひてウリヤをば其勇士の居ると知る所に置り
11:17 城邑の人出てヨアブと戰ひしかばダビデの僕の中の數人仆れヘテ人ウリヤも死り
11:18 ヨアブ人をつかはして軍の事を悉くダビデに告げしむ
11:19 ヨアブ其使者に命じていひけるは汝が軍の事を皆王に語り終しとき
11:20 王もし怒りを發して汝に汝らなんぞ戰はんとて城邑に近づきしや汝らは彼らが石墻の上より射ることを知らざりしや
11:21
ヱルベセテの子アビメレクを撃し者は誰なるや一人の婦が石垣の上より磨の上石を投て彼をテベツに殺せしにあらずや何ぞ汝ら城垣に近づきしやと言はば汝言べ
し汝の僕ヘテ人ウリヤもまた死りと
11:22 使者ゆきてダビデにいたりヨアブが遣はしたるところのことをことごとく告げたり
11:23 使者ダビデにいひけるは敵我儕に手強かりしが城外にいでて我儕にいたりしかば我儕これに迫りて門の入口にまでいたれり
11:24 時に射手の者城垣の上より汝の僕を射たりければ王の僕の或者死に亦汝の僕ヘテ人ウリヤも死りと
11:25
ダビデ使者にいひけるは斯汝ヨアブに言べし此事を憂ふるなかれ刀劍は此をも彼をも同じく殺すなり強く城邑を攻て戰ひ之を陷いるべしと汝かくヨアブを勵ます
べし
11:26 ウリヤの妻其夫ウリヤの死たるを聞て夫のために悲哀り
11:27
其喪の過し時ダビデ人を遣はしてかれをおのれの家に召いる彼すなはちその妻となりて男子を生り但しダビデの爲たる此事はヱホバの目に惡かりき
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各国旧約聖書における新約聖書の引照
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(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
口 語訳 マタ 5:28
5:28 しかし、わたしはあな
たがたに言う。だれでも、情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである。
口 語訳 ヤコ
1:14
1:14
人が誘惑に陥るのは、それぞれ、欲に引かれ、さそわれるからである。
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
口 語訳 マタ 24:17
24:17 屋上にいる者は、家か
らものを取り出そうとして下におりるな。
口 語訳 使 10:9
10:9
翌日、この三人が旅をつづけて町の近くにきたころ、ペテロは祈をするため屋上にのぼった。時は昼の十二時ごろであった。
口 語訳 ヤコ
1:14-15
1:14
人が誘惑に陥るのは、それぞれ、欲に引かれ、さそわれるからである。
1:15
欲がはらんで罪を生み、罪が熟して死を生み出す。
口 語訳 ルカ
7:44
7:44
それから女の方に振り向いて、シモンに言われた、「この女を見ないか。わたしがあなたの家にはいってきた時に、あなたは足を洗う水を
くれなかった。ところが、この女は涙でわたしの足をぬらし、髪の毛でふいてくれた。
口 語訳 ヘブ
13:14
13:14
この地上には、永遠の都はない。きたらんとする都こそ、わたしたちの求めているものである。
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
新共同 マタ 24:17
24:17
屋上にいる者は、家にある物を取り出そうとして下に降りてはならない。
新共同 使 10:9
10:9
翌日、この三人が旅をしてヤッファの町に近づいたころ、ペトロは祈るため屋上に上がった。昼の十二時ごろである。
新共同 マタ 5:28
5:28
しかし、わたしは言っておく。みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである。
新共同 ルカ 7:44
7:44
そして、女の方を振り向いて、シモンに言われた。「この人を見ないか。わたしがあなたの家に入ったとき、あなたは足を洗う水もくれなかったが、この人は涙
でわたしの足をぬらし、髪の毛でぬぐってくれた。
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