士師記 18:1−26
相続地を求めるダン族
翻訳比較
士
18:1 その頃、イスラエルには王がいなかった。また当時、ダンの部族は住むべき相続地を探していた。イスラエルの諸部族が相続地を得る中、彼らのもの
はその時まで割り当てられていなかったのである。
士
18:2 ダンの人々は土地の偵察と調査のため、彼らの氏族のうちツォルアとエシュタオル出身の勇敢な五人の男に「土地を調べに行け」と言って送り出し
た。彼らはエフライムの山地にあるミカの家のところまで来て、そこで一夜を過ごした。
士
18:3 彼らはミカの家のそばにいたので、レビ人の若者の声に気付き、そこに立ち寄って、「誰があなたをここに連れて来たのですか。あなたはここで何を
しているのですか。ここに何の用事があるのですか」と尋ねた。
士 18:4 若者が、「ミカが私をこのような訳で雇ったので、私は彼の祭司になったのです」と答えると、
士 18:5 彼らは、「どうか神に尋ねてください。私たちの進めている旅がうまくいくかどうか知りたいのです」と言った。
士 18:6 祭司は、「安心して行きなさい。あなたがたの行く道は主が見守っておられます」と答えた。
士
18:7 五人は歩き続け、ライシュにやって来た。彼らが見ると、その地の民は安らかに暮らしており、シドン人のように静かで無防備であった。その地には
人を辱め、虐げる権力者はなく、シドン人から遠く離れ、どの人とも交渉がなかった。
士 18:8 五人はツォルアとエシュタオルの兄弟たちのもとに戻った。兄弟たちが「どうだったか」と尋ねると、
士
18:9 彼らは言った。「直ちに彼らのところに攻め上りましょう。私たちはその地を目にしましたが、実にすばらしいものでした。あなたがたは躊躇してい
ますが、ためらわずに出発し、あの地を手に入れるべきです。
士
18:10 あなたがたが行きさえすれば、無防備な民のところに行けるのです。その地は両手を広げており、神はそれをあなたがたの手にお渡しになります。
そこは地上のものが何一つ欠けることのない場所です。」
士 18:11 ダンの氏族六百人は武器を帯び、ツォルアとエシュタオルを出発した。
士
18:12 彼らは攻め上ってユダのキルヤト・エアリムに陣を敷いた。それゆえ、その場所は今日までマハネ・ダンと呼ばれ、キルヤト・エアリムの背後にあ
る。
士 18:13 彼らはそこからエフライムの山地を進み、ミカの家までやって来た。
士
18:14 ライシュの地を偵察した五人の男は同胞に言った。「この家の中にエフォドとテラフィム、彫像と鋳像があるのを知っているか。ならば今、何をす
べきか決めなさい。」
士 18:15 彼らはそちらへ向かい、レビ人の若者の家、すなわちミカの家にやって来て、彼に挨拶をした。
士 18:16 武器を帯びたダンの人々六百人が門の入り口に立ち並ぶ中、
士
18:17 その地を偵察した五人が家に上がり込んで、彫像、エフォド、テラフィム、鋳像を奪った。例の祭司も、武器を帯びた六百人と共に町の門の入り口
に立っていたが、
士
18:18 彼らがミカの家に入り込み、彫像、エフォド、テラフィム、鋳像を奪ったとき、祭司は彼らに「何ということをしているのか」と言った。
士
18:19 彼らは言った。「静かにしなさい。口に手を当て、私たちと一緒に来るのです。私たちの父また祭司となってください。一人の家の祭司であるの
と、イスラエルの部族と氏族の祭司であるのと、どちらがよいですか。」
士 18:20 祭司は気分を良くし、エフォド、テラフィム、彫像を取ってこの民に加わった。
士 18:21 彼らは子ども、家畜、家財を先頭に、引き返して行った。
士 18:22 彼らがミカの家を遠く離れてから、ミカの家の近所に住む男たちが呼び集められ、ダンの人々に追いつき、
士 18:23 彼らに呼びかけた。ダンの人々は振り返り、「人々を呼び集めるとは何事か」とミカに言った。
士
18:24 ミカは答えた。「あなたがたは私の造った神々と祭司を奪い去りました。ほかに何があると言うのですか。『何事か』などとよく言えたもので
す。」
士
18:25 ダンの人々は言った。「そんなたわごとを聞かせるな。さもないと、気の荒い者たちがあなたがたに打ちかかり、あなたは自分の命も家族の命も失
うことになる。」
士 18:26 こうしてダンの人々は旅を続け、ミカは彼らが自分よりも強いと判断して引き返し、家に帰った。
フランシ
スコ会訳2013
001そのころ、イスラエルには王がいなかった。そのこ
ろ、ダン族は自分たちの住む相続地を探していた。そのころまで、イスラエルの部族の中で、彼らには相続地が割りあてられていな
かった。
002ダンの子らは土地を調べるために、自分たちの部族
から、ツォルアとエシュタオル出身の五人の勇者を遣わし、「土地を調べに行きなさい」と言った。彼らはエフライムの山地のミカの
家までやって来て、そこで一夜を過ごした。
003彼らがミカの家に近づいたとき、あの若いレビ人の
声に気づいて、そこに立ち寄り彼に尋ねた、「誰があなたをここに連れて来たのですか。あなたはここで何をしているのですか。どう
してあなたはここにいるのですか」。
004彼は答えた、「ミカが斯く斯くしかじかのことをわ
たしのためにして、わたしを雇い、わたしは彼の祭司になっているのです」。
005彼らは願った、「わたしたちのしている旅がうまく
いくかどうか知りたいのですが、神に伺いを立ててください」。
006祭司は彼らに答えて言った、「安心して行きなさ
い。主はあなたたちの旅をよしとしておられます」。
007五人は歩み続け、ライシュに着いた。彼らはその土
地の民がシドン人のように安らかに、また静かで平穏な生活をしているのを見た。その土地に欠けるものはなく、民は富んでいた。彼
らはシドン人から遠く離れ、アラム人との交際もなかった。
008五人がツォルアとエシュタオルの兄弟たちのもとに 帰ると、兄弟たちは「どうだった」と尋ねた。
009五人は言った、「さあ、彼らを攻撃しよう。わたし
たちは彼らの土地を見たが、実に素晴らしい。あなたたちは黙っているが、出かけていき、あの地を奪い取るのをためらってはならな
い。
010あなたたちが行くのは穏やかな民の所であり、その
土地は広々としている。実に、神はあの場所をあなたたちの手中に与えてくださる。そこにはこの地上にあるもので欠けるものは何一
つない」。
011そこで武装したダンの部族の六百人がツォルアとエ シュタオルから出発し、
012上って行って、ユダのキルヤト・エアリムに陣を敷
いた。それで、その場所は今日までマハネ・ダンと呼ばれ、キルヤト・エアリムの西にある。
013彼らはそこからエフライムの山地に行き、ミカの家 に到着した。
014ライシュの土地を偵察に行った五人は、兄弟たちに
言った、「この建物にはエフォドとテラフィム、彫像と鋳像があるのを知っていますか。さあ今、何をすべきかを弁えなさい」。
015そこで彼らは道をそれ、ミカの家にある若いレビ人 の住まいに着き、彼の安否を尋ねた。
016門の入り口には六百人の武装したダンの人々が立っ ていた。
017その土地を偵察に入った五人は上って行き、そこに
入って、彫像とエフォド、テラフィム、鋳像を奪った。一方、祭司は武装した六百人の男たちと一緒に門の入り口に立っていた。
018彼らがミカの家に入り、彫像とエフォド、テラフィ
ムと鋳像を奪ったとき、祭司は言った、「あなたたちはいったい何をしているのか」。
019彼らは祭司に言った、「静かに。口に手をあてて、
わたしたちと一緒に来てください。そして、わたしたちの父となり、祭司となってください。あなたにとって、一個人の家の祭司であ
るのと、イスラエルの一部族、一氏族の祭司になるのとどちらがいいですか」。
020祭司の心は弾んだ。彼はエフォド、テラフィム、彫 像を取ってその一群に加わった。
021彼らは子供、家畜、家財を先頭にして進んでいっ た。
022彼らがミカの家から遠く離れたころ、ミカの家の近
くの家々の男たちが召集され、ダンの子らを追跡してきた。
023彼らがダンの子らに向かって叫ぶと、ダンの子らは
彼らの方を振り返り、「人を召集したりしていったいどうしたのだ」とミカに言った。
024ミカは答えた、「お前たちは、わたしが造ったわた
しの神々とわたしの祭司を奪って行った。わたしには何が残っているというのか。『いったいどうしたのだ』と、よくもわたしに言え
たものだ」。
025ダンの子らは彼に言った、「お前の声を、われわれ
とともにいる者たちに聞かせないようにしろ。さもないと、気の荒い者たちが襲いかかり、お前も家族の者も命を失うことになる」。
新共同訳1987
18:1
そのころ、イスラエルには王がいなかった。またそのころ、ダンの部族は住み着くための嗣業の地を捜し求めていた。そのころまで、彼らにはイスラエル諸部族
の中で嗣業の地が割り当てられていなかったからである。
18:2
ダンの人々は土地を探り、調べるために、自分たちの氏族の者でツォルアとエシュタオル出身の勇士五人を自分のところから遣わして言った。「行って、土地を
調べよ。」彼らはエフライムの山地のミカの家まで来て、そこで一夜を過ごした。
18:3
彼らはミカの家の近くに来て、あの若いレビ人の声がするのに気づいて立ち寄り、「誰があなたをここに連れて来たのか。あなたはここで何をしているのか。こ
こでのあなたの務めは何か」と尋ねた。
18:4
彼はこれこれしかじかの次第でミカに雇われ、彼の祭司になったと答えた。
18:5
彼らは言った。「我々の進めている旅がうまくいくかどうか知りたいのだが、神に問うていただきたい。」
18:6
祭司は、「安心して行かれるがよい。主は、あなたたちのたどる旅路を見守っておられる」と答えた。
18:7
五人は更に進んでライシュに着き、その地の民が、シドン人のように静かに、また、穏やかに安らかな日々を送っているのを見た。その地には人をさげすんで権
力を握る者は全くなく、シドン人からも遠く離れ、またどの人間とも交渉がなかった。
18:8
五人がツォルアとエシュタオルの兄弟たちのもとに帰ると、兄弟たちは、「どうだった」と尋ねたので、
18:9
五人は答えた。「彼らに向かって攻め上ろう。我々はその土地を見たが、それは非常に優れていた。あなたたちは黙っているが、ためらわずに出発し、あの土地
を手に入れて来るべきだ。
18:10
行けば、あなたたちは穏やかな民のところに行けよう。神があなたたちの手にお渡しになったのだから、その土地は大手を広げて待っている。そこは、この地上
のものが何一つ欠けることのない所だ。」
18:11
ダンの氏族六百人は武器を身に帯び、ツォルアとエシュタオルから出発し、
18:12
上って行って、ユダのキルヤト・エアリムに陣を敷いた。それゆえ、その場所は今日までマハネ・ダンと呼ばれ、キルヤト・エアリムの西にある。
18:13
彼らはそこからエフライムの山地を進み、ミカの家まで来た。
18:14
ライシュの地を探り歩いた五人が口を切って、兄弟たちに言った。「この建物の中にエフォドとテラフィム、彫像と鋳像があるのを知っていますか。今、どうす
べきか決めてください。」
18:15
五人はそこに向かうことにし、若いレビ人の家、ミカの家に入り、変わりはないか、と尋ねた。
18:16
武器を身に帯びた六百人のダンの者を門の入り口に立たせておいた。
18:17
土地を探り歩いた例の五人は上って入り込み、彫像、エフォド、テラフィム、鋳像を奪った。祭司は武器を身に帯びた六百人と共に門の入り口に立っていた。
18:18
五人がミカの家に入り、彫像、エフォド、テラフィム、鋳像を奪ったとき、祭司は彼らに、「何をするのです」と言ったが、
18:19
彼らは、「口に手を当てて、一緒に来てください。わたしたちの父となり、祭司となってください。一個人の家の祭司であるより、イスラエルの一部族、氏族の
祭司である方がよいのではありませんか」と言った。
18:20
祭司はこれを快く受け入れ、エフォド、テラフィム、彫像を取って、この民に加わった。
18:21
彼らは子供、家畜、家財を先頭に前に進んで行った。
18:22
彼らがミカの家を遠く離れてから、ミカの家の近くに住む家族の者が呼び集められ、ダンの人々に追いついて来て、
18:23
呼びかけた。ダンの人々は振り返ってミカに、「兵をそろえて何事か」と言った。
18:24
ミカは、「あなたたちはわたしの造った神々と祭司を、奪って逃げた。わたしにはもう何もない。何事かとはよく言えたものだ」と言った。
18:25
ダンの人々は言った。「そんなたわごとを我々に聞かせるな。さもないと、苦々しく思った連中があなたたちを打ちつけ、あなただけでなくあなたの家族も命を
失うことになろう。」
18:26
ダンの人々は旅を続け、ミカは彼らの方が強いと見て引き返し、家に帰った。
新改訳1970
18:1
そのころ、イスラエルには王がなかった。そのころ、ダン人の部族は、自分たちの住む相続地を求めていた。イスラエルの諸部族の中にあって、相続地はその時
まで彼らに割り当てられていなかったからである。
18:2
そこで、ダン族は、彼らの諸氏族全体のうちから五人の者、ツォルアとエシュタオルからの勇士たちを派遣して、土地を偵察し、調べることにした。それで、彼
らに言った。「行って、あの地を調べなさい。」彼らはエフライムの山地のミカの家に行って、そこで一夜を明かした。
18:3
彼らはミカの家のそばに来、あのレビ人の若者の声に気づいた。そこで、そこに立ち寄り、彼に言った。「だれがあなたをここに連れて来たのですか。ここで何
をしているのですか。ここに何の用事があるのですか。」
18:4
その若者は彼らに言った。「ミカが、かくかくのことを私にしてくれて、私を雇い、私は彼の祭司になったのです。」
18:5
彼らはその若者に言った。「どうぞ、神に伺ってください。私たちのしているこの旅が、成功するかどうかを知りたいのです。」
18:6
その祭司は彼らに言った。「安心して行きなさい。あなたがたのしている旅は、主が認めておられます。」
18:7
五人の者は進んで行って、ライシュに着き、そこの住民を見ると、彼らは安らかに住んでおり、シドン人のならわしに従って、平穏で安心しきっていた。この地
には足りないものは何もなく、押えつける者もなかった。彼らはシドン人から遠く離れており、そのうえ、だれとも交渉がなかった。
18:8
五人の者がツォルアとエシュタオルの身内の者たちのところに帰って来たとき、身内の者たちは彼らに、どうだったかと尋ねた。
18:9
そこで、彼らは言った。「さあ、彼らのところへ攻め上ろう。私たちはその土地を見たが、実に、すばらしい。あなたがたはためらっている。ぐずぐずせずに進
んで行って、あの地を占領しよう。
18:10
あなたがたが行くときは、安心しきっている民のところに行けるのだ。しかもその地は広々としている。神はそれをあなたがたの手に渡しておられる。その場所
には、地にあるもので足りないものは何もない。」
18:11
そこで、ダン人の氏族の者六百人は武具を身に着けて、そこ、ツォルアとエシュタオルから旅立ち、
18:12
上って行って、ユダのキルヤテ・エアリムに宿営した。それで、その所はマハネ・ダンと呼ばれた。今日もそうである。それはキルヤテ・エアリムの西にある。
18:13
彼らはさらにそこからエフライムの山地へと進み、ミカの家に着いた。
18:14
そのとき、あのライシュの地を偵察に行った五人の者は、その身内の者たちに告げて言った。「これらの建物の中にエポデやテラフィム、彫像や鋳像があるのを
知っているか。今あなたがたは何をなすべきかを知りなさい。」
18:15
そこで、彼らは、そちらのほうに行き、あのレビ人の若者の家ミカの家に来て、彼の安否を尋ねた。
18:16
武具を身に着けた六百人のダンの人々は、門の入口のところに立っていた。
18:17
あの地を偵察に行った五人の者は上って行き、そこにはいり、彫像とエポデとテラフィムと鋳像を取った。祭司は武具を身に着けた六百人の者と、門の入口のと
ころに立っていた。
18:18
五人の者がミカの家にはいり、彫像とエポデとテラフィムと鋳像を取った。そのとき祭司は彼らに言った。「あなたがたは何をしているのか。」
18:19
彼らは祭司に言った。「黙っていてください。あなたの手を口に当てて、私たちといっしょに来て、私たちのために父となり、また祭司となってください。あな
たはひとりの家の祭司になるのと、イスラエルで部族または氏族の祭司になるのと、どちらがよいですか。」
18:20
祭司の心ははずんだ。彼はエポデとテラフィムと彫像を取り、この人々の中にはいって行った。
18:21
そこで、彼らは子どもや家畜や貴重品を先にして引き返して行った。
18:22
彼らがミカの家からかなり離れると、ミカは家の近くの家にいた人々を集め、ダン族に追いついた。
18:23
彼らがダン族に呼びかけたとき、彼らは振り向いて、ミカに言った。「あなたは、どうしたのだ。人を集めたりして。」
18:24
すると、ミカは言った。「あなたがたは私の造った神々と、それに祭司とを取って行った。私のところには何が残っていますか。私に向かって『どうしたの
だ。』と言うのは、いったい何事です。」
18:25
そこで、ダン族はミカに言った。「あなたの声が私たちの中で聞こえないようにせよ。でなければ、気の荒い連中があなたがたに撃ちかかろう。あなたは、自分
のいのちも、家族のいのちも失おう。」
18:26
こうして、ダン族は去って行った。ミカは、彼らが自分よりも強いのを見てとり、向きを変えて、自分の家に帰った。
口語訳1955
18:1
そのころイスラエルには王がなかった。そのころダンびとの部族はイスラエルの部族のうちにあって、その日までまだ嗣業の地を得なかったので自分たちの住む
べき嗣業の地を求めていた。
18:2
それでダンの人々は自分の部族の総勢のうちから、勇者五人をゾラとエシタオルからつかわして土地をうかがい探らせた。すなわち彼らに言った、「行って土地
を探ってきなさい」。彼らはエフライムの山地に行き、ミカの家に着いて、そこに宿ろうとした。
18:3
彼らがミカの家に近づいたとき、レビびとである若者の声を聞きわけたので、身をめぐらしてそこにはいって彼に言った、「だれがあなたをここに連れてきたの
ですか。あなたはここで何をしているのですか。ここになんの用があるのですか」。
18:4
若者は彼らに言った、「ミカが、かようかようにしてわたしを雇ったので、わたしはその祭司となったのです」。
18:5
彼らは言った、「どうぞ、神に伺って、われわれが行く道にしあわせがあるかどうかを知らせてください」。
18:6
その祭司は彼らに言った、「安心して行きなさい。あなたがたが行く道は主が見守っておられます」。
18:7
そこで五人の者は去ってライシに行き、そこにいる民を見ると、彼らは安らかに住まい、その穏やかで安らかなことシドンびとのようであって、この国には一つ
として欠けたものがなく、富を持ち、またシドンびとと遠く離れており、ほかの民と交わることがなかった。
18:8
かくて彼らがゾラとエシタオルにおる兄弟たちのもとに帰ってくると、兄弟たちは彼らに言った、「いかがでしたか」。
18:9
彼らは言った、「立って彼らのところに攻め上りましょう。われわれはかの地を見たが、非常に豊かです。あなたがたはなぜじっとしているのですか。ためらわ
ずに進んで行って、かの地を取りなさい。
18:10
あなたがたが行けば、安らかにおる民の所に行くでしょう。その地は広く、神はそれをあなたがたの手に賜わるのです。そこには地にあるもの一つとして欠けて
いるものはありません」。
18:11
そこでダンの氏族のもの六百人が武器を帯びて、ゾラとエシタオルを出発し、
18:12
上って行ってユダのキリアテ・ヤリムに陣を張った。このゆえに、その所は今日までマハネダンと呼ばれる。それはキリアテ・ヤリムの西にある。
18:13
彼らはそこからエフライムの山地に進み、ミカの家に着いた。
18:14
かのライシの国をうかがいに行った五人の者はその兄弟たちに言った、「あなたがたはこれらの家にエポデとテラピムと刻んだ像と鋳た像のあるのを知っていま
すか。それであなたがたは今、なすべきことを決めなさい」。
18:15
そこで彼らはその方へ身をめぐらして、かのレビびとの若者の家すなわちミカの家に行って、彼に安否を問うた。
18:16
しかし武器を帯びた六百人のダンの人々は門の入口に立っていた。
18:17
かの土地をうかがいに行った五人の者は上って行って、そこにはいり、刻んだ像とエポデとテラピムと鋳た像とを取ったが、祭司は武器を帯びた六百人の者と共
に門の入口に立っていた。
18:18
彼らがミカの家にはいって刻んだ像とエポデとテラピムと鋳た像とを取った時、祭司は彼らに言った、「あなたがたは何をなさいますか」。
18:19
彼らは言った、「黙りなさい。あなたの手を口にあてて、われわれと一緒にきて、われわれのために父とも祭司ともなりなさい。ひとりの家の祭司であるのと、
イスラエルの一部族、一氏族の祭司であるのと、どちらがよいですか」。
18:20
祭司は喜んで、エポデとテラピムと刻んだ像とを取り、民のなかに加わった。
18:21
かくて彼らは身をめぐらして去り、その子供たちと家畜と貨財をさきにたてて進んだが、
18:22
ミカの家をはるかに離れたとき、ミカは家に近い家の人々を集め、ダンの人々に追いつき、
18:23
ダンの人々を呼んだので、彼らはふり向いてミカに言った、「あなたがそのように仲間を連れてきたのは、どうしたのですか」。
18:24
彼は言った、「あなたがたが、わたしの造った神々および祭司を奪い去ったので、わたしに何が残っていますか。しかるにあなたがたがわたしに向かって『どう
したのですか』と言われるとは何事ですか」。
18:25
ダンの人々は彼に言った、「あなたは大きな声を出さないがよい。気の荒い連中があなたに撃ちかかって、あなたは自分の命と家族の命を失うようになるでしょ
う」。
18:26
こうしてダンの人々は去って行ったが、ミカは彼らの強いのを見て、くびすをかえして自分の家に帰った。
文
語訳1917
18:1
當時イスラエルには王なかりしがダン人の支派其頃住むべき地を求めたり是は彼らイスラエルの支派の中にありて其日まで未だ?業の地を得ざりしが故なり
18:2
ダンの子孫すなはちゾラとエシタオルよりして自己の族の勇者五人を遣はしその境を出て土地を窺ひ探らしむ即ち彼等に言ふ往て土地を探れと彼等エフライムの
山にいたりミカの家につきて其處に宿れり
18:3
かれらミカの家の傍にある時レビ人なる少者の聲を聞認たれば身をめぐらして其處にいりて之に言ふ誰が汝を此に携きたりしや汝此處にて何をなすや此に何の用
あるや
18:4 其人かれらに言けるはミカ斯々我を待ひ我を雇ひて我その祭司となれりと
18:5 彼等これに言ふ請ふ神に問ひ我等が往ところの途に利逹あるや否を我等にしらしめよ
18:6 その祭司かれらに言けるは安んじて往よ汝らが往ところの途はヱホバの前にあるなりと
18:7
是に於て五人の者往てライシに至り其處に住る人民を視るに顧慮なく住ひをり其安穩にして安固なることシドン人のごとし此國には政權を握りて人を煩はす者絶
てあらず其シドン人と隔たること遠くまた他の人民と交ることなし
18:8 斯て彼等ゾラとエシタオルに返りてその兄弟等にいたるに兄弟等如何なりしやと彼等に問ければ
18:9
答て言ふ起よ彼等の所に攻のぼらん我等その地を見るに甚だ善し汝等は安んじをるなり進みいたりてその地を取ることを怠るなかれ
18:10
汝等往ば安固なる人民の所に至らんその地は堅横ともに廣し神これを汝らの手に與へたまふなり此處には世にある物一箇も缺ることあらず
18:11 是に於てダン人の族の者六百人武器を帶てゾラとエシタオルより出ゆき
18:12
上りてユダのキリヤテヤリムに陣を張り是をもてその處をマハネダンと名けしがその名今日に存る是はキリヤテヤリムの後にあり
18:13 彼等其處よりエフライム山に進みミカの家に至りけるに
18:14
夫のライシの國を窺ひに往たりし五人の者その兄弟等に告て言けるは是等の家にはエポデ、テラピムおよび雕める像と鑄たる像あるを汝等知や然ば汝ら今その爲
べきことを考へよと
18:15 乃ち其方に身をめぐらして夫のレビ人の少者の家なるミカの家に至りてその安否を問けるが
18:16 武器を帶たる六百人のダンの子孫は門の入口に立り
18:17
夫の土地を窺ひに往たりし五人の者上りて其處にいりその雕める像とエポデとテラピムおよび鑄たる像を取けるが祭司は武器を帶たる六百人の者とともに門の入
口に立ゐたり
18:18 此人々ミカの家にいりて其雕める像とエポデとテラピムと鑄たる像とを取しかば祭司かれらに汝ら何をなすやと言ふに
18:19
彼等これに言けるは汝默せよ汝手を口にあてて我らとともに來り我らの父とも祭司ともなれよかし一人の家の祭司たるとイスラエルの一の支派一の族の祭司たる
とは何か好や
18:20 祭司すなはち心に悦びてエポデとテラピムと雕める像とを取て民の中に入る
18:21 斯てかれら身をめぐらしその子女と家畜と財寳を前にたてて進みしが
18:22 ミカの家を遙かに離れし時ミカの家に近きところの家の人々呼はり集てダンの子孫に追ひつき
18:23 ダンの子孫を呼たれば彼等回顧てミカに言ふ汝何事ありて集りしや
18:24
かれら言けるは汝らはわが造れる神々および祭司を奪ひさりたれば我尚何かあらん然るに汝等何ぞ我にむかひて何事ぞやと言や
18:25
ダンの子孫かれに言けるは汝の聲を我らの中に聞えしむるなかれ恐くは心の荒き人々汝に撃かかるありて汝おのれの生命と家族の生命とを失ふにいたらんと
18:26 而してダンの子孫進みゆきけるがミカは彼らが己よりも強きを見て身をめぐらして家に返れり
****************************************
各国旧約聖書における新約聖書の引照
・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを
拾う・・・
(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
・・・・
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
・・・・
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
・・・・
****************************************
士師記 18:27−31
ライシュの陥落とダンの建設
翻訳比較
聖書協会共同訳2018
士
18:27 彼らはミカが造ったものと、ミカのものであった祭司を奪い、ライシュに向かった。そこに住む穏やかで無防備な民を襲い、剣にかけて殺し、町に
火をかけて焼き払った。
士
18:28 その町はシドンから遠く離れ、他人と関わらずに暮らしていたので、助ける者がいなかった。その町はベト・レホブに属する谷間にあった。彼らは
町を築き直してそこに住み、
士
18:29 その町を、イスラエルに生まれた彼らの父祖ダンの名にちなんで、ダンと名付けた。それ以前には、その町はライシュと呼ばれていた。
士
18:30 ダンの人々は自分たちのために彫像を立てた。また、モーセの子ゲルショムの子ヨナタンとその子孫が、この地の民が捕囚とされる日までダンの部
族の祭司を務めた。
士 18:31 こうして、神の宮がシロにあった間、彼らはミカの造った彫像を据えていた。
フランシ スコ会訳2013
027彼らはミカが造ったものと彼の祭司とを奪ってライ
シュに行き、静かで平穏な民を襲って剣で打ち殺し、町を火で焼いた。
028町はシドンから遠く離れており、アラム人との交際
がなかったので、誰も救い出さなかった。その町はベト・レホブに属する平野にあった。彼らは町を再建してそこに住み、
029イスラエルに生まれた自分たちの先祖ダンの名に因
んで、その町をダンと名づけた。町の以前の名はライシュであった。
030ダンの子らは自分たちのために彫像を立てた。ゲル
ショムの子でモーセの孫であるヨナタンとその子らが、国の捕囚の日までダン族の祭司であった。
031こうしてシロに神殿がある間、彼らは自分たちのた めにミカが造った彫像をずっと安置していた。
新共同訳1987
18:27
彼らはミカが造った物と彼のものであった祭司を奪って、ライシュに向かい、その静かで穏やかな民を襲い、剣にかけて殺し、町に火を放って焼いた。
18:28
その町はシドンから遠く離れ、またどの人間とも交渉がなかったので、助けてくれる者がなかった。それはベト・レホブに属する平野にあった。彼らはその町を
再建して住み着き、
18:29
その町を、イスラエルに生まれた子、彼らの先祖ダンの名にちなんで、ダンと名付けた。しかし、その町の元来の名はライシュであった。
18:30
ダンの人々は、自分たちが拝むために例の彫像を立てることにした。またモーセの孫でゲルショムの子であるヨナタンとその子孫が、その地の民が捕囚とされる
日までダンの部族の祭司を勤めた。
18:31
こうして、神殿がシロにあった間、ずっと彼らはミカの造った彫像を保っていた。
新改訳1970
18:27
彼らは、ミカが造った物と、ミカの祭司とを取って、ライシュに行き、平穏で安心しきっている民を襲い、剣の刃で彼らを打ち、火でその町を焼いた。
18:28
その町はシドンから遠く離れており、そのうえ、だれとも交渉がなかったので、救い出す者がいなかった。その町はベテ・レホブの近くの谷にあった。彼らは町
を建てて、そこに住んだ。
18:29
そして、彼らはイスラエルに生まれた自分たちの先祖ダンの名にちなんで、その町にダンという名をつけた。その町のもとの名はライシュであった。
18:30
さて、ダン族は自分たちのために彫像を立てた。モーセの子ゲルショムの子ヨナタンとその子孫が、国の捕囚の日まで、ダン部族の祭司であった。
18:31
こうして、神の宮がシロにあった間中、彼らはミカの造った彫像を自分たちのために立てた。
口語訳1955
18:27
さて彼らはミカが造った物と、ミカと共にいた祭司とを奪ってライシにおもむき、穏やかで、安らかな民のところへ行って、つるぎをもって彼らを撃ち、火をつ
けてその町を焼いたが、
18:28
シドンを遠く離れており、ほかの民との交わりがなかったので、それを救うものがなかった。その町はベテレホブに属する谷にあった。彼らは町を建てなおして
そこに住み、
18:29
イスラエルに生れた先祖ダンの名にしたがって、その町の名をダンと名づけた。その町の名はもとはライシであった。
18:30
そしてダンの人々は刻んだ像を自分たちのために安置し、モーセの孫すなわちゲルショムの子ヨナタンとその子孫がダンびとの部族の祭司となって、国が捕囚と
なる日にまで及んだ。
18:31
神の家がシロにあったあいだ、常に彼らはミカが造ったその刻んだ像を飾って置いた。
文
語訳1917
18:27
彼等ミカが造りし者とその有し祭司をとりてライシにおもむき平穩にして安樂なる民の所にいたり刃をもて之を撃ち火をもてその邑を燬たりしが
18:28
其シドンと隔たること遠きが上に他の人民と交際ざりしによりて之を救ふ者なかりきその邑はベテレホブの邊の谷にあり彼ら邑を建なほして其處に住み
18:29 イスラエルの生たるその先祖ダンの名にしたがひて其邑の名をダンと名けたりその邑の名は本はライシなりき
18:30
斯てダンの子孫その雕める像を安置りモーセの子なるゲルシヨムの子ヨナタンとその子孫ダンの支派の祭司となりて國の奪はるる時にまでおよべり
18:31 神の家のシロにありし間恒に彼等はミカが造りしかの雕める像を安置おきぬ
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(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
・・・・
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
・・・・
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
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