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サムエル記下 18:1―18  

アブサロムの敗北と死

 

聖書協会共同訳2018

◆戦闘とアブシャロムの死
サム下 18:1 ダビデは自分と共にいる兵を調べ、彼らの上に、千人隊の長と百人隊の長を任命した。
サム下 18:2 次いで、ダビデは兵の三分の一をヨアブに、三分の一をヨアブの兄弟でツェルヤの子アビシャイに、三分の一をガト人イタイの指揮下に置いた。王は 兵に言った。「私もあなたがたと一緒に出陣する。」
サム下 18:3 だが、兵は言った。「出陣なさってはいけません。たとえ我々が逃げ出したとしても、彼らは気にも留めないでしょう。また、我々の半数が戦死した としても、彼らは気にも留めないでしょう。しかし、あなたは我々の一万にも等しい方です。ですから、今は町にとどまって、そこから 我々を助けてくださるほうがよいのです。」
サム下 18:4 王は彼らに「あなたがたが良いと思うことをしよう」と言って、門の傍らに立ち、兵は皆、百人隊、千人隊となって出て行った。
サム下 18:5 王はヨアブ、アビシャイ、イタイに命じた。「私に免じて、若者アブシャロムを手荒には扱わないでくれ。」兵は皆、アブシャロムについて、王が将 軍たち全員に命じるのを聞いていた。
サム下 18:6 ダビデの兵はイスラエルを迎え撃つため野に出て行った。戦いはエフライムの森で行われた。
サム下 18:7 イスラエルの兵はそこでダビデの家臣たちに敗れ、その日、大勢の犠牲者が出て、その数は二万人に及んだ。
サム下 18:8 戦いはその地一帯に広がり、その日、森の餌食になった者は、剣の餌食になった者よりも多かった。
サム下 18:9 アブシャロムがダビデの家臣たちに出くわしたとき、彼はらばに乗っていた。らばはテレビンの大木の絡まり合った枝の下を進んだので、アブシャロ ムの頭がテレビンの木に引っかかり、彼は天と地の間に宙づりになったが、らばはそのまま走り過ぎてしまった。
サム下 18:10 一人の男がこれを見て、ヨアブに知らせた。「私はアブシャロムがテレビンの木に宙づりになっているのを見ました。」
サム下 18:11 ヨアブは自分に知らせをもたらしたその男に言った。「見たならば、なぜその場で彼を地に打ち落とさなかったのか。褒美として銀十シェケルと革 帯一本が出たであろうに。」
サム下 18:12 その男はヨアブに言った。「たとえ、この手のひらに銀千シェケルを積まれたとしても、私は王のご子息に自分の手を伸ばすようなことはいたしま せん。私たちは、王があなたとアビシャイとイタイに命じて、誰であれ、若者アブシャロムを守れ、とおっしゃったのを聞いているからで す。
サム下 18:13 仮に、私が彼の命を奪ったうえで、それを偽ろうとしても、王には何一つ隠し通すことができませんし、あなたも冷淡な態度を取るでしょう。」
サム下 18:14 ヨアブは、「このまま、お前につきあってはいられない」と言って、三本の投げ槍を手に取り、テレビンの木の真ん中でなお生きていたアブシャロ ムの心臓を突き刺した。
サム下 18:15 そして、ヨアブの武器を持つ十人の従者がアブシャロムを取り囲み、彼を打って殺した。
サム下 18:16 ヨアブは角笛を吹いて兵を引き止めたので、彼らはイスラエルを追うのをやめて引き返して来た。
サム下 18:17 彼らはアブシャロムを引き下ろし、森の中の大きな穴に投げ込み、その上に石を積み上げて非常に大きな塚を作った。イスラエルは皆、それぞれの 天幕に逃げ帰った。
サム下 18:18 アブシャロムは生前、王の谷に自分のための石柱を建てていた。「自分の名を記憶してくれる息子が私にはいない」と思ったからである。彼はその 石柱に自分の名を付け、今日に至るまで、それはアブシャロムの碑と呼ばれている。


フランシスコ 会訳2013

001ダビデは自分とともにいる兵士を調べ、千人隊の隊 長、百人隊の隊長を任命した。

002ダビデは全軍を三組に分け、一つはヨアブの手に、 一つはヨアブの兄弟で、ツェルヤの子アビシャイの手に、残りの一つをガト人イタイの手に委ねた。王は兵士たちに言った、「わたし も、お前たちとともに出陣する」。

003すると兵士たちは言った、「出陣なさってはいけま せん。われわれでしたら、たとえ逃げたとしても人は気に留めないでしょう。また、われわれでしたら、たとえ半数死んだとしても、 人は気に留めないでしょう。しかし、あなたはわれわれ一万人に値します。ですから、あなたは町にいて、われわれを助けてくださる ほうがよいのです」。

004王は彼らに言った、「わたしは、お前たちが善いと 思うようにしよう」。王は門の傍らに立ち、すべての兵士は、百人隊、あるいは千人隊ごとに出ていった。

005王は、ヨアブとアビシャイとイタイに命じて言っ た、「わたしに免じて、若者アブサロムには手加減してくれ」。兵士たちはみな王がアブサロムについて、すべての指揮官に命令を与 えるのを聞いていた。

006兵士たちは、イスラエルと対戦するために野に出て いった。戦いはエフライムの森で行われた。

007イスラエルの兵士はそこでダビデの家来たちに打ち のめされ、その日、その場所で大勢の者が倒れて、その数は二万人に及んだ。

008戦いはその地域一帯に広がり、その日、森林で命を 落とした者は剣によって倒れた者よりも多かった。

009アブサロムは、たまたまダビデの家来たちに出会っ た。アブサロムはらばに乗っていたが、そのらばが大きなテレビン樹の絡み合った枝の下を通ったとき、彼の頭がテレビン樹に引っ掛 かり、彼は宙吊りになった。彼が乗っていたらばは、そのまま行ってしまった。

010一人の男がこれを見て、ヨアブに告げて言った、 「アブサロムがテレビン樹に吊り下がっているのを、たった今、見ました」。

011ヨアブは、これを知らせた男に言った、「お前はそ れを見たのに、なぜその場で彼を討ち、地上に落とさなかったのか。そうすれば銀十枚と帯一本をお前に与えたのに」。

012その男はヨアブに言った、「たとえこの手のひらに 銀千枚の重みを感じたとしても、わたしは王子をこの手にかけることはできません。なぜなら、王はわれわれの聞いている所で、あな たとアビシャイとイタイに、『誰も、若者アブサロムに手を出さないよう、気をつけてくれ』とお命じになったからです。

013もし、わたしが自分を欺いておっしゃるとおりにし たとしても、王には何も隠せないでしょうし、その時、あなたは知らぬ顔をなさるでしょう」。

014ヨアブは、「こうしてお前とのんびりしてはいられ ない」と言い、三本の投げ槍を手に取って、テレビン樹の枝の間に引っ掛かって、まだ生きていたアブサロムの心臓を突き刺した。

015ヨアブの武器を運ぶ十人の従者は、アブサロムを取 り囲み、彼を打って殺した。

016ヨアブは、角笛を吹き鳴らした。すると兵士たち は、イスラエルを追うのをやめて引き返した。ヨアブが兵士を引き止めたのである。

017彼らはアブサロムを取り下ろし、森の中の大きな穴 に投げ込み、その上に非常に大きな石塚を築いた。イスラエル軍の者はみなそれぞれの天幕に逃げ帰った。

018ところで、生前アブサロムは、王の谷に自分のため の石柱を建てていた。彼は、「わたしには、わたしの名を思い起こさせてくれる息子がいない」と言い、自分に因んでその柱に名をつ けていた。それは今日まで「アブサロムの記念碑」と呼ばれている。

 

新共同訳1987

18:1 ダビデは彼に従う兵を調べ、千人隊の長と百人隊の長を任命した。

18:2 次いでダビデは兵士を三部隊に分け、三分の一をヨアブの指揮下に、三分の一をツェルヤの子、ヨアブの弟アビシャイの指揮下に、三分の一をガト人イタイの指 揮下においた。ダビデ王は兵士に言った。「わたしもお前たちと共に出陣する。」

18:3 兵士は言った。「出陣なさってはいけません。我々が逃げ出したとしても彼らは気にも留めないでしょうし、我々の半数が戦死しても気にも留めないでしょう。 しかしあなたは我々の一万人にも等しい方です。今は町にとどまり、町から我々を助けてくださる方がよいのです。」

18:4 「わたしはお前たちの目に良いと映ることをしよう」と王は言って、町の城門の傍らに立ち、兵士は皆、百人隊、千人隊となって出て行った。

18:5 王はヨアブ、アビシャイ、イタイに命じた。「若者アブサロムを手荒には扱わないでくれ。」兵士は皆、アブサロムについて王が将軍たち全員に命じるのを聞い ていた。

◆戦闘とアブサロムの死

18:6 兵士たちはイスラエル軍と戦うために野に出て行った。戦いはエフライムの森で起こり、

18:7 イスラエル軍はそこでダビデの家臣に敗れた。大敗北で、その日、二万人を失った。

18:8 戦いはその地の全面に広がり、その日密林の餌食になった者は剣が餌食にした者よりも多かった。

18:9 アブサロムがダビデの家臣に出会ったとき、彼はらばに乗っていたが、らばが樫の大木のからまりあった枝の下を通ったので、頭がその木にひっかかり、彼は天 と地の間に宙づりになった。乗っていたらばはそのまま走り過ぎてしまった。

18:10 兵の一人がこれを見て、ヨアブに知らせた。「アブサロムが樫の木に宙づりになっているのを見ました。」

18:11 ヨアブは知らせに来た者に言った。「見たなら、なぜその場で地に打ち落とさなかったのか。銀十枚と革帯一本を与えただろうに。」

18:12 その兵はヨアブに言った。「たとえこの手のひらに銀千枚の重みを感じるとしても、王子をこの手にかけたりはしません。王があなたとアビシャイ、イタイに、 若者アブサロムを守れ、と命じられたのを我々は耳にしました。

18:13 仮に、わたしが彼の命を奪ってそれを偽ろうとしても、王には何一つ隠せません。あなたもわたしを非とする側に立つでしょう。」

18:14 「それなら、お前に期待はしない」とヨアブは言った。アブサロムは樫の木にひっかかったまま、まだ生きていた。ヨアブは棒を三本手に取り、アブサロムの心 臓に突き刺した。

18:15 ヨアブの武器を持つ従卒十人が取り囲んでアブサロムを打ち、とどめを刺した。

18:16 ヨアブは角笛を吹いて兵士を引き止めたので、彼らはイスラエル軍の追跡をやめて戻って来た。

18:17 彼らはアブサロムを降ろし、森の中の大穴に投げ込み、その上に石を積み上げて非常に大きな塚を作った。イスラエルの全軍はそれぞれの天幕に逃げ帰った。

18:18 アブサロムは生前、王の谷に自分のための石柱を立てていた。跡継ぎの息子がなく、名が絶えると思ったからで、この石柱に自分の名を付けていた。今日もアブ サロムの碑と呼ばれている。

 

新改訳1970

18:1 ダビデは彼とともにいる民を調べて、彼らの上に千人隊の長、百人隊の長を任命した。

18:2 ダビデは民の三分の一をヨアブの指揮のもとに、三分の一をヨアブの兄弟ツェルヤの子アビシャイの指揮のもとに、三分の一をガテ人イタイの指揮のもとに配置 した。王は民に言った。「私自身もあなたがたといっしょに出たい。」

18:3 すると民は言った。「あなたが出てはいけません。私たちがどんなに逃げても、彼らは私たちのことは何とも思わないでしょう。たとい私たちの半分が死んで も、彼らは私たちのことは心に留めないでしょう。しかし、あなたは私たちの一万人に当たります。今、あなたは町にいて私たちを助けて くださるほうが良いのです。」

18:4 王は彼らに言った。「あなたがたが良いと思うことを、私はしよう。」王は門のそばに立ち、すべての民は、百人、千人ごとに出て行った。

18:5 王はヨアブ、アビシャイ、イタイに命じて言った。「私に免じて、若者アブシャロムをゆるやかに扱ってくれ。」民はみな、王が隊長たち全部にアブシャロムの ことについて命じているのを聞いていた。

18:6 こうして、民はイスラエルを迎え撃つために戦場へ出て行った。戦いはエフライムの森で行なわれた。

18:7 イスラエルの民はそこでダビデの家来たちに打ち負かされ、その日、その場所で多くの打たれた者が出、二万人が倒れた。

18:8 戦いはこの地一帯に散り広がり、この日、剣で倒された者よりも、密林で行き倒れになった者のほうが多かった。

18:9 アブシャロムはダビデの家来たちに出会った。アブシャロムは騾馬に乗っていたが、騾馬が大きな樫の木の茂った枝の下を通ったとき、アブシャロムの頭が樫の 木に引っ掛かり、彼は宙づりになった。彼が乗っていた騾馬はそのまま行った。

18:10 ひとりの男がそれを見て、ヨアブに告げて言った。「今、アブシャロムが樫の木に引っ掛かっているのを見て来ました。」

18:11 ヨアブはこれを告げた者に言った。「いったい、おまえはそれを見ていて、なぜその場で地に打ち落とさなかったのか。私がおまえに銀十枚と帯一本を与えたの に。」

18:12 その男はヨアブに言った。「たとい、私の手に銀千枚をいただいても、王のお子さまに手は下せません。王は私たちの聞いているところで、あなたとアビシャイ とイタイとに、『若者アブシャロムに手を出すな。』と言って、お命じになっているからです。

18:13 もし、私が自分のいのちをかけて、命令にそむいていたとしても、王には、何も隠すことはできません。そのとき、あなたは知らぬ顔をなさるでしょう。」

18:14 ヨアブは、「こうしておまえとぐずぐずしてはおられない。」と言って、手に三本の槍を取り、まだ樫の木の真中に引っ掛かったまま生きていたアブシャロムの 心臓を突き通した。

18:15 ヨアブの道具持ちの十人の若者たちも、アブシャロムを取り巻いて彼を打ち殺した。

18:16 ヨアブが角笛を吹き鳴らすと、民はイスラエルを追うのをやめて帰って来た。ヨアブが民を引き止めたからである。

18:17 人々はアブシャロムを取り降ろし、森の中の深い穴に投げ込み、その上に非常に大きな石くれの山を積み上げた。イスラエルはみな、おのおの自分の天幕に逃げ 帰っていた。

18:18 アブシャロムは存命中、王の谷に自分のために一本の柱を立てていた。「私の名を覚えてくれる息子が私にはいないから。」と考えていたからである。彼はその 柱に自分の名をつけていた。それは、アブシャロムの記念碑と呼ばれた。今日もそうである。

 

口語訳1955

18:1 さてダビデは自分と共にいる民を調べて、その上に千人の長、百人の長を立てた。

18:2 そしてダビデは民をつかわし、三分の一をヨアブの手に、三分の一をゼルヤの子ヨアブの兄弟アビシャイの手に、三分の一をガテびとイッタイの手にあずけた。 こうして王は民に言った、「わたしもまた必ずあなたがたと一緒に出ます」。

18:3 しかし民は言った、「あなたは出てはなりません。それはわれわれがどんなに逃げても、彼らはわれわれに心をとめず、われわれの半ばが死んでも、われわれに 心をとめないからです。しかしあなたはわれわれの一万に等しいのです。それゆえあなたは町の中からわれわれを助けてくださる方がよろ しい」。

18:4 王は彼らに言った、「あなたがたの最も良いと思うことをわたしはしましょう」。こうして王は門のかたわらに立ち、民は皆あるいは百人、あるいは千人となっ て出て行った。

18:5 王はヨアブ、アビシャイおよびイッタイに命じて、「わたしのため、若者アブサロムをおだやかに扱うように」と言った。王がアブサロムの事についてすべての 長たちに命じている時、民は皆聞いていた。

18:6 こうして民はイスラエルに向かって野に出て行き、エフライムの森で戦ったが、

18:7 イスラエルの民はその所でダビデの家来たちの前に敗れた。その日その所に戦死者が多く、二万に及んだ。

18:8 そして戦いはあまねくその地のおもてに広がった。この日、森の滅ぼした者は、つるぎの滅ぼした者よりも多かった。

18:9 さてアブサロムはダビデの家来たちに行き会った。その時アブサロムは騾馬に乗っていたが、騾馬は大きいかしの木の、茂った枝の下を通ったので、アブサロム の頭がそのかしの木にかかって、彼は天地の間につりさがった。騾馬は彼を捨てて過ぎて行った。

18:10 ひとりの人がそれを見てヨアブに告げて言った、「わたしはアブサロムが、かしの木にかかっているのを見ました」。

18:11 ヨアブはそれを告げた人に言った、「あなたはそれを見たというのか。それなら、どうしてあなたは彼をその所で、地に撃ち落さなかったのか。わたしはあなた に銀十シケルと帯一筋を与えたであろうに」。

18:12 その人はヨアブに言った、「たといわたしの手に銀千シケルを受けても、手を出して王の子に敵することはしません。王はわれわれが聞いているところで、あな たとアビシャイとイッタイに、『わたしのため若者アブサロムを保護せよ』と命じられたからです。

18:13 もしわたしがそむいて彼の命をそこなったのであれば、何事も王に隠れることはありませんから、あなたはみずから立ってわたしを責められたでしょう」。

18:14 そこで、ヨアブは「こうしてあなたと共にとどまってはおられない」と言って、手に三筋の投げやりを取り、あのかしの木にかかって、なお生きているアブサロ ムの心臓にこれを突き通した。

18:15 ヨアブの武器を執る十人の若者たちは取り巻いて、アブサロムを撃ち殺した。

18:16 こうしてヨアブがラッパを吹いたので、民はイスラエルのあとを追うことをやめて帰った。ヨアブが民を引きとめたからである。

18:17 人々はアブサロムを取って、森の中の大きな穴に投げいれ、その上にひじょうに大きい石塚を積み上げた。そしてイスラエルはみなおのおのその天幕に逃げ帰っ た。

18:18 さてアブサロムは生きている間に、王の谷に自分のために一つの柱を建てた。それは彼が、「わたしは自分の名を伝える子がない」と思ったからである。彼はそ の柱に自分の名をつけた。その柱は今日までアブサロムの碑ととなえられている。

   

文語訳1917

18:1 爰にダビデ己とともにある民を核べて其上に千夫の長百夫の長を立たり
18:2 しかしてダビデ民を三に分ちて其一をヨアブの手に託け一をゼルヤの子ヨアブの兄弟アビシヤイの手に託け一をガテ人イツタイの手に託けたりかくして王民にい ひけるは我もまた必ず汝らとともに出んと
18:3 されど民いふ汝は出べからず我儕如何に逃るとも彼等は我儕に心をとめじ又我儕半死とも我儕に心をとめざるべしされど汝は我儕の一萬に等し故に汝は城邑の中 より我儕を助けなば善し
18:4 王かれらにいひけるは汝等の目に善と見ゆるところを爲すべしとかくて王門の傍に立ち民皆或は百人或は千人となりて出づ
18:5 王ヨアブ、アビシヤイおよびイツタイに命じてわがために少年アブサロムを寛に待へよといふ王のアブサロムの事について諸の將官に命を下せる時民皆聞り
18:6 爰に民イスラエルにむかひて野に出でエフライムの叢林に戰ひしが
18:7 イスラエルの民其處にてダビデの臣僕のまへに敗る其日彼處の戰死大にして二萬にいたれり
18:8 しかして戰?く其地の表に廣がりぬ是日叢林の滅ぼせる者は刀劒の滅ぼせる者よりも多かりき
18:9 爰にアブサロム、ダビデの臣僕に行き遭り時にアブサロム騾馬に乗居たりしが騾馬大なる橡樹の繁き枝の下を過ければアブサロムの頭其橡に繋りて彼天地のあひ だにあがれり騾馬はかれの下より行過たり
18:10 一箇の人見てヨアブに告ていひけるは我アブサロムが橡樹に懸りをるを見たりと
18:11 ヨアブ其告たる人にいひけるはさらば爾見て何故に彼を其處にて地に撃落さざりしや我爾に銀十枚と一本の帶を與へんものを
18:12 其人ヨアブにいひけるは假令わが手に銀千枚を受べきも我は手をいだして王の子に敵せじ其は王我儕の聞るまへにて爾とアビシヤイとイツタイに命じて爾ら各少 年アブサロムを害するなかれといひたまひたればなり
18:13 我若し反いてかれの生命を?賊はば何事も王に隱るる所なければ爾自ら立て我を責んと
18:14 時にヨアブ我かく爾とともに滞るべからずといひて手に三本の槍を携へゆきて彼の橡樹の中に尚生をるアブサロムの胸に之を衝通せり
18:15 ヨアブの武器を執る十人の少者繞きてアブサロムを撃ち之を死しめたり
18:16 かくてヨアブ喇叭を吹ければ民イスラエルの後を追ふことを息てかへれりヨアブ民を止めたればなり
18:17 衆アブサロムを將て叢林の中なる大なる穴に投げいれ其上に甚だ大きく石を疊あげたり是においてイスラエル皆おのおの其天幕に逃かへれり
18:18 アブサロム我はわが名を傳ふべき子なしと言て其生る間に己のために一の表柱を建たり王の谷にあり彼おのれの名を其表柱に與たり其表柱今日にいたるまでアブ サロムの碑と稱らる



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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

 

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(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

 

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(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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サムエル記下18:19−19:1 (口語訳、新改訳18:19−33)

ダビデ、アブサロムの死を知る

 

 

翻訳比較

聖書協会共同訳2018

◆二人の急使
サム下 18:19 ツァドクの子アヒマアツは言った。「私が走って行って、主が敵の手から王を救ってくださったことを伝えます。」
サム下 18:20 ヨアブは彼に、「今日、あなたが知らせに行くのはよくない。日を改めて報告するがよい。今日は知らせずにおきなさい。王の息子が死んだのだ」 と言い、
サム下 18:21 クシュ人に命じた。「行って、あなたが見たとおりに王に報告せよ。」クシュ人はヨアブに一礼して走り去った。
サム下 18:22 ツァドクの子アヒマアツはもう一度ヨアブに言った。「どんなことになろうとも、私もクシュ人の後を追って走ります。」ヨアブは言った。「わが 子よ。どうしてあなたはそんなに走ろうとするのか。知らせに行ったところで、何も得るところはないであろう。」
サム下 18:23 しかし、「どんなことになろうと、私は走って行きたい」と彼が言うので、ヨアブは「走るがよい」と言った。アヒマアツは低地の道を走り、ク シュ人を追い越した。
サム下 18:24 ダビデは二つの門の間に座っていた。見張りが城壁の門の屋根に上り、目を上げると、男がただ一人走って来るのが見えた。
サム下 18:25 見張りは声を上げて王に知らせた。王は、「一人だけならば、良い知らせをもたらすだろう」と言った。その男が近づいて来たとき、
サム下 18:26 見張りはもう一人の男が走って来たのに気付き、門衛に呼びかけて言った。「もう一人、走って来る者がいます。」王は言った。「これもまた良い 知らせだ。」
サム下 18:27 見張りは、「最初の男の走り方は、ツァドクの子アヒマアツの走り方のように見えます」と言った。王は、「あれは良い男だ。良い知らせを持って 来たのだろう」と言った。
サム下 18:28 アヒマアツは王に向かって、「平安がありますように」と叫び、地にひれ伏して礼をし、言った。「あなたの神、主はたたえられますように。主 は、王様に手を上げる者どもを引き渡してくださいました。」
サム下 18:29 王が、「若者アブシャロムは無事か」と尋ねると、アヒマアツは答えた。「ヨアブが王様の僕とこの僕とを遣わそうとしたとき、大騒ぎが起こって いるのを見ましたが、それが何であったか、私には分かりません。」
サム下 18:30 王が、「脇に寄って、立っていなさい」と命じたので、アヒマアツは脇に寄り、そこに立った。
サム下 18:31 そこへクシュ人が到着した。彼は言った。「王様、良い知らせをお受けください。主は今日、あなたに逆らって立ったすべての者の手から、あなた を救ってくださいました。」
サム下 18:32 王はクシュ人に、「若者アブシャロムは無事か」と尋ねた。クシュ人は答えた。「王様の敵、あなたに逆らって危害を加えようとする者はことごと く、あの若者のようになりますように。」

19章


◆ヨアブ、ダビデを非難する
サム下 19:1 王は身を震わせ、門の上の部屋に上って泣いた。彼は上って行きながらこう言った。「わが子アブシャロムよ、わが子よ、わが子アブシャロムよ。私 がお前に代わって死ねばよかった。アブシャロム、わが子よ、わが子よ。」


フランシ スコ会訳2013
019
ツァドクの子アヒマアツは言った、「わたしを王の もとに走らせ、主が王を敵の手から解放してくださったという吉報を伝えさせてください」。

020ヨアブは彼に言った、「今日、お前は吉報の伝令に はならない。ほかの日にしなさい。今日お前は、知らせに行くべきではない。王子が亡くなられたのだから」。

021そして、ヨアブは一人のクシュ人に言った、「行っ て、お前が見たことを王に知らせよ」。クシュ人はヨアブに一礼し、走り去った。

022ツァドクの子アヒマアツは、再びヨアブに言った、 「どんなことになってもかまいません。わたしもクシュ人の後から走らせてください」。ヨアブは言った、「わが子よ、使者への何の 報いもないのに、なぜ、お前は走っていきたいのか」。

023しかし彼は言った、「どんなことになろうと、わた しは走っていきます」。そこでヨアブは彼に、「走っていけ」と言った。アヒマアツは低地を走り、クシュ人を追い越した。

024ダビデは二つの門の間に座っていた。見張りの者が 門の屋上に上り、城壁に出て目を上げると、男がただ一人走ってくるのが見えた。

025見張りの者は、叫んで王に知らせた。王は言った、 「ただ一人なら吉報を告げるはずだ」。その男がどんどん近づいてきたとき、

026見張りの者はもう一人の男が走ってくるのを見た。 見張りの者は門衛に叫んで言った、「男がもう一人走ってくる」。王は言った、「彼も吉報を持って来たのだ」。

027見張りの者は言った、「わたしには最初の者の走り 方は、ツァドクの子アヒマアツのように見えます」。王は言った、「彼は善い男だ。きっと吉報を持って来るだろう」。

028アヒマアツは大声で王に言った、「平和があります ように」。彼は王の前で顔が地面につくほど伏して言った、「あなたの神、主はたたえられますように。主は、わが主君、王に逆らっ て手を上げた者どもを渡されました」。

029王が、「若者アブサロムは無事か」と尋ねると、ア ヒマアツは答えた、「ヨアブが、王さまの僕とあなたのこの僕を遣わしたとき、わたしは大きな騒ぎを見ましたが、それが何であった か知りません」。

030王は、「脇に寄って、そこに立っていなさい」と 言った。そこで彼は脇に寄ってそこに立った。

031そこへクシュ人が到着した。クシュ人は言った、 「わが主君、王には、吉報がございます。今日、主はあなたに逆らって立ったすべての者の手からあなたを解放してくださいまし た」。

032王はクシュ人に尋ねた、「若者アブサロムは無事 か」。クシュ人は答えた、「わが主君、王の敵、あなたに逆らって立ち、害を加えようとしたすべての者が、あの若者のようになりま すように」。


19章

001すると、王は身を震わせ、門の上の部屋に上って 行って泣いた。彼は上って行きながらこう言った、「わが子アブサロムよ、わが子よ、わが子アブサロムよ。わたしがお前の代わりに 死ねばよかったのに。アブサロムよ、わが子、わが子よ」。

 

新共同訳1987

18:7 イスラエル軍はそこでダビデの家臣に敗れた。大敗北で、その日、二万人を失った。

18:8 戦いはその地の全面に広がり、その日密林の餌食になった者は剣が餌食にした者よりも多かった。

18:9 アブサロムがダビデの家臣に出会ったとき、彼はらばに乗っていたが、らばが樫の大木のからまりあった枝の下を通ったので、頭がその木にひっかかり、彼は天 と地の間に宙づりになった。乗っていたらばはそのまま走り過ぎてしまった。

18:10 兵の一人がこれを見て、ヨアブに知らせた。「アブサロムが樫の木に宙づりになっているのを見ました。」

18:11 ヨアブは知らせに来た者に言った。「見たなら、なぜその場で地に打ち落とさなかったのか。銀十枚と革帯一本を与えただろうに。」

18:12 その兵はヨアブに言った。「たとえこの手のひらに銀千枚の重みを感じるとしても、王子をこの手にかけたりはしません。王があなたとアビシャイ、イタイに、 若者アブサロムを守れ、と命じられたのを我々は耳にしました。

18:13 仮に、わたしが彼の命を奪ってそれを偽ろうとしても、王には何一つ隠せません。あなたもわたしを非とする側に立つでしょう。」

18:14 「それなら、お前に期待はしない」とヨアブは言った。アブサロムは樫の木にひっかかったまま、まだ生きていた。ヨアブは棒を三本手に取り、アブサロムの心 臓に突き刺した。

18:15 ヨアブの武器を持つ従卒十人が取り囲んでアブサロムを打ち、とどめを刺した。

18:16 ヨアブは角笛を吹いて兵士を引き止めたので、彼らはイスラエル軍の追跡をやめて戻って来た。

18:17 彼らはアブサロムを降ろし、森の中の大穴に投げ込み、その上に石を積み上げて非常に大きな塚を作った。イスラエルの全軍はそれぞれの天幕に逃げ帰った。

18:18 アブサロムは生前、王の谷に自分のための石柱を立てていた。跡継ぎの息子がなく、名が絶えると思ったからで、この石柱に自分の名を付けていた。今日もアブ サロムの碑と呼ばれている。

◆二人の急使

18:19 ツァドクの子アヒマアツは言った。「走って行って、主が王を敵の手から救ってくださったという良い知らせを王に伝えます。」

18:20 ヨアブは彼に、「今日、お前が知らせるのはよくない。日を改めて報告するがよい。今日は知らせないでおこう。王の息子が死んだのだ」と言い、

18:21 クシュ人に命じた。「行って、お前が見たとおりに王に報告せよ。」クシュ人はヨアブに一礼して走り去った。

18:22 ツァドクの子アヒマアツは再びヨアブに、「どんなことになろうと、わたしもクシュ人を追って走りたいのです」と願った。「子よ、お前はどうしてそんなに走 りたいのだ。お前が行って知らせるほどの良い知らせではない」とヨアブは言ったが、

18:23 どんなことになろうと行きたいと言うので、ヨアブは「走るがよい」と答えた。アヒマアツは低地に道をとり、クシュ人を追い越した。

18:24 ダビデは二つの城門の間に座っていた。城壁に沿った城門の屋根には、見張りが上って目を上げ、男がただ一人走って来るのを見た。

18:25 見張りは王に呼びかけて知らせた。王は、「一人だけならば良い知らせをもたらすだろう」と言った。その男が近づいて来たとき、

18:26 見張りはもう一人の男が走って来るのに気がつき、門衛に呼びかけて言った。「また一人で走って来る者がいます。」王は、「これもまた良い知らせだ」と言っ た。

18:27 見張りは、「最初の人の走り方はツァドクの子アヒマアツの走り方のように見えます」と言った。王は、「良い男だ。良い知らせなので来たのだろう」と言っ た。

18:28 アヒマアツは「王に平和」と叫び、地にひれ伏して礼をし、言った。「あなたの神、主はほめたたえられますように。主は主君、王に手を上げる者どもを引き渡 してくださいました。」

18:29 王が、「若者アブサロムは無事か」と尋ねると、アヒマアツは答えた。「ヨアブが、王様の僕とこの僕とを遣わそうとしたとき、大騒ぎが起こっているのを見ま したが、何も知りません。」

18:30 王が、「脇に寄って、立っていなさい」と命じたので、アヒマアツは脇に寄り、そこに立った。

18:31 そこへクシュ人が到着した。彼は言った。「主君、王よ、良い知らせをお聞きください。主は、今日あなたに逆らって立った者どもの手からあなたを救ってくだ さいました。」

18:32 王はクシュ人に、「若者アブサロムは無事か」と尋ねた。クシュ人は答えた。「主君、王の敵、あなたに危害を与えようと逆らって立った者はことごとく、あの 若者のようになりますように。」

19:1 ダビデは身を震わせ、城門の上の部屋に上って泣いた。彼は上りながらこう言った。「わたしの息子アブサロムよ、わたしの息子よ。わたしの息子アブサロム よ、わたしがお前に代わって死ねばよかった。アブサロム、わたしの息子よ、わたしの息子よ。」

 

新改訳1970

18:19 ツァドクの子アヒマアツは言った。「私は王のところへ走って行って、主が敵の手から王を救って王のために正しいさばきをされたと知らせたいのですが。」

18:20 ヨアブは彼に言った。「きょう、あなたは知らせるのではない。ほかの日に知らせなさい。きょうは、知らせないがよい。王子が死んだのだから。」

18:21 ヨアブはクシュ人に言った。「行って、あなたの見たことを王に告げなさい。」クシュ人はヨアブに礼をして、走り去った。

18:22 ツァドクの子アヒマアツは再びヨアブに言った。「どんなことがあっても、やはり私もクシュ人のあとを追って走って行きたいのです。」ヨアブは言った。「わ が子よ。なぜ、あなたは走って行きたいのか。知らせに対して、何のほうびも得られないのに。」

18:23 「しかしどんなことがあっても、走って行きたいのです。」ヨアブは「走って行きなさい。」と言った。アヒマアツは低地への道を走って行き、クシュ人を追い 越した。

18:24 ダビデは二つの門の間にすわっていた。見張りが城壁の門の屋根に上り、目を上げて見ていると、ただひとりで走って来る男がいた。

18:25 見張りが王に大声で告げると、王は言った。「ただひとりなら、吉報だろう。」その者がしだいに近づいて来たとき、

18:26 見張りは、もうひとりの男が走って来るのを見た。見張りは門衛に叫んで言った。「ひとりで走って来る男がいます。」すると王は言った。「それも吉報を持っ て来ているのだ。」

18:27 見張りは言った。「先に走っているのは、どうやらツァドクの子アヒマアツのように見えます。」王は言った。「あれは良い男だ。良い知らせを持って来るだろ う。」

18:28 アヒマアツは大声で王に「ごきげんはいかがでしょうか。」と言って、地にひれ伏して、王に礼をした。彼は言った。「あなたの神、主がほめたたえられますよ うに。主は、王さまに手向かった者どもを、引き渡してくださいました。」

18:29 王が、「若者アブシャロムは無事か。」と聞くと、アヒマアツは答えた。「ヨアブが王の家来のこのしもべを遣わすとき、私は、何か大騒ぎの起こるのを見まし たが、何があったのか知りません。」

18:30 王は言った。「わきへ退いて、そこに立っていなさい。」そこで彼はわきに退いて立っていた。

18:31 するとクシュ人がはいって来て言った。「王さまにお知らせいたします。主は、きょう、あなたに立ち向かうすべての者の手から、あなたを救って、あなたのた めに正しいさばきをされました。」

18:32 王はクシュ人に言った。「若者アブシャロムは無事か。」クシュ人は答えた。「王さまの敵、あなたに立ち向かって害を加えようとする者はすべて、あの若者の ようになりますように。」

18:33 すると王は身震いして、門の屋上に上り、そこで泣いた。彼は泣きながら、こう言い続けた。「わが子アブシャロム。わが子よ。わが子アブシャロム。ああ、私 がおまえに代わって死ねばよかったのに。アブシャロム。わが子よ。わが子よ。」

 

口語訳1955

18:19 さてザドクの子アヒマアズは言った、「わたしは走って行って、主が王を敵の手から救い出されたおとずれを王に伝えましょう」。

18:20 ヨアブは彼に言った、「きょうは、おとずれを伝えてはならない。おとずれを伝えるのは、ほかの日にしなさい。きょうは王の子が死んだので、おとずれを伝え てはならない」。

18:21 ヨアブはクシびとに言った、「行って、あなたの見た事を王に告げなさい」。クシびとはヨアブに礼をして走って行った。

18:22 ザドクの子アヒマアズは重ねてヨアブに言った、「何事があろうとも、わたしにもクシびとのあとから走って行かせてください」。ヨアブは言った、「子よ、お とずれの報いを得られないのに、どうしてあなたは走って行こうとするのか」。

18:23 彼は言った、「何事があろうとも、わたしは走って行きます」。ヨアブは彼に言った、「走って行きなさい」。そこでアヒマアズは低地の道を走って行き、クシ びとを追い越した。

18:24 時にダビデは二つの門の間にすわっていた。そして見張りの者が城壁の門の屋根にのぼり、目をあげて見ていると、ただひとりで走ってくる者があった。

18:25 見張りの者が呼ばわって王に告げたので、王は言った、「もしひとりならば、その口におとずれがあるであろう」。その人は急いできて近づいた。

18:26 見張りの者は、ほかにまたひとり走ってくるのを見たので、門の方に呼ばわって言った、「見よ、ほかにただひとりで走って来る者があります」。王は言った、 「彼もまたおとずれを持ってくるのだ」。

18:27 見張りの者は言った、「まっ先に走って来る人はザドクの子アヒマアズのようです」。王は言った、「彼は良い人だ。良いおとずれを持ってくるであろう」。

18:28 時にアヒマアズは呼ばわって王に言った、「平安でいらせられますように」。そして王の前に地にひれ伏して言った、「あなたの神、主はほむべきかな。主は 王、わが君に敵して手をあげた人々を引き渡されました」。

18:29 王は言った、「若者アブサロムは平安ですか」。アヒマアズは答えた、「ヨアブがしもべをつかわす時、わたしは大きな騒ぎを見ましたが、何事であったか知り ません」。

18:30 王は言った、「わきへ行って、そこに立っていなさい」。彼はわきへ行って立った。

18:31 その時クシびとがきた。そしてそのクシびとは言った、「わが君、王が良いおとずれをお受けくださるよう。主はきょう、すべてあなたに敵して立った者どもの 手から、あなたを救い出されたのです」。

18:32 王はクシびとに言った、「若者アブサロムは平安ですか」。クシびとは答えた、「王、わが君の敵、およびすべてあなたに敵して立ち、害をしようとする者は、 あの若者のようになりますように」。

18:33 王はひじょうに悲しみ、門の上のへやに上って泣いた。彼は行きながらこのように言った、「わが子アブサロムよ。わが子、わが子アブサロムよ。ああ、わたし が代って死ねばよかったのに。アブサロム、わが子よ、わが子よ」。

 


文 語訳1917
18:19 爰にザドクの子アヒマアズいひけるは請ふ我をして趨りて王にヱホバの王をまもりて其敵の手を免かれしめたまひし音信を傳へしめよと
18:20 ヨアブかれにいひけるは汝は今日音信を傳ふるものとなるべからず他日に音信を傳ふべし今日は王の子死たれば汝音信を傳ふべからず
18:21 ヨアブ、クシ人にいひけるは往て爾が見たる所を王に告よクシ人ヨアブに禮をなして走れり
18:22 ザドクの子アヒマアズ再びヨアブにいひけるは請ふ何にもあれ我をも亦クシ人の後より走ゆかしめよヨアブいひけるは我子よ爾は充分の音信を持ざるに何故に走 りゆかんとするや
18:23 かれいふ何れにもあれ我をして走りゆかしめよとヨアブかれにいふ走るべし是においてアヒマアズ低地の路をはしりてクシ人を走越たり
18:24 時にダビデは二の門の間に坐しゐたり爰に守望者門の蓋上にのぼり石墻にのぼりて其目を擧て見るに視よ獨一人にて走きたる者あり
18:25 守望者呼はりて王に告ければ王いふ若し獨ならば口に音信を持つならんと其人進み來りて近づけり
18:26 守望者復一人の走りきたるを見しかば守望者守門者に呼はりて言ふ獨一人にて走きたる者あり王いふ其人もまた音信を持ものなり
18:27 守望者言ふ我先者の走を見るにザドクの子アヒマアズの走るが如しと王いひけるは彼は善人なり善き音信を持來るならん
18:28 アヒマアズ呼はりて王にいひけるはねがはくは平安なれとかくて王のまへに地に伏していふ爾の神ヱホバは讃べきかなヱホバかの手をあげて王わが主に敵したる 人々を付したまへり
18:29 王いひけるは少年アブサロムは平安なるやアヒマアズこたへけるは王の僕ヨアブ僕を遣はせし時我大なる噪を見たれども何をも知らざるなり
18:30 王いひけるは側にいたりて其處に立よと乃ち側にいたりて立つ
18:31 時に視よクシ人來れりクシ人いひけるはねがはくは王音信を受たまへヱホバ今日爾をまもりて凡て爾にたち逆ふ者の手を免かれしめたまへり
18:32 王クシ人にいひけるは少年アブサロムは平安なるやクシ人いひけるはねがはくは王わが主の敵および凡て汝に起ち逆ひて害をなさんとする者は彼少年のごとくな れと
18:33 王大に感み門の樓にのぼりて哭り彼行ながらかくいへりわが子アブサロムよわが子わが子アブサロムよ鳴呼われ汝に代りて死たらん者をアブサロムわが子よわが 子よ


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

 

・・・・

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

 

・・・・

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

新共同 ロマ 9:3

9:3 わたし自身、兄弟たち、つまり肉による同胞のためならば、キリストから離され、神から見捨てられた者となってもよいとさえ思っています。

 

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