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サ ムエル記下 20:1-22  

シ バの反逆

 

翻 訳比較

 

聖 書協会共同訳2018
◆シェバの反逆
サム下 20:1 そこに、ベニヤミン人ビクリの息子で、シェバという名のならず者が居合わせた。彼は角笛を鳴らして言った。/「ダビデのうちに、我々の受け取る べき分はない。/エッサイの子のうちに/我々の受け継ぐべき分はない。/イスラエルよ、それぞれ自分の天幕に帰るがよい。」
サム下 20:2 そのため、イスラエルの人々は皆ダビデから離れ、ビクリの子シェバに従った。しかし、ユダの人々はヨルダン川からエルサレムまで、彼らの王に 従った。
サム下 20:3 ダビデはエルサレムの王宮に戻ると、家を守るために残した十人の側女を集め、監視付きの家に入れた。彼は側女たちの面倒は見たが、彼女たちのと ころに入ることはなかった。彼女たちは死ぬまで閉じ込められ、やもめのような生涯を送った。
サム下 20:4 王はアマサに言った。「ユダの人々を三日のうちに召集して、ここに来なさい。」
サム下 20:5 アマサはユダの人々を召集するため出て行ったが、手間取って、王が定めた期日には間に合わなかった。
サム下 20:6 そこで、ダビデはアビシャイに言った。「我々にとって、ビクリの子シェバはアブシャロム以上に危険だ。彼が城壁に囲まれた町を手に入れ、我々の 目を逃れることのないよう、あなたは自分の主人の家来を率いて、彼を追跡しなさい。」
サム下 20:7 ヨアブの兵、クレタ人とペレティ人、および勇士全員が彼に従ってエルサレムを出発し、ビクリの子シェバを追跡した。
サム下 20:8 彼らがギブオンにある大石にさしかかったとき、アマサが彼らの前に現れた。ヨアブは戦の装束を身にまとい、鞘に納めた剣を腰に帯びていたが、彼 が進み出ると、剣が抜け出た。
サム下 20:9 ヨアブはアマサに、「兄弟よ。無事か」と声をかけ、口づけしようと右手でアマサのひげをつかんだ。
サム下 20:10 アマサはヨアブの手にある剣に気付かなかった。ヨアブが剣でアマサの下腹を突き刺すと、彼のはらわたが地に流れ出た。ヨアブが二度突くまでも なく、アマサは死んだ。ヨアブとその兄弟アビシャイはビクリの子シェバの追跡を続けた。
サム下 20:11 ヨアブの従者の一人がアマサの傍らに立ち、「ヨアブに賛同する者、ダビデに忠勤を尽くす者はヨアブに続け」と言ったが、
サム下 20:12 アマサが血まみれで大路の真ん中に転がっていたので、皆立ち止まってしまった。この男はそれを見て、アマサを大路から脇に移し、そこまで来た 者がそれを見て立ち止まることのないよう、アマサの上に衣をかぶせた。
サム下 20:13 彼の死体が大路から除かれると、人々は皆、ヨアブの後に付いてビクリの子シェバを追跡した。
サム下 20:14 シェバはイスラエルのすべての部族を巡り歩いて、アベル・ベト・マアカに来ていた。ビクリの一党も皆集まって来て、彼に従った。
サム下 20:15 人々はアベル・ベト・マアカに来てシェバを包囲し、町に向かって外壁の高さほどの塁を築いた。ヨアブの率いる全軍が城壁を打ち壊して崩そうと していると、
サム下 20:16 知恵のある一人の女が町から叫んだ。「聞いてください。聞いてください。どうかヨアブに伝えてください。『ここに近寄ってください。あなたに 申し上げたいことがあります。』」
サム下 20:17 ヨアブが近寄ると、女は言った。「あなたがヨアブですか。」彼は言った。「そうだ。」女は彼に言った。「仕え女の言葉を聞いてください。」ヨ アブが「聞こう」と答えると、
サム下 20:18 女は言った。「昔、人々は『アベルで尋ねよ』と言って、事を決めたのです。
サム下 20:19 私はイスラエルの中で平和を望む忠実な者の一人です。あなたは、イスラエルの中で母なる町を滅ぼそうとしておられます。なぜ、主の所有地を? み込もうとなさるのですか。」
サム下 20:20 ヨアブは答えた。「そのようなことは決してない。?み尽くしたり、滅ぼしたりすることなど考えてもいない。
サム下 20:21 そうではない。エフライムの山地の出身で、名をビクリの子シェバと言う者がダビデ王に向かって手を上げたのだ。その男一人を渡してくれれば、 この町から引き揚げよう。」女はヨアブに言った。「おっしゃるとおり、その男の首を城壁の上からあなたのもとへ投げ落としましょ う。」
サム下 20:22 女は知恵を用いてすべての民を説いて回り、ビクリの子シェバの首をはねさせ、ヨアブのもとに投げ落とした。ヨアブが角笛を鳴らしたので、兵は 解散し、町を去ってそれぞれの天幕に帰った。ヨアブはエルサレムの王のもとへ戻った。


フ ランシスコ会訳2013

001たまた まそこに、ベニヤミン人ビクリの子でシェバという名の邪な者がいた。彼は角笛を吹き鳴らして言った、

「われ われにはダビデとともに分かち合うものはなく、

エッサ イの子とともに継ぐものは何もない。

イスラ エルよ、各々その天幕に帰れ」。

002そのた め、イスラエルの人々はみなダビデのもとを去り、ビクリの子シェバに従った。しかし、ユダの人々はヨルダン川からエルサレムまで王に 付き従った。

003ダビデ はエルサレムの宮殿に戻った。王は、宮殿の留守を守らせるために残しておいた十人の側妻たちを、護りを固めた屋敷に入れて面倒は見た が、再び彼女らの所に入ることはなかった。彼女たちはやもめのような生活を送り、死ぬまで閉じ込められていた。

004王はア マサに言った、「ユダの人々を三日のうちに召集し、その後、あなたもここに帰ってきなさい」。

005アマサ はユダの人々を召集しに行ったが、定められた期限には間に合わなかった。

006そこで ダビデはアビシャイに言った、「今や、ビクリの子シェバは、アブサロム以上にわれわれにとって危険な存在となった。あなたはあなたの 主君の家来を率い、シェバを追跡しなさい。彼が城壁のある町々を見つけて、われわれの目の届かない所に逃れるといけないからだ」。

007それで ヨアブの部下、クレタ人とペレティ人、そしてすべての勇士がアビシャイに続いて出ていった。彼らはエルサレムを出て、ビクリの子シェ バを追跡した。

008彼らが ギブオンにある大きな石の近くに来たとき、アマサが彼らの前に現れた。ヨアブは鎧をまとい、その上から鞘に収めた剣を腰に帯で結びつ けていた。ヨアブが前に進み出たとき、剣が抜け落ちた。

009ヨアブ はアマサに、「兄弟よ、元気か」と言い、口づけをするかに見せて右手でアマサの髭をつかんだ。

010アマサ はヨアブの手にあった剣に気づかなかった。ヨアブはアマサの腹を突き刺したので、彼のはらわたは大地に流れ出た。二度突くまでもなく アマサは死んだ。

ヨアブ とその兄弟アビシャイは、ビクリの子シェバを追跡した。

011ヨアブ 側の兵卒の一人がアマサの傍らに立って、言った、「ヨアブを支持する者、ダビデに味方する者は、ヨアブに続け」。

012アマサ は、道の真ん中に血まみれになって転がっていた。兵士たちがみなそこで立ち止まるのを見て、その男はアマサを道から野原に移し、その 上に着物をかけた。そこへさしかかる者がみな立ち止まるのを見たからである。

013アマサ が道から移されると、兵士はみなビクリの子シェバを追って、ヨアブの後に続いて進んだ。

014ヨアブ はイスラエルの全部族の間を通り過ぎて、ベト・マアカのアベルに至った。同盟する者はみな集まってきて、彼に従った。

015彼ら は、ベト・マアカのアベルに入ったシェバを包囲し、町に対して保塁を築きあげた。それは外壁の高さにまで達した。ヨアブの兵士全員が 城壁を倒す破壊作業をしていると、

016一人の 賢い女が町から叫んだ、「聞いてください。聞いてください。『わたしがお話しできるよう、こちらに来ていただきたい』とヨアブさまに 伝えてください」。

017ヨアブ が彼女の方に近づくと、女は、「ヨアブさまですか」と尋ねた。彼が、「そうだ」と答えると、彼女は言った、「このはしための言葉を聞 いてください」。彼は「聞いている」と言った。

018すると 彼女は次のように言った、「昔、人々は、『アベルで尋ねよ』と言い、問題はそれで解決しました。

019わたし は、イスラエルの中で平和を求める忠実な者の一人です。あなたはイスラエルの母なる町を滅ぼそうとしておられます。なぜあなたは、主 のものである町を呑み込もうとなさるのですか」。

020ヨアブ は答えて言った、「とんでもないことだ。呑み込んだり、滅ぼしたりするなど、思いも寄らないことだ。

021そんな ことではなく、エフライムの山地出身の者で、ビクリの子シェバという男が、ダビデ王に対して手を上げたのだ。その男だけを引き渡して くれ。そうすれば町から引き上げよう」。女はヨアブに言った、「きっとその男の首を、城壁越しにあなたの所へ投げ落とします」。

022それか ら女は、知恵を尽くして民全体に説いて回った。それで住民たちはビクリの子シェバの首を刎ね、ヨアブの所に投げた。そこでヨアブは角 笛を吹き鳴らした。兵士たちはその町を去り、それぞれ天幕に帰った。ヨアブはエルサレムの王のもとへ帰った。

 

新共同訳1987

20:1 そこにベニヤミン人ビクリの息子でシェバという名のならず者が居合わせた。彼は角笛を吹き鳴らして言った。「我々にはダビデと分け 合うものはない。エッサイの子と共にする嗣業はない。イスラエルよ、自分の天幕に帰れ。」

20:2 イスラエルの人々は皆ダビデを離れ、ビクリの息子シェバに 従った。しかし、ユダの人々はヨルダン川からエルサレムまで彼らの王につき従った。

20:3 ダビデはエルサレムの王宮に戻ると、家を守るために残した十 人の側女を集め、監視付きの家に入れた。彼は側女たちの面倒は見たが、彼女たちのところに入ることはなかった。彼女たちは死ぬまで閉 じ込められ、やもめのような生涯を送った。

20:4 王はアマサに命じた。「ユダの人々を三日のうちに動員してこ こに来なさい。」

20:5 アマサはユダの人々を動員するために出て行ったが、定められ た期日に戻らなかった。

20:6 ダビデはアビシャイに言った。「我々にとってビクリの子シェ バはアブサロム以上に危険だ。シェバが砦の町々を見つけて我々の目から隠れることがないように、お前は主君の家臣を率いて彼を追跡し なさい。」

20:7 ヨアブの兵、クレタ人とペレティ人、および勇士の全員が彼に 従ってエルサレムを出発し、ビクリの息子シェバを追跡した。

20:8 彼らがギブオンの大石のところにさしかかったとき、アマサが 彼らの前に現れた。ヨアブは武装して、さやに納めた剣を腰に帯びていたが、ヨアブが前に出ると、剣が抜けた。

20:9 ヨアブはアマサに、「兄弟、無事か」と声をかけ、口づけしよ うと右手でアマサのひげをつかんだ。

20:10 アマサはヨアブの手にある剣に気づかなかった。ヨアブは剣で アマサの下腹を突き刺した。はらわたが地に流れ出て、二度突くまでもなくアマサは死んだ。ヨアブと弟アビシャイはビクリの息子シェバ の追跡を続けた。

20:11 ヨアブの従者の一人が傍らに立って言った。「ヨアブを愛する 者、ダビデに味方する者はヨアブに続け。」

20:12 だが、アマサが道の真ん中に血にまみれて転がっていたので、 兵士たちは皆立ち止まった。この男はそれを見てアマサを道から畑に移し、そこまで来た者がそれを見て立ち止まることのないように、そ の上に衣をかぶせた。

20:13 アマサが道から除かれると、兵は皆、ヨアブの後についてビク リの息子シェバを追跡した。

20:14 シェバはイスラエルの全部族を通って行って、ベト・マアカの アベルまで来ていた。選び抜かれた兵が寄り集まり彼に従った。

20:15 ヨアブに従う兵士全員がベト・マアカのアベルに到着しシェバ を包囲した。町に向けて外壁の高さほどの塁を築き、城壁を崩そうと試みていると、

20:16 知恵のある女が町から呼ばわった。「聞いてください。聞いて ください。『ここに近寄ってください。申し上げたいことがあります』とヨアブさまに伝えてください。」

20:17 ヨアブが近寄ると女は言った。「あなたがヨアブさまです か。」「そうだ」と彼は答えた。彼女は言った。「はしための言葉を聞いてください。」「聞こう」とヨアブが答えると、

20:18 女は言った。「昔から、『アベルで尋ねよ』と言えば、事は片 づいたのです。

20:19 わたしはイスラエルの中で平和を望む忠実な者の一人です。あ なたはイスラエルの母なる町を滅ぼそうとしておられます。何故、あなたは主の嗣業を呑み尽くそうとなさるのですか。」

20:20 ヨアブは答えた。「決してそのようなことはない。呑み尽くし たり、滅ぼしたりすることなど考えてもいない。

20:21 そうではない。エフライム山地の出身で、名をビクリの子シェ バという者がダビデ王に向かって手を上げたのだ。その男一人を渡してくれれば、この町から引き揚げよう。」女はヨアブに言った。「そ の男の首を城壁の上からあなたのもとへ投げ落とします。」

20:22 女は知恵を用いてすべての民のもとに行き、ビクリの子シェバ の首を切り落とさせ、ヨアブに向けてそれを投げ落とした。ヨアブは角笛を吹き鳴らし、兵はこの町からそれぞれの天幕に散って行った。 ヨアブはエルサレムの王のもとへ戻った。

 

新改訳1970

20:1 たまたまそこに、よこしまな者で、名をシェバという者がい た。彼はベニヤミン人ビクリの子であった。彼は角笛を吹き鳴らして言った。「ダビデには、われわれのための割り当て地がない。エッサ イの子には、われわれのためのゆずりの地がない。イスラエルよ。おのおの自分の天幕に帰れ。」

20:2 そのため、すべてのイスラエル人は、ダビデから離れて、ビク リの子シェバに従って行った。しかし、ユダの人々はヨルダン川からエルサレムまで、自分たちの王につき従って行った。

20:3 ダビデはエルサレムの自分の王宮にはいった。王は、王宮の留 守番に残しておいた十人のそばめをとり、監視つきの家を与えて養ったが、王は彼女たちのところには通わなかった。それで彼女たちは、 一生、やもめとなって、死ぬ日まで閉じ込められていた。

20:4 さて、王はアマサに言った。「私のために、ユダの人々を三日 のうちに召集し、あなたも、ここに帰って来なさい。」

20:5 そこでアマサは、ユダの人々を召集するために出て行ったが、 指定された期限に間に合わなかった。

20:6 ダビデはアビシャイに言った。「今や、ビクリの子シェバは、 アブシャロムよりも、もっとひどいわざわいを、われわれにしかけるに違いな い。あなたは、私の家来を引き連れて彼を追いなさい。でないと彼は城壁のある町にはいって、のがれてしまうだろう。」

20:7 それで、ヨアブの部下と、ケレテ人と、ペレテ人と、すべての 勇士たちとは、アビシャイのあとに続いて出て行った。彼らはエルサレムを出て、ビクリの子シェバのあとを追った。

20:8 彼らがギブオンにある大きな石のそばに来たとき、アマサが彼 らの前にやって来た。ヨアブは自分のよろいを身に着け、さやに納めた剣を腰の上に帯で結びつけていた。彼が進み出ると、剣が落ちた。

20:9 ヨアブはアマサに、「兄弟。おまえは元気か。」と言って、ア マサに口づけしようとして、右手でアマサのひげをつかんだ。

20:10 アマサはヨアブの手にある剣に気をつけていなかった。ヨアブ が彼の下腹を刺したので、はらわたが地面に流れ出た。この一突きでアマサは死んだ。それからヨアブとその兄弟アビシャイは、ビクリの 子シェバのあとを追った。

20:11 そのとき、ヨアブに仕える若い者のひとりがアマサのそばに 立って言った。「ヨアブにつく者、ダビデに味方する者は、ヨアブに従え。」

20:12 アマサは大路の真中で、血まみれになってころがっていた。こ の若い者は、民がみな立ち止まるのを見て、アマサを大路から野原に運んだ。そのかたわらを通る者がみな、立ち止まるのを見ると、彼の 上に着物を掛けた。

20:13 アマサが大路から移されると、みなヨアブのあとについて進 み、ビクリの子シェバを追った。

20:14 シェバはイスラエルの全部族のうちを通って、アベル・ベテ・ マアカへ行った。すべてのベリ人は集まって来て、彼に従った。

20:15 しかし、人々はアベル・ベテ・マアカに来て、彼を包囲し、こ の町に向かって塁を築いた。それは外壁に向かって立てられた。ヨアブにつく民はみな、城壁を破壊して倒そうとしていた。

20:16 そのとき、この町から、ひとりの知恵のある女が叫んだ。「聞 いてください。聞いてください。ヨアブにこう言ってください。ここまで近づいてください。あなたにお話ししたいのです。」

20:17 ヨアブが彼女のほうに近づくと、この女は、「あなたがヨアブ ですか。」と尋ねた。彼は答えた。「そうだ。」すると女は言った。「このはしためのことばを聞いてください。」彼は答えた。「私が聞 こう。」

20:18 すると女はこう言った。「昔、人々は『アベルで尋ねてみなけ ればならない。』と言って、事を決めるのがならわしでした。

20:19 私は、イスラエルのうちで平和な、忠実な者のひとりです。あ なたは、イスラエルの母である町を滅ぼそうとしておられます。あなたはなぜ、主のゆずりの地を、のみ尽くそうとされるのですか。」

20:20 ヨアブは答えて言った。「絶対にそんなことはない。のみ尽く したり、滅ぼしたりするなど、とてもできないことだ。

20:21 そうではない。実はビクリの子で、その名をシェバというエフ ライムの山地の出の男が、ダビデ王にそむいたのだ。この男だけを引き渡してくれたら、私はこの町から引き揚げよう。」するとこの女は ヨアブに言った。「では、その男の首を城壁の上からあなたのところに投げ落としてごらんにいれます。」

20:22 この女はその知恵を用いてすべての民のところに行った。それ で彼らはビクリの子シェバの首をはね、それをヨアブのもとに投げた。ヨアブが角笛を吹き鳴らしたので、人々は町から散って行って、め いめい自分の天幕へ帰った。ヨアブはエルサレムの王のところに戻った。

 

口語訳1955

20:1 さて、その所にひとりのよこしまな人があって、名をシバと いった。ビクリの子で、ベニヤミンびとであった。彼はラッパを吹いて言った、「われわれはダビデのうちに分がない。またエッサイの子 のうちに嗣業を持たない。イスラエルよ、おのおのその天幕に帰りなさい」。

20:2 そこでイスラエルの人々は皆ダビデに従う事をやめて、ビクリ の子シバに従った。しかしユダの人々はその王につき従って、ヨルダンからエルサレムへ行った。

20:3 ダビデはエルサレムの自分の家にきた。そして王は家を守るた めに残しておいた十人のめかけたちを取って、一つの家に入れて守り、また養ったが、彼女たちの所には、はいらなかった。彼女たちは死 ぬ日まで閉じこめられ一生、寡婦としてすごした。

20:4 王はアマサに言った、「わたしのため三日のうちにユダの人々 を呼び集めて、ここにきなさい」。

20:5 アマサはユダを呼び集めるために行ったが、彼は定められた時 よりもおくれた。

20:6 ダビデはアビシャイに言った、「ビクリの子シバは今われわれ にアブサロムよりも多くの害をするであろう。あなたの主君の家来たちを率いて、彼のあとを追いなさい。さもないと彼は堅固な町々を獲 て、われわれを悩ますであろう」。

20:7 こうしてヨアブとケレテびととペレテびと、およびすべての勇 士はアビシャイに従って出た。すなわち彼らはエルサレムを出て、ビクリの子シバのあとを追った。

20:8 彼らがギベオンにある大石のところにいた時、アマサがきて彼 らに会った。時にヨアブは軍服を着て、帯をしめ、その上にさやに納めたつるぎを腰に結んで帯びていたが、彼が進み出た時つるぎは抜け 落ちた。

20:9 ヨアブはアマサに、「兄弟よ、あなたは安らかですか」と言っ て、ヨアブは右の手をもってアマサのひげを捕えて彼に口づけしようとしたが、

20:10 アマサはヨアブの手につるぎがあることに気づかなかったの で、ヨアブはそれをもってアマサの腹部を刺して、そのはらわたを地に流し出し、重ねて撃つこともなく彼を殺した。こうしてヨアブとそ の兄弟アビシャイはビクリの子シバのあとを追った。

20:11 時にヨアブの若者のひとりがアマサのかたわらに立って言っ た、「ヨアブに味方する者、ダビデにつく者はヨアブのあとに従いなさい」。

20:12 アマサは血に染んで大路の中にころがっていたので、そのそば に来る者はみな彼を見て立ちどまった。この人は民がみな立ちどまるのを見て、アマサを大路から畑に移し、衣服をその上にかけた。

20:13 アマサが大路から移されたので、民は皆ヨアブに従って進み、 ビクリの子シバのあとを追った。

20:14 シバはイスラエルのすべての部族のうちを通ってベテマアカの アベルにきた。ビクリびとは皆、集まってきて彼に従った。

20:15 そこでヨアブと共にいたすべての人々がきて、彼をベテマアカ のアベルに囲み、町に向かって土塁を築いた。それはとりでに向かって立てられた。こうして彼らは城壁をくずそうとしてこれを撃った。

20:16 その時、ひとりの賢い女が町から呼ばわった、「あなたがたは 聞きなさい。あなたがたは聞きなさい。ヨアブに、『ここにきてください。わたしはあなたに言うことがあります』と言ってください」。

20:17 彼がその女に近寄ると、女は「あなたがヨアブですか」と言っ た。彼は「そうです」と答えた。すると女は彼に「はしための言葉をお聞きください」と言ったので、「聞きましょう」と彼は言った。

20:18 そこで女は言った、「昔、人々はいつも、『アベルで尋ねなさ い』と言って、事を定めました。

20:19 わたしはイスラエルのうちの平和な、忠誠な者です。そうであ るのに、あなたはイスラエルのうちで母ともいうべき町を滅ぼそうとしておられます。どうして主の嗣業を、のみ尽そうとされるのです か」。

20:20 ヨアブは答えた、「いいえ、決してそうではなく、わたしが、 のみ尽したり、滅ぼしたりすることはありません。

20:21 事実はそうではなく、エフライムの山地の人ビクリの子、名を シバという者が手をあげて王ダビデにそむいたのです。あなたがたが彼ひとりを渡すならば、わたしはこの町を去ります」。女はヨアブに 言った、「彼の首は城壁の上からあなたの所へ投げられるでしょう」。

20:22 こうしてこの女が知恵をもって、すべての民の所に行ったの で、彼らはビクリの子シバの首をはねてヨアブの所へ投げ出した。そこでヨアブはラッパを吹きならしたので、人々は散って町を去り、お のおの家に帰った。ヨアブはエルサレムにいる王のもとに帰った。

 

文語訳1917

20:1 爰に一人 の邪なる人あり其名をシバといビクリの子にしてベニヤミン人なり彼喇叭を吹ていひ ける我儕ダビ デの中に分なし又ヱサイの子のうちに?業なしイスラエル各人其天幕に歸れよ

20:2 是によりイスラエルの人皆ダビデに随ふこ とを止てのぼりビクリの子シバにしたがへり然ユダの人々は其王に附てヨ ルダンよりエルサレムにいたれ

20:3 ダビデ、 エルサレムにある己の家にいたり王其遺して家を守らせたる妾なる十人の婦を とりこれを一の室に守り置て養 へりされどかれらの處には入ざりき斯かれらは死日まで閉こめられて生涯?嫠 婦にてすごせり

20:4 爰に王ア マサにいひけるは我ために三日のうちにユダの人々を召きたれしかして爾此處にをれ

20:5 アマサ乃 ちユダを召あつめんとて往たりしが彼ダビデが定めたる期よりも長く留れ

20:6 是におい てダビデ、アビシヤイにいひけるはビクリの子シバ今我儕にアブサロムよりもおほくの害 をなさんと爾の主の臣僕を率ゐ て彼の後を追へ恐らくは彼堅固なる城邑を獲て我儕の目を逃れんと

20:7 是によりヨアブの從者とケレテ人とペレテ人および都の勇士彼にしたがびて出たり即ち彼等エルサレムより出てビクリの子シバの後を追ふ

20:8 彼等がギ ベオンにある大石の傍に居りし時アマサかれらにむかひ來れり時にヨアブ戎衣 に帶を結て衣服となし其上に刀を鞘に をさめ腰に結びて帶び居たりしが其劍脱け堕ちたり

20:9 ヨアブ、 アマサにわが兄弟爾は平康なるやといひて右の手をもてアマサの鬚を將て彼に接吻せんとせし

20:10 アマサは ヨアブの手にある劍に意を留ざりければヨアブ其をもてアマサの腹を刺して其 膓を地に流しいだし重ねて撃に及 ばざらしめてこれをころせり かくてヨアブと其兄弟アビシヤイ、ビクリの子シバの後を追り

20:11 時にヨア ブの少者の一人アマサの側にたちていふヨアブを助くる者とダビデに附從もの はヨアブの後に隨へと

20:12 アマサは 血に染て大路の中に轉び居 たり斯人民の皆立どまるを見てアマサを大路より田に移したるが其側にいたれ る者皆見て立ちとまりければ衣を其上にかけたり

20:13 アマサ大 路より移されければ人皆ヨアブにしたが進みてビクリの子シバの後を追ふ

20:14 彼イスラ エルの凡の支派の中を行てアベルとベテマアカに至るに少年皆集り亦かれにしたがひゆけり

20:15 かくて彼等來りて彼をアベル、ベテマアカに圍み 城邑にむかひて壘を築けり是は壕の中にたてかくしてヨ アブとともにある民皆石垣を崩さんとてこれを撃居りしが

20:16 一箇の哲き婦城邑より呼はりいふ 爾ら聽よ爾ら聽よ請ふ爾 らヨアブに此に近よれ我爾に言んと言へと

20:17 かれ其婦 にちかよるに婦ひけるヨアブなるやかれ然りといひければ婦彼にいふ婢の言を聽けかれ我聽くといふ

20:18 婦即ち語 りていひけるは昔人々誠に語り人 必ずアベルにおいて索問べしといひて事を終

20:19 我はイス ラエルの中の平和なる忠義なる者なりしかるに爾はイスラルの中にて母ともいふべき城邑を滅 さんことを求む何ゆゑに爾ヱホバの?業 を呑み盡さんとするや

20:20 ヨアブ答 へてひけるは決めてしからず決めてしからずわれ呑み盡し或は滅ぼさんとす ることなし

20:21 其事しか らずエフライムの山地の人ビクリの子名はシバといふ者手を擧て王ダビデに敵 せり爾ら只彼一人を付せ然らば我此邑をさらんと婦ヨアブにいひけるは視彼 の首級は石垣の上より爾に投いだすべし

20:22 かくて婦 其智慧をもて凡の民の所にいたりければかれらビクリの子シバの首級を刎てヨ アブの所に投出せり是においてヨアブ喇叭を吹ならしければ人々散て邑より退 きておのおの其天幕に還りヨアブはエルサレムにへり王の處にいたれ

 

 

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各 国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・ 標題区分内にある新約聖書引照のすべてを拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口語訳 マタ 26:49

26:49 彼はすぐイエスに近寄り、「先生、いかがですか」と言って、イエスに接吻した。

 

口語訳 ルカ 22:47

22:47 イエスがまだそう言っておられるうちに、そこに群衆が現れ、十二弟子のひとりでユダという者が先頭に立って、イエスに接吻しようとして近づいてきた。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORKOXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口語訳 マタ 26:49

26:49 彼はすぐイエスに近寄り、「先生、いかがですか」と言って、イエスに接吻した。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

新共同 マタ 26:48-50

26:48 イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するの が、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。

26:49 ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接 吻した。

26:50 イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と言 われた。すると人々は進み寄り、イエスに手をかけて捕らえた。

 

(日) 新共同訳・・・・日本聖書協会 1987 

新共同 マタ 26:49

26:49 ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接 吻した。

 

新共同 ルカ 22:47

22:47 イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人で ユダという者が先頭に立って、イエスに接吻をしようと近づいた。

 

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サ ムエル記下 20:23-26 

ダ ビデの重臣たち

 

翻 訳比較

 

聖 書協会共同訳2018
◆ダビデの重臣たち
サム下 20:23 ヨアブはイスラエル全軍の司令官。ヨヤダの子ベナヤはクレタ人とペレティ人の監督。
サム下 20:24 アドラムは労役の監督。アヒルドの子ヨシャファトは史官。
サム下 20:25 シェワは書記官。ツァドクとエブヤタルは祭司。
サム下 20:26 ヤイル人イラもダビデの祭司。


フランシスコ会訳2013

023ヨアブ はイスラエルの全軍を指揮し、ヨヤダの子ベナヤはクレタ人とペレティ人を指揮した。

024アドラ ムは徴用の担当者、アヒルドの子ヨシャファトは史官、

025シェワ は書記官、ツァドクとアビアタルは祭司、

026また、 ヤイル人イラもダビデの祭司であった。

 

新共同訳1987

20:23 ヨアブはイスラエル全軍の司令官。ヨヤダの子ベナヤはクレタ 人とペレティ人の監督官。

20:24 アドラムは労役の監督官。アヒルドの子ヨシャファトは補佐 官。

20:25 シェワは書記官。ツァドクとアビアタルは祭司。

20:26 ヤイル人イラもダビデの祭司。

 

新改訳1970

20:23 さて、ヨアブはイスラエルの全軍の長であった。エホヤダの子 ベナヤはケレテ人とペレテ人の長。

20:24 アドラムは役務長官。アヒルデの子ヨシャパテは参議。

20:25 シェワは書記。ツァドクとエブヤタルは祭司。

20:26 ヤイル人イラもダビデの祭司であった。

 

口語訳1955

20:23 ヨアブはイスラエルの全軍の長であった。エホヤダの子ベナヤ はケレテびと、およびペレテびとの長、

20:24 アドラムは徴募人の長、アヒルデの子ヨシャパテは史官、

20:25 シワは書記官、ザドクとアビヤタルとは祭司。

20:26 またヤイルびとイラはダビデの祭司であった。

 

文語訳1917

20:23 ヨアブは イスラエルの全軍の長なりヱホヤダの子ベナヤはケレテ人とペレテ人の長なり

20:24 アドラム は徴募長なりアヒルデの子ヨシヤパテは史官なり

20:25 シワは書 記官なりザドクとアビヤタルは祭司なり

20:26 亦ヤイル 人イラはダビデの大臣なり

 

 

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各 国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・ 標題区分内にある新約聖書引照のすべてを拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

 

・・・・

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORKOXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

 

・・・・

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日) 新共同訳・・・・日本聖書協会 1987 

 

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