コヘレトの言葉 6:1−6
楽しめない富
翻訳比較
聖書協会共同訳2018
コヘ 6:1 太陽の下、私はある災いを見た。それは人間に重くのしかかる。
コヘ
6:2 神が富と宝と栄誉を与えて、望むものは何一つ欠けることのない人がいた。だが、神はそれを享受する力をその人に与えず、他の人がそれを享受するこ
とになった。これも空であり、悪しき病である。
コヘ
6:3 人が百人の子どもを得て/長い年月を生きたとする。/人生の歳月は豊かであったのに/その幸せに心は満たされず/また埋葬もされなかった。/なら
ば、死産の子のほうが幸いだ/と私は言おう。
コヘ 6:4 確かに、その子は空しく生まれ、闇を歩み/その名は闇に覆われる。
コヘ 6:5 太陽を見ることも知ることもないが/この子のほうが彼よりも安らかである。
コヘ 6:6 たとえ千年を二度生きても、人は幸せを見ない。/すべての者は一つの場所に行くのだから。
フランシスコ会訳2013
コヘレトの言葉6
フランシスコ訳聖書 Ecc <6>章
聖書本文
◆楽しめない富
001わたしはまた日の下にもう一つ
の不幸を見た。それは人の上に重くのしかかっている。
002神からの富と財宝と誉れを与え
られて、心に望むものは何一つ欠けていない人がいる。しかし、神は彼にこれらのものを楽しむことを許さず、他人にそれを楽しませる。
これも空しいことであり、悪い病である。
003たとえ人が百人の子供をもう
け、長い歳月を生き、その生涯の日々を重ねても、その心が人生を楽しむことができず、墓にも葬られないなら、わたしは言おう、死産の
子供のほうがその人よりもましであると。
004なぜなら、この子は空しく生ま
れてきて、闇に帰り、その名は闇に覆われる。
005そのうえ、この子は太陽も見
ず、それを知らない。しかし、この子のほうが彼よりも安らかである。
006たとえ彼が千年の倍も、生きた
としても、幸せを味わうことができなかったなら、両者とも、同じ所に行くのではないか。
新共同訳1987
6:1
太陽の下に、次のような不幸があって、人間を大きく支配しているのをわたしは見た。
6:2
ある人に神は富、財宝、名誉を与え、この人の望むところは何ひとつ欠けていなかった。しかし神は、彼がそれを自ら享受することを許されなかったので、他人
がそれを得ることになった。これまた空しく、大いに不幸なことだ。
6:3
人が百人の子を持ち、長寿を全うしたとする。しかし、長生きしながら、財産に満足もせず/死んで葬儀もしてもらえなかったなら/流産の子の方が好運だとわ
たしは言おう。
6:4
その子は空しく生まれ、闇の中に去り/その名は闇に隠される。
6:5
太陽の光を見ることも知ることもない。しかし、その子の方が安らかだ。
6:6
たとえ、千年の長寿を二度繰り返したとしても、幸福でなかったなら、何になろう。すべてのものは同じひとつの所に行くのだから。
新改訳1970
6:1
私は日の下で、もう一つの悪があるのを見た。それは人の上に重くのしかかっている。
6:2
神が富と財宝と誉れとを与え、彼の望むもので何一つ欠けたもののない人がいる。しかし、神は、この人がそれを楽しむことを許さず、外国人がそれを楽しむよ
うにされる。これはむなしいことで、それは悪い病だ。
6:3
もし人が百人の子どもを持ち、多くの年月を生き、彼の年が多くなっても、彼が幸いで満たされることなく、墓にも葬られなかったなら、私は言う、死産の子の
ほうが彼よりはましだと。
6:4
その子はむなしく生まれて来て、やみの中に去り、その名はやみの中に消される。
6:5
太陽も見ず、何も知らずに。しかし、この子のほうが彼よりは安らかである。
6:6
彼が千年の倍も生きても、――しあわせな目に会わなければ、――両者とも同じ所に行くのではないか。
口語訳1955
6:1
わたしは日の下に一つの悪のあるのを見た。これは人々の上に重い。
6:2
すなわち神は富と、財産と、誉とを人に与えて、その心に慕うものを、一つも欠けることのないようにされる。しかし神は、その人にこれを持つことを許されな
いで、他人がこれを持つようになる。これは空である。悪しき病である。
6:3
たとい人は百人の子をもうけ、また命長く、そのよわいの日が多くても、その心が幸福に満足せず、また葬られることがなければ、わたしは言う、流産の子はそ
の人にまさると。
6:4
これはむなしく来て、暗やみの中に去って行き、その名は暗やみにおおわれる。
6:5
またこれは日を見ず、物を知らない。けれどもこれは彼よりも安らかである。
6:6
たとい彼は千年に倍するほど生きても幸福を見ない。みな一つ所に行くのではないか。
文語訳1917
6:1 我觀るに日の下に一件の患あり是は人の間に恒なる者なり
6:2 すなはち神富と財と貴を人にあたへて その心に慕ふ者を一件もこれに缺ることなからしめたまひながらも
神またその人に之を食ふことを得せしめたまはずして 他人のこれを食ふことあり 是空なり惡き疾なり
6:3 假令人百人の子を擧けまた長壽してその年齢の日多からんも 若その心景福に滿足せざるか又は葬らるることを得ざるあれば
我言ふ流?の子はその人にまさるたり
6:4 夫流?の子はその來ること空しくしてK暗の中に去ゆきその名はK暗の中にかくるるなり
6:5 又是は日を見ることなく物を知ることなければ彼よりも安泰なり
6:6 人の壽命千年に倍するとも福祉を蒙れるにはあらず 皆一所に往くにあらずや
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各国旧約聖書における新約聖書の引照
・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを
拾う・・・
(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
口 語訳 ルカ 12:20
12:20 すると神が彼に言われ
た、『愚かな者よ、あなたの魂は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、だれのものになるのか』。
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
口 語訳 ルカ 12:20
12:20 すると神が彼に言われ
た、『愚かな者よ、あなたの魂は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、だれのものになるのか』。
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
口 語訳 ルカ
12:20
12:20
すると神が彼に言われた、『愚かな者よ、あなたの魂は今夜のうちにも取り去られるであろう。そしたら、あなたが用意した物は、だれの
ものになるのか』。
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
・・・・
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コヘレトの言葉 6:7−12
人間の不満足
翻訳比較
聖書協会共同訳2018
コヘ 6:7 人の労苦はすべて口のためである。/だが、それだけでは魂は満たされない。
コヘ 6:8 愚かな者にまさる益が知恵ある者にあるのか。/人生の歩み方を知る苦しむ人に/何の益があるか。
コヘ 6:9 目に見えるほうが、欲望が行き過ぎるよりもよい。/これもまた空であり、風を追うようなことである。
コヘ
6:10 すでに存在するものは名前で呼ばれる。/人間とは何者なのかも知られている。/人は自分より強い者を訴えることはできない。
コヘ 6:11 言葉が増せば、空しさも増す。/それが人にとって何の益になるのか。
コヘ
6:12 空である短い人生の日々に、人にとって何が幸せかを誰が知るのだろう。人はその人生を影のように過ごす。その後何が起こるかを、太陽の下、誰も
人に告げることができない。
フランシスコ会訳2013
◆人間の不満足
007人の労苦はすべて自分の口のた
めのもの。
しかし、その食欲は決して満たされることはない。
008それでは、どうして知恵ある者
は愚かな者に勝るのか。
人々の前での生き方を知っていても、
貧しい人には、何の益があるだろうか。
009現に目に見ているものは心が思
い巡らすものに勝る。
これもまた空しく風を追い求めるに等しい。
010存在したものはすべて、
すでに名前がつけられており、
人が何者であるかも、すでに知られている。
人は自分より強いものと争うことはできない。
011言葉が多ければ空しさも増す。
それは人にとって何の益になろうか。
012誰が知ろう。
影のように過ぎ去るその空しい人生の日々において、
何が人のために善いことかを。
誰が人に告げることができようか、
彼の後に、日の下に何が起こるかを。
新共同訳1987
6:7
人の労苦はすべて口のためだが/それでも食欲は満たされない。
6:8
賢者は愚者にまさる益を得ようか。人生の歩き方を知っていることが/貧しい人に何かの益となろうか。
6:9
欲望が行きすぎるよりも/目の前に見えているものが良い。これまた空しく、風を追うようなことだ。
6:10
これまでに存在したものは/すべて、名前を与えられている。人間とは何ものなのかも知られている。自分より強いものを訴えることはできない。
6:11
言葉が多ければ空しさも増すものだ。人間にとって、それが何になろう。
6:12
短く空しい人生の日々を、影のように過ごす人間にとって、幸福とは何かを誰が知ろう。人間、その一生の後はどうなるのかを教えてくれるものは、太陽の下に
はいない。
新改訳1970
6:7
人の労苦はみな、自分の口のためである。しかし、その食欲は決して満たされない。
6:8
知恵ある者は、愚かな者より何がまさっていよう。人々の前での生き方を知っている貧しい人も、何がまさっていよう。
6:9
目が見るところは、心があこがれることにまさる。これもまた、むなしく、風を追うようなものだ。
6:10
今あるものは、何であるか、すでにその名がつけられ、また彼がどんな人であるかも知られている。彼は彼よりも力のある者と争うことはできない。
6:11
多く語れば、それだけむなしさを増す。それは、人にとって何の益になるだろう。
6:12
だれが知ろうか。影のように過ごすむなしいつかのまの人生で、何が人のために善であるかを。だれが人に告げることができようか。彼の後に、日の下で何が起
こるかを。
口語訳1955
6:7
人の労苦は皆、その口のためである。しかしその食欲は満たされない。
6:8
賢い者は愚かな者になんのまさるところがあるか。また生ける者の前に歩むことを知る貧しい者もなんのまさるところがあるか。
6:9
目に見る事は欲望のさまよい歩くにまさる。これもまた空であって、風を捕えるようなものである。
6:10
今あるものは、すでにその名がつけられた。そして人はいかなる者であるかは知られた。それで人は自分よりも力強い者と争うことはできない。
6:11
言葉が多ければむなしい事も多い。人になんの益があるか。
6:12
人はその短く、むなしい命の日を影のように送るのに、何が人のために善であるかを知ることができよう。だれがその身の後に、日の下に何があるであろうかを
人に告げることができるか。
文語訳1917
6:7 人の勞苦は皆その口のためなり その心はなほも飽ざるところ有り
6:8 賢者なんぞ愚者に勝るところあらんや また世人の前に歩行ことを知ところの貧者も何の勝るところ有んや
6:9 目に觀る事物は心のさまよひ歩くに愈るなり 是また空にして風を捕ふるがごとし
6:10 嘗て在し者は久しき前にすでにその名を命られたり 即ち是は人なりと知る
然ば是はかの自己よりも力強き者と爭ふことを得ざるなり
6:11 衆多の言論ありて虚浮き事を増す然ど人に何の益あらんや
6:12 人はその虚空き生命の日を影のごとくに送るなり 誰かこの世において如何なる事か人のために善き者なるやを知ん
誰かその身の後に日の下にあらんところの事を人に告うる者あらんや
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各国旧約聖書における新約聖書の引照
・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを
拾う・・・
(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
口 語訳 ヤコ
4:14
4:14
あなたがたは、あすのこともわからぬ身なのだ。あなたがたのいのちは、どんなものであるか。あなたがたは、しばしの間あらわれて、た
ちまち消え行く霧にすぎない。
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
口 語訳 ヤコ 4:14
4:14 あなたがたは、あすの
こともわからぬ身なのだ。あなたがたのいのちは、どんなものであるか。あなたがたは、しばしの間あらわれて、たちまち消え行く霧にす
ぎない。
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
新共同 ヤコ 4:14
4:14
あなたがたには自分の命がどうなるか、明日のことは分からないのです。あなたがたは、わずかの間現れて、やがて消えて行く霧にすぎません。
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