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エステル記 7:1−10     

ハマンの死刑

 

翻訳比較



聖書協会共同訳2018
◆ハマン、敗れ去る
エス 7:1 王とハマンは、王妃エステルとの酒宴にやって来た。
エス 7:2 この二日目にも王はぶどう酒を飲みながらエステルに言った。「王妃エステルよ、あなたが望むことは何でもかなえよう。あなたが願うのであれば、国 の半分なりとも与えよう。」
エス 7:3 王妃エステルは答えた。「王様、もし私が王様のご好意を得、そしてもし王様が良しとされるならば、私の望みをかなえて私の命を、私の願いを聞き入 れて私の民をお救いください。
エス 7:4 私と私の民は売られて、根絶やしにされ、殺され、滅ぼされようとしています。もし私たちが、男も女も奴隷として売られただけなら、その苦難は王様 を煩わすほどのことではないので、私は黙っていたでしょう。」
エス 7:5 クセルクセス王は王妃エステルに言った。「そんなことをしようと心にたくらんでいるのは、一体誰か。その者はどこにいるのか。」
エス 7:6 エステルは言った。「その苦しめる者、その敵は、この邪悪なハマンです。」ハマンは王と王妃の前に恐れおののいた。
エス 7:7 王は憤ってぶどう酒の宴の席を立ち、宮殿の庭へ向かった。ハマンは王妃エステルに命乞いをしようとしてとどまった。王が自分に害を加えることが決 定的になったのを見たからである。
エス 7:8 王が宮殿の庭からぶどう酒の宴の建物に戻って来ると、ハマンがエステルのいた長椅子の上に身を伏していた。王は言った。「私のいる宮殿で王妃にも 乱暴しようとするのか。」この言葉が王の口から出ると、人々はハマンの顔を覆った。
エス 7:9 王に仕える宦官の一人、ハルボナが言った。「ちょうど柱があります。王様のためによい知らせを告げたモルデカイをつるそうと、ハマンが立てたもの で、ハマンの家に立っています。五十アンマもの高さです。」王は言った。「ハマンをその上につるせ。」
エス 7:10 こうしてハマンは、自分がモルデカイをつるそうと用意した柱につるされ、王の燃えるような怒りは収まった。

フランシスコ会訳2013

ギリシャ語エステル記とヘブライ語エステル記が合体編集されているために掲げない。

 

新共同訳1987

7:1 王とハマンは、王妃エステルの酒宴にやって来た。

7:2 この二日目の日も同様に、ぶどう酒を飲みながら王は言った。「王妃エステルよ、何か望みがあるならかなえてあげる。願いとあれば国の半分なりとも与えよ う。」

7:3 「王よ、もしお心に適いますなら」と王妃エステルは答えた。「もし特別な御配慮をいただき、私の望みをかなえ、願いを聞いていただけますならば、私のため に私の命と私の民族の命をお助けいただきとうございます。

7:4 私と私の民族は取り引きされ、滅ぼされ、殺され、絶滅させられそうになっているのでございます。私どもが、男も女も、奴隷として売られるだけなら、王を煩 わすほどのことではございませんから、私は黙ってもおりましょう。」

7:5 クセルクセス王は王妃エステルに、「一体、誰がそのようなことをたくらんでいるのか、その者はどこにいるのか」と尋ねた。

7:6 エステルは答えた。「その恐ろしい敵とは、この悪者ハマンでございます。」ハマンは王と王妃の前で恐れおののいた。

7:7 王は怒って立ち上がり、酒宴をあとにして王宮の庭に出た。ハマンは王妃エステルに命乞いをしようとしてとどまった。王による不幸が決定的になった、と分 かったからである。

7:8 ハマンがエステルのいる長いすに身を投げかけているところへ、王宮の庭から王が酒宴の間に戻って来た。王は言った。「わたしのいるこの宮殿で、王妃にまで 乱暴しようとするのか。」この言葉が王の口から発せられるやいなや、人々はハマンの顔に覆いをかぶせた。

7:9 宦官の一人、ハルボナは王に言った。「ちょうど、柱があります。王のために貴重なことを告げてくれたあのモルデカイをつるそうとして、ハマンが立てたもの です。五十アンマもの高さをもって、ハマンの家に立てられています。」王は、「ハマンをそれにつるせ」と命じた。

7:10 こうしてハマンは、自分がモルデカイのために立てた柱につるされ、王の怒りは治まった。

 

新改訳1970

7:1 王とハマンはやって来て、王妃エステルと酒をくみかわした。

7:2 この酒宴の二日目にもまた、王はエステルに尋ねた。「あなたは何を願っているのか。王妃エステル。それを授けてやろう。何を望んでいるのか。王国の半分で も、それをかなえてやろう。」

7:3 王妃エステルは答えて言った。「もしも王さまのお許しが得られ、王さまがよろしければ、私の願いを聞き入れて、私にいのちを与え、私の望みを聞き入れて、 私の民族にもいのちを与えてください。

7:4 私も私の民族も、売られて、根絶やしにされ、殺害され、滅ぼされることになっています。私たちが男女の奴隷として売られるだけなら、私は黙っていたでしょ うに。事実、その迫害者は王の損失を償うことができないのです。」

7:5 アハシュエロス王は王妃エステルに尋ねて言った。「そんなことをあえてしようとたくらんでいる者は、いったいだれか。どこにいるのか。」

7:6 エステルは答えた。「その迫害する者、その敵は、この悪いハマンです。」ハマンは王と王妃の前で震え上がった。

7:7 王は憤って酒宴の席を立って、宮殿の園に出て行った。ハマンは王妃エステルにいのち請いをしようとして、居残った。王が彼にわざわいを下す決心をしたのが わかったからである。

7:8 王が宮殿の園から酒宴の広間に戻って来ると、エステルのいた長いすの上にハマンがひれ伏していたので、王は言った。「私の前で、この家の中で、王妃に乱暴 しようとするのか。」このことばが王の口から出るやいなや、ハマンの顔はおおわれた。

7:9 そのとき、王の前にいた宦官のひとりハルボナが言った。「ちょうど、王に良い知らせを告げたモルデカイのために、ハマンが用意した高さ五十キュビトの柱が ハマンの家に立っています。」すると王は命じた。「彼をそれにかけよ。」

7:10 こうしてハマンは、モルデカイのために準備しておいた柱にかけられた。それで王の憤りはおさまった。

 

口語訳1955

7:1 王とハマンは王妃エステルの酒宴に臨んだ。

7:2 このふつか目の酒宴に王はまたエステルに言った、「王妃エステルよ、あなたの求めることは何か。必ず聞かれる。あなたの願いは何か。国の半ばでも聞きとど けられる」。

7:3 王妃エステルは答えて言った、「王よ、もしわたしが王の目の前に恵みを得、また王がもしよしとされるならば、わたしの求めにしたがってわたしの命をわたし に与え、またわたしの願いにしたがってわたしの民をわたしに与えてください。

7:4 わたしとわたしの民は売られて滅ぼされ、殺され、絶やされようとしています。もしわたしたちが男女の奴隷として売られただけなら、わたしは黙っていたで しょう。わたしたちの難儀は王の損失とは比較にならないからです」。

7:5 アハシュエロス王は王妃エステルに言った、「そんな事をしようと心にたくらんでいる者はだれか。またどこにいるのか」。

7:6 エステルは言った、「そのあだ、その敵はこの悪いハマンです」。そこでハマンは王と王妃の前に恐れおののいた。

7:7 王は怒って酒宴の席を立ち、宮殿の園へ行ったが、ハマンは残って王妃エステルに命ごいをした。彼は王が自分に害を加えようと定めたのを見たからである。

7:8 王が宮殿の園から酒宴の場所に帰ってみると、エステルのいた長いすの上にハマンが伏していたので、王は言った、「彼はまたわたしの家で、しかもわたしの前 で王妃をはずかしめようとするのか」。この言葉が王の口から出たとき、人々は、ハマンの顔をおおった。

7:9 その時、王に付き添っていたひとりの侍従ハルボナが「王のためによい事を告げたあのモルデカイのためにハマンが用意した高さ五十キュビトの木がハマンの家 に立っています」と言ったので、王は「彼をそれに掛けよ」と言った。

7:10 そこで人々はハマンをモルデカイのために備えてあったその木に掛けた。こうして王の怒りは和らいだ。

 


文 語訳1917
7:1 王またハマンとともに后エステルと酒宴せんとて來れり
7:2 この第二の酒宴の日に王またエステルに言けるは后エステルよなんぢのもとめは何なるや かならず許さるべし 汝のねがひは何なるや國の半分にいたるとも成就らるべし
7:3 后エステルこたへて言けるは王よ我もし王の御目の前に恩を得王もし善と見たまはばわがもとめにしたがりこわが生命をわれに賜へ またわが願にしたがひてわが民を我に賜へ
7:4 我とわが民は賣れて滅ぼされ殺され絶されんとす 我らもし奴婢に賣れたるならんには我默してはべらん 敵人は王の損害を償なふ事能はざるなり
7:5 アハシユエロス王后エステルにこたへて言けるは之をなさんと心にたくめる者は誰また何處にをるや
7:6 エステルいひけるはその敵その仇人は即ちこの惡きハマンなりと 是によりてハマンは王と后の前にありて懼れたり
7:7 王怒り酒宴の席をたちて宮殿の園に往きければハマンたちあがりて后エステルに生命を乞り 其はかれ王のおのれに禍災をなさんと決めしを見たればなり
7:8 王宮殿の園より歸りて酒宴の場にいたりしにエステルのをる牀榻の上にハマン俯伏ゐたれば王いひけるは彼はまた家の内にてわが前に后を辱しめんとするかと此 ことば王の口より出るや人々ハマンの面をおほへり
7:9 時に王の前にある一人の侍從ハルボナいひけるは王の爲に善き事を言たりしかのモルデカイを懸んとてハマンが作りたる五十キユビトの木ハマンの家に立をるな りと王いひけるは彼をその上に懸よ
7:10 人々ハマンを其モルデカイをかけんとて設けし木の上に懸たり 王の震怒つひに解く


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新約聖書の引照

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(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

 

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(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

 

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(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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