創世記 31:1−18
ヤコブの遁走
翻訳比較
聖書協会共同
訳2018
◆ヤコブの逃走
創
31:1 ヤコブは、ラバンの息子たちが次のようなことを言っているのを耳にした。「ヤコブは父のものをすべて奪い取ってしまった。彼があのような財をな
したのは、すべて父のものによってなのだ。」
創 31:2 また、ヤコブがラバンの態度を見ると、以前のようではなかった。
創 31:3 主はヤコブに言われた。「あなたは先祖の地、親族のもとに帰りなさい。私はあなたと共にいる。」
創 31:4 ヤコブは人をやって、ラケルとレアを家畜の群れがいる野原に呼び寄せて、
創 31:5 言った。「お父さんの態度を見ると、私に対して以前のようではない。しかし、私の父の神は私と共におられた。
創 31:6 私が力の限りを尽くしてお父さんに仕えてきたことは、あなたがたがよく知っている。
創 31:7 それなのに、お父さんは私をだまして、報酬を十回も変えた。しかし、神は私に害を加えることをお許しにならなかった。
創
31:8 お父さんが、『あなたの報酬はぶちのものだ』と言えば、群れはみなぶちのものを産んだ。『あなたの報酬は縞のものだ』と言えば、群れはみな縞の
ものを産んだ。
創 31:9 神はお父さんの家畜を取り上げて、私にくださったのだ。
創 31:10 群れが発情する時期に、私が夢の中で目を上げて見ると、群れで交尾する雄山羊は、縞とぶちとまだらのものであった。
創 31:11 夢の中で神の使いが、『ヤコブ』と呼ばれたので、私は『はい』と答えた。
創
31:12 するとこう言われた。『さあ、目を上げて見なさい。群れで交尾する雄山羊はすべて、縞とぶちとまだらのものだ。私はラバンがあなたにしたこと
をすべて知っている。
創
31:13 あなたはべテルで柱に油を注ぎ、私に誓いを立てた。私はベテルの神である。今すぐこの地を出て、生まれ故郷に帰りなさい。』」
創 31:14 ラケルとレアは言った。「父の家には、私たちの取り分や相続分がまだあるのでしょうか。
創
31:15 私たちは父に他人のように見なされているのではありませんか。父は私たちを売り渡しながら、私たちのそのお金を使い果たしてしまったのです。
創
31:16 神が父から取り上げられた富は、すべて私たちのもの、また私たちの子どもたちのものです。ですから、さあ今すぐ、神があなたにおっしゃったこ
とは何でもなさってください。」
創 31:17 ヤコブは直ちに、子どもたちと妻たちをらくだに乗せ、
創
31:18 自分が手に入れたすべての家畜とすべての財産、すなわちパダン・アラムで蓄えた家畜を駆り立てて、カナンの地にいる父イサクのもとへ向かっ
た。
フランシ スコ会訳2013
001ヤコブはラバンの息子たちが、「ヤコブはわれわれ
の父の物をみな奪ってしまった。彼はわれわれの父の物によって、このすべての富を築き上げたのだ」と言うのを聞いた。
002またヤコブがラバンの態度を見ると、確かに前のよ うではなかった。
003主はヤコブに仰せになった、「お前の先祖の土地、
お前の親族のもとに帰れ。わたしはお前とともにいる」。
004ヤコブは人をやってラケルとレアを自分の群れのい る野原に呼び、
005彼女たちに言った、「わたしに対するお前たちの父
の態度は、以前のようではなくなった。しかし、わたしの父の神はわたしとともにおられる。
006お前たちも知っているように、わたしは力の限り、 お前たちの父のために働いてきたが、
007お前たちの父はわたしを欺き、十回もわたしの報酬
を変えた。しかし、彼がわたしに害を加えることを神はお許しにならなかった。
008彼が『ぶちのものをお前の報酬にしよう』と言え
ば、すべての群れはぶちのものを産み、『縞のものをお前の報酬にしよう』と言えば、すべての群れは縞のものを産んだ。
009このように神はお前たちの父の家畜を取り上げて、 わたしに与えてくださったのだ。
010群れの発情期に、わたしが夢の中で目を上げて見る
と、群れでつがっている雄山羊はみな、縞のもの、ぶちのもの、斑点のあるものであった。
011その時、神の使いが夢の中でわたしに『ヤコブよ』 と呼んだので、わたしが、『はい』と答えると、
012神の使いは仰せになった、『目を上げて見よ。群れ
でつがっている雄山羊はみな、縞のもの、ぶちのもの、斑点のあるものである。わたしはラバンがお前にしたことを、ことごとく知っ
ている。
013お前はかつて、ベテルで柱に油を注ぎ、わたしに誓
いを立てた。わたしはそのベテルの神である。さあ立って、この土地を去り、お前のふるさとへ帰れ』」。
014ラケルとレアは彼に答えて言った、「わたしたちの
父の家に、まだ何かわたしたちに残された相続財産の割りあて分があるでしょうか。
015わたしたちは父から他人のようにみなされているの
ではないでしょうか。父はわたしたちを売って、その代金は使い果たしてしまったのです。
016神が父からお取り上げになったすべての富は、確か
にわたしたちとわたしたちの子供のものです。ですから、神があなたにお告げになったことをすべて、行ってください」。
017ヤコブは立ち上がり、子供たちと妻たちをらくだに 乗せ、
018自分のすべての家畜、すなわち彼自身がパダン・ア
ラムで得たすべての家畜を駆り立てて、カナンの地にいる父イサクのもとに向かった。
新共同訳1987
31:1
ヤコブは、ラバンの息子たちが、「ヤコブは我々の父のものを全部奪ってしまった。父のものをごまかして、あの富を築き上げたのだ」と言っているのを耳にし
た。
31:2
また、ラバンの態度を見ると、確かに以前とは変わっていた。
31:3
主はヤコブに言われた。「あなたは、あなたの故郷である先祖の土地に帰りなさい。わたしはあなたと共にいる。」
31:4
ヤコブは人をやって、ラケルとレアを家畜の群れがいる野原に呼び寄せて、
31:5
言った。「最近、気づいたのだが、あなたたちのお父さんは、わたしに対して以前とは態度が変わった。しかし、わたしの父の神は、ずっとわたしと共にいてく
ださった。
31:6
あなたたちも知っているように、わたしは全力を尽くしてあなたたちのお父さんのもとで働いてきたのに、
31:7
わたしをだまして、わたしの報酬を十回も変えた。しかし、神はわたしに害を加えることをお許しにならなかった。
31:8
お父さんが、『ぶちのものがお前の報酬だ』と言えば、群れはみなぶちのものを産むし、『縞のものがお前の報酬だ』と言えば、群れはみな縞のものを産んだ。
31:9
神はあなたたちのお父さんの家畜を取り上げて、わたしにお与えになったのだ。
31:10
群れの発情期のころのことだが、夢の中でわたしが目を上げて見ると、雌山羊の群れとつがっている雄山羊は縞とぶちとまだらのものばかりだった。
31:11
そのとき、夢の中で神の御使いが、『ヤコブよ』と言われたので、『はい』と答えると、
31:12
こう言われた。『目を上げて見なさい。雌山羊の群れとつがっている雄山羊はみな、縞とぶちとまだらのものだけだ。ラバンのあなたに対する仕打ちは、すべて
わたしには分かっている。
31:13
わたしはベテルの神である。かつてあなたは、そこに記念碑を立てて油を注ぎ、わたしに誓願を立てたではないか。さあ、今すぐこの土地を出て、あなたの故郷
に帰りなさい。』」
31:14
ラケルとレアはヤコブに答えた。「父の家に、わたしたちへの嗣業の割り当て分がまだあるでしょうか。
31:15
わたしたちはもう、父にとって他人と同じではありませんか。父はわたしたちを売って、しかもそのお金を使い果たしてしまったのです。
31:16
神様が父から取り上げられた財産は、確かに全部わたしたちと子供たちのものです。ですから、どうか今すぐ、神様があなたに告げられたとおりになさってくだ
さい。」
31:17
ヤコブは直ちに、子供たちと妻たちをらくだに乗せ、
31:18
パダン・アラムで得たすべての財産である家畜を駆り立てて、父イサクのいるカナン地方へ向かって出発した。
新改訳1970
31:1
さてヤコブはラバンの息子たちが、「ヤコブはわれわれの父の物をみな取った。父の物でこのすべての富をものにしたのだ。」と言っているのを聞いた。
31:2
ヤコブもまた、彼に対するラバンの態度が、以前のようではないのに気づいた。
31:3
主はヤコブに仰せられた。「あなたが生まれた、あなたの先祖の国に帰りなさい。わたしはあなたとともにいる。」
31:4
そこでヤコブは使いをやって、ラケルとレアを自分の群れのいる野に呼び寄せ、
31:5
彼女たちに言った。「私はあなたがたの父の態度が以前のようではないのに気がついている。しかし私の父の神は私とともにおられるのだ。
31:6
あなたがたが知っているように、私はあなたがたの父に、力を尽くして仕えた。
31:7
それなのに、あなたがたの父は、私を欺き、私の報酬を幾度も変えた。しかし神は、彼が私に害を加えるようにされなかった。
31:8
彼が、『ぶち毛のものはあなたの報酬になる。』と言えば、すべての群れがぶち毛のものを産んだ。また、『しま毛のものはあなたの報酬になる。』と言えば、
すべての群れが、しま毛のものを産んだ。
31:9
こうして神が、あなたがたの父の家畜を取り上げて、私に下さったのだ。
31:10
群れにさかりがついたとき、私が夢の中で目を上げて見ると、群れにかかっている雄やぎは、しま毛のもの、ぶち毛のもの、また、まだら毛のものであった。
31:11
そして神の使いが夢の中で私に言われた。『ヤコブよ。』私は『はい。』と答えた。
31:12
すると御使いは言われた。『目を上げて見よ。群れにかかっている雄やぎはみな、しま毛のもの、ぶち毛のもの、まだら毛のものである。ラバンがあなたにして
きたことはみな、わたしが見た。
31:13
わたしはベテルの神。あなたはそこで、石の柱に油をそそぎ、わたしに誓願を立てたのだ。さあ、立って、この土地を出て、あなたの生まれた国に帰りなさ
い。』」
31:14
ラケルとレアは答えて言った。「私たちの父の家に、相続財産で私たちの受けるべき分がまだあるのでしょうか。
31:15
私たちは父に、よそ者と見なされているのではないでしょうか。彼は私たちを売り、私たちの代金を食いつぶしたのですから。
31:16
また神が私たちの父から取り上げた富は、すべて私たちのもの、また子どもたちのものですから。さあ、神があなたにお告げになったすべてのことをしてくださ
い。」
31:17
そこでヤコブは立って、彼の子たち、妻たちをらくだに乗せ、
31:18
また、すべての家畜と、彼が得たすべての財産、彼がパダン・アラムで自分自身のものとした家畜を追って、カナンの地にいる父イサクのところへ出かけた。
口語訳1955
31:1
さてヤコブはラバンの子らが、「ヤコブはわれわれの父の物をことごとく奪い、父の物によってあのすべての富を獲たのだ」と言っているのを聞いた。
31:2
またヤコブがラバンの顔を見るのに、それは自分に対して以前のようではなかった。
31:3
主はヤコブに言われた、「あなたの先祖の国へ帰り、親族のもとに行きなさい。わたしはあなたと共にいるであろう」。
31:4
そこでヤコブは人をやって、ラケルとレアとを、野にいる自分の群れのところに招き、
31:5
彼女らに言った、「わたしがあなたがたの父の顔を見るのに、わたしに対して以前のようではない。しかし、わたしの父の神はわたしと共におられる。
31:6
あなたがたが知っているように、わたしは力のかぎり、あなたがたの父に仕えてきた。
31:7
しかし、あなたがたの父はわたしを欺いて、十度もわたしの報酬を変えた。けれども神は彼がわたしに害を加えることをお許しにならなかった。
31:8
もし彼が、『ぶちのものはあなたの報酬だ』と言えば、群れは皆ぶちのものを産んだ。もし彼が、『しまのあるものはあなたの報酬だ』と言えば、群れは皆しま
のあるものを産んだ。
31:9
こうして神はあなたがたの父の家畜をとってわたしに与えられた。
31:10
また群れが発情した時、わたしが夢に目をあげて見ると、群れの上に乗っている雄やぎは皆しまのあるもの、ぶちのもの、霜ふりのものであった。
31:11
その時、神の使が夢の中でわたしに言った、『ヤコブよ』。わたしは答えた、『ここにおります』。
31:12
神の使は言った、『目を上げて見てごらん。群れの上に乗っている雄やぎは皆しまのあるもの、ぶちのもの、霜ふりのものです。わたしはラバンがあなたにした
ことをみな見ています。
31:13
わたしはベテルの神です。かつてあなたはあそこで柱に油を注いで、わたしに誓いを立てましたが、いま立ってこの地を出て、あなたの生れた国へ帰りなさ
い』」。
31:14
ラケルとレアは答えて言った、「わたしたちの父の家に、なおわたしたちの受くべき分、また嗣業がありましょうか。
31:15
わたしたちは父に他人のように思われているではありませんか。彼はわたしたちを売ったばかりでなく、わたしたちのその金をさえ使い果したのです。
31:16
神がわたしたちの父から取りあげられた富は、みなわたしたちとわたしたちの子どものものです。だから何事でも神があなたにお告げになった事をしてくださ
い」。
31:17
そこでヤコブは立って、子らと妻たちをらくだに乗せ、
31:18
またすべての家畜、すなわち彼がパダンアラムで獲た家畜と、すべての財産を携えて、カナンの地におる父イサクのもとへ赴いた。
文
語訳1917
31:1 茲にヤコブ、ラバンの子等がヤコブわが父の所有を盡く奪ひ吾父の所有によりて此凡の榮光を獲たりといふを聞り
31:2 亦ヤコブ、ラバンの面を見るに己に對すること疇昔の如くならず
31:3 時にヱホバ、ヤコブに言たまへるは汝の父の國にかへり汝の親族に至れ我汝と偕にをらんと
31:4 是に於てヤコブ人をやりてラケルとレアを野に招きて群の所に至らしめ
31:5 之にいひけるは我汝等の父の面を見るに其我に對すること疇昔の如くならず然どわが父の神は我と偕にいますなり
31:6 汝等がしるごとく我力を竭して汝らの父に事へたるに
31:7 汝等の父我を欺きて十次もわが値を易たり然ども神彼の我を害するを容したまはず
31:8 彼斑駮なる者は汝の傭値なるべしといへば群の生ところ皆斑駮なり斑入の者は汝の値なるべしといへば群の生ところ皆斑入なり
31:9 斯神汝らの父の家畜を奪て我に與へたまへり
31:10 群の孕む時に當りて我夢に目をあげて見しに群の上に乗る牡羊は皆斑入の者斑駮なる者白點なる者なりき
31:11 時に神の使者夢の中に我に言ふヤコブよと我此にありと對へければ
31:12
乃ち言ふ汝の目をあげて見よ群の上に乗る牡羊は皆斑入の者斑駮なる者白點なる者なり我ラバンが凡て汝に爲すところを鑒みる
31:13 我はベテルの神なり汝彼處にて柱に膏を沃ぎ彼處にて我に誓を立たり今起て斯地を出て汝の親族の國に歸れと
31:14 ラケルとレア對て彼にいひけるは我等の父の家に尚われらの分あらんや我等の?業あらんや
31:15 我等は父に他人のごとくせらるるにあらずや其は父我等を賣り亦我等の金を蝕?したればなり
31:16 神がわが父より取たまひし財寶は我等とわれらの子女の所屬なり然ば都て神の汝に言たまひし事を爲せ
31:17 是に於てヤコブ起て子等と妻等を駱駝に乗せ
31:18
其獲たる凡の家畜と凡の所有即ちパダンアラムにてみづから獲たるところの家畜を携へ去てカナンの地に居所の其父イサクの所におもむけり
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各国旧約聖書における新約聖書の引照
・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを
拾う・・・
(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
・・・・
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
・・・・
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
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創世記 31:19−35
ラバンの追跡
翻訳比較
聖書協会共同
訳2018
創 31:19 その時、ラバンは羊の毛を刈りに出ていたので、ラケルは父のものであるテラフィムを盗んだ。
創 31:20 ヤコブはアラム人ラバンを欺いて、自分が逃げることを知らせなかった。
創 31:21 こうして彼は、自分のものをすべて持って逃げ、川を渡ってギルアドの山地へと向かった。
◆ラバンの追跡
創 31:22 ヤコブが逃げたことがラバンに知らされたのは、三日目のことであった。
創 31:23 ラバンは一族の者を引き連れ、七日の道のりを後から追いかけ、ギルアドの山地で追いついた。
創
31:24 すると神はその夜、夢の中でアラム人ラバンに現れて言われた。「ヤコブとは、事の良し悪しを論じないように注意しなさい。」
創
31:25 ラバンがヤコブに追いついたとき、ヤコブは山地に天幕を張っていた。そこで、ラバンも親類の者と一緒にギルアドの山地に天幕を張った。
創
31:26 ラバンはヤコブに言った。「何ということをしたのか。私を欺き、娘たちを剣で捕らえた捕虜のように引き連れて行くとは。
創
31:27 なぜ、隠れて逃げ、私を欺いて知らせなかったのか。私は、タンバリンと琴をもって、喜び歌って送り出してやったのに。
創 31:28 孫や娘たちに別れの口づけもさせず、全く愚かなことをしてくれたものだ。
創
31:29 私はお前たちをひどい目に遭わせることもできるが、夕べ、お前たちの父の神が、『ヤコブとは事の良し悪しを論じないように注意しなさい』と言
われたのだ。
創 31:30 確かに、父の家が大変恋しくなって帰りたくなったのだろう。しかし、どうして私の神々を盗んだのか。」
創 31:31 ヤコブはラバンに答えた。「私は、あなたが自分の娘たちを私から奪い取るのではないかと思って恐れたのです。
創
31:32 もしあなたの神々が誰かのところで見つかるならば、その者を生かしてはおきません。私たちの一族の前で、あなた自身が私の持ち物を調べてくだ
さい。何か見つかれば持って行ってください。」ヤコブはラケルがそれらを盗んだことを知らなかったのである。
創
31:33 そこで、ラバンはヤコブの天幕、次にレアの天幕、それから二人の召し使いの天幕に入ったが、何も見つけることはできなかった。彼はレアの天幕
を出て、ラケルの天幕に入った。
創
31:34 ラケルはテラフィムを取って、らくだの鞍にしまい込み、その上に座っていた。それでラバンが天幕の中をくまなく探ってみても、見つけることは
できなかった。
創
31:35 彼女は父に言った。「お父さん、怒りの眼を向けないでください。私には月のものがあり、あなたの前に立つことができないのです。」ラバンはな
おも捜したが、テラフィムを見つけることはできなかった。
フランシ スコ会訳2013
019ラバンは羊の毛を刈りに出ていたので、ラケルは父
のものであるテラフィムを盗んだ。
020ヤコブはアラム人ラバンを欺き、自分が逃げ去るこ とを告げなかった。
021彼は自分のものをすべて携えて逃げた。ヤコブは 発って川を渡り、ギレアドの山地に向かった。
022三日目に、ヤコブの逃げたことがラバンに知らされ た。
023彼は一族を率いて七日間追いかけ、ギレアドの山地 でヤコブに近づいた。
024しかしその夜、神が夢の中でアラム人ラバンに現れ
て仰せになった、「ヤコブには事の善し悪しを語らないように気をつけよ」。
025ラバンがヤコブに追いついたとき、ヤコブは山地に
天幕を張っていたので、ラバンも一族とともにギレアドの山に天幕を張った。
026ラバンはヤコブに言った、「お前はわたしを欺き、
わたしの娘たちを戦いの虜のように引いていくとは、何ということをしたのか。
027なぜこっそり逃げてわたしをだまし、わたしに告げ
なかったのか。わたしは手太鼓と竪琴で喜び歌い、お前を見送ったであろうに。
028なぜわたしの孫や娘たちにわたしが接吻することを
許さなかったのか。お前は愚かなことをしたものだ。
029わたしはお前たちに害を加える力をもっているが、
昨夜お前たちの父の神がわたしに、『ヤコブには事の善し悪しを語らないように気をつけよ』と仰せになったのだ。
030父の家がそんなに恋しくて去っていくのに、どうし てわたしの神々を盗んだのか」。
031ヤコブはラバンに答えた、「あなたが娘たちをわた しから奪い取るのではないかと恐れたのです。
032あなたの神々が誰かの所で見つかれば、その者を生
かしてはおきません。われわれ一族の面前で、わたしの持っている物の中にあなたの物があるか調べてください」。ラケルがそれを盗
んだことを、ヤコブは知らなかった。
033ラバンは、ヤコブの天幕、レアの天幕、二人のはし
ための天幕に入ってみたが、見つからなかった。彼はレアの天幕を出て、ラケルの天幕に入った。
034ラケルはテラフィムを取ってらくだの鞍の中に入
れ、その上に座っていた。ラバンは天幕を隈なく調べてみたが、それは見つからなかった。
035ラケルは父に言った、「お父さま、お怒りにならな
いでください。わたしは月のものがあるので、あなたの前に立つことができません」。ラバンはなおも捜してみたが、テラフィムは見
つからなかった。
新共同訳1987
31:19
そのとき、ラバンは羊の毛を刈りに出かけていたので、ラケルは父の家の守り神の像を盗んだ。
31:20
ヤコブもアラム人ラバンを欺いて、自分が逃げ去ることを悟られないようにした。
31:21
ヤコブはこうして、すべての財産を持って逃げ出し、川を渡りギレアドの山地へ向かった。
◆ラバンの追跡
31:22
ヤコブが逃げたことがラバンに知れたのは、三日目であった。
31:23
ラバンは一族を率いて、七日の道のりを追いかけて行き、ギレアドの山地でヤコブに追いついたが、
31:24
その夜夢の中で神は、アラム人ラバンのもとに来て言われた。「ヤコブを一切非難せぬよう、よく心に留めておきなさい。」
31:25
ラバンがヤコブに追いついたとき、ヤコブは山の上に天幕を張っていたので、ラバンも一族と共にギレアドの山に天幕を張った。
31:26
ラバンはヤコブに言った。「一体何ということをしたのか。わたしを欺き、しかも娘たちを戦争の捕虜のように駆り立てて行くとは。
31:27
なぜ、こっそり逃げ出したりして、わたしをだましたのか。ひとこと言ってくれさえすれば、わたしは太鼓や竪琴で喜び歌って、送り出してやったものを。
31:28
孫や娘たちに別れの口づけもさせないとは愚かなことをしたものだ。
31:29
わたしはお前たちをひどい目に遭わせることもできるが、夕べ、お前たちの父の神が、『ヤコブを一切非難せぬよう、よく心に留めておきなさい』とわたしにお
告げになった。
31:30
父の家が恋しくて去るのなら、去ってもよい。しかし、なぜわたしの守り神を盗んだのか。」
31:31
ヤコブはラバンに答えた。「わたしは、あなたが娘たちをわたしから奪い取るのではないかと思って恐れただけです。
31:32
もし、あなたの守り神がだれかのところで見つかれば、その者を生かしてはおきません。我々一同の前で、わたしのところにあなたのものがあるかどうか調べ
て、取り戻してください。」ヤコブは、ラケルがそれを盗んでいたことを知らなかったのである。
31:33
そこで、ラバンはヤコブの天幕に入り、更にレアの天幕や二人の召し使いの天幕にも入って捜してみたが、見つからなかった。ラバンがレアの天幕を出てラケル
の天幕に入ると、
31:34
ラケルは既に守り神の像を取って、らくだの鞍の下に入れ、その上に座っていたので、ラバンは天幕の中をくまなく調べたが見つけることはできなかった。
31:35
ラケルは父に言った。「お父さん、どうか悪く思わないでください。わたしは今、月のものがあるので立てません。」ラバンはなおも捜したが、守り神の像を見
つけることはできなかった。
新改訳1970
31:19
そのとき、ラバンは自分の羊の毛を刈るために出ていたので、ラケルは父の所有のテラフィムを盗み出した。
31:20
またヤコブは、アラム人ラバンにないしょにして、自分の逃げるのを彼に知らせなかった。
31:21
彼は自分の持ち物全部を持って逃げた。彼は旅立って、ユーフラテス川を渡り、ギルアデの山地へ向かった。
31:22
三日目に、ヤコブが逃げたことがラバンに知らされたので、
31:23
彼は身内の者たちを率いて、七日の道のりを、彼のあとを追って行き、ギルアデの山地でヤコブに追いついた。
31:24
しかし神は夜、夢にアラム人ラバンに現われて言われた。「あなたはヤコブと、事の善悪を論じないように気をつけよ。」
31:25
ラバンがヤコブに追いついたときには、ヤコブは山地に天幕を張っていた。そこでラバンもギルアデの山地に身内の者たちと天幕を張った。
31:26
ラバンはヤコブに言った。「何ということをしたのか。私にないしょで私の娘たちを剣で捕えたとりこのように引いて行くとは。
31:27
なぜ、あなたは逃げ隠れて私のところをこっそり抜け出し、私に知らせなかったのか。私はタンバリンや立琴で喜び歌って、あなたを送り出したろうに。
31:28
しかもあなたは、私の子どもたちや娘たちに口づけもさせなかった。あなたは全く愚かなことをしたものだ。
31:29
私はあなたがたに害を加える力を持っているが、昨夜、あなたがたの父の神が私に告げて、『あなたはヤコブと、事の善悪を論じないように気をつけよ。』と言
われた。
31:30
それはそうと、あなたは、あなたの父の家がほんとうに恋しくなって、どうしても帰って行きたくなったのであろうが、なぜ、私の神々を盗んだのか。」
31:31
ヤコブはラバンに答えて言った。「あなたの娘たちをあなたが私から奪い取りはしないかと思って、恐れたからです。
31:32
あなたが、あなたの神々をだれかのところで見つけたなら、その者を生かしてはおきません。私たちの一族の前で、私のところに、あなたのものがあったら、調
べて、それを持って行ってください。」ヤコブはラケルがそれらを盗んだのを知らなかったのである。
31:33
そこでラバンはヤコブの天幕と、レアの天幕と、さらにふたりのはしための天幕にもはいって見たが、見つからなかったので、レアの天幕を出てラケルの天幕に
はいった。
31:34
ところが、ラケルはすでにテラフィムを取って、らくだの鞍の下に入れ、その上にすわっていたので、ラバンが天幕を隅々まで捜し回っても見つからなかった。
31:35
ラケルは父に言った。「父上。私はあなたの前に立ち上がることができませんので、どうかおこらないでください。私には女の常のことがあるのです。」彼は捜
したが、テラフィムは見つからなかった。
口語訳1955
31:19
その時ラバンは羊の毛を切るために出ていたので、ラケルは父の所有のテラピムを盗み出した。
31:20
またヤコブはアラムびとラバンを欺き、自分の逃げ去るのを彼に告げなかった。
31:21
こうして彼はすべての持ち物を携えて逃げ、立って川を渡り、ギレアデの山地へ向かった。
31:22
三日目になって、ヤコブの逃げ去ったことが、ラバンに聞えたので、
31:23
彼は一族を率いて、七日の間そのあとを追い、ギレアデの山地で追いついた。
31:24
しかし、神は夜の夢にアラムびとラバンに現れて言われた、「あなたは心してヤコブに、よしあしを言ってはなりません」。
31:25
ラバンはついにヤコブに追いついたが、ヤコブが山に天幕を張っていたので、ラバンも一族と共にギレアデの山に天幕を張った。
31:26
ラバンはヤコブに言った、「あなたはなんという事をしたのですか。あなたはわたしを欺いてわたしの娘たちをいくさのとりこのように引いて行きました。
31:27
なぜあなたはわたしに告げずに、ひそかに逃げ去ってわたしを欺いたのですか。わたしは手鼓や琴で喜び歌ってあなたを送りだそうとしていたのに。
31:28
なぜわたしの孫や娘にわたしが口づけするのを許さなかったのですか。あなたは愚かな事をしました。
31:29
わたしはあなたがたに害を加える力をもっているが、あなたがたの父の神が昨夜わたしに告げて、『おまえは心して、ヤコブによしあしを言うな』と言われまし
た。
31:30
今あなたが逃げ出したのは父の家が非常に恋しくなったからでしょうが、なぜあなたはわたしの神を盗んだのですか」。
31:31
ヤコブはラバンに答えた、「たぶんあなたが娘たちをわたしから奪いとるだろうと思ってわたしは恐れたからです。
31:32
だれの所にでもあなたの神が見つかったら、その者を生かしてはおきません。何かあなたの物がわたしのところにあるか、われわれの一族の前で、調べてみて、
それをお取りください」。ラケルが神を盗んだことをヤコブは知らなかったからである。
31:33
そこでラバンはヤコブの天幕にはいり、またレアの天幕にはいり、更にふたりのはしための天幕にはいってみたが、見つからなかったので、レアの天幕を出てラ
ケルの天幕にはいった。
31:34
しかし、ラケルはすでにテラピムを取って、らくだのくらの下に入れ、その上にすわっていたので、ラバンは、くまなく天幕の中を捜したが、見つからなかっ
た。
31:35
その時ラケルは父に言った、「わたしは女の常のことがあって、あなたの前に立ち上がることができません。わが主よ、どうかお怒りにならぬよう」。彼は捜し
たがテラピムは見つからなかった。
文
語訳1917
31:19 時にラバンは羊の毛を剪んとて往てありラケル其父のテラピムを竊めり
31:20 ヤコブは其去ことをスリア人ラバンに告ずして潛に忍びいでたり
31:21 即ち彼その凡の所有を挈へて逃去り起て河を渡りギレアデの山にむかふ
31:22 ヤコブの逃去しこと三日におよびてラバンに聞えければ
31:23 彼兄弟を率てその後を追ひしが七日路をへてギレアデの山にて之に追及ぬ
31:24 神夜の夢にスリア人ラバンに臨みて汝愼みて善も惡もヤコブに道なかれと之に告たまへり
31:25 ラバン遂にヤコブに追及しがヤコブは山に天幕を張ゐたればラバンもその兄弟と共にギレアデの山に天幕をはれり
31:26
而してラバン、ヤコブに言けるは汝我に知しめずして忍びいで吾女等を劍をもて執たる者のごとくにひき往り何ぞかかる事をなすや
31:27 何故に汝潛に逃さり我をはなれて忍いで我につげざりしや我歡喜と歌謠と?と琴をもて汝を送りしならんを
31:28 何ぞ我をしてわが孫と女に接吻するを得ざらしめしや汝愚妄なる事をなせり
31:29 汝等に害をくはふるの能わが手にあり然ど汝等の父の神昨夜我に告て汝つつしみて善も惡もヤコブに語べからずといへり
31:30 汝今父の家を甚く戀て歸んと願ふは善れども何ぞわが神を竊みたるや
31:31 ヤコブ答へてラバンにいひけるは恐くは汝強て女を我より奪ならんと思ひて懼れたればなり
31:32
汝の神を持る者を見ば之を生しおくなかれ我等の兄弟等の前にて汝の何物我の許にあるかをみわけて之を汝に取れと其はヤコブ、ラケルが之を竊しを知ざればな
り
31:33
是に於てラバン、ヤコブの天幕に入りレアの天幕に入りまた二人の婢の天幕にいりしが視いださざればレアの天幕を出てラケルの天幕にいる
31:34 ラケル已にテラピムを執て之を駱駝の鞍の下にいれて其上に坐しければラバン遍く天幕の中をさぐりたれども見いださざりき
31:35
時にラケル父にいひけるは婦女の經の習例の事わが身にあれば父の前に起あたはず願くは主之を怒り給ふなかれと是をもて彼さがしたれども遂にテラピムを見い
ださざりき
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各国旧約聖書における新約聖書の引照
・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを
拾う・・・
(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
口 語訳 ルカ 9:51-53
9:51 さて、イエスが天に上
げられる日が近づいたので、エルサレムへ行こうと決意して、その方へ顔をむけられ、
9:52
自分に先立って使者たちをおつかわしになった。そして彼らがサマリヤ人の村へはいって行き、イエスのために準備をしようとしたとこ
ろ、
9:53
村人は、エルサレムへむかって進んで行かれるというので、イエスを歓迎しようとはしなかった。
口 語訳 マタ
1:20
1:20
彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよ
い。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。
口 語訳 使 20:37
20:37
みんなの者は、はげしく泣き悲しみ、パウロの首を抱いて、幾度も接吻し、
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
・・・・
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
新共同 マタ 1:20
1:20
このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのであ
る。
新共同 マタ 2:13
2:13
占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこに
とどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」
新共同 使 20:37
20:37
人々は皆激しく泣き、パウロの首を抱いて接吻した。
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創世記 31:36−54、32:1
ヤコブとラバンの間の証し
翻訳比較
フランシ
スコ会訳2013
036ヤコブは怒り、ラバンを責め、ラバンに言い返し
た、「わたしに何の咎、何の罪があって、あなたはそんなに怒ってわたしを追いかけたのですか。
037わたしの物をことごとく調べ、何かあなたの家の物
が見つかりましたか。それをここに出してわたしの一族とあなたの一族の前に置き、われわれ二人の間を彼らに裁いてもらいましょ う。
038わたしはあなたのもとに二十年いましたが、あなた
の雌羊も雌山羊も流産したことはありません。またわたしはあなたの群れの雄羊を食べたこともありません。
039野獣に裂かれたものをあなたのもとに持って行った
こともなく、自分でこれを償いました。昼盗まれたものにも、夜盗まれたものにも、あなたは弁償を要求しました。
040わたしはと言えば、昼は暑さのため、夜は寒さのた め疲れ果て、眠ることもできませんでした。
041わたしはあなたの家で二十年間過ごしました。その
うち十四年はあなたの二人の娘のため、六年はあなたの群れのために働きましたが、あなたはわたしの報酬を十回も変えました。
042わたしの父の神、アブラハムの神、イサクの畏れる
方が、もしわたしとともにおられなかったなら、あなたはきっと何も持たせずにわたしを去らせたでしょう。神はわたしの苦難とわた
しの労苦を見て、昨夜あなたを諭されたのです」。
043ラバンはヤコブに答えて言った、「娘たちはわたし
のもの、その子供たちもわたしのもの、群れもわたしのもの、お前の見るすべてのものはわたしのものだ。だが、この娘たちと彼女た
ちが産んだ子供たちに、今日、わたしは何ができるだろう。
044そうだ、お前とわたしと契約を結ぼう。そしてそれ をお前とわたしとの間の証拠としよう」。
045ヤコブは石を取り、これを立てて柱とした。
046ヤコブは一族の者に、「石を拾い集めてくれ」と
言った。彼らは石を拾ってきて、石塚を造り、その石塚の傍らで食事をした。
047ラバンはそれをエガル・サハドタと名づけ、ヤコブ はガルエドと名づけた。
048ラバンは、「今日、この石塚がお前とわたしの間の
証拠となる」と言った。それでその名はガルエドと呼ばれた。
049それはまたミツパとも呼ばれた。彼がこう言ったか
らである、「われわれが互いに離れているとき、主がわたしとお前との間を見張ってくださる。
050お前がわたしの娘たちを苦しめたり、また娘たちの
ほかに妻を迎えたりするなら、われわれのもとに誰もいなくても、神がわたしとお前の間の証人であることを忘れるな」。
051ラバンはさらにヤコブに言った、「この石塚を見な
さい。わたしがわたしとお前との間に立てたこの柱を見なさい。
052この石塚が証拠であり、この柱が証拠だ。害を加え
ようとして、わたしがこの石塚を越えてお前の方に侵入することも、また、お前がこの石塚と柱を越えてわたしの方に侵入すること
も、決してないように。
053アブラハムの神とナホルの神、彼らの父祖の神が、
われわれの間を裁いてくださるように」。ヤコブは父イサクの畏れる方にかけて誓った。
054ヤコブは山で犠牲をささげ、一族を招いて食事をし た。彼らは食事をし、山で一夜を過ごした。
32:01ラバンは翌朝早く起き、孫たちと娘たちに口づけし
彼らを祝福し、そこを去って自分の家に帰っていった。
新共同訳1987
31:36
ヤコブは怒ってラバンを責め、言い返した。「わたしに何の背反、何の罪があって、わたしの後を追って来られたのですか。
31:37
あなたはわたしの物を一つ残らず調べられましたが、あなたの家の物が一つでも見つかりましたか。それをここに出して、わたしの一族とあなたの一族の前に置
き、わたしたち二人の間を、皆に裁いてもらおうではありませんか。
31:38
この二十年間というもの、わたしはあなたのもとにいましたが、あなたの雌羊や雌山羊が子を産み損ねたことはありません。わたしは、あなたの群れの雄羊を食
べたこともありません。
31:39
野獣にかみ裂かれたものがあっても、あなたのところへ持って行かないで自分で償いました。昼であろうと夜であろうと、盗まれたものはみな弁償するようにあ
なたは要求しました。
31:40
しかも、わたしはしばしば、昼は猛暑に夜は極寒に悩まされ、眠ることもできませんでした。
31:41
この二十年間というもの、わたしはあなたの家で過ごしましたが、そのうち十四年はあなたの二人の娘のため、六年はあなたの家畜の群れのために働きました。
しかも、あなたはわたしの報酬を十回も変えました。
31:42
もし、わたしの父の神、アブラハムの神、イサクの畏れ敬う方がわたしの味方でなかったなら、あなたはきっと何も持たせずにわたしを追い出したことでしょ
う。神は、わたしの労苦と悩みを目に留められ、昨夜、あなたを諭されたのです。」
◆ヤコブとラバンの契約
31:43
ラバンは、ヤコブに答えた。「この娘たちはわたしの娘だ。この孫たちもわたしの孫だ。この家畜の群れもわたしの群れ、いや、お前の目の前にあるものはみな
わたしのものだ。しかし、娘たちや娘たちが産んだ孫たちのために、もはや、手出しをしようとは思わない。
31:44
さあ、これから、お前とわたしは契約を結ぼうではないか。そして、お前とわたしの間に何か証拠となるものを立てよう。」
31:45
ヤコブは一つの石を取り、それを記念碑として立て、
31:46
一族の者に、「石を集めてきてくれ」と言った。彼らは石を取ってきて石塚を築き、その石塚の傍らで食事を共にした。
31:47
ラバンはそれをエガル・サハドタと呼び、ヤコブはガルエドと呼んだ。
31:48
ラバンはまた、「この石塚(ガル)は、今日からお前とわたしの間の証拠(エド)となる」とも言った。そこで、その名はガルエドと呼ばれるようになった。
31:49
そこはまた、ミツパ(見張り所)とも呼ばれた。「我々が互いに離れているときも、主がお前とわたしの間を見張ってくださるように。
31:50
もし、お前がわたしの娘たちを苦しめたり、わたしの娘たち以外にほかの女性をめとったりするなら、たとえ、ほかにだれもいなくても、神御自身がお前とわた
しの証人であることを忘れるな」とラバンが言ったからである。
31:51
ラバンは更に、ヤコブに言った。「ここに石塚がある。またここに、わたしがお前との間に立てた記念碑がある。
31:52
この石塚は証拠であり、記念碑は証人だ。敵意をもって、わたしがこの石塚を越えてお前の方に侵入したり、お前がこの石塚とこの記念碑を越えてわたしの方に
侵入したりすることがないようにしよう。
31:53
どうか、アブラハムの神とナホルの神、彼らの先祖の神が我々の間を正しく裁いてくださいますように。」ヤコブも、父イサクの畏れ敬う方にかけて誓った。
31:54
ヤコブは山の上でいけにえをささげ、一族を招いて食事を共にした。食事の後、彼らは山で一夜を過ごした。
32:1
次の朝早く、ラバンは孫や娘たちに口づけして祝福を与え、そこを去って自分の家へ帰って行った。
新改訳1970
31:36
そこでヤコブは怒って、ラバンをとがめた。ヤコブはラバンに口答えして言った。「私にどんなそむきの罪があって、私にどんな罪があって、あなたは私を追い
つめるのですか。
31:37
あなたは私の物を一つ残らず、さわってみて、何か一つでも、あなたの家の物を見つけましたか。もしあったら、それを私の一族と、あなたの一族の前に置い
て、彼らに私たちふたりの間をさばかせましょう。
31:38
私はこの二十年間、あなたといっしょにいましたが、あなたの雌羊も雌やぎも流産したことはなく、あなたの群れの雄羊も私は食べたことはありませんでした。
31:39
野獣に裂かれたものは、あなたのもとへ持って行かないで、私が罪を負いました。あなたは私に責任を負わせました。昼盗まれたものにも、夜盗まれたものに
も。
31:40
私は昼は暑さに、夜は寒さに悩まされて、眠ることもできない有様でした。
31:41
私はこの二十年間、あなたの家で過ごしました。十四年間はあなたのふたりの娘たちのために、六年間はあなたの群れのために、あなたに仕えてきました。それ
なのに、あなたは幾度も私の報酬を変えたのです。
31:42
もし、私の父の神、アブラハムの神、イサクの恐れる方が、私についておられなかったなら、あなたはきっと何も持たせずに私を去らせたことでしょう。神は私
の悩みとこの手の苦労とを顧みられて、昨夜さばきをなさったのです。」
31:43
ラバンは答えてヤコブに言った。「娘たちは私の娘、子どもたちは私の子ども、群れは私の群れ、すべてあなたが見るものは私のもの。この私の娘たちのため
に、または娘たちが産んだ子どもたちのために、きょう、私は何ができよう。
31:44
さあ、今、私とあなたと契約を結び、それを私とあなたとの間の証拠としよう。」
31:45
そこで、ヤコブは石を取り、これを立てて石の柱とした。
31:46
ヤコブは自分の一族に言った。「石を集めなさい。」そこで彼らは石を取り、石塚を作った。こうして彼らは石塚のそばで食事をした。
31:47
ラバンはそれをエガル・サハドタと名づけたが、ヤコブはこれをガルエデと名づけた。
31:48
そしてラバンは言った。「この石塚は、きょう私とあなたとの間の証拠である。」それゆえ、その名はガルエデと呼ばれた。
31:49
またそれはミツパとも呼ばれた。彼がこう言ったからである。「われわれが互いに目が届かない所にいるとき、主が私とあなたとの間の見張りをされるように。
31:50
もしあなたが私の娘たちをひどいめに会わせたり、もし娘たちのほかに妻をめとったりするなら、われわれのところにだれもいなくても、神が私とあなたとの間
の証人であることをわきまえていなさい。」
31:51
ラバンはまたヤコブに言った。「ご覧、この石塚を。そしてご覧、私があなたと私との間に立てたこの石の柱を。
31:52
この石塚が証拠であり、この石の柱が証拠である。敵意をもって、この石塚を越えてあなたのところに行くことはない。あなたもまた、この石塚やこの石の柱を
越えて私のところに来てはならない。
31:53
どうかアブラハムの神、ナホルの神――彼らの父祖の神――が、われわれの間をさばかれますように。」ヤコブも父イサクの恐れる方にかけて誓った。
31:54
そうしてヤコブは山でいけにえをささげ、一族を招いて食事を共にした。食事をしてから彼らは山で一夜を明かした。
31:55
翌朝早く、ラバンは子どもたちと娘たちに口づけして、彼らを祝福した。それからラバンは去って、自分の家へ帰った。
口語訳1955
31:36
そこでヤコブは怒ってラバンを責めた。そしてヤコブはラバンに言った、「わたしにどんなあやまちがあり、どんな罪があって、あなたはわたしのあとを激しく
追ったのですか。
31:37
あなたはわたしの物をことごとく探られたが、何かあなたの家の物が見つかりましたか。それを、ここに、わたしの一族と、あなたの一族の前に置いて、われわ
れふたりの間をさばかせましょう。
31:38
わたしはこの二十年、あなたと一緒にいましたが、その間あなたの雌羊も雌やぎも子を産みそこねたことはなく、またわたしはあなたの群れの雄羊を食べたこと
もありませんでした。
31:39
また野獣が、かみ裂いたものは、あなたのもとに持ってこないで、自分でそれを償いました。また昼盗まれたものも、夜盗まれたものも、あなたはわたしにその
償いを求められました。
31:40
わたしのことを言えば、昼は暑さに、夜は寒さに悩まされて、眠ることもできませんでした。
31:41
わたしはこの二十年あなたの家族のひとりでありました。わたしはあなたのふたりの娘のために十四年、またあなたの群れのために六年、あなたに仕えました
が、あなたは十度もわたしの報酬を変えられました。
31:42
もし、わたしの父の神、アブラハムの神、イサクのかしこむ者がわたしと共におられなかったなら、あなたはきっとわたしを、から手で去らせたでしょう。神は
わたしの悩みと、わたしの労苦とを顧みられて昨夜あなたを戒められたのです」。
31:43
ラバンは答えてヤコブに言った、「娘たちはわたしの娘、子どもたちはわたしの孫です。また群れはわたしの群れ、あなたの見るものはみなわたしのものです。
これらのわたしの娘たちのため、また彼らが産んだ子どもたちのため、きょうわたしは何をすることができましょうか。
31:44
さあ、それではわたしとあなたと契約を結んで、これをわたしとあなたとの間の証拠としましょう」。
31:45
そこでヤコブは石を取り、それを立てて柱とした。
31:46
ヤコブはまた一族の者に言った、「石を集めてください」。彼らは石を取って、一つの石塚を造った。こうして彼らはその石塚のかたわらで食事をした。
31:47
ラバンはこれをエガル・サハドタと名づけ、ヤコブはこれをガルエドと名づけた。
31:48
そしてラバンは言った、「この石塚はきょうわたしとあなたとの間の証拠となります」。それでその名はガルエドと呼ばれた。
31:49
またミズパとも呼ばれた。彼がこう言ったからである、「われわれが互に別れたのちも、どうか主がわたしとあなたとの間を見守られるように。
31:50
もしあなたがわたしの娘を虐待したり、わたしの娘のほかに妻をめとることがあれば、たといそこにだれひとりいなくても、神はわたしとあなたとの間の証人で
いらせられる」。
31:51
更にラバンはヤコブに言った、「あなたとわたしとの間にわたしが建てたこの石塚をごらんなさい、この柱をごらんなさい。
31:52
この石塚を越えてわたしがあなたに害を加えず、またこの石塚とこの柱を越えてあなたがわたしに害を加えないように、どうかこの石塚があかしとなり、この柱
があかしとなるように。
31:53
どうかアブラハムの神、ナホルの神、彼らの父の神がわれわれの間をさばかれるように」。ヤコブは父イサクのかしこむ者によって誓った。
31:54
そしてヤコブは山で犠牲をささげ、一族を招いて、食事をした。彼らは食事をして山に宿った。
31:55
あくる朝ラバンは早く起き、孫と娘たちに口づけして彼らを祝福し、去って家に帰った。
文
語訳1917
31:36 是に於てヤコブ怒てラバンを謫即ちヤコブ應てラバンに言けるは我何の愆あり何の罪ありてか汝火急く我をおふや
31:37 汝わが物を盡く索たるが汝の家の何物を見いだしたるや此にわが兄弟と汝の兄弟の前に其を置て我等二人の間をさばかしめよ
31:38 我この二十年汝とともにありしが汝の牝綿羊と牝山羊其胎を?ねしことなし又汝の群の牡綿羊は我食はざりき
31:39 又噛裂れたる者は我これを汝の所に持きたらずして自ら之を補へり又晝竊るるも夜竊るるも汝わが手より之を要めたり
31:40 我は是ありつ晝は暑に夜は寒に犯されて目も寐るの遑なく
31:41 此二十年汝の家にありたり汝の二人の女の爲に十四年汝の群のために六年汝に事たり然に汝は十次もわが値を易たり
31:42
若わが父の神アブラハムの神イサクのの畏む者我とともにいますにあらざれば汝今必ず我を空手にて去しめしならん神わが苦難とわが手の勞苦をかへりみて昨夜
汝を責たまへるなり
31:43
ラバン應てヤコブに言けるは女等はわが女子等はわが子群はわが群汝が見る者は皆わが所屬なり我今日此わが女等とその生たる子等に何をなすをえんや
31:44 然ば來れ我と汝二人契約をむすび之を我と汝の間の證憑となすべし
31:45 是に於てヤコブ石を執りこれを建て柱となせり
31:46 ヤコブ又その兄弟等に石をあつめよといひければ即ち石をとりて垤を成れり斯て彼等彼處にて垤の上に食す
31:47 ラバン之をエガルサハドタ(證憑の垤)と名けヤコブ之をギレアデ(證憑の垤)と名けたり
31:48 ラバン此垤今日われとなんぢの間の證憑たりといひしによりて其名はギレアデとと稱らる
31:49
又ミヅパ(觀望樓)と稱らる其は彼我等が互にわかるるに及べる時ねがはくはヱホバ我と汝の間を監みたまへといひたればなり
31:50
彼又いふ汝もしわが女をなやまし或はわが女のほかに妻をめとらば人の我らと偕なる者なきも神と汝のあひだにいまして證をなしたまふ
31:51 ラバン又ヤコブにいふ我われとなんぢの間にたてたる此垤を視よ柱をみよ
31:52 此垤證とならん柱證とならん我この垤を越て汝を害せじ汝この垤この柱を越て我を害せざれ
31:53 アブラハムの神ナホルの神彼等の父の神われらの間を鞫きたまへとヤコブ乃ちその父イサクの畏む者をさして誓へり
31:54 斯てヤコブ山にて犧牲をささげその兄弟を招きてパンを食しむ彼等パンを食ひて山に宿れり
31:55 ラバン朝蚤に起き其孫と女に接吻して之を祝せりしかしてラバンゆきて其所にかへりぬ
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各国旧約聖書における新約聖書の引照
・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを
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(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
・・・・
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
・・・・
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
・・・・
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