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エステル記 2:1−23     

モルデカイとハマン

 

翻訳比較


聖書協会共同訳2018
◆モルデカイとエステル
エス 2:1 これらのことの後、クセルクセス王の憤りが収まったとき、王はワシュティと彼女がしたこと、そして彼女に対して定められたことを思い起こした。
エス 2:2 王に仕える若者たちは言った。「王のために美しいおとめたちを探させましょう。
エス 2:3 王は、この国のすべての州に担当者を任命し、美しいおとめをことごとくスサの都の後宮に集めさせ、女たちを監督する王の宦官ヘガイの手に託して、 容姿を磨かせるのです。
エス 2:4 王の目に適う娘がワシュティの代わりに王妃となるでしょう。」この言葉は王の意に適ったので、王はそのとおりにした。
エス 2:5 スサの都に一人のユダヤ人がいた。名をモルデカイと言い、キシュの子シムイの子であるヤイルの子で、ベニヤミン族の人であった。
エス 2:6 彼は、バビロンの王ネブカドネツァルが捕らえたユダの王エコンヤと共に捕らえられて来た捕囚の民の一人で、エルサレムから捕らえられて来た者で あった。
エス 2:7 そして彼は、おじの娘ハダサ、すなわちエステルの後見人になっていた。彼女には父も母もいなかったからである。この娘は姿形がよく、美しかった。 その父と母が亡くなったとき、モルデカイは彼女を自分の娘として引き取ったのである。
エス 2:8 さて、王の命令と法が布告され、多くの娘がスサの都に集められて、ヘガイの手に託されたとき、エステルも王宮に連れて行かれ、女たちを監督するヘ ガイの手に託された。
エス 2:9 この娘は彼の目に適い、その慈しみを得た。彼は速やかに彼女の美容のための品々と食料の配分を手配し、王宮からえり抜きの女官七人を彼女に付かせ た。そして彼女とその女官たちを後宮で最も良い場所に移した。
エス 2:10 エステルは、自分の属する民と出自を明かさなかった。モルデカイが彼女に明かすなと命じたからである。
エス 2:11 モルデカイは毎日、エステルの安否と彼女がどう扱われるのかを知ろうとして、後宮の庭の前を行ったり来たりした。
エス 2:12 規定に従って十二か月を経ると、娘たちはそれぞれ順番にクセルクセス王のところに召されることになった。娘たちには、六か月間は没薬の香油で、 また六か月間はほかの香料や美容のための品々を用いて容姿を磨く期間が定められていたのである。
エス 2:13 このようにして娘は王のところに行くのであった。彼女が後宮から王宮に携えて行きたいと望むものは、何でも与えられた。
エス 2:14 娘は夕方行って、朝には第二の後宮に戻り、側室たちを監督する王の宦官シャアシュガズの手に委ねられた。王が彼女を望んで、名指しで呼び出され るのでなければ、再び王のところに行くことはなかった。
エス 2:15 モルデカイのおじアビハイルの娘で、モルデカイが娘として引き取っていたエステルが王のところに行く順番になったとき、彼女は女たちの監督、王 の宦官ヘガイが勧めるもの以外には、何も求めなかった。エステルを見る人は、皆彼女に好意を抱いた。
エス 2:16 エステルが王宮のクセルクセス王のもとに召されたのは、その治世の第七年の第十の月、すなわちテベトの月のことであった。
エス 2:17 王はどの女よりもエステルを愛し、エステルはどのおとめよりも王の好意と慈しみを得た。王は彼女の頭に王妃の冠を置き、ワシュティに代わって彼 女を王妃とした。
エス 2:18 そして王は、すべての大臣、家臣たちのために大いなる酒宴、すなわちエステルの酒宴を催した。また諸州に免税を行い、王の寛大さにふさわしい贈 り物を与えた。
エス 2:19 二度目におとめたちが集められたとき、モルデカイは王の門に座っていた。
エス 2:20 エステルはモルデカイに命じられたように、自分の出自と自分が属する民を明かしていなかった。エステルは、モルデカイに養い育てられていたとき と同様、彼の言葉に従っていた。
エス 2:21 その頃、モルデカイが王の門に座っていると、王の部屋の入り口を守る王の二人の宦官ビグタンとテレシュが、怒りに任せてクセルクセス王を討とう と謀っていた。
エス 2:22 モルデカイはそのことを知ると、王妃エステルにこれを告げた。エステルはモルデカイの名を挙げて、これを王に話した。
エス 2:23 この件が調べられて明らかにされ、彼ら二人は処刑され、木につるされた。このことは王の前で年代記に書き記された。


フランシスコ会訳2013

ギリシャ語エステル記とヘブライ語エステル記が合体編集されているために掲げない。


 

新共同訳1987

2:1 その後、怒りの治まったクセルクセス王は、ワシュティとそのふるまい、彼女に下した決定を口にするようになった。

2:2 王に仕える侍従たちは言った。「王のために美しいおとめを探させてはいかがでしょうか。

2:3 全国各州に特使を送り、美しいおとめを一人残らず要塞の町スサの後宮に集め、後宮の監督、宦官ヘガイに託し、容姿を美しくさせるのです。

2:4 御目にかなう娘がいれば、ワシュティに代わる王妃になさってはいかがでしょうか。」これは王の意にかない、王はそうすることにした。

◆モルデカイとエステル

2:5 要塞の町スサに一人のユダヤ人がいた。名をモルデカイといい、キシュ、シムイ、ヤイルと続くベニヤミン族の家系に属していた。

2:6 この人は、バビロン王ネブカドネツァルによって、ユダ王エコンヤと共にエルサレムから連れて来られた捕囚民の中にいた。

2:7 モルデカイは、ハダサに両親がいないので、その後見人となっていた。彼女がエステルで、モルデカイにはいとこに当たる。娘は姿も顔立ちも美しかった。両親 を亡くしたので、モルデカイは彼女を自分の娘として引き取っていた。

2:8 さて、王の命令と定めが発布され、大勢の娘が要塞の町スサのヘガイのもとに集められた。エステルも王宮に連れて来られ、後宮の監督ヘガイに託された。

2:9 彼はエステルに好意を抱き、目をかけた。早速化粧品と食べ物を与え、王宮からえり抜きの女官七人を彼女にあてがい、彼女を女官たちと共に後宮で特別扱いし た。

2:10 エステルは、モルデカイに命じられていたので、自分が属する民族と親元を明かさなかった。

2:11 モルデカイはエステルの安否を気遣い、どう扱われるのかを知ろうとして、毎日後宮の庭の前を行ったり来たりしていた。

2:12 十二か月の美容の期間が終わると、娘たちは順番にクセルクセス王のもとに召されることになった。娘たちには六か月間ミルラ香油で、次の六か月間ほかの香料 や化粧品で容姿を美しくすることが定められていた。

2:13 こうして、どの娘も王のもとに召されたが、後宮から王宮に行くにあたって娘が持って行きたいと望むものは何でも与えられた。

2:14 娘は夜行き、朝帰って別の後宮に連れて行かれ、側室たちの監督、宦官シャアシュガズに託された。王に望まれ、名指しで呼び出されるのでなければ、だれも再 び行くことはなかった。

2:15 モルデカイの伯父アビハイルの娘で、モルデカイに娘として引き取られていたエステルにも、王のもとに召される順番が回ってきたが、エステルは後宮の監督、 宦官ヘガイの勧めるもの以外に、何も望まなかった。エステルを見る人は皆、彼女を美しいと思った。

2:16 さて、エステルは王宮のクセルクセス王のもとに連れて行かれた。その治世の第七年の第十の月、すなわちテベトの月のことである。

2:17 王はどの女にもましてエステルを愛し、エステルは娘たちの中で王の厚意と愛に最も恵まれることとなった。王は彼女の頭に王妃の冠を置き、ワシュティに代わ る王妃とした。

2:18 次いで、王は盛大な酒宴を催して、大臣、家臣をことごとく招いた。これが、「エステルの酒宴」である。更に、王は諸州に対し免税を布告し、王の寛大さを示 すにふさわしい祝いの品を与えた。

2:19 再び若い娘が集められた時のことである。モルデカイは王宮の門に座っていた。

2:20 エステルはモルデカイに命じられていたので、自分の属する民族と親元を明かすことをしなかった。モルデカイに養われていたときと同様、その言葉に従ってい た。

2:21 さてそのころ、モルデカイが王宮の門に座っていると、王の私室の番人である二人の宦官ビグタンとテレシュが何事かに憤慨し、クセルクセス王を倒そうと謀っ ていた。

2:22 それを知ったモルデカイは王妃エステルに知らせたので、彼女はモルデカイの名でこれを王に告げた。

2:23 早速この件は捜査されて明らかにされ、二人は木につるされて処刑された。この事件は王の前で宮廷日誌に記入された。

 

新改訳1970

2:1 この出来事の後、アハシュエロス王の憤りがおさまると、王は、ワシュティのこと、彼女のしたこと、また、彼女に対して決められたことを思い出した。

2:2 そのとき、王に仕える若い者たちは言った。「王のために容姿の美しい未婚の娘たちを捜しましょう。

2:3 王は、王国のすべての州に役人を任命し、容姿の美しい未婚の娘たちをみな、シュシャンの城の婦人部屋に集めさせ、女たちの監督官である王の宦官ヘガイの管 理のもとに置き、化粧に必要な品々を彼女たちに与えるようにしてください。

2:4 そして、王のお心にかなうおとめをワシュティの代わりに王妃としてください。」このことは王の心にかなったので、彼はそのようにした。

2:5 シュシャンの城にひとりのユダヤ人がいた。その名をモルデカイといって、ベニヤミン人キシュの子シムイの子ヤイルの子であった。

2:6 このキシュは、バビロンの王ネブカデネザルが捕え移したユダの王エコヌヤといっしょに捕え移された捕囚の民とともに、エルサレムから捕え移された者であっ た。

2:7 モルデカイはおじの娘ハダサ、すなわち、エステルを養育していた。彼女には父も母もいなかったからである。このおとめは、姿も顔だちも美しかった。彼女の 父と母が死んだとき、モルデカイは彼女を引き取って自分の娘としたのである。

2:8 王の命令、すなわちその法令が伝えられて、多くのおとめたちがシュシャンの城に集められ、ヘガイの管理のもとに置かれたとき、エステルも王宮に連れて行か れて、女たちの監督官ヘガイの管理のもとに置かれた。

2:9 このおとめは、ヘガイの心にかない、彼の好意を得た。そこで、彼は急いで化粧に必要な品々とごちそうを彼女に与え、また王宮から選ばれた七人の侍女を彼女 にあてがった。そして、ヘガイは彼女とその侍女たちを、婦人部屋の最も良い所に移した。

2:10 エステルは自分の民族をも、自分の生まれをも明かさなかった。モルデカイが、明かしてはならないと彼女に命じておいたからである。

2:11 モルデカイは毎日婦人部屋の庭の前を歩き回り、エステルの安否と、彼女がどうされるかを知ろうとしていた。

2:12 おとめたちは、婦人の規則に従って、十二か月の期間が終わって後、ひとりずつ順番にアハシュエロス王のところに、はいって行くことになっていた。これは、 準備の期間が、六か月は没薬の油で、次の六か月は香料と婦人の化粧に必要な品々で化粧することで終わることになっていたからである。

2:13 このようにして、おとめが王のところにはいって行くとき、おとめの願うものはみな与えられ、それを持って婦人部屋から王宮に行くことができた。

2:14 おとめは夕方はいって行き、朝になると、ほかの婦人部屋に帰っていた。そこは、そばめたちの監督官である王の宦官シャアシュガズの管理のもとにあった。そ この女は、王の気に入り、指名されるのでなければ、二度と王のところには行けなかった。

2:15 さて、モルデカイが引き取って、自分の娘とした彼のおじアビハイルの娘エステルが、王のところにはいって行く順番が来たとき、彼女は女たちの監督官である 王の宦官ヘガイの勧めたもののほかは、何一つ求めなかった。こうしてエステルは、彼女を見るすべての者から好意を受けていた。

2:16 エステルがアハシュエロス王の王宮に召されたのは、王の治世の第七年の第十の月、すなわちテベテの月であった。

2:17 王はほかのどの女たちよりもエステルを愛した。このため、彼女はどの娘たちよりも王の好意と恵みを受けた。こうして、王はついに王冠を彼女の頭に置き、ワ シュティの代わりに彼女を王妃とした。

2:18 それから、王はすべての首長と家臣たちの大宴会、すなわち、エステルの宴会を催し、諸州には休日を与えて、王の勢力にふさわしい贈り物を配った。

2:19 娘たちが二度目に集められたとき、モルデカイは王の門のところにすわっていた。

2:20 エステルは、モルデカイが彼女に命じていたように、まだ自分の生まれをも、自分の民族をも明かしていなかった。エステルはモルデカイに養育されていた時と 同じように、彼の言いつけに従っていた。

2:21 そのころ、モルデカイが王の門のところにすわっていると、入口を守っていた王のふたりの宦官ビグタンとテレシュが怒って、アハシュエロス王を殺そうとして いた。

2:22 このことがモルデカイに知れたので、彼はこれを王妃エステルに知らせた。エステルはこれをモルデカイの名で王に告げた。

2:23 このことが追及されて、その事実が明らかになったので、彼らふたりは木にかけられた。このことは王の前で年代記の書に記録された。

 

口語訳1955

2:1 これらのことの後、アハシュエロス王の怒りがとけ、王はワシテおよび彼女のしたこと、また彼女に対して定めたことを思い起した。

2:2 時に王に仕える侍臣たちは言った、「美しい若い処女たちを王のために尋ね求めましょう。

2:3 どうぞ王はこの国の各州において役人を選び、美しい若い処女をことごとく首都スサにある婦人の居室に集めさせ、婦人をつかさどる王の侍従ヘガイの管理のも とにおいて、化粧のための品々を彼らに与えてください。

2:4 こうして御意にかなうおとめをとって、ワシテの代りに王妃としてください」。王はこの事をよしとし、そのように行った。

2:5 さて首都スサにひとりのユダヤ人がいた。名をモルデカイといい、キシのひこ、シメイの孫、ヤイルの子で、ベニヤミンびとであった。

2:6 彼はバビロンの王ネブカデネザルが捕えていったユダの王エコニヤと共に捕えられていった捕虜のひとりで、エルサレムから捕え移された者である。

2:7 彼はそのおじの娘ハダッサすなわちエステルを養い育てた。彼女には父も母もなかったからである。このおとめは美しく、かわいらしかったが、その父母の死 後、モルデカイは彼女を引きとって自分の娘としたのである。

2:8 王の命令と詔が伝えられ、多くのおとめが首都スサに集められて、ヘガイの管理のもとにおかれたとき、エステルもまた王宮に携え行かれ、婦人をつかさどるヘ ガイの管理のもとにおかれた。

2:9 このおとめはヘガイの心にかなって、そのいつくしみを得た。すなわちヘガイはすみやかに彼女に化粧の品々および食物の分け前を与え、また宮中から七人のす ぐれた侍女を選んで彼女に付き添わせ、彼女とその侍女たちを婦人の居室のうちの最も良い所に移した。

2:10 エステルは自分の民のことをも、自分の同族のことをも人に知らせなかった。モルデカイがこれを知らすなと彼女に命じたからである。

2:11 モルデカイはエステルの様子および彼女がどうしているかを知ろうと、毎日婦人の居室の庭の前を歩いた。

2:12 おとめたちはおのおの婦人のための規定にしたがって十二か月を経て後、順番にアハシュエロス王の所へ行くのであった。これは彼らの化粧の期間として、没薬 の油を用いること六か月、香料および婦人の化粧に使う品々を用いること六か月が定められていたからである。

2:13 こうしておとめは王の所へ行くのであった。そしておとめが婦人の居室を出て王宮へ行く時には、すべてその望む物が与えられた。

2:14 そして夕方行って、あくる朝第二の婦人の居室に帰り、そばめたちをつかさどる王の侍従シャシガズの管理に移された。王がその女を喜び、名ざして召すのでな ければ、再び王の所へ行くことはなかった。

2:15 さてモルデカイのおじアビハイルの娘、すなわちモルデカイが引きとって自分の娘としたエステルが王の所へ行く順番となったが、彼女は婦人をつかさどる王の 侍従ヘガイが勧めた物のほか何をも求めなかった。エステルはすべて彼女を見る者に喜ばれた。

2:16 エステルがアハシュエロス王に召されて王宮へ行ったのは、その治世の第七年の十月、すなわちテベテの月であった。

2:17 王はすべての婦人にまさってエステルを愛したので、彼女はすべての処女にまさって王の前に恵みといつくしみとを得た。王はついに王妃の冠を彼女の頭にいた だかせ、ワシテに代って王妃とした。

2:18 そして王は大いなる酒宴を催して、すべての大臣と侍臣をもてなした。エステルの酒宴がこれである。また諸州に免税を行い、王の大きな度量にしたがって贈り 物を与えた。

2:19 二度目に処女たちが集められたとき、モルデカイは王の門にすわっていた。

2:20 エステルはモルデカイが命じたように、まだ自分の同族のことをも自分の民のことをも人に知らせなかった。エステルはモルデカイの言葉に従うこと、彼に養い 育てられた時と少しも変らなかった。

2:21 そのころ、モルデカイが王の門にすわっていた時、王の侍従で、王のへやの戸を守る者のうちのビグタンとテレシのふたりが怒りのあまりアハシュエロス王を殺 そうとねらっていたが、

2:22 その事がモルデカイに知れたので、彼はこれを王妃エステルに告げ、エステルはこれをモルデカイの名をもって王に告げた。

2:23 その事が調べられて、それに相違ないことがあらわれたので、彼らふたりは木にかけられた。この事は王の前で日誌の書にかきしるされた。

 


文 語訳1917

2:1 これらの事の後アハシユエロス王忿怒とけてワシテおよび彼が爲たる所またその彼にむかひて議定めしところの事を憶ひおこせり
2:2 ここに王の前に事ふる僕等いひけるは請ふ美しき少き處女等を王のために尋もとめん
2:3 願はくは王御國の各州において官吏を擇び之をして美はしき處女をことごとくシユシヤンの城に集めしめ婦人を管理る王の侍從ヘガイの手にわたして婦人の局に 入らしめ而して潔淨の物をこれに與へたまへ
2:4 斯して王の御意に適ふ女子を取りワシテに代りて后とならしめたまへと王この事を善として然なしぬ
2:5 茲にシユシヤンの城に一人のユダヤ人ありその名をモルデカイと曰ひキシの曾孫シメイの孫ヤイルの子にしてベニヤミン人なり
2:6 かれはバビロンの王ネブカデネザルが?へゆきしユダのヱコニヤとともに?はれ往る俘囚の中にありてヱサレムより移されたる者なり
2:7 かれその叔父の女ハダツサすなはちエステルを養ひ育てたり 是は父も母もなかりければなり この女子顔貌勝れてうるはしかりしがその父母の死たる後モルデカイこれを取ておのれの女となせるなり
2:8 王の命令と詔言の聞え傳はり衆多の女子シユシヤンの城にあつめられてヘガイの手にわたされし時エステルも亦王の家に携へられてゆき婦人を管理るヘガイの手 に交されしが
2:9 この女子ヘガイの意にかなひて之が惠を受たり即はちヘガイすみやかに之に潔淨の物およびその分を與へまた王の家の中より七人の侍女を擧てこれに附そはしめ 彼とその侍女等を婦人の局の中なる最も佳き處に移しぬ
2:10 エステルはおのれの民をもおのれの宗族をも顯はさざりき其はモルデカイこれを顯はすなかれと彼に言ふくめたればなり
2:11 またモルデカイはエステルの模樣およびその如何になれるかを知んため日々に婦人の局の庭の前をあゆめり
2:12 女子はおのおの婦人の則にしたがひて十二ヶ月を經しかる後順番にいりてアハシユエロス王にいたる是その潔淨の日を終るはかくのごとくなるが故なり 即ち沒薬の油を用ふること六ヶ月また各種の薫物および婦人の潔淨ごとにあつる物等を用ふること六ヶ月
2:13 女子の王にいたるは是のごとしその婦人の局より出て王の家にゆく時には凡てその望む物をことごとく與へらる
2:14 而して夕に往き朝におよびて婦人の第二の局に還り妃嬪をつかさどる王の侍從シヤシガスの手に屬す王これを喜こびて名をさして召すにあらざれば重ねて王にい たることなし
2:15 ここにモルデカイの叔父アビハイルの女すなはちモルデカイが取ておのれの女となしたるエステル入て王にいたるべき順番にあたりけるが彼は婦人をつかさどる 王の侍從ヘガイが言きかせたる事の外には何をももとめざりき エステルは凡て彼を見る者によろこばれたり
2:16 かくエステルは王の家に召いれられてアハシユエロス王にいたれり是その治世の第七年十月即ちテベテの月なり
2:17 王一切の婦人に超てエステルを愛しければエステルはすべての處女にまさりて王の前に恩寵と厚情を得たり 王つひに后の冕をかれの首に戴かせ彼をしてワシテにかはりて后とならしむ
2:18 ここにおいて王おほいなる酒宴を設けてそのもろもろの牧伯と臣僕を饗す これをエステルの酒宴と稱ふまた諸州に租税をゆるし王の富有にかなひて物を賜ふ
2:19 再度處女の集められし時モルデカイは王の門に坐しをりぬ
2:20 エステルはモルデカイがかれに言ふくめたる如くして未だおのれの宗族をもおのれの民をも顯はさざりき エステルはモルデカイの言語にしたがふことその彼に養なひ育てられし時と異ならざりき
2:21 當時モルデカイ王の門に坐し居ける時王の侍從にて戸を守る者の中ビグタンおよびテレシの二人怨むる事ありてアハシユエロス王を弑せんともとめたりしが
2:22 その事モルデカイに知れければモルデカイこれを后エステルに告げエステルまたモルデカイの名をもてこれを王に告げたり
2:23 ここにおいて此事をしらべさせしにその然ること顯はれければ彼ら二人は木にかけられその事は王の前なる日誌の書にかきしるさる


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

 

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(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口 語訳 Tテサ4:4-5

4:4 各自、気をつけて自分のからだを清く尊く保ち、

4:5 神を知らない異邦人のように情欲をほしいままにせず、

 

口 語訳 エペ 6:1-3

6:1 子たる者よ。主にあって両親に従いなさい。これは正しいことである。

6:2 「あなたの父と母とを敬え」。これが第一の戒めであって、次の約束がそれについている、

6:3 「そうすれば、あなたは幸福になり、地上でながく生きながらえるであろう」。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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