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 ローマ旅行(27:1−28:15)

使徒 27:1−8

シドン――クプロの陰――キリキヤ、パンフリヤ沖――ミラ――クニド沖――クレテの陰 ――サルモネ沖――美しい港(カロイリメネ) 

 

翻訳比較

 

岩波翻訳委員会訳1995

442701さて、私たちがイタリアヘ向けて船出することが決まった時、パウロとほかの数人の囚人は、〔皇帝〕補助部隊の百人隊長ユリアスに引き渡された。

442702私たちは、アシア〔州〕の各地に寄港することになっているアドラミュティオンの船に乗って出帆した。テサロニケ〔生まれ〕のマケドニア人アリスタルコスも同行した。

442703次の日、私たちはシドンに到着したが、ユリアスはパウロを親切に取り扱い、友人たちのもとに行って、もてなしを受けることを許した。

442704そこから船出したが、向かい風なので、キュプロス島の陰を航行し、

442705キリキア〔州〕とパンフィリア〔州〕の沖を過ぎて、リュキア〔州〕のミラに到着した。

442706ここで百人隊長は、イタリアヘ行くアレクサンドリアの船を見つけて、それに私たちを乗り込ませた。

442707しかし、幾日もの間、船の進みが遅く、かろうじてクニドスの沖まで来たが、風が私たちの行く手をはばんだために、クレタ島の陰をサルモネ〔岬〕の方に航行し、

442708かろうじてその島に沿って進み、ラサヤの町に近い「良い港」と呼ばれるところに着いた。

 

新共同訳1987

27:1 わたしたちがイタリアへ向かって船出することに決まったとき、パウロと他の数名の囚人は、皇帝直属部隊の百人隊長ユリウスという者に引き渡された。

27:2 わたしたちは、アジア州沿岸の各地に寄港することになっている、アドラミティオン港の船に乗って出港した。テサロニケ出身のマケドニア人アリスタルコも一緒であった。

27:3 翌日シドンに着いたが、ユリウスはパウロを親切に扱い、友人たちのところへ行ってもてなしを受けることを許してくれた。

27:4 そこから船出したが、向かい風のためキプロス島の陰を航行し、

27:5 キリキア州とパンフィリア州の沖を過ぎて、リキア州のミラに着いた。

27:6 ここで百人隊長は、イタリアに行くアレクサンドリアの船を見つけて、わたしたちをそれに乗り込ませた。

27:7 幾日もの間、船足ははかどらず、ようやくクニドス港に近づいた。ところが、風に行く手を阻まれたので、サルモネ岬を回ってクレタ島の陰を航行し、

27:8 ようやく島の岸に沿って進み、ラサヤの町に近い「良い港」と呼ばれる所に着いた。

 

前田訳1978

27:1 われらがイタリヤに船出することが決まったとき、パウロと他の囚人数名とが親衛隊のユリアスという百卒長に引き渡された。

27:2 われらはアジア沿岸の諸所に寄港する予定のアドラミテオの船に乗って出帆した。テサロニケ出のマケドニア人アリスタルコもわれらといっしょであった。

27:3 翌日われらはシドンに入港した。ユリアスはパウロを親切に扱い、友人たちのところへ行ってもてなしを受けることを許した。

27:4 そこから船出したが、向い風であったので、キプロスの陰を進み、

27:5 キリキアとパンフリアの沖を過ぎてルキアのミラに着いた。

27:6 そこで百卒長はイタリア行きのアレクサンドリアの船を見つけて、われらをそれに乗せた。

27:7 かなりの日のあいだ船足はおそく、かろうじてクニドの沖に来たが、風で進めなかったので、サルモネの沖を経てクレタの陰を進んだ。

27:8 その岸に沿って行き、美しい港と呼ばれる所に来た。それはラサヤの町の近くであった。

 

新改訳1970

27:1 さて、私たちが船でイタリヤへ行くことが決まったとき、パウロと、ほかの数人の囚人は、ユリアスという親衛隊の百人隊長に引き渡された。

27:2 私たちは、アジヤの沿岸の各地に寄港して行くアドラミテオの船に乗り込んで出帆した。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも同行した。

27:3 翌日、シドンに入港した。ユリアスはパウロを親切に取り扱い、友人たちのところへ行って、もてなしを受けることを許した。

27:4 そこから出帆したが、向かい風なので、キプロスの島陰を航行した。

27:5 そしてキリキヤとパンフリヤの沖を航行して、ルキヤのミラに入港した。

27:6 そこに、イタリヤへ行くアレキサンドリヤの船があったので、百人隊長は私たちをそれに乗り込ませた。

27:7 幾日かの間、船の進みはおそく、ようやくのことでクニドの沖に着いたが、風のためにそれ以上進むことができず、サルモネ沖のクレテの島陰を航行し、

27:8 その岸に沿って進みながら、ようやく、良い港と呼ばれる所に着いた。その近くにラサヤの町があった。

 

塚本訳1963

27:1 さて、(パウロが皇帝の裁きをうけるため)わたし達(二八・一六マデ「ワタシ達記録」)がイタリヤに渡ることに決定すると、パウロと他の数人の囚人とは近衛部隊のユリアスという百卒長に引き渡された。

27:2 わたし達は(小)アジヤの各地に寄港する(ムシヤ地方の)アドラミテオ(港)の船に乗って船出した。テサロニケ生まれのマケドニヤ人アリスタルコもわたし達と一緒であった。

27:3 次の日、わたし達はシドンに入港したが、ユリアスはパウロを親切に取り扱い、(その地の)教友たちの所に行ってもてなしを受けることを許した。

27:4 そこを船出して、向い風であったためクプロ(島)の陰を行き、

27:5 キリキヤ、パンフリヤ沿岸の沖を過ぎてルキヤのミラに着いた。

27:6 ここで百卒長はイタリヤ行きのアレキサンドリヤの船を見つけて、それにわたし達を乗り込ませた。

27:7 しかしかなりの日数の間船足がおそく、やっとクニド(の町)の沖に来たけれども、風で寄りつけないので、クレテ(島)の陰をサルモネ(岬)の方に行き、

27:8 やっとその島に沿って航行して、美しい港という所に着いた。ラサヤの町はその近くであった。

 

口語訳1955

27:1 さて、わたしたちが、舟でイタリヤに行くことが決まった時、パウロとそのほか数人の囚人とは、近衛隊の百卒長ユリアスに託された。

27:2 そしてわたしたちは、アジヤ沿岸の各所に寄港することになっているアドラミテオの舟に乗り込んで、出帆した。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも同行した。

27:3 次の日、シドンに入港したが、ユリアスは、パウロを親切に取り扱い、友人をおとずれてかんたいを受けることを、許した。

27:4 それからわたしたちは、ここから船出したが、逆風にあったので、クプロの島かげを航行し、

27:5 キリキヤとパンフリヤの沖を過ぎて、ルキヤのミラに入港した。

27:6 そこに、イタリヤ行きのアレキサンドリヤの舟があったので、百卒長は、わたしたちをその舟に乗り込ませた。

27:7 幾日ものあいだ、舟の進みがおそくて、わたしたちは、かろうじてクニドの沖合にきたが、風がわたしたちの行く手をはばむので、サルモネの沖、クレテの島かげを航行し、

27:8 その岸に沿って進み、かろうじて「良き港」と呼ばれる所に着いた。その近くにラサヤの町があった。

 

文語訳1917

"442701","すでに我等をイタリヤに渡らしむること決りたれば、パウロ及びその他數人の囚人を、近衛隊の百卒長ユリアスと云ふ人に付せり。"

"442702","ここに我等アジヤの海邊なる各處に寄せゆくアドラミテオの船の出帆せんとするに乘りて出づ。テサロニケのマケドニヤ人アリスタルコも我らと共にありき。"

"442703","次の日シドンに著きたれば、ユリアス懇切にパウロを遇ひ、その友らの許にゆきて款待を受くることを許せり。"

"442704","かくて此處より船出せしが、風の逆ふによりてクプロの風下の方をはせ、"

"442705","キリキヤ及びパンフリヤの沖を過ぎてルキヤのミラに著く。"

"442706","彼處にてイタリヤにゆくアレキサンデリヤの船に遇ひたれば、百卒長われらを之に乘らしむ。"

"442707","多くの日のあひだ船の進み遅く、辛うじてクニドに對へる處に到りしが、風に阻られてサルモネの沖を過ぎ、クレテの風下の方をはせ、"

"442708","陸に沿ひ辛うじて良き港といふ處につく。その近き處にラサヤの町あり。"

 

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各国聖書引照編集

 

(独)NESTLE-ALAND  NOVUM TESTAMENTUM  GRAECE 27版1993 の引照

新共同 使  16:10

16:10 パウロがこの幻を見たとき、わたしたちはすぐにマケドニアへ向けて出発することにした。マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至ったからである。

 

新共同 使  10:1

10:1 さて、カイサリアにコルネリウスという人がいた。「イタリア隊」と呼ばれる部隊の百人隊長で、

 

新共同 ルカ 12:4

12:4 「友人であるあなたがたに言っておく。体を殺しても、その後、それ以上何もできない者どもを恐れてはならない。

 

(英・米)THE NEW TREASURY OF SCRIPTURE KNOWLEDGE 1982 の引照

 

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(日)新共同訳1987の引照

新共同 テト 1:5

1:5 あなたをクレタに残してきたのは、わたしが指示しておいたように、残っている仕事を整理し、町ごとに長老たちを立ててもらうためです。

 

新共同 テト 1:12

1:12 彼らのうちの一人、預言者自身が次のように言いました。「クレタ人はいつもうそつき、/悪い獣、怠惰な大食漢だ。」

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE 1985 の引照

 

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使徒 27:9−12

パウロの忠告が聞かれず出航に決定

 

 

翻訳比較

 

岩波翻訳委員会訳1995

442709しかし、かなりの時が費されており、すでに断食日も過ぎていたので、船旅は

すでに危険であった。そこで、パウロは忠告して人々に言った、

442710「皆さん、私の見るところでは、この航海は、積荷や船体ばかりではなく、私たちのいのちにまで、危険と多大な損害をもたらすでしょう」。

442711しかし百人隊長は、パウロの言ったことよりも、むしろ船長や船主の方を信頼した。442712なお、この港は、冬を過ごすのに適していなかったので、大部分の者は、ここから船出して、できるならクレタ島の港で南西と北西とに面しているフェニクスまで行って、そこで冬を過ごすことに心を決めた。

 

新共同訳1987

27:9 かなりの時がたって、既に断食日も過ぎていたので、航海はもう危険であった。それで、パウロは人々に忠告した。

27:10 「皆さん、わたしの見るところでは、この航海は積み荷や船体ばかりでなく、わたしたち自身にも危険と多大の損失をもたらすことになります。」

27:11 しかし、百人隊長は、パウロの言ったことよりも、船長や船主の方を信用した。

27:12 この港は冬を越すのに適していなかった。それで、大多数の者の意見により、ここから船出し、できるならばクレタ島で南西と北西に面しているフェニクス港に行き、そこで冬を過ごすことになった。

 

前田訳1978

27:9 今までにかなりの時がたち、断食の日もすでに過ぎていたので、航海は今や危険であった。それでパウロは忠告して、

27:10 いった、「皆さん、わたしの見るところでは、この航海は積荷と船にだけでなく、われらのいのちにまでも危険と大損害をひきおこすでしょう」と。

27:11 しかし百卒長はパウロのいったことよりも、船長と船主とに従った。

27:12 それに港が冬ごもりに向かなかったので、大部分のものが、フェニクスまで行けば冬ごもりできはしないかと思って、そこから船出することに賛成した。フェニクスはクレタの港で、南西と北西とに開いていた。

 

新改訳1970

27:9 かなりの日数が経過しており、断食の季節もすでに過ぎていたため、もう航海は危険であったので、パウロは人々に注意して、

27:10 「皆さん。この航海では、きっと、積荷や船体だけではなく、私たちの生命にも、危害と大きな損失が及ぶと、私は考えます。」と言った。

27:11 しかし百人隊長は、パウロのことばよりも、航海士や船長のほうを信用した。

27:12 また、この港が冬を過ごすのに適していなかったので、大多数の者の意見は、ここを出帆して、できれば何とかして、南西と北西とに面しているクレテの港ピニクスまで行って、そこで冬を過ごしたいということになった。

 

塚本訳1963

27:9 しかし(出発してから)かなりの時がたち、すでに(チシュリ[九−十月]十日の)断食(の日)も過ぎているため、航海はすでに危険であったので、パウロは忠告して、

27:10 言った、「諸君、この航海は積荷や船ばかりでなく、わたし達の命にまで、危険と大きな損害とがありそうにわたしには見える。」

27:11 しかし百卒長はパウロの言ったことよりも、むしろ船長と船主との勧告にしたがった。

27:12 なおこの港は冬を越すには不適当であったので、大部分の者は、ピクニスまで行けば冬が越せはしないかと、そこから船出することに心を決めた。ピクニスはクレテの港で、南西(の風)と北西(の風)とに開いていた。

 

口語訳1955

27:9 長い時が経過し、断食期も過ぎてしまい、すでに航海が危険な季節になったので、パウロは人々に警告して言った、

27:10 「皆さん、わたしの見るところでは、この航海では、積荷や船体ばかりでなく、われわれの生命にも、危害と大きな損失が及ぶであろう」。

27:11 しかし百卒長は、パウロの意見よりも、船長や船主の方を信頼した。

27:12 なお、この港は冬を過ごすのに適しないので、大多数の者は、ここから出て、できればなんとかして、南西と北西とに面しているクレテのピニクス港に行って、そこで冬を過ごしたいと主張した。

 

文語訳1917

"442709","船路久しきを歴て、斷食の期節も既に過ぎたれば、航海危きにより、パウロ人々に勸めて言ふ、"

"442710","『人々よ、我この航海の害あり損多くして、ただ積荷と船とのみならず、我らの生命にも及ぶべきを認む』"

"442711","されど百卒長は、パウロの言ふ所よりも船長と船主との言を重んじたり。"

"442712","且この港は冬を過すに不便なるにより、多數の者も、なし得んにはピニクスに到り、彼處にて冬を過さんとて、此處を船出するを可しとせり、ピニクスはクレテの港にて東北と東南とに向ふ。"

 

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各国聖書引照編集

 

(独)NESTLE-ALAND  NOVUM TESTAMENTUM  GRAECE 27版1993 の引照

 

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(英・米)THE NEW TREASURY OF SCRIPTURE KNOWLEDGE 1982 の引照

 

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(日)新共同訳1987の引照

新共同 黙  18:17

18:17 あれほどの富が、ひとときの間に、/みな荒れ果ててしまうとは。」また、すべての船長、沿岸を航海するすべての者、船乗りたち、海で働いているすべての者たちは、遠くに立ち、

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE 1985 の引照

 

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使徒 27:13−26

難航 ―― クラウダ島・パウロが乗組員に安全を告げる

 

翻訳比較

 

岩波翻訳委員会訳1995

442713その時、おだやかな南風が吹いて来たので、人々は彼らの目論見を達成できると思い、錨を上げ、クレタ島の海岸に沿って航行した。

442714しかし、間もなく「北東風(ユーラキユロン)」と呼ばれる暴風が、島の方から吹き降ろして来た。

442715船はこれに吹き流され、風に逆らって進むことができなかったので、私たちは流されるにまかせた。

442716やがてクラウダという小島の陰に入り、かろうじて〔曳航(えいこう)していた〕小舟をしっかりと引き寄せることができた。

442717それを船に引き上げてから、保護措置をとって大綱で船体を縛り、スュルティスに乗り上げるのを恐れて、海錨を降ろし、流されるにまかせた。

442718しかし、私たちはひどい嵐に悩まされたので、次の日になると人々は積荷を海に投げ入れ始め、

442719三日目には船具を自分たちの手で投げ捨ててしまった。

442720幾日もの間、太陽も星も見えず、嵐も激しく荒れ狂い、私たちの助かるあらゆる

望みがついに消え失せようとしていた。

442721人々は長い間、食事をとっていなかった。そのとき、パウロは彼らの中に立って、こう言ったのである、「皆さん、あなたたちが私に従って、クレタ島から出航しないでいたら、このような危険や損失を避けることができたのです。

442722しかし今、皆さんにお願いしたい、元気を出しなさい。船は失うが、いのちを失う者は一人もないのですから。

442723昨夜、[私が]帰依しており、また礼拝している神からの御使いが、私の傍に立って、442724こう言われたのです、『パウロよ、恐れるな。お前はカエサルの前に出頭しなければならない。神は、お前と共に船旅をする人をすべて、お前に贈られたのだ』。

442725ですから、皆さん、元気を出しなさい。私は神を信じています、私に言われたことはその通りになる、と。

442726私たちは、どこかの島に打ち上げられることになっているのです」。

 

新共同訳1987

27:13 ときに、南風が静かに吹いて来たので、人々は望みどおりに事が運ぶと考えて錨を上げ、クレタ島の岸に沿って進んだ。

27:14 しかし、間もなく「エウラキロン」と呼ばれる暴風が、島の方から吹き降ろして来た。

27:15 船はそれに巻き込まれ、風に逆らって進むことができなかったので、わたしたちは流されるにまかせた。

27:16 やがて、カウダという小島の陰に来たので、やっとのことで小舟をしっかりと引き寄せることができた。

27:17 小舟を船に引き上げてから、船体には綱を巻きつけ、シルティスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて海錨を降ろし、流されるにまかせた。

27:18 しかし、ひどい暴風に悩まされたので、翌日には人々は積み荷を海に捨て始め、

27:19 三日目には自分たちの手で船具を投げ捨ててしまった。

27:20 幾日もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消えうせようとしていた。

27:21 人々は長い間、食事をとっていなかった。そのとき、パウロは彼らの中に立って言った。「皆さん、わたしの言ったとおりに、クレタ島から船出していなければ、こんな危険や損失を避けられたにちがいありません。

27:22 しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうちだれ一人として命を失う者はないのです。

27:23 わたしが仕え、礼拝している神からの天使が昨夜わたしのそばに立って、

27:24 こう言われました。『パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ。』

27:25 ですから、皆さん、元気を出しなさい。わたしは神を信じています。わたしに告げられたことは、そのとおりになります。

27:26 わたしたちは、必ずどこかの島に打ち上げられるはずです。」

 

前田訳1978

27:13 南のそよ風が吹きはじめたので、彼らは計画が実現すると思って、錨をあげ、クレタの岸近くを航海した。

27:14 しかし、間もなく、北東風(エウラクロン)という暴風が島から吹きつけて来た。

27:15 船はさらわれ、船首を風に向けえないので、われらは風にまかせて漂流した。

27:16 クラウダという小島の陰に入ったとき、われらはやっと小舟を使いこなしえた。

27:17 それを引き上げ、綱を用いて船を縛った。また、スルテスの州に乗り上げるのをおそれて、主帆を下ろして漂流した。

27:18 われらにとってあまり暴風がひどかったので、翌日、人々は積荷を投げはじめた。

27:19 三日目には手ずから船具を投げ捨てた。

27:20 幾日もの間、太陽も星も光を見せず、嵐がますます激しくなったので、ついにわれらが救われるあらゆる望みが消えた。

27:21 長らく食事をしなかたので、パウロは皆の中に立っていった、「皆さん、わたしのいうとおりにして、クレタから船出せずにおくべきでした。そうすればこの危険と損害とを避けられたのです。

27:22 しかし、今は、お勧めします、元気を出しなさい。船は別として、あなた方のうち、いのちを失うものはひとりもありません。

27:23 なぜなら、わたしがその僕であり、お仕えしている神の使いが昨夜わたしに現われて、

27:24 いわれるには、『パウロは、おそれるな、あなたは皇帝の前に立たねばならない。確かに、神はあなたと同船している人々のいのちを皆あなたにお恵みです』と。

27:25 それゆえ、皆さん、元気を出しなさい。わたしは神を信じます。わたしに言われたとおりになるでしょう。

27:26 われらはかならずどこかの島に乗り上げます」と。

 

新改訳1970

27:13 おりから、穏やかな南風が吹いて来ると、人々はこの時とばかり錨を上げて、クレテの海岸に沿って航行した。

27:14 ところが、まもなくユーラクロンという暴風が陸から吹きおろして来て、

27:15 船はそれに巻き込まれ、風に逆らって進むことができないので、しかたなく吹き流されるままにした。

27:16 しかしクラウダという小さな島の陰にはいったので、ようやくのことで小舟を処置することができた。

27:17 小舟を船に引き上げ、備え綱で船体を巻いた。また、スルテスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて、船具をはずして流れるに任せた。

27:18 私たちは暴風に激しく翻弄されていたので、翌日、人々は積荷を捨て始め、

27:19 三日目には、自分の手で船具までも投げ捨てた。

27:20 太陽も星も見えない日が幾日も続き、激しい暴風が吹きまくるので、私たちが助かる最後の望みも今や絶たれようとしていた。

27:21 だれも長いこと食事をとらなかったが、そのときパウロが彼らの中に立って、こう言った。「皆さん。あなたがたは私の忠告を聞き入れて、クレテを出帆しなかったら、こんな危害や損失をこうむらなくて済んだのです。

27:22 しかし、今、お勧めします。元気を出しなさい。あなたがたのうち、いのちを失う者はひとりもありません。失われるのは船だけです。

27:23 昨夜、私の主で、私の仕えている神の御使いが、私の前に立って、

27:24 こう言いました。『恐れてはいけません。パウロ。あなたは必ずカイザルの前に立ちます。そして、神はあなたと同船している人々をみな、あなたにお与えになったのです。』

27:25 ですから、皆さん。元気を出しなさい。すべて私に告げられたとおりになると、私は神によって信じています。

27:26 私たちは必ず、どこかの島に打ち上げられます。」

 

塚本訳1963

27:13 すると南風が静かに吹きはじめたので、彼らは計画を達し得たかのように思って、錨をあげ、クレテ(島)にできるだけ近く沿って航行した。

27:14 しかし間もなく、北東風という暴風がその島から吹きつけてきた。

27:15 船がさらわれ、船首を風に向けることが出来ないので、わたし達は(風に)流されるに任せた。

27:16 クラウダという小島の陰を進むようになって、わたし達はやっと(引いていた)小舟を支配することが出来た。

27:17 彼らはそれを(甲板に)引きあげ、綱を用いて船(の胴体)を縛った。また砂州に乗り上げはしないかと心配し、(出来るだけ船足をおそくするため)海錨をおろし、こうして流されていた。

27:18 しかしわたし達があまりひどく嵐に悩まされたので、次の日彼らは投荷を行い、

27:19 三日目には手ずから船具をすら投げ捨てた。

27:20 幾日もの間太陽も星も陰さえ見えず、はげしい嵐が荒れ狂ったので、わたし達の助かるあらゆる望みがついに消えた。

27:21 一同は食欲をすっかりなくしていたので、その時パウロは彼らの真中に進み出て言った、「諸君、(やはり)わたしの言葉に従って、クレテ(のあの美しい港)から船出せずにおくべきであった。そうすればこの危険と損害とをまぬかれたのだ。

27:22 それで今あなた達に忠告する、元気を出しなさい。船の(なくなる)ほかは、だれ一人命を失う者はないのだから。

27:23 なぜなら、わたしの主でありまたわたしが礼拝している神の使が、昨夜わたしのそばに来て、

27:24 言われた、『恐れることはない、パウロ。あなたは(ローマに行って)皇帝(ネロ)の前に出なければならない。そら、神はあなたと一緒に乗ってゆく者を皆、あなたに賜ったではないか』と。

27:25 だから諸君、元気を出しなさい。わたしは神を信ずる、わたしに語られたとおりになるにちがいないと。

27:26 わたし達はどこかにある島に乗り上げねばなるまい。」

 

口語訳1955

27:13 時に、南風が静かに吹いてきたので、彼らは、この時とばかりにいかりを上げて、クレテの岸に沿って航行した。

27:14 すると間もなく、ユーラクロンと呼ばれる暴風が、島から吹きおろしてきた。

27:15 そのために、舟が流されて風に逆らうことができないので、わたしたちは吹き流されるままに任せた。

27:16 それから、クラウダという小島の陰に、はいり込んだので、わたしたちは、やっとのことで小舟を処置することができ、

27:17 それを舟に引き上げてから、綱で船体を巻きつけた。また、スルテスの洲に乗り上げるのを恐れ、帆をおろして流れるままにした。

27:18 わたしたちは、暴風にひどく悩まされつづけたので、次の日に、人々は積荷を捨てはじめ、

27:19 三日目には、船具までも、てずから投げすてた。

27:20 幾日ものあいだ、太陽も星も見えず、暴風は激しく吹きすさぶので、わたしたちの助かる最後の望みもなくなった。

27:21 みんなの者は、長いあいだ食事もしないでいたが、その時、パウロが彼らの中に立って言った、「皆さん、あなたがたが、わたしの忠告を聞きいれて、クレテから出なかったら、このような危害や損失を被らなくてすんだはずであった。

27:22 だが、この際、お勧めする。元気を出しなさい。舟が失われるだけで、あなたがたの中で生命を失うものは、ひとりもいないであろう。

27:23 昨夜、わたしが仕え、また拝んでいる神からの御使が、わたしのそばに立って言った、

27:24 『パウロよ、恐れるな。あなたは必ずカイザルの前に立たなければならない。たしかに神は、あなたと同船の者を、ことごとくあなたに賜わっている』。

27:25 だから、皆さん、元気を出しなさい。万事はわたしに告げられたとおりに成って行くと、わたしは、神かけて信じている。

27:26 われわれは、どこかの島に打ちあげられるに相違ない」。

 

文語訳1917

"442713","南風おもむろに吹きたれば、彼ら志望を得たりとして錨をあげ、クレテの岸邊に沿ひて進みたり。"

"442714","幾程もなくユーラクロンといふ疾風その島より吹きおろし、"

"442715","之がため船は吹流され、風に向ひて進むこと能はねば、船は風の追ふに任す。"

"442716","クラウダといふ小島の風下の方にいたり、辛うじて小艇を収め、"

"442717","これを船に引き上げてのち、備綱にて船體を巻き縛り、またスルテスの洲に乘りかけんことを恐れ、帆を下して流る。"

"442718","いたく暴風に惱まされ、次の日、船の者ども積荷を投げすて、"

"442719","三日めに手づから船具を棄てたり。"

"442720","數日のあひだ日も星も見えず、暴風はげしく吹荒びて、我らの救はるべき望ついに絶え果てたり。"

"442721","人々の食せぬこと久しくなりたる時、パウロその中に立ちて言ふ『人々よ、なんぢら前に我が勸めをきき、クレテより船出せずして、この害と損とを受けずあるべき筈なりき。"

"442722","いま我なんぢらに勸む、心安かれ、汝等のうち一人だに生命をうしなふ者なし、ただ船を失はん。"

"442723","わが屬するところ我が事ふる所の神の使、昨夜わが傍らに立ちて、"

"442724","「パウロよ、懼るな、なんぢ必ずカイザルの前に立たん、視よ、神は汝と同船する者をことごとく汝に賜へり」と云ひたればなり。"

"442725","この故に人々よ、心安かれ、我はその我に語り給ひしごとく必ず成るべしと神を信ず。"

"442726","而して我らは或島に推上げらるべし』"

 

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各国聖書引照編集

 

(独)NESTLE-ALAND  NOVUM TESTAMENTUM  GRAECE 27版1993 の引照

新共同 使  9:10

9:10 ところで、ダマスコにアナニアという弟子がいた。幻の中で主が、「アナニア」と呼びかけると、アナニアは、「主よ、ここにおります」と言った。

 

新共同 使  9:15

9:15 すると、主は言われた。「行け。あの者は、異邦人や王たち、またイスラエルの子らにわたしの名を伝えるために、わたしが選んだ器である。

 

(英・米)THE NEW TREASURY OF SCRIPTURE KNOWLEDGE 1982 の引照

口語訳 ロマ 1:1

1:1 キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び別たれ、召されて使徒となったパウロから――

 

口語訳 ロマ 4:20-21

4:20 彼は、神の約束を不信仰のゆえに疑うようなことはせず、かえって信仰によって強められ、栄光を神に帰し、

4:21 神はその約束されたことを、また成就することができると確信した。

 

(日)新共同訳1987の引照

新共同 Uテモ4:17

4:17 しかし、わたしを通して福音があまねく宣べ伝えられ、すべての民族がそれを聞くようになるために、主はわたしのそばにいて、力づけてくださいました。そして、わたしは獅子の口から救われました。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE 1985 の引照

 

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使徒 27:27−38

陸地に近づき、一同食事をし、船を軽くする

 

 

翻訳比較

 

岩波翻訳委員会訳1995

442727四日目の夜となって、私たちがアドリア海を漂流していると、夜中頃、船員たちは、とこかの陸地に近づいていることに気づいた。

442728そこで、水深を測ってみると、二十オルギアあることがわかつた。少し進んだ後、再び測ってみると、十五オルギアであった。

442729そこで、暗礁に私たちが乗り上げることを恐れて、彼らは艫(とも)から四つの錨を海に投げ入れ、夜の明けるのを待ちこがれた。

442730それなのに、船員たちは船から逃げ出そうとして、舳(へさき)から錨を投げ入れるふりをし、小舟を海に降ろしていた。

442731そこでパウロは百人隊長や兵士たちに言った、「あの人たちが船に残っていなければ、あなたたちは助からない」。

442732そこで、兵士たちは綱を断ち切って、小舟を流れ去らせた。

442733夜が明けようとする頃、パウロは皆に食事をとるように勧めて、こう言った、

442734「あなたたちは、〔不安のうちに〕待つてばかりいて、食事もせず、何もとらずに、今日で十四日になります。ですから私は、食事をとるように勧めます。それは、あなたたちを救うために役立つのですから。あなたたちの頭の毛一本ですら失われることはありません」。

442735こう言つてからパウロは、」一同の前でパンを取り、神に感謝をささげ、それを裂いて食べはじめた。

442736そこで、皆も元気づいて、食事をとつた。

442737私たち船にいた者は、合計二百七十六人であった。

442738人々は満腹するほど食べた後、穀物を海に投げ捨てて船を軽くした。

 

新共同訳1987

27:27 十四日目の夜になったとき、わたしたちはアドリア海を漂流していた。真夜中ごろ船員たちは、どこかの陸地に近づいているように感じた。

27:28 そこで、水の深さを測ってみると、二十オルギィアあることが分かった。もう少し進んでまた測ってみると、十五オルギィアであった。

27:29 船が暗礁に乗り上げることを恐れて、船員たちは船尾から錨を四つ投げ込み、夜の明けるのを待ちわびた。

27:30 ところが、船員たちは船から逃げ出そうとし、船首から錨を降ろす振りをして小舟を海に降ろしたので、

27:31 パウロは百人隊長と兵士たちに、「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたは助からない」と言った。

27:32 そこで、兵士たちは綱を断ち切って、小舟を流れるにまかせた。

27:33 夜が明けかけたころ、パウロは一同に食事をするように勧めた。「今日で十四日もの間、皆さんは不安のうちに全く何も食べずに、過ごしてきました。

27:34 だから、どうぞ何か食べてください。生き延びるために必要だからです。あなたがたの頭から髪の毛一本もなくなることはありません。」

27:35 こう言ってパウロは、一同の前でパンを取って神に感謝の祈りをささげてから、それを裂いて食べ始めた。

27:36 そこで、一同も元気づいて食事をした。

27:37 船にいたわたしたちは、全部で二百七十六人であった。

27:38 十分に食べてから、穀物を海に投げ捨てて船を軽くした。

 

前田訳1978

27:27 十四日目の夜、アドリア海を漂流しているとき、夜中ごろ、水夫らはどこか陸に近づいたように感じた。

27:28 深さをはかると、二十オルグイア(三十六メ−トル)あった。少し進んでまたはかると十五オルグイア(二十七メ−トル)あった。

27:29 どこか暗礁に乗り上げないかとおそれて、艫から四つの錨を投げおろして、朝になるのを待っていた。

27:30 水夫たちは舟から逃げようとして舳から錨をおろす振りをして、小舟を海におろしたので、

27:31 パウロは百卒長と兵卒らとにいった、「この人たちが舟にとどまっていなければ、あなた方は救われえない」と。

27:32 そこで兵卒らは小舟の綱を切って、その流れるにまかせた。

27:33 朝になりかけたころ、パウロは皆に食事をするよう勧めていった、「きょうで十四日、あなた方は待ちつづけて、空腹で過ごし、なお何も食べていません。

27:34 それでお勧めします。食事をなさい。それはあなた方が救われるためです。あなた方の頭から髪の毛一本も失われないでしょう」と。

27:35 こういって、パンを取り、皆の前で神に感謝し、それを裂いて食べ始めた。

27:36 皆も元気になって食事をした。

27:37 われら舟に乗っていたものは皆で二百七十六人であった。

27:38 満腹してから人々は穀物を海に投げて舟を軽くした。

 

新改訳1970

27:27 十四日目の夜になって、私たちがアドリヤ海を漂っていると、真夜中ごろ、水夫たちは、どこかの陸地に近づいたように感じた。

27:28 水の深さを測ってみると、四十メートルほどであることがわかった。少し進んでまた測ると、三十メートルほどであった。

27:29 どこかで暗礁に乗り上げはしないかと心配して、ともから四つの錨を投げおろし、夜の明けるのを待った。

27:30 ところが、水夫たちは船から逃げ出そうとして、へさきから錨を降ろすように見せかけて、小舟を海に降ろしていたので、

27:31 パウロは百人隊長や兵士たちに、「あの人たちが船にとどまっていなければ、あなたがたも助かりません。」と言った。

27:32 そこで兵士たちは、小舟の綱を断ち切って、そのまま流れ去るのに任せた。

27:33 ついに夜の明けかけたころ、パウロは、一同に食事をとることを勧めて、こう言った。「あなたがたは待ちに待って、きょうまで何も食べずに過ごして、十四日になります。

27:34 ですから、私はあなたがたに、食事をとることを勧めます。これであなたがたは助かることになるのです。あなたがたの頭から髪一筋も失われることはありません。」

27:35 こう言って、彼はパンを取り、一同の前で神に感謝をささげてから、それを裂いて食べ始めた。

27:36 そこで一同も元気づけられ、みなが食事をとった。

27:37 船にいた私たちは全部で二百七十六人であった。

27:38 十分食べてから、彼らは麦を海に投げ捨てて、船を軽くした。

 

塚本訳1963

27:27 (美しい港を出て)十四日目の夜、わたし達がアドリヤ海を漂っている時、夜中ごろ、水夫らはどこか陸地に近づいたように考えた。

27:28 それで測鉛ではかってみると、二十オルグイヤ(三十六メートル)あった。少し進んでふたたびはかって見ると、十五オルグイヤ(二十七メートル)あった。

27:29 そこでわたし達がどこか暗礁に乗り上げはしないかと心配し、彼らは艫から錨を四つ投げ込んで(船をとめ、)朝になるのを願っていた。

27:30 すると水夫らは船から逃げようと思い、舳からも錨を下げようとしている振りをして、小舟をおろしたので、

27:31 パウロは百卒長と兵卒らとに言った、「この水夫らが船に留まっていなければ、あなた達は助かることが出来ない。」

27:32 それで兵卒らは小舟の曳綱を切断して、その流れゆくにまかせた。

27:33 朝になる少し前に、パウロは皆に食事をするようにと勧めて言った、「あなた達はきょうで十四日目、待ちあぐんで、食事をせず、何も取らずにいる。

27:34 だから勧めるが、食事をしなさい。それはあなた達の命を救うのに役立つから。(今度の航海で)あなた達のだれ一人、髪の毛一本も無くすことはあるまい。」

27:35 彼はこう言ってパンを手に取り、皆の前で神に感謝を捧げ、裂いて食べ始めた。

27:36 皆も元気づいて食事を取った。

27:37 わたし達船にいた者は皆で二百七十六人であった。

27:38 人々は腹いっぱい食べたのち、穀物を海に投げ捨てて船を軽くした。

 

口語訳1955

27:27 わたしたちがアドリヤ海に漂ってから十四日目の夜になった時、真夜中ごろ、水夫らはどこかの陸地に近づいたように感じた。

27:28 そこで、水の深さを測ってみたところ、二十ひろであることがわかった。それから少し進んで、もう一度測ってみたら、十五ひろであった。

27:29 わたしたちが、万一暗礁に乗り上げては大変だと、人々は気づかって、ともから四つのいかりを投げおろし、夜の明けるのを待ちわびていた。

27:30 その時、水夫らが舟から逃げ出そうと思って、へさきからいかりを投げおろすと見せかけ、小舟を海におろしていたので、

27:31 パウロは、百卒長や兵卒たちに言った、「あの人たちが、舟に残っていなければ、あなたがたは助からない」。

27:32 そこで兵卒たちは、小舟の綱を断ち切って、その流れて行くままに任せた。

27:33 夜が明けかけたころ、パウロは一同の者に、食事をするように勧めて言った、「あなたがたが食事もせずに、見張りを続けてから、何も食べないで、きょうが十四日目に当る。

27:34 だから、いま食事を取ることをお勧めする。それが、あなたがたを救うことになるのだから。たしかに髪の毛ひとすじでも、あなたがたの頭から失われることはないであろう」。

27:35 彼はこう言って、パンを取り、みんなの前で神に感謝し、それをさいて食べはじめた。

27:36 そこで、みんなの者も元気づいて食事をした。

27:37 舟にいたわたしたちは、合わせて二百七十六人であった。

27:38 みんなの者は、じゅうぶんに食事をした後、穀物を海に投げすてて舟を軽くした。

 

文語訳1917

"442727","かくて十四日めの夜に至りて、アドリヤの海を漂ひゆきたるに、夜半ごろ水夫ら陸に近づきたりと思ひて、"

"442728","水を測りたれば、二十尋なるを知り、少しく進みてまた測りたれば、十五尋なるを知り、"

"442729","岩に乘り上げんことを恐れて、艫より錨を四つ投して夜明を待ちわぶ。"

"442730","然るに水夫ら船より逃去らんと欲し、舳より錨を曳きゆくに言寄せて小艇を海に下したれば、"

"442731","パウロ、百卒長と兵卒らとに言ふ『この者ども若し船に留らずば、汝ら救はるること能はず』  "

"442732","ここに兵卒ら小艇の綱を斷切りて、その流れゆくに任す。"

"442733","夜の明けんとする頃、パウロ凡ての人に食せんことを勸めて言ふ『なんぢら待ち待ちて食事せぬこと今日にて十四日なり。"

"442734","されば汝らに食せんことを勸む、これ汝らが救のためなり、汝らの頭髪一筋だに首より落つる事なし』"

"442735","斯く言ひて後みづからパンを取り、一同の前にて神に謝し、擘きて食し始めたれば、"

"442736","人々みな心を安んじて食したり。"

"442737","船に居る我らは凡て二百七十六人なりき。"

"442738","人々食し飽きてのち、穀物を海に投げ棄てて船を輕くせり。"

 

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各国聖書引照編集

 

(独)NESTLE-ALAND  NOVUM TESTAMENTUM  GRAECE 27版1993 の引照

新共同 マタ 10:30

10:30 あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。

 

新共同 使  2:42

2:42 彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった。

 

(英・米)THE NEW TREASURY OF SCRIPTURE KNOWLEDGE 1982 の引照

口語訳 ロマ 10:14-17

10:14 しかし、信じたことのない者を、どうして呼び求めることがあろうか。聞いたことのない者を、どうして信じることがあろうか。宣べ伝える者がいなくては、どうして聞くことがあろうか。

10:15 つかわされなくては、どうして宣べ伝えることがあろうか。「ああ、麗しいかな、良きおとずれを告げる者の足は」と書いてあるとおりである。

10:16 しかし、すべての人が福音に聞き従ったのではない。イザヤは、「主よ、だれがわたしたちから聞いたことを信じましたか」と言っている。

10:17 したがって、信仰は聞くことによるのであり、聞くことはキリストの言葉から来るのである。

 

口語訳 ピリ 3:7-9

3:7 しかし、わたしにとって益であったこれらのものを、キリストのゆえに損と思うようになった。

3:8 わたしは、更に進んで、わたしの主キリスト・イエスを知る知識の絶大な価値のゆえに、いっさいのものを損と思っている。キリストのゆえに、わたしはすべてを失ったが、それらのものを、ふん土のように思っている。それは、わたしがキリストを得るためであり、

3:9 律法による自分の義ではなく、キリストを信じる信仰による義、すなわち、信仰に基く神からの義を受けて、キリストのうちに自分を見いだすようになるためである。

 

口語訳 Tコリ10:30-31

10:30 もしわたしが感謝して食べる場合、その感謝する物について、どうして人のそしりを受けるわけがあろうか。

10:31 だから、飲むにも食べるにも、また何事をするにも、すべて神の栄光のためにすべきである。

 

口語訳 ロマ 1:16

1:16 わたしは福音を恥としない。それは、ユダヤ人をはじめ、ギリシヤ人にも、すべて信じる者に、救を得させる神の力である。

 

(日)新共同訳1987の引照

新共同 Tコリ11:23-24

11:23 わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。すなわち、主イエスは、引き渡される夜、パンを取り、

11:24 感謝の祈りをささげてそれを裂き、「これは、あなたがたのためのわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい」と言われました。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE 1985 の引照

 

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使徒 27:39−44

座礁して上陸

 

 

翻訳比較

 

岩波翻訳委員会訳1995

442739夜が明けた時、人々は、どこの陸地かわからなかったが、砂浜のある入江を認めたので、できればそこに船を乗り入れようと思った。

442740そこで彼らは、錨を切り離して海に捨て、同時に舵綱(かじづな)をゆるめ、風に舳(へさき)の帆を上げ、砂浜に向かって進んだ。

442741しかし、二つの深みに挟まれた浅瀬に船を乗り上げてしまった。舳はめり込んで動かなくなり、艫は激浪で壊れはじめた。

442742兵士たちは、囚人らが泳いで逃げることのないように、彼らを殺すつもりであつた。442743しかし百人隊長は、パウロを救おうと思って、その計画を妨げた。そして彼は、泳げる者はまず飛び込んで上陸するように、

442744残りの者は、あるいは板切れ、あるいは船からのものに乗って上陸するように命じた。こうして、皆の者が陸に救い上げられたのである。

 

新共同訳1987

27:39 朝になって、どこの陸地であるか分からなかったが、砂浜のある入り江を見つけたので、できることなら、そこへ船を乗り入れようということになった。

27:40 そこで、錨を切り離して海に捨て、同時に舵の綱を解き、風に船首の帆を上げて、砂浜に向かって進んだ。

27:41 ところが、深みに挟まれた浅瀬にぶつかって船を乗り上げてしまい、船首がめり込んで動かなくなり、船尾は激しい波で壊れだした。

27:42 兵士たちは、囚人たちが泳いで逃げないように、殺そうと計ったが、

27:43 百人隊長はパウロを助けたいと思ったので、この計画を思いとどまらせた。そして、泳げる者がまず飛び込んで陸に上がり、

27:44 残りの者は板切れや船の乗組員につかまって泳いで行くように命令した。このようにして、全員が無事に上陸した。

 

前田訳1978

27:39 朝になると、陸は見えなかったが、浜のある入江のようなものを感じたので、できるならばそこに船を乗りあげようと思った。

27:40 そこで錨を切って海に捨て、同時に舵の綱をゆるめ、吹く風に前の帆をあげながら、浜に向かて進んだ。

27:41 しかし潮流のあう浅瀬に乗りあげて船は座礁し、舳はめり込んで動かなくなり、艫は波の力でこわれはじめた。

27:42 兵率らは、泳いで逃げるものがないように、囚人たちを殺すことに決めた。

27:43 しかし百卒長はパウロを救おうと思って彼らの計画を押さえ、泳げるものがまず飛び込んで陸に上がるよう命じた。

27:44 残りのものは、あるいは板、あるいは船の破片に乗るようにさせた。こうして、皆が陸に救い上げられた。

 

新改訳1970

27:39 夜が明けると、どこの陸地かわからないが、砂浜のある入江が目に留まったので、できれば、そこに船を乗り入れようということになった。

27:40 錨を切って海に捨て、同時にかじ綱を解き、風に前の帆を上げて、砂浜に向かって進んで行った。

27:41 ところが、潮流の流れ合う浅瀬に乗り上げて、船を座礁させてしまった。へさきはめり込んで動かなくなり、ともは激しい波に打たれて破れ始めた。

27:42 兵士たちは、囚人たちがだれも泳いで逃げないように、殺してしまおうと相談した。

27:43 しかし百人隊長は、パウロをあくまでも助けようと思って、その計画を押え、泳げる者がまず海に飛び込んで陸に上がるように、

27:44 それから残りの者は、板切れや、その他の、船にある物につかまって行くように命じた。こうして、彼らはみな、無事に陸に上がった。

 

塚本訳1963

27:39 朝になると、人々は陸地はわからなかったが、(良い)浜のある入江に気付いたので、出来ることならその浜に船を乗りつけようと思った。

27:40 そこで錨(綱)を切って海に沈め、同時に舵の綱を解き、吹く風に前の帆を揚げながら浜に向かって進んだ。

27:41 しかし浅瀬に来たとき船は坐礁し、舳はめり込んで動かなくなり、艫は(波の)力でこわれはじめた。

27:42 兵卒らは囚人を殺してしまおうという意向であった。泳いで逃げる者がないようにというのである。

27:43 しかし百卒長はパウロを救おうと思ってその計画をとめ、泳ぎの出来る者はまず飛び込んで上陸するようにと命令し、

27:44 そのほかの者は、あるいは板、あるいは船の破片に乗って上陸させた。こうして、皆陸に救い上げられた。

 

口語訳1955

27:39 夜が明けて、どこの土地かよくわからなかったが、砂浜のある入江が見えたので、できれば、それに舟を乗り入れようということになった。

27:40 そこで、いかりを切り離して海に捨て、同時にかじの綱をゆるめ、風に前の帆をあげて、砂浜にむかって進んだ。

27:41 ところが、潮流の流れ合う所に突き進んだため、舟を浅瀬に乗りあげてしまって、へさきがめり込んで動かなくなり、ともの方は激浪のためにこわされた。

27:42 兵卒たちは、囚人らが泳いで逃げるおそれがあるので、殺してしまおうと図ったが、

27:43 百卒長は、パウロを救いたいと思うところから、その意図をしりぞけ、泳げる者はまず海に飛び込んで陸に行き、

27:44 その他の者は、板や舟の破片に乗って行くように命じた。こうして、全部の者が上陸して救われたのであった。

 

文語訳1917

"442739","夜明になりて、孰の土地かは知らねど砂濱の入江を見出し、なし得べくば此處に船を寄せんと相議り、"

"442740","錨を斷ちて海に棄つるとともに、舵纜をゆるめ舳の帆を揚げて、風にまかせつつ砂濱さして進む。"

"442741","然るに潮の流れあふ處にいたりて船を浅瀬に乘り上げたれば、舳膠著きて動かず、艫は浪の激しきに破れたり。"

"442742","兵卒らは囚人の泳ぎて逃去らんことを恐れ、これを殺さんと議りしに、"

"442743","百卒長パウロを救はんと欲して、その議るところを阻み、泳ぎうる者に命じ、海に跳び入りて、まず上陸せしめ、"

"442744","その他の者をば或は板あるひは船の碎片に乘らしむ。斯くしてみな上陸して救はるるを得たり。  "

 

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各国聖書引照編集

 

(独)NESTLE-ALAND  NOVUM TESTAMENTUM  GRAECE 27版1993 の引照

新共同 使  27:3

27:3 翌日シドンに着いたが、ユリウスはパウロを親切に扱い、友人たちのところへ行ってもてなしを受けることを許してくれた。

 

新共同 使  28:1

28:1 わたしたちが助かったとき、この島がマルタと呼ばれていることが分かった。

 

(英・米)THE NEW TREASURY OF SCRIPTURE KNOWLEDGE 1982 の引照

 

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(日)新共同訳1987の引照

新共同 Uコリ11:25

11:25 鞭で打たれたことが三度、石を投げつけられたことが一度、難船したことが三度。一昼夜海上に漂ったこともありました。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE 1985 の引照

 

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