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士師記 19:1−30  

ギブアの蛮行

 

翻訳比較


フランシ スコ会訳2013
001
そのころ、イスラエルには王がいなかった。エフラ イムの山地の奥に一人のレビ人が滞在していた。彼はユダのベツレヘムから一人の女を側妻として迎え入れた。

002しかし、側妻は彼に腹を立て、そこを去ってユダの ベツレヘムの父の家に帰り、およそ四か月の間そこにいた。

003夫は、彼女が戻ってくるようにその心に語りかけよ うと、僕と一軛のろばを連れて彼女の後を追っていった。彼が側妻の父の家に到着すると、娘の父親は彼を見て喜び迎えた。

004娘の父親である舅が彼を引き留めたので、彼は舅の もとに三日間滞在し、そこで食べて飲み、泊まった。

005四日目の朝早く彼らは起きた。彼が出かけようと立 ち上がると、娘の父親は婿に言った、「パンを一切れ食べて元気をつけ、それから出かけなさい」。

006そこで彼ら二人はともに座して食べて飲んだ。娘の 父親はその人に、「さあ、もう一晩泊まってくつろぎなさい」と言った。

007その人は出かけようとして立ち上がったが、舅がし きりに勧めたので、座って、そこでまた一晩泊まった。

008五日目の朝早く、彼が起きて出かけようとすると、 娘の父親が「まず元気をつけなさい」と言った。こうして、日が傾くころまで留まり、二人は食事をした。

009その人が側妻や僕を連れて出かけようと立ち上がる と、娘の父親である舅は言った、「ご覧なさい。日が暮れ、夕方になっています。どうぞもう一晩泊まってくつろぎなさい。明朝、早 く起きて出発すれば家に帰り着くでしょう」。

010しかしその人は泊まろうとせず、立って出発し、エ ブスすなわちエルサレムの前までやって来た。鞍をつけた一軛のろば、側妻、僕が彼と一緒だった。

011彼らがエブスの近くに来たとき、日は大きく傾いて いた。僕が主人に言った、「さあ、このエブス人の町に立ち寄り、ここに一泊しましょう」。

012すると主人は彼に言った、「イスラエルの子らでは ない、異国人の町には立ち寄らない。さあ、ギブアまで行こう」。

013また僕に言った、「さあ、ギブアかラマまで行っ て、どちらかで一泊しよう」。

014彼らはさらに進んでいった。彼らがベニヤミンのギ ブアの近くに来た所で日が沈んだ。

015そこで彼らはギブアで一泊するために道をそれ、町 の広場に行って座った。しかし、彼らを家に迎えて泊めてくれる者は誰もいなかった。

016日暮れになると、一人の老人が仕事を終え、畑から 帰ってきた。この人はエフライムの山地の出身であったが、ギルボアに在留していた。この土地の人々はベニヤミン人であった。

017老人が目を上げると、町の広場に旅人が見えたの で、彼は「どちらへおいでですか。どちらからお越しですか」と声をかけた。

018旅人は老人に答えた、「わたしたちはユダのベツレ ヘムから、エフライムの山地の奥にある郷里に旅をしているところです。ユダのベツレヘムに行き、今、家に帰るところですが、わた しを家に迎えて泊めてくれる人がいません。

019ろばのための藁も飼い葉もあります。また、わたし とはしためや、わたしとともにいる僕のためのパンとぶどう酒もあり、必要な物で足りない物は何もありません」。

020すると老人は言った、「安心しなさい。あなたに必 要な物は何でもわたしに任せなさい。広場で夜を過ごすことだけはいけません」。

021こうして老人は彼を自分の家に連れていき、ろばに 餌を与えた。彼らは足を洗い、食べて飲んだ。

022彼らがくつろいでいると、何と町のならず者が家を 取り囲み、戸をたたいて「お前の家に来た男を外に出せ。われわれはあの男を知りたい」と、家の主人である老人に言った。

023家の主人は彼らの所に出ていって言った、「いけな い。兄弟たちよ、どうか悪いことをしないでくれ。あの人がわたしの家に入った後で、そんな愚かなことはしないでくれ。

024さあ、ここに処女であるわたしの娘と、あの人の側 妻がいる。彼女たちを外に出すから、彼女たちを辱め、思うようにしなさい。しかし、あの人にはそんな愚かなことをしてはいけな い」。

025しかし、人々は言うことを聞こうとしなかった。す ると、その人は自分の側妻をつかんで外にいる彼らのもとに出した。彼らは彼女を犯し、朝まで、夜通し彼女に暴行を加え、日の昇る ころになって彼女を解放した。

026明け方、彼女は帰ってきたが、自分の主人のいる家 の戸口で倒れ、明るくなってもそのままだった。

027朝、彼女の主人が起きて家の戸を開け、旅を続けよ うとして外に出ると、何と、側妻が手を敷居にかけて家の入り口に倒れていた。

028彼は「起きなさい。さあ出かけよう」と言ったが、 返事はなかった。そこでその人は彼女をろばに乗せて出発し、郷里へ向かった。

029家に着くと、彼は刃物を取り、彼女をつかんで、そ の体を十二の部分に切り分け、それをイスラエルのすべての領域に送った。

030それを見た者はみな言った、「イスラエルの子らがエジプトから上って来て 以来、今までにこのようなことは起こったことがなかったし、見たこともない。このことをしっかりと心に留め、よく考えて語れ」

 

新共同訳1987

19:1 イスラエルに王がいなかったそのころ、エフライムの山地の奥に一人のレビ人が滞在していた。彼はユダのベツレヘムから一人の女を側女として迎え入れた。

19:2 しかし、その側女は主人を裏切り、そのもとを去ってユダのベツレヘムの父の家に帰り、四か月ほどそこにいた。

19:3 夫は若者を伴い、一軛のろばを連れて出で立ち、彼女の後を追い、その心に話しかけて連れ戻そうとした。彼女が彼を父の家に入れると、娘の父は彼を見て、喜 び迎えた。

19:4 そのしゅうと、娘の父が引き止めるので、彼は三日間そこにとどまり、食べて飲み、夜を過ごした。

19:5 四日目の朝早く彼は起きて出発しようとしたが、娘の父が婿に、「パンを一切れ食べて元気をつけ、それから出かけた方がいい」と言うので、

19:6 二人は一緒に座り、食べて飲んだ。娘の父は男に、「どうか、もう一晩泊まってくつろいでください」と言った。

19:7 男は立ち上がって出発しようとしたが、しゅうとがしきりに勧めるので、また泊まることにした。

19:8 五日目も朝早く彼は出発しようとしたが、娘の父が、「元気をつけた方がいい」と言うので、二人は日の傾くころまでゆっくり食事をした。

19:9 彼が側女と若者を連れて出発しようとすると、そのしゅうと、娘の父は、「日もかげってきて、もう夕方です。もう一晩お泊まりください。日は暮れかけていま す。ここに泊まってくつろぎ、明朝早く起きて旅路につき、家に帰ることにしてはどうですか」と言った。

19:10 しかし、男は泊まろうとせず、立ち上がって出発し、エブスすなわちエルサレムを目の前にするところまで来た。彼は鞍をつけた一軛のろばと側女を連れてい た。

19:11 彼らがエブスの近くに来たとき、日は大きく傾いていた。若者は主人に、「あのエブス人の町に向かい、そこに泊まることにしてはいかがですか」と言ったが、

19:12 主人は、「イスラエルの人々ではないこの異国人の町には入るまい。ギブアまで進むことにしよう」と答えた。

19:13 更に彼は若者に、「さあ、このいずれかの場所に近づいて行き、ギブアかラマに泊まることにしよう」と言った。

19:14 彼らは旅を続け、ベニヤミン領のギブアの近くで日は没した。

19:15 彼らはギブアに入って泊まろうとして進み、町の広場に来て腰を下ろした。彼らを家に迎えて泊めてくれる者はいなかった。

19:16 夕暮れに、一人の老人が畑仕事を終えて帰って来た。この人はエフライム山地の出身であったが、ギブアに滞在していた。土地の人々はベニヤミン族であった。

19:17 老人は目を上げて、町の広場にいる旅人を見、「どちらにおいでになりますか。どちらからおいでになりましたか」と声をかけた。

19:18 彼は老人に答えた。「わたしたちは、ユダのベツレヘムからエフライム山地の奥にあるわたしの郷里まで、旅をしているところです。ユダのベツレヘムに行っ て、今、主の神殿に帰る途中ですが、わたしたちを家に迎えてくれる人がいません。

19:19 ろばのためのわらも飼い葉もありますし、わたしとこの女、あなたの僕の連れている若者のためのパンもぶどう酒もあります。必要なものはすべてそろっていま す。」

19:20 老人は、「安心しなさい。あなたが必要とするものはわたしにまかせなさい。広場で夜を過ごしてはいけません」と言って、

19:21 彼らを自分の家に入れ、ろばに餌を与えた。彼らは足を洗い、食べて飲んだ。

19:22 彼らがくつろいでいると、町のならず者が家を囲み、戸をたたいて、家の主人である老人にこう言った。「お前の家に来た男を出せ。我々はその男を知りた い。」

19:23 家の主人は彼らのところに出て行って言った。「兄弟たちよ、それはいけない。悪いことをしないでください。この人がわたしの家に入った後で、そのような非 道なふるまいは許されない。

19:24 ここに処女であるわたしの娘と、あの人の側女がいる。この二人を連れ出すから、辱め、思いどおりにするがよい。だがあの人には非道なふるまいをしてはなら ない。」

19:25 しかし、人々は彼に耳を貸そうとしなかった。男が側女をつかんで、外にいる人々のところへ押し出すと、彼らは彼女を知り、一晩中朝になるまでもてあそび、 朝の光が射すころようやく彼女を放した。

19:26 朝になるころ、女は主人のいる家の入り口までたどりつき、明るくなるまでそこに倒れていた。

19:27 彼女の主人が朝起きて、旅を続けようと戸を開け、外に出て見ると、自分の側女が家の入り口で手を敷居にかけて倒れていたので、

19:28 「起きなさい。出かけよう」と言った。しかし、答えはなかった。彼は彼女をろばに乗せ、自分の郷里に向かって旅立った。

19:29 家に着くと、彼は刃物をとって側女をつかみ、その体を十二の部分に切り離し、イスラエルの全土に送りつけた。

19:30 これを見た者は皆言った。「イスラエルの人々がエジプトの地から上って来た日から今日に至るまで、このようなことは決して起こらず、目にしたこともなかっ た。このことを心に留め、よく考えて語れ。」

 

新改訳1970

19:1 イスラエルに王がなかった時代のこと、ひとりのレビ人が、エフライムの山地の奥に滞在していた。この人は、そばめとして、ユダのベツレヘムからひとりの女 をめとった。

19:2 ところが、そのそばめは彼をきらって、彼のところを去り、ユダのベツレヘムの自分の父の家に行き、そこに四か月の間いた。

19:3 そこで、彼女の夫は、ねんごろに話をして彼女を引き戻すために、若い者と一くびきのろばを連れ、彼女のあとを追って出かけた。彼女が夫を自分の父の家に連 れてはいったとき、娘の父は彼を見て、喜んで迎えた。

19:4 娘の父であるしゅうとが引き止めたので、彼は、しゅうとといっしょに三日間とどまった。こうして、彼らは食べたり飲んだりして、夜を過ごした。

19:5 四日目になって朝早く、彼は出かけようとして立ち上がった。すると、娘の父は婿に言った。「少し食事をして元気をつけ、そのあとで出かけなさい。」

19:6 それで、彼らふたりは、すわって共に食べたり飲んだりした。娘の父はその人に言った。「どうぞ、もう一晩泊まることにして、楽しみなさい。」

19:7 その人が出かけようとして立ち上がると、しゅうとが彼にしきりに勧めたので、彼はまたそこに泊まって一夜を明かした。

19:8 五日目の朝早く、彼が出かけようとすると、娘の父は言った。「どうぞ、元気をつけて、日が傾くまで、ゆっくりしていなさい。」そこで、彼らふたりは食事を した。

19:9 それから、その人が自分のそばめと、若い者を連れて、出かけようとすると、娘の父であるしゅうとは彼に言った。「ご覧なさい。もう日が暮れかかっていま す。どうぞ、もう一晩お泊まりなさい。もう日も傾いています。ここに泊まって、楽しみなさい。あすの朝早く旅立って、家に帰ればいい でしょう。」

19:10 その人は泊まりたくなかったので、立ち上がって出て行き、エブスすなわちエルサレムの向かい側にやって来た。鞍をつけた一くびきのろばと彼のそばめとが、 いっしょだった。

19:11 彼らがエブスの近くに来たとき、日は非常に低くなっていた。それで、若い者は主人に言った。「さあ、このエブス人の町に寄り道して、そこで一夜を明かしま しょう。」

19:12 すると、彼の主人は言った。「私たちは、イスラエル人ではない外国人の町には立ち寄らない。さあ、ギブアまで進もう。」

19:13 それから、彼は若い者に言った。「さあ、ギブアかラマのどちらかの地に着いて、そこで一夜を明かそう。」

19:14 こうして、彼らは進んで行った。彼らがベニヤミンに属するギブアの近くに来たとき、日は沈んだ。

19:15 彼らはギブアに行って泊まろうとして、そこに立ち寄り、町にはいって行って、広場にすわった。だれも彼らを迎えて家に泊めてくれる者がいなかったからであ る。

19:16 そこへ、夕暮れになって野ら仕事から帰ったひとりの老人がやって来た。この人はエフライムの山地の人で、ギブアに滞在していた。この土地の者たちはベニヤ ミン族であった。

19:17 目を上げて、町の広場にいる旅人を見たとき、この老人は、「どちらへおいでですか。どちらからおいでになったのですか。」と尋ねた。

19:18 そこで、その人は彼に言った。「私たちは、ユダのベツレヘムから、エフライムの山地の奥まで旅を続けているのです。私はその奥地の者です。ユダのベツレヘ ムまで行って来ました。今、主の宮へ帰る途中ですが、だれも私を家に迎えてくれる者がありません。

19:19 私たちのろばのためには、わらも飼葉もあり、また、私と、妻と、私たちといっしょにいる若い者とのためにはパンも酒もあります。足りないものは何もありま せん。」

19:20 すると、この老人は言った。「安心なさい。ただ、足りないものはみな、私に任せて。ただ広場では夜を過ごさないでください。」

19:21 こうして彼は、この人を自分の家に連れて行き、ろばに、まぐさをやった。彼らは足を洗って、食べたり飲んだりした。

19:22 彼らが楽しんでいると、町の者で、よこしまな者たちが、その家を取り囲んで、戸をたたき続けた。そして彼らは、その家の主人である老人に言った。「あなた の家に来たあの男を引き出せ。あの男を知りたい。」

19:23 そこで、家の主人であるその人は彼らのところに出て行って言った。「いけない。兄弟たちよ。どうか悪いことはしないでくれ。この人が私の家にはいって後 に、そんな恥ずべきことはしないでくれ。

19:24 ここに処女の私の娘と、あの人のそばめがいる。今、ふたりを連れ出すから、彼らをはずかしめて、あなたがたの好きなようにしなさい。あの人には、そのよう な恥ずべきことはしないでくれ。」

19:25 しかし、人々は彼に聞こうとしなかった。そこで、その人は自分のそばめをつかんで、外の彼らのところへ出した。すると、彼らは彼女を犯して、夜通し、朝ま で暴行を加え、夜が明けかかるころ彼女を放した。

19:26 夜明け前に、その女は自分の主人のいるその人の家の戸口に来て倒れ、明るくなるまでそこにいた。

19:27 その女の主人は、朝になって起き、家の戸を開いて、旅に出ようとして外に出た。見ると、そこに自分のそばめであるその女が、手を敷居にかけて、家の入口に 倒れていた。

19:28 それで、彼はその女に、「立ちなさい。行こう。」と言ったが、何の返事もなかった。それで、その人は彼女をろばに乗せ、立って自分の所へ向かって行った。

19:29 彼は自分の家に着くと、刀を取り、自分のそばめをつかんで、その死体を十二の部分に切り分けて、イスラエルの国中に送った。

19:30 それを見た者はみな言った。「イスラエル人がエジプトの地から上って来た日から今日まで、こんなことは起こったこともなければ、見たこともない。このこと をよく考えて、相談をし、意見を述べよ。」

 

口語訳1955

19:1 そのころ、イスラエルに王がなかった時、エフライムの山地の奥にひとりのレビびとが寄留していた。彼はユダのベツレヘムからひとりの女を迎えて、めかけと していたが、

19:2 そのめかけは怒って、彼のところを去り、ユダのベツレヘムの父の家に帰って、そこに四か月ばかり過ごした。

19:3 そこで夫は彼女をなだめて連れ帰ろうと、しもべと二頭のろばを従え、立って彼女のあとを追って行った。彼が女の父の家に着いた時、娘の父は彼を見て、喜ん で迎えた。

19:4 娘の父であるしゅうとが引き留めたので、彼は三日共におり、みな飲み食いしてそこに宿った。

19:5 四日目に彼らは朝はやく起き、彼が立ち去ろうとしたので、娘の父は婿に言った、「少し食事をして元気をつけ、それから出かけなさい」。

19:6 そこでふたりは座して共に飲み食いしたが、娘の父はその人に言った、「どうぞもう一晩泊まって楽しく過ごしなさい」。

19:7 その人は立って去ろうとしたが、しゅうとがしいたので、ついにまたそこに宿った。

19:8 五日目になって、朝はやく起きて去ろうとしたが、娘の父は言った、「どうぞ、元気をつけて、日が傾くまでとどまりなさい」。そこで彼らふたりは食事をし た。

19:9 その人がついにめかけおよびしもべと共に去ろうとして立ちあがったとき、娘の父であるしゅうとは彼に言った、「日も暮れようとしている。どうぞもう一晩泊 まりなさい。日は傾いた。ここに宿って楽しく過ごしなさい。そしてあしたの朝はやく起きて出立し、家に帰りなさい」。

19:10 しかし、その人は泊まることを好まないので、立って去り、エブスすなわちエルサレムの向かいに着いた。くらをおいた二頭のろばと彼のめかけも一緒であっ た。

19:11 彼らがエブスに近づいたとき、日はすでに没したので、しもべは主人に言った、「さあ、われわれは道を転じてエブスびとのこの町にはいって、そこに宿りま しょう」。

19:12 主人は彼に言った、「われわれは道を転じて、イスラエルの人々の町でない外国人の町に、はいってはならない。ギベアまで行こう」。

19:13 彼はまたしもべに言った、「さあ、われわれはギベアかラマか、そのうちの一つに着いてそこに宿ろう」。

19:14 彼らは進んで行ったが、ベニヤミンに属するギベアの近くで日が暮れたので、

19:15 ギベアへ行って宿ろうと、そこに道を転じ、町にはいって、その広場に座した。だれも彼らを家に迎えて泊めてくれる者がなかったからである。

19:16 時にひとりの老人が夕暮に畑の仕事から帰ってきた。この人はエフライムの山地の者で、ギベアに寄留していたのである。ただしこの所の人々はベニヤミンびと であった。

19:17 彼は目をあげて、町の広場に旅人のおるのを見た。老人は言った、「あなたはどこへ行かれるのですか。どこからおいでになりましたか」。

19:18 その人は言った、「われわれはユダのベツレヘムから、エフライムの山地の奥へ行くものです。わたしはあそこの者で、ユダのベツレヘムへ行き、今わたしの家 に帰るところですが、だれもわたしを家に泊めてくれる者がありません。

19:19 われわれには、ろばのわらも飼葉もあり、またわたしと、はしためと、しもべと共にいる若者との食物も酒もあって、何も欠けているものはありません」。

19:20 老人は言った、「安心しなさい。あなたの必要なものはなんでも備えましょう。ただ広場で夜を過ごしてはなりません」。

19:21 そして彼を家に連れていって、ろばに飼葉を与えた。彼らは足を洗って飲み食いした。

19:22 彼らが楽しく過ごしていた時、町の人々の悪い者どもがその家を取り囲み、戸を打ちたたいて、家のあるじである老人に言った、「あなたの家にきた人を出しな さい。われわれはその者を知るであろう」。

19:23 しかし家のあるじは彼らのところに出ていって言った、「いいえ、兄弟たちよ、どうぞ、そんな悪いことをしないでください。この人はすでにわたしの家には いったのだから、そんなつまらない事をしないでください。

19:24 ここに処女であるわたしの娘と、この人のめかけがいます。今それを出しますから、それをはずかしめ、あなたがたの好きなようにしなさい。しかしこの人には そのようなつまらない事をしないでください」。

19:25 しかし人々が聞きいれなかったので、その人は自分のめかけをとって彼らのところに出した。彼らはその女を犯して朝まで終夜はずかしめ、日ののぼるころに なって放し帰らせた。

19:26 朝になって女は自分の主人を宿してくれた人の家の戸口にきて倒れ伏し、夜のあけるまでに及んだ。

19:27 彼女の主人は朝起きて家の戸を開き、出て旅立とうとすると、そのめかけである女が家の戸口に、手を敷居にかけて倒れていた。

19:28 彼は女に向かって、「起きよ、行こう」と言ったけれども、なんの答もなかった。そこでその人は女をろばに乗せ、立って自分の家におもむいたが、

19:29 その家に着いたとき、刀を執り、めかけを捕えて、そのからだを十二切れに断ち切り、それをイスラエルの全領域にあまねく送った。

19:30 それを見たものはみな言った、「イスラエルの人々がエジプトの地から上ってきた日から今日まで、このような事は起ったこともなく、また見たこともない。こ の事をよく考え、協議して言うことを決めよ」。

 

文 語訳1917
19:1 其頃イスラエルに王なかりし時にあたりてエフライムの山の奧に一人のレビ人寄寓をりベテレヘムユダより一人の婦人をとりて妾となしたるに
19:2 その妾彼に背きて姦淫を爲し去てベテレヘムユダなるその父の家にかへり其所に四月といふ日をおくれり
19:3 是に於てその夫彼をなだめて携かへらんとてその僕と二頭の驢馬をしたがへ起てかれの後をしたひゆきければその父の家に之を導きいたりしに女の父これを見て 之に遇ことを悦こべり
19:4 而してその女の父なる外舅彼をひきとめたれば則ち三日これと共に居り皆食飮して其所に宿りしが
19:5 四日におよびて朝早く起あがり彼たちて去んとしければ女の父その婿に言ふ少許の食物をもて汝の心を強くして然る後に去れよと
19:6 二人すなはち坐りて共に食飮しけるが女の父その人にいひけるは請ふ幸に今一夜を明し汝の心を樂ましめよと
19:7 其人起て去んとしけるに外舅これを強たれば遂に復其所に宿り
19:8 五日におよびて朝はやく起いでて去んとしたるに女の父これに言けるは請ふ汝の心を強くせよと是をもて日の昃るまでとどまりて共に食をなしけるが
19:9 其人つひに妾および僕とともに去んとて起あがりければ女の父彼に言ふ視よ今は日暮なんとす請ふ今一夜を明されよ視よ日昃たり汝此にやどりて汝の心をたのし ませ明日蚤く起て出たち汝の家にいたれよと
19:10 然るに其人止宿ることを肯はずして起て去りヱブスの對面に至れり是はエルサレムなり鞍おける二の驢馬彼とともにあり妾も彼とともなりき
19:11 彼らヱブスの近傍にをる時日はや沒んとしければ僕その主人にいひけるは請ふ來れ我等身をめぐらしてヱブス人の此邑にいりて其所に宿らんと
19:12 その主人これに言けるは我等は彼所に身をめぐらしてイスラエルの子孫の邑ならざる外國の人の邑にいるべからずギベアに進みゆかんと
19:13 すなはちその僕にいひけるは來れ我らギベアかラマか是等の處の一に就て止宿んと
19:14 皆すすみ往きけるがベニヤミンのギベアの近邊にて日暮たれば
19:15 ギベアにゆきて宿らんとて其所に身をめぐらし入て邑の衢に坐しけるに誰も彼を家に接て宿らしむる者なかりき
19:16 時に一人の老人日暮に田野の働作をやめて歸りきたる此人はエフライム山の者にしてギベアに寄寓れるなり但し此處の人はベニヤミン人なり
19:17 彼目をあげて旅人の邑の衢にをるを見たり老人すなはちいひけるは汝は何所にゆくなるや何所より來れるやと
19:18 その人これにいひけるは我らはベテレヘムユダよりエフライム山の奧におもむく者なり我は彼所の者にて?にベテレヘムユダにゆき今ヱホバの室に詣らんとする なるが誰もわれを家に接ものあらず
19:19 然ど驢馬の藁も飼蒭もあり又我と汝の婢および僕等とともなる少者の用ふべき食物も酒も在て何も事缺るところなし
19:20 老人いひけるは願くは汝安かれ汝が需むる者は我そなへん唯衢に宿るなかれと
19:21 かれをその家に携れ驢馬に飼ふ彼らすなはち足をあらひて食飮せしが
19:22 その心を樂ませをる時にあたりて邑の人々の邪なる者その家をとりかこみ戸を打たたきて家の主人なる老人に言ふ汝の家にきたれる人をひき出せ我らこれを犯さ んと
19:23 是に於て家の主人なる人かれらの所にいでゆきてこれに言けるは否わが兄弟よ惡をなす勿れ此人すでにわが家にいりたればこの愚なる事をなすなかれ
19:24 我が處女なる女と此人の妾とあるにより我これを今つれいだすべければ汝らかれらを辱しめ汝等の好むところをこれに爲せ唯この人には斯る愚なる事を爲すなか れと
19:25 然るにその人々これを聽いれざるにより其人その妾をとりてこれを彼らの所にいだしやりければすなはちこれを犯して朝にいたるまで終夜これを辱しめ日のいづ る頃にいたりて釋てり
19:26 是をもて婦黎明にきたりてその夫のをる彼人の家の門に仆れ夜のあくるまで其處に臥をる
19:27 その主朝におよびておきいで家の戸をひらきて出去んとせしがその妾の婦の家の門にたふれをりて手を閾の上におくを見ければ
19:28 これにむかひ起よ我ら出往んと言たれども何の答もあらざりき是によりてその人これを驢馬にのせたちて己の所におもむきしが
19:29 家にいたるにおよびて刀をとり其妾を執へて骨ぐるみこれを十二分にたちわりて之をイスラエルの四方の境におくりければ
19:30 之を見る者皆いふイスラエルの子孫がエジプトの地より出のぼりし日より今日にいたるまで斯のごとき事は行はれしことなく見えしことなし思をめぐらし相議り て言ふことをせよ



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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳 マタ 25:43

25:43 旅人であったときに宿を貸さず、裸であったときに着せず、また病気のときや、獄にいたときに、わたしを尋ねてくれなかったからであ る』。

 

口 語訳 ヨハ 13:5

13:5 それから水をたらいに入れて、弟子たちの足を洗い、腰に巻いた手ぬぐいでふき始められた。

 

口 語訳 ロマ 1:26-27

1:26 それゆえ、神は彼らを恥ずべき情欲に任せられた。すなわち、彼らの中の女は、その自然の関係を不自然なものに代え、

1:27 男もまた同じように女との自然の関係を捨てて、互にその情欲の炎を燃やし、男は男に対して恥ずべきことをなし、そしてその乱行の当然 の報いを、身に受けたのである。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口 語訳 Uコリ6:15

6:15 キリストとベリアルとなんの調和があるか。信仰と不信仰となんの関係があるか。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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