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創世記 38:1−30

ユダとタマル

 

翻訳比較


聖書協会共同 訳2018
◆ユダとタマル
創 38:1 その頃、ユダは兄弟のもとから下って行って、ヒラという名のアドラム人の近くに住んだ。
創 38:2 その所でユダは、カナン人でシュアと言う人の娘を見初めてめとり、彼女のところに入った。
創 38:3 彼女は身ごもって男の子を産み、ユダはその子をエルと名付けた。
創 38:4 彼女はまた身ごもって男の子を産み、その子をオナンと名付けた。
創 38:5 彼女はさらに男の子を産み、その子をシェラと名付けた。彼女がシェラを産んだとき、ユダはケジブにいた。
創 38:6 ユダは長男のエルにタマルという名の妻を迎えた。
創 38:7 ユダの長男エルは主の目に悪とされたので、主は彼を殺された。
創 38:8 ユダはオナンに言った。「兄嫁のところに入り、兄弟としての義務を果たし、兄に子孫を残しなさい。」
創 38:9 しかしオナンは、その子孫が自分のものにならないのが分かっていたので、兄に子孫を残さないように、兄嫁のところに入る度に子種を地に流した。
創 38:10 彼のしたことは主の目に悪とされることであったので、彼もまた殺された。
創 38:11 ユダは嫁のタマルに言った。「息子のシェラが成人するまで、あなたは父の家で、やもめとして暮らしなさい。」シェラもまた兄たちのように死ん ではいけないと思ったからである。タマルは出て行って、父の家で暮らした。
創 38:12 かなりの日がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。ユダは、喪が明けると、友人のアドラム人ヒラと一緒にティムナへと向かい、羊の毛 を刈る者のところに上って行った。
創 38:13 その時タマルに、「あなたのしゅうとが、羊の毛を刈るために、ティムナへ上って来ます」と知らせる者がいた。
創 38:14 タマルはやもめの服を脱ぎ、ベールをかぶって身を覆い、ティムナへの街道沿いにあるエナイムの入り口に座った。シェラが成人したのに、自分が その妻にしてもらえないと分かったからである。
創 38:15 ユダは彼女を見て、顔を隠しているので遊女だと思った。
創 38:16 ユダは、道端にいる彼女に近寄って声をかけた。「さあ、あなたのところに入ろう。」彼女が自分の嫁だとは気付かなかったからである。彼女が、 「私のところに入るのに、何をくださいますか」と言うと、
創 38:17 ユダは、「群れの中から子山羊を送ろう」と答えた。しかし彼女は言った。「では、それを送ってくださるまでの間、何か保証の品をくださるで しょうか。」
創 38:18 彼が、「どんな保証の品がいいのか」と尋ねると、「ひもの付いた印章と、手にしておられる杖です」と彼女は答えた。ユダはそれを渡し、彼女の ところに入った。こうして彼女はユダによって身ごもった。
創 38:19 彼女はそこを立ち去り、ベールを脱いで、またやもめの服を着た。
創 38:20 ユダは子山羊を友人のアドラム人の手に託して送り、女の手から保証の品を取り戻そうとした。しかしその女は見つからなかった。
創 38:21 友人が土地の人々に、「街道沿いのエナイムにいた神殿娼婦はどこでしょうか」と尋ねても、人々は、「ここには、神殿娼婦などいません」と答え るばかりであった。
創 38:22 友人はユダのもとに戻って来て言った。「女を見つけることができませんでした。土地の人々も、『ここには神殿娼婦などいません』と言うので す。」
創 38:23 ユダは言った。「では、保証の品はあの女に取らせておこう。蔑まれては困るから。いずれにせよ、私は子山羊を送り、あなたは女を見つけること ができなかったのだから。」
創 38:24 三か月ほどたったとき、ユダに次のように知らせる者がいた。「あなたの嫁タマルは売春をしました。しかも、売春によって身ごもっています。」 ユダは言った。「あの女を引きずり出し、焼き殺してしまえ。」
創 38:25 彼女は引きずり出されたとき、しゅうとのもとに人を送って言った。「この品々の持ち主によって私は身ごもったのです。」そして続けて言った。 「どうか、このひもの付いた印章と杖が誰のものか、お確かめください。」
創 38:26 ユダはそれらを確かめて言った。「彼女のほうが私よりも正しい。息子のシェラに彼女を与えなかったからだ。」ユダは再びタマルを知ることはな かった。
創 38:27 タマルが出産する時になってみると、胎内には双子がいた。
創 38:28 出産の時、一人の子が手を出した。助産婦はそれをつかみ、深紅の糸を手に結び付けて言った。「この子が最初に出て来ました。」
創 38:29 その子が手を引っ込めると、今度はその兄弟が出て来た。助産婦は言った。「まあ、あなたは割り込んだりして。」そこで、この子はペレツと名付 けられた。
創 38:30 その後から、手に深紅の糸を付けた兄弟が出て来た。そこで、この子はゼラと名付けられた。


フランシ スコ会訳2013

001
そのころユダは兄弟と別れて下って行き、ヒラとい うアドラム人のもとに赴いた。

002ユダはそこで、カナン人で名をシュアという人の娘 を見初めて妻に迎え、彼女の所に入った。

003彼女は身籠って男の子を産んだ。彼はその子をエル と名づけた。

004彼女はまた身籠って男の子を産み、その子をオナン と名づけた。

005彼女はさらにまた男の子を産み、その子をシェラと 名づけた。彼女がシェラを産んだとき、彼はケジブにいた。

006ユダは長子エルにタマルという嫁を迎えた。

007主はユダの長子エルを悪い者とみなされたので、主 はその命を絶たれた。

008ユダはオナンに言った、「兄嫁の所に入り、義弟と しての務めを果たし、兄のために子孫を起こしなさい」。

009オナンはその子孫が自分のものとならないことを 知っていたので、兄嫁の所に入るたびに、子孫を与えないよう、子種を地面に流した。

010彼の行ったことを、主は悪とみなされたので、主は その命を絶たれた。

011ユダは嫁のタマルに言った、「わたしの息子シェラ が成人するまで、父の家でやもめのままでいなさい」。ユダは、シェラも兄たちのように死ぬといけないと思ったからである。タマル は父の家に帰って暮らした。

012かなりの年月がたって、シュアの娘であったユダの 妻が死んだ。喪が明けてから、ユダは友人のアドラム人ヒラとともに、彼の羊の毛を刈る者たちがいるティムナへと上って行った。

013ある人がタマルに、「あなたの舅は羊の毛を刈りに ティムナに向かっています」と告げたので、

014タマルはやもめの服を脱いでベールをかぶり、身な りを変えてティムナへの途中にあるエナイムの入り口に座った。彼女はシェラが成人したのに、自分がまだ彼の妻にされないと分かっ たからである。

015ユダが彼女を見たとき彼女は顔を覆っていたので、 娼婦だと思った。

016彼は道端の彼女に近づき、息子の妻であることに気 づかずに、「さあ、あなたの所に入らせてくれ」と言った。彼女が、「わたしの所にお入りになるのに、何をくださいますか」と尋ね ると、

017彼は、「群れの中から子山羊を一匹送り届けよう」 と答えた。彼女は、「それを送ってくださるまで、保証の品をくださるのであれば」と言った。

018ユダが、「保証の品として何をあげようか」と尋ね ると、彼女は答えた、「あなたの印章と紐と、持っていらっしゃる杖を」。彼はそれらを与えて、彼女の所に入った。こうして彼女は 彼によって身籠った。

019彼女は立ち去り、ベールを脱いでやもめの服を着 た。

020ユダはあの女から保証の品を取り戻そうとして、友 人のアドラム人に託して子山羊を届けたが、その女は見つからなかった。

021友人はその土地の人々に尋ねた、「エナイムの道端 にいた神殿娼婦はどこにいますか」。彼らは答えた、「神殿娼婦などここにいたことはありません」。

022彼はユダのもとに戻って来て言った、「女は見つか りませんでした。それに、土地の人々は、『神殿娼婦などここにいたことがありません』と言いました」。

023ユダは言った、「われわれが物笑いにならないよう に、そのまま彼女に取らせておこう。わたしは子山羊を送ったのだが、女は見つからなかったのだから」。

024およそ三か月後のことである。ある人がユダに告げ た、「あなたの嫁タマルは姦通をし、そのうえ、その姦通によって身籠っています」。ユダは言った、「彼女を引き出して焼き殺 せ」。

025引き出されたとき、彼女は舅のもとに人をやって、 「これらの品の持ち主によってわたしは身籠ったのです」と言わせた。また、「この印章と紐と杖はどなたのものか、どうか見定めて ください」と言った。

026ユダはこれらを見定めて言った、「わたしより彼女 のほうが正しい。わたしが彼女を息子シェラに与えなかったためだ」。彼は再び彼女を知ることはなかった。

027タマルの出産の時になってみると、胎内の子は双子 であった。

028出産の時、一人の子が手を出したので、助産婦は、 「これが先に出てきたのだ」と言って、真っ赤な糸を取ってその手に結びつけた。

029しかしその子が手を引っ込めると、もう一人のほう が出てきた。助産婦は言った、「何でお前は割り込むの」。そこで彼はペレツと名づけられた。

030その後で手に真っ赤な糸をつけた子が出てきたの で、彼はゼラと名づけられた。

 


 

新共同訳1987

38:1 そのころ、ユダは兄弟たちと別れて、アドラム人のヒラという人の近くに天幕を張った。

38:2 ユダはそこで、カナン人のシュアという人の娘を見初めて結婚し、彼女のところに入った。

38:3 彼女は身ごもり男の子を産んだ。ユダはその子をエルと名付けた。

38:4 彼女はまた身ごもり男の子を産み、その子をオナンと名付けた。

38:5 彼女は更にまた男の子を産み、その子をシェラと名付けた。彼女がシェラを産んだとき、ユダはケジブにいた。

38:6 ユダは長男のエルに、タマルという嫁を迎えたが、

38:7 ユダの長男エルは主の意に反したので、主は彼を殺された。

38:8 ユダはオナンに言った。「兄嫁のところに入り、兄弟の義務を果たし、兄のために子孫をのこしなさい。」

38:9 オナンはその子孫が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないように、兄嫁のところに入る度に子種を地面に流した。

38:10 彼のしたことは主の意に反することであったので、彼もまた殺された。

38:11 ユダは嫁のタマルに言った。「わたしの息子のシェラが成人するまで、あなたは父上の家で、やもめのまま暮らしていなさい。」それは、シェラもまた兄たちの ように死んではいけないと思ったからであった。タマルは自分の父の家に帰って暮らした。

38:12 かなりの年月がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。ユダは喪に服した後、友人のアドラム人ヒラと一緒に、ティムナの羊の毛を切る者のところへ 上って行った。

38:13 ある人がタマルに、「あなたのしゅうとが、羊の毛を切るために、ティムナへやって来ます」と知らせたので、

38:14 タマルはやもめの着物を脱ぎ、ベールをかぶって身なりを変え、ティムナへ行く途中のエナイムの入り口に座った。シェラが成人したのに、自分がその妻にして もらえない、と分かったからである。

38:15 ユダは彼女を見て、顔を隠しているので娼婦だと思った。

38:16 ユダは、路傍にいる彼女に近寄って、「さあ、あなたの所に入らせてくれ」と言った。彼女が自分の嫁だとは気づかなかったからである。「わたしの所にお入り になるのなら、何をくださいますか」と彼女が言うと、

38:17 ユダは、「群れの中から子山羊を一匹、送り届けよう」と答えた。しかし彼女は言った。「でも、それを送り届けてくださるまで、保証の品をください。」

38:18 「どんな保証がいいのか」と言うと、彼女は答えた。「あなたのひもの付いた印章と、持っていらっしゃるその杖です。」ユダはそれを渡し、彼女の所に入っ た。彼女はこうして、ユダによって身ごもった。

38:19 彼女はそこを立ち去り、ベールを脱いで、再びやもめの着物を着た。

38:20 ユダは子山羊を友人のアドラム人の手に託して送り届け、女から保証の品を取り戻そうとしたが、その女は見つからなかった。

38:21 友人が土地の人々に、「エナイムの路傍にいた神殿娼婦は、どこにいるでしょうか」と尋ねると、人々は、「ここには、神殿娼婦などいたことはありません」と 答えた。

38:22 友人はユダのところに戻って来て言った。「女は見つかりませんでした。それに土地の人々も、『ここには、神殿娼婦などいたことはありません』と言うので す。」

38:23 ユダは言った。「では、あの品はあの女にそのままやっておこう。さもないと、我々が物笑いの種になるから。とにかく、わたしは子山羊を届けたのだが、女が 見つからなかったのだから。」

38:24 三か月ほどたって、「あなたの嫁タマルは姦淫をし、しかも、姦淫によって身ごもりました」とユダに告げる者があったので、ユダは言った。「あの女を引きず り出して、焼き殺してしまえ。」

38:25 ところが、引きずり出されようとしたとき、タマルはしゅうとに使いをやって言った。「わたしは、この品々の持ち主によって身ごもったのです。」彼女は続け て言った。「どうか、このひもの付いた印章とこの杖とが、どなたのものか、お調べください。」

38:26 ユダは調べて言った。「わたしよりも彼女の方が正しい。わたしが彼女を息子のシェラに与えなかったからだ。」ユダは、再びタマルを知ることはなかった。

38:27 タマルの出産の時が来たが、胎内には双子がいた。

38:28 出産の時、一人の子が手を出したので、助産婦は、「これが先に出た」と言い、真っ赤な糸を取ってその手に結んだ。

38:29 ところがその子は手を引っ込めてしまい、もう一人の方が出てきたので、助産婦は言った。「なんとまあ、この子は人を出し抜いたりして。」そこで、この子は ペレツ(出し抜き)と名付けられた。

38:30 その後から、手に真っ赤な糸を結んだ方の子が出てきたので、この子はゼラ(真っ赤)と名付けられた。

 

新改訳1970

38:1 そのころのことであった。ユダは兄弟たちから離れて下って行き、その名をヒラというアドラム人の近くで天幕を張った。

38:2 そこでユダは、あるカナン人で、その名をシュアという人の娘を見そめ、彼女をめとって彼女のところにはいった。

38:3 彼女はみごもり、男の子を産んだ。彼はその子をエルと名づけた。

38:4 彼女はまたみごもって、男の子を産み、その子をオナンと名づけた。

38:5 彼女はさらにまた男の子を産み、その子をシェラと名づけた。彼女がシェラを産んだとき、彼はケジブにいた。

38:6 ユダは、その長子エルにタマルという妻を迎えた。

38:7 しかしユダの長子エルは主を怒らせていたので、主は彼を殺した。

38:8 それでユダはオナンに言った。「あなたは兄嫁のところにはいり、義弟としての務めを果たしなさい。そしてあなたの兄のために子孫を起こすようにしなさ い。」

38:9 しかしオナンは、その生まれる子が自分のものとならないのを知っていたので、兄に子孫を与えないために、兄嫁のところにはいると、地に流していた。

38:10 彼のしたことは主を怒らせたので、主は彼をも殺した。

38:11 そこでユダは、嫁のタマルに、「わが子シェラが成人するまで、あなたの父の家でやもめのままでいなさい。」と言った。それはシェラもまた、兄たちのように 死ぬといけないと思ったからである。タマルは父の家に行き、そこに住むようになった。

38:12 かなり日がたって、シュアの娘であったユダの妻が死んだ。その喪が明けたとき、ユダは、羊の群れの毛を切るために、その友人でアドラム人のヒラといっしょ に、ティムナへ上って行った。

38:13 そのとき、タマルに、「ご覧。あなたのしゅうとが羊の毛を切るためにティムナに上って来ていますよ。」と告げる者があった。

38:14 それでタマルは、やもめの服を脱ぎ、ベールをかぶり、着替えをして、ティムナへの道にあるエナイムの入口にすわっていた。それはシェラが成人したのに、自 分がその妻にされないのを知っていたからである。

38:15 ユダは、彼女を見たとき、彼女が顔をおおっていたので遊女だと思い、

38:16 道ばたの彼女のところに行き、「さあ、あなたのところにはいろう。」と言った。彼はその女が自分の嫁だとは知らなかったからである。彼女は、「私のところ におはいりになれば、何を私に下さいますか。」と言った。

38:17 彼が、「群れの中から子やぎを送ろう。」と言うと、彼女は、「それを送ってくださるまで、何かおしるしを下されば。」と言った。

38:18 それで彼が、「しるしとして何をあげようか。」と言うと、「あなたの印形とひもと、あなたが手にしている杖。」と答えた。そこで彼はそれを与えて、彼女の ところにはいった。こうしてタマルは彼によってみごもった。

38:19 彼女は立ち去って、そのベールをはずし、またやもめの服を着た。

38:20 ユダは、彼女の手からしるしを取り戻そうと、アドラム人の友人に託して、子やぎを送ったが、彼はその女を見つけることができなかった。

38:21 その友人は、そこの人々に尋ねて、「エナイムの道ばたにいた遊女はどこにいますか。」と言うと、彼らは、「ここには遊女はいたことがない。」と答えた。

38:22 それで彼はユダのところに帰って来て言った。「あの女は見つかりませんでした。あそこの人たちも、ここには遊女はいたことがない、と言いました。」

38:23 ユダは言った。「われわれが笑いぐさにならないために、あの女にそのまま取らせておこう。私はこのとおり、この子やぎを送ったのに、あなたがあの女を見つ けなかったのだから。」

38:24 約三か月して、ユダに、「あなたの嫁のタマルが売春をし、そのうえ、お聞きください、その売春によってみごもっているのです。」と告げる者があった。そこ でユダは言った。「あの女を引き出して、焼き殺せ。」

38:25 彼女が引き出されたとき、彼女はしゅうとのところに使いをやり、「これらの品々の持ち主によって、私はみごもったのです。」と言わせた。そしてまた彼女は 言った。「これらの印形とひもと杖とが、だれのものかをお調べください。」

38:26 ユダはこれを見定めて言った。「あの女は私よりも正しい。私が彼女を、わが子シェラに与えなかったことによるものだ。」こうして彼は再び彼女を知ろうとは しなかった。

38:27 彼女の出産の時になると、なんと、ふたごがその胎内にいた。

38:28 出産のとき、一つの手が出て来たので、助産婦はそれをつかみ、その手に真赤な糸を結びつけて言った。「この子が最初に出て来たのです。」

38:29 しかし、その子が手を引っ込めたとき、もうひとりの兄弟のほうが出て来た。それで彼女は、「あなたは何であなたのために割りこむのです。」と言った。それ でその名はペレツと呼ばれた。

38:30 そのあとで、真赤な糸をつけたもうひとりの兄弟が出て来た。それでその名はゼラフと呼ばれた。

 

口語訳1955

38:1 そのころユダは兄弟たちを離れて下り、アドラムびとで、名をヒラという者の所へ行った。

38:2 ユダはその所で、名をシュアというカナンびとの娘を見て、これをめとり、その所にはいった。

38:3 彼女はみごもって男の子を産んだので、ユダは名をエルと名づけた。

38:4 彼女は再びみごもって男の子を産み、名をオナンと名づけた。

38:5 また重ねて、男の子を産み、名をシラと名づけた。彼女はこの男の子を産んだとき、クジブにおった。

38:6 ユダは長子エルのために、名をタマルという妻を迎えた。

38:7 しかしユダの長子エルは主の前に悪い者であったので、主は彼を殺された。

38:8 そこでユダはオナンに言った、「兄の妻の所にはいって、彼女をめとり、兄に子供を得させなさい」。

38:9 しかしオナンはその子が自分のものとならないのを知っていたので、兄の妻の所にはいった時、兄に子を得させないために地に洩らした。

38:10 彼のした事は主の前に悪かったので、主は彼をも殺された。

38:11 そこでユダはその子の妻タマルに言った、「わたしの子シラが成人するまで、寡婦のままで、あなたの父の家にいなさい」。彼は、シラもまた兄弟たちのように 死ぬかもしれないと、思ったからである。それでタマルは行って父の家におった。

38:12 日がたってシュアの娘ユダの妻は死んだ。その後、ユダは喪を終ってその友アドラムびとヒラと共にテムナに上り、自分の羊の毛を切る者のところへ行った。

38:13 時に、ひとりの人がタマルに告げて、「あなたのしゅうとが羊の毛を切るためにテムナに上って来る」と言ったので、

38:14 彼女は寡婦の衣服を脱ぎすて、被衣で身をおおい隠して、テムナへ行く道のかたわらにあるエナイムの入口にすわっていた。彼女はシラが成人したのに、自分が その妻にされないのを知ったからである。

38:15 ユダは彼女を見たとき、彼女が顔をおおっていたため、遊女だと思い、

38:16 道のかたわらで彼女に向かって言った、「さあ、あなたの所にはいらせておくれ」。彼はこの女がわが子の妻であることを知らなかったからである。彼女は言っ た、「わたしの所にはいるため、何をくださいますか」。

38:17 ユダは言った、「群れのうちのやぎの子をあなたにあげよう」。彼女は言った、「それをくださるまで、しるしをわたしにくださいますか」。

38:18 ユダは言った、「どんなしるしをあげようか」。彼女は言った、「あなたの印と紐と、あなたの手にあるつえとを」。彼はこれらを与えて彼女の所にはいった。 彼女はユダによってみごもった。

38:19 彼女は起きて去り、被衣を脱いで寡婦の衣服を着た。

38:20 やがてユダはその女からしるしを取りもどそうと、その友アドラムびとに託してやぎの子を送ったけれども、その女を見いだせなかった。

38:21 そこで彼はその所の人々に尋ねて言った、「エナイムで道のかたわらにいた遊女はどこにいますか」。彼らは言った、「ここには遊女はいません」。

38:22 彼はユダのもとに帰って言った、「わたしは彼女を見いだせませんでした。またその所の人々は、『ここには遊女はいない』と言いました」。

38:23 そこでユダは言った、「女に持たせておこう。わたしたちは恥をかくといけないから。とにかく、わたしはこのやぎの子を送ったが、あなたは彼女を見いだせな かったのだ」。

38:24 ところが三月ほどたって、ひとりの人がユダに言った、「あなたの嫁タマルは姦淫しました。そのうえ、彼女は姦淫によってみごもりました」。ユダは言った、 「彼女を引き出して焼いてしまえ」。

38:25 彼女は引き出された時、そのしゅうとに人をつかわして言った、「わたしはこれをもっている人によって、みごもりました」。彼女はまた言った、「どうか、こ の印と、紐と、つえとはだれのものか、見定めてください」。

38:26 ユダはこれを見定めて言った、「彼女はわたしよりも正しい。わたしが彼女をわが子シラに与えなかったためである」。彼は再び彼女を知らなかった。

38:27 さて彼女の出産の時がきたが、胎内には、ふたごがあった。

38:28 出産の時に、ひとりの子が手を出したので、産婆は、「これがさきに出た」と言い、緋の糸を取って、その手に結んだ。

38:29 そして、その子が手をひっこめると、その弟が出たので、「どうしてあなたは自分で破って出るのか」と言った。これによって名はペレヅと呼ばれた。

38:30 その後、手に緋の糸のある兄が出たので、名はゼラと呼ばれた。

 


文 語訳1917
38:1 當時ユダ兄弟をはなれて下りアドラム人名はヒラといふ者の近邊に天幕をはりしが
38:2 ユダかしこにてカナン人名はシュアといふ者の女子を見これを娶りてその所にいる
38:3 彼はらみて男子を生みければユダその名をエルとなづく
38:4 彼ふたたび孕みて男子を生みその名をオナンとなづけ
38:5 またかさねて孕みて男子を生みてその名をシラとなづく此子をうみける時ユダはクジブにありき
38:6 ユダその長子エルのために妻をむかふその名をタマルといふ
38:7 ユダの長子エル、ヱホバの前に惡をなしたればヱホバこれを死しめたまふ
38:8 茲にユダ、オナンにいひけるは汝の兄の妻の所にいりて之をめとり汝の兄をして子をえせしめよ
38:9 オナンその子の己のものとならざるを知たれば兄の妻の所にいりし時兄に子をえせしめざらんために地に洩したり
38:10 斯なせし事ヱホバの目に惡かりければヱホバ彼をも死しめたまふ
38:11 ユダその?タマルにいひけるは?婦となりて汝の父の家にをりわが子シラの人となるを待てと恐らくはシラも亦その兄弟のごとく死るならんとおもひたればなり タマルすなはち往てその父の家にをる
38:12 日かさなりて後シュアの女ユダの妻死たりユダ慰をいれてその友アドラム人ヒラとともにテムナにのぼりその羊毛を剪る者の所にいたる
38:13 茲にタマルにつげて視よなんぢの舅はその羊の毛を剪んとてテムナにのぼるといふ者ありしかば
38:14 彼その?の服を脱すて被衣をもて身をおほひつつみテムナの途の側にあるエナイムの入口に坐す其はシラ人となりたれども己これが妻にせられざるを見たればな り
38:15 彼その面を蔽ひゐたりしかばユダこれを見て娼妓ならんとおもひ
38:16 途の側にて彼に就き請ふ來りて我をして汝の所にいらしめよといふ其はその子の妻なるをしらざればなり彼いひけるは汝何を我にあたへてわが所にいらんとする や
38:17 ユダいひけるは我群より山羊の羔をおくらん彼いふ汝其をおくるまで質をあたへんか
38:18 ユダ何の質をなんぢに與ふべきやといふに彼汝の印と綬と汝の手の杖をといひければ即ちこれを與へて彼の所にいりぬ彼ユダに由て姙めり
38:19 彼起て去りその被衣をぬぎすて?婦の服をまとふ
38:20 かくてユダ婦の手より質をとらんとてその友アドラム人の手に托して山羊の羔をおくりけるが彼婦を見ざれば
38:21 その處の人に問て途の側なるエナイムの娼妓は何處にをるやといふに此には娼妓なしといひければ
38:22 ユダの許にかへりていふ我彼を見いださず亦その處の人此には娼妓なしといへりと
38:23 ユダいひけるは彼にとらせおけ恐くはわれら笑ネとならん我この山羊の羔をおくりたるに汝かれを見ざるなりと
38:24 三月ばかりありて後ユダに告る者ありていふ汝の?タマル姦淫をなせり亦その姦淫によりて妊めりユダいひけるは彼を曵いだして焚べし
38:25 彼ひきいだされし時その舅にいひつかはしけるは是をもてる人によりて我は妊りと彼すなはち請ふこの印と綬と杖は誰の所屬なるかを辨別よといふ
38:26 ユダこれを見識ていひけるは彼は我よりも正しわれ彼をわが子わがシラにあたへざりしによりてなりと再びこれを知らざりき
38:27 かくて?の時にいたりて見るにその胎に?あり
38:28 その?時手出しかば?婆是首にいづといひて絳き線をとりてその手にしばりしが
38:29 手を引こむるにあたりて兄弟いでたれば汝なんぞ圻いづるやその圻汝に歸せんといへり故にその名はペレヅ(圻)と稱る
38:30 その兄弟手に絳線のある者後にいづその名はゼラとよばる


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳 マタ 1:3

1:3 ユダはタマルによるパ レスとザラとの父、パレスはエスロンの父、エスロンはアラムの父、

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口 語訳 マタ 22:24

22:24 「先生、モーセはこう言っています、『もし、ある人が子がなくて死んだなら、その弟は兄の妻をめとって、兄のために子をもうけねばな らない』。

 

口 語訳 マタ 1:3

1:3 ユダはタマルによるパレスとザラとの父、パレスはエスロンの父、エスロンはアラムの父、

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

口 語訳 マタ 22:24

22:24 「先生、モーセはこう言っています、『もし、ある人が子がなくて死んだなら、その弟は兄の妻をめとって、兄のために子をもうけねばな らない』。

 

口 語訳 マタ 1:3

1:3 ユダはタマルによるパレスとザラとの父、パレスはエスロンの父、エスロンはアラムの父、

 

口 語訳 ルカ 3:33

3:33 アミナダブ、アデミン、アルニ、エスロン、パレス、ユダ、

 

(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

新共同 マタ 1:3

1:3 ユダはタマルによってペレツとゼラを、ペレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、

 

(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

新共同 マタ 22:14

22:14 招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない。」

 

新共同 マタ 1:3

1:3 ユダはタマルによってペレツとゼラを、ペレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、

 

新共同 ルカ 3:33

3:33 アミナダブ、アドミン、アルニ、ヘツロン、ペレツ、ユダ、

 

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