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ヨブ記 32:1−33:33 

エリフの弁論(一)

 

翻訳比較



フランシスコ会訳2013
ヨブ記32

フランシスコ訳聖書 Job <32>章 聖書本文

◆エリフの弁論(321-3724

001さて、この三人の者たちはヨブ に答えるのをやめた。ヨブが自分を正しい者と思い続けていたからである。

002そこで、ラム族のブズ人バラク エルの子エリフは怒りに燃えた。ヨブが自分を神よりも正しいと思い続けているので、彼は怒りに燃えた。

003彼はまた、ヨブの三人の友人に 対しても怒りを燃やした。彼らがヨブに答えるすべを知らず、神を罪ある者としたからである。

004ところが、エリフは彼らが自分 よりも年長者であったので、ヨブに話しかけるのを差し控えていた。

005そこでエリフは、これら三人が 口にする答えを何も持っていないのを見て、怒りに燃えた。

◆エリフの弁論(一)

006ブズ人バラクエルの子エリフは 話し始めた、

◆知恵と若さ

「わたしは年若く、

あなた方は、遥かに年上です。

そこでわたしは遠慮し、恐れて、

あなた方にわたしの意見を述べませんでした。

007わたしは、『日数の多い人が語 り、

年数の多い人が知恵を教える』と思っていました。

008しかし、人のうちには霊があっ て、

全能者の息吹が人に悟りを与えます。

009年老いた人が賢いとは限らず、

年長者が公正を弁えているとは限りません。

010それ故、わたしは言います、

『わたしに耳を傾けてください。

わたしもまた、わたしの意見を述べましょう』。

011わたしは今まで、あなた方の言 葉を待ち、

あなた方の理論に耳を傾けました。

あなた方が適当な言葉を見つけ出すまで、

012わたしは、あなた方に目を注い でいました。

しかし、ヨブを言い負かし、

あなた方のうちで、彼の言葉に反論できた方は、

一人もおられませんでした。

013あなた方は、『われわれは知恵 を見出した。

彼を言い負かすのは神だけで、

人間ではない』と言ってはなりません。

014ヨブはわたしに向かって議論し ませんでした。

わたしは、あなた方のような論法で、

彼に答えることはしません。

015彼らはあきれ果てて、もはや答 えようとせず、

言うべき言葉を失ってしまった。

016彼らが一言も言えず詰まってし まって、

何も答えられないからといって、

わたしは待つべきでしょうか。

017わたしも、わたしの言い分を述 べ、

また、わたしの意見を言わせてもらいましょう。

018わたしには、言いたいことがた くさんあります。

わたしのうちの霊が、わたしを促すからです。

019今、わたしの内部は

吐け口のないぶどう酒のようであり、

張り裂けようとしている新しいぶどう酒の

革袋のようです。

020わたしは語って憂さを晴らした い。

わたしは唇を開いて答えたい。

021どうか、わたしが誰かに取り入 ろうとせず、

また、何人にもへつらわないように。

022わたしはへつらうことを知りま せん。

さもないと、わたしの造り主は

ただちにわたしを滅ぼされるでしょう」。

 

ヨブ記33

フランシスコ訳聖書 Job <33>章 聖書本文

◆神の霊

001「そこでヨブよ、今、わたしの 話を聞き、

わたしのすべての言葉に耳を傾けてください。

002さあ、わたしは口を開き、

わたしの言葉は口先まで出ています。

003わたしの言葉は、わたしの正直 な心から出、

わたしの唇は真心をこめて知識を語ります。

004神の霊がわたしを造り、

全能者の息吹がわたしに命を与えました。

005もし、あなたにできるなら、

わたしに答えてください。

用意をして、わたしの前に立ってください。

006神にとって、わたしはあなたと 同じであり、

わたしも土で造られたものにすぎません。

007わたしの脅しは、あなたを脅か すことがなく、

わたしの手も、あなたの重荷にはなりません。

008だが、確かにあなたの言ったこ とを、

わたしは耳にしました。

わたしはあなたの言葉そのものを聞きました。

009『わたしは清く咎はない。

わたしは汚れなく、罪はない。

010しかし、神はわたしを責める口 実をもうけ、

わたしを敵とみなし、

011枷をわたしの足にはめ、

わたしの歩む道をことごとく見張られる』と。

012これについてあなたは正しくな い、

とわたしは言います。

神は人間より大いなる方だからです。

013あなたは、なぜ、神と言い争う のですか、

神が一言もあなたの言葉に

答えてくださらないからといって」。

◆神の沈黙

014「神はある方法で語り、

また、別の方法で語られますが、

人はそれを悟りません。

015夢の中で、夜の幻の中で、

人々が深い眠りに落ちるとき、

寝床の上でまどろむとき、

016神は人々の耳を開き、

恐ろしい姿で、彼らを脅かされるのです。

017これは人が悪から離れ、

人が高慢を除き、

018その魂を穴から救い、

その命を死の川から救うためです。

019神はまた、人を寝床の上で苦し みをもって懲らし、

その骨をやむことのない痛みで懲らしめられます。

020その命はパンをいとい、

その魂は美味な食べ物すらいといます。

021その肉はやせ衰えて見るに堪え ず、

見えなかった骨までも露わになり、

022その魂は穴に近づき、

その命は陰府に近づきます。

023もし、ひとりのみ使いが彼の側 につき、

千人中ただひとりの仲立ちとして、

その正しいことを人に告げるなら、

024神はその人を憐れんで仰せにな ります、

『彼を贖い、穴に落とすな。

わたしは彼のために身代金を得た』と。

025すると、その肉は幼子よりも、 みずみずしくなり、

若いころの日々に返ります。

026彼は神に祈り、その恵みを受 け、

歓喜してみ顔を仰ぎ、

人々にその救いを告げ知らせます。

027彼は人々の前で歌って言いま す、

『わたしは罪を犯し、正しいことを曲げた。

しかし、神はわたしの罪に報復なさらなかった。

028神はわたしの魂を

穴に落ちる羽目から救ってくださった。

それでわたしの命は光を仰ぎ見る』と。

029神はこれらすべてのことをなさ います。

人のために二度も三度も。

030そして、その魂を穴から引き戻 されます。

命の光で人を照らすためです。

031ヨブよ、耳を傾けてわたしの言 うことを

聞いてください。

黙って、わたしに語らせてください。

032言いたいことがあるなら、わた しに答えてください。

話してください。

わたしはあなたの正しさを示したいのです。

033そうでなければ、

注意してわたしの言うことを聞いてください。

黙っていてください。

わたしはあなたに知恵を教えて差し上げましょう」。



 

新共同訳1987

32:1 ここで、この三人はヨブに答えるのをやめた。ヨブが自分は正しいと確信していたからである。

32:2 さて、エリフは怒った。この人はブズ出身でラム族のバラクエルの子である。ヨブが神よりも自分の方が正しいと主張するので、彼は怒った。

32:3 また、ヨブの三人の友人が、ヨブに罪のあることを示す適切な反論を見いだせなかったので、彼らに対しても怒った。

32:4 彼らが皆、年長だったので、エリフはヨブに話しかけるのを控えていたが、

32:5 この三人の口から何の反論も出ないのを見たので怒ったのである。

32:6 ブズ人バラクエルの子、エリフは言った。わたしは若く/あなたたちは年をとっておられる。だからわたしは遠慮し/わたしの意見をあえて言わなかった。

32:7 日数がものを言い/年数が知恵を授けると思っていた。

32:8 しかし、人の中には霊があり/悟りを与えるのは全能者の息吹なのだ。

32:9 日を重ねれば賢くなるというのではなく/老人になればふさわしい分別ができるのでもない。

32:10 それゆえ、わたしの言うことも聞いてほしい。わたしの意見を述べてみたいと思う。

32:11 わたしはあなたたちの言葉を待ち/その考えに耳を傾け/言葉を尽くして論じるのを聞き

32:12 その論拠を理解しようとした。だが、あなたたちの中にはヨブを言い伏せ/彼の言葉に反論しうる者がない。

32:13 「いい知恵がある。彼を負かすのは神であって人ではないと言おう」などと考えるべきではない。

32:14 ヨブはわたしに対して議論したのではないが/わたしはあなたたちのような論法で/答えようとは思わない。

32:15 彼らは気を挫かれて、答えようとせず/言うべき言葉を失っている。

32:16 わたしは待ったが、彼らは語らず/行き詰まり、もう答えようとしない。

32:17 それならわたしが/自分の言い分を述べさせてもらおう。わたしの意見を言わせてもらおう。

32:18 言いたいことはたくさんある。腹の内で霊がわたしを駆り立てている。

32:19 見よ、わたしの腹は封じられたぶどう酒の袋/新しい酒で張り裂けんばかりの革袋のようだ。

32:20 わたしも話して、気持を静めたい。唇を開いて、答えたい。

32:21 いや、わたしはだれの顔を立てようともしない。人間にへつらうことはしたくない。

32:22 気づかずにへつらうようなことを言ったら/どうか造り主が/直ちにわたしを退けてくださるように。

33:1 さてヨブよ、わたしの言葉を聞き/わたしの言うことによく耳を傾けよ。

33:2 見よ、わたしは口を開き/舌は口の中で動き始める。

33:3 わたしの言葉はわたしの心を率直に表し/唇は知っていることをはっきりと語る。

33:4 神の霊がわたしを造り/全能者の息吹がわたしに命を与えたのだ。

33:5 答えられるなら、答えてみよ。備えをして、わたしの前に立て。

33:6 神の前では、わたしもあなたと同じように/土から取られたひとかけらのものにすぎない。

33:7 見よ、わたしには脅かすような威力はない。あなたを押さえつけようとしているのではない。

33:8 あなたが話すのはわたしの耳に入り/声も言葉もわたしは聞いた。

33:9 「わたしは潔白で、罪を犯していない。わたしは清く、とがめられる理由はない。

33:10 それでも神はわたしに対する不満を見いだし/わたしを敵視される。

33:11 わたしに足枷をはめ/行く道を見張っておられる。」

33:12 ここにあなたの過ちがある、と言おう。神は人間よりも強くいます。

33:13 なぜ、あなたは神と争おうとするのか。神はそのなさることを/いちいち説明されない。

33:14 神は一つのことによって語られ/また、二つのことによって語られるが/人はそれに気がつかない。

33:15 人が深い眠りに包まれ、横たわって眠ると/夢の中で、夜の幻の中で

33:16 神は人の耳を開き/懲らしめの言葉を封じ込められる。

33:17 人が行いを改め、誇りを抑え

33:18 こうして、その魂が滅亡を免れ/命が死の川を渡らずに済むようにされる。

33:19 苦痛に責められて横たわる人があるとする。骨のうずきは絶えることなく

33:20 命はパンをいとい/魂は好みの食べ物をすらいとう。

33:21 肉は消耗して見えなくなり/見えなかった骨は姿を現し

33:22 魂は滅亡に/命はそれを奪うものに近づいてゆく。

33:23 千人に一人でもこの人のために執り成し/その正しさを示すために/遣わされる御使いがあり

33:24 彼を憐れんで/「この人を免除し、滅亡に落とさないでください。代償を見つけて来ました」と言ってくれるなら

33:25 彼の肉は新しくされて/若者よりも健やかになり/再び若いときのようになるであろう。

33:26 彼は神に祈って受け入れられ/歓びの叫びの内に御顔を仰ぎ/再び神はこの人を正しいと認められるであろう。

33:27 彼は人々の前でたたえて歌うであろう。「わたしは罪を犯し/正しいことを曲げた。それはわたしのなすべきことではなかった。

33:28 しかし神はわたしの魂を滅亡から救い出された。わたしは命を得て光を仰ぐ」と。

33:29 まことに神はこのようになさる。人間のために、二度でも三度でも。

33:30 その魂を滅亡から呼び戻し/命の光に輝かせてくださる。

33:31 ヨブよ、耳を傾けて/わたしの言うことを聞け。沈黙せよ、わたしに語らせよ。

33:32 わたしに答えて言うことがあるなら、語れ。正しい主張を聞くのがわたしの望みだ。

33:33 言うことがなければ、耳を傾けよ。沈黙せよ、わたしがあなたに知恵を示そう。

 

新改訳1970

32:1 この三人の者はヨブに答えるのをやめた。それはヨブが自分は正しいと思っていたからである。

32:2 すると、ラム族のブズ人、バラクエルの子エリフが怒りを燃やした。彼がヨブに向かって怒りを燃やしたのは、ヨブが神よりもむしろ自分自身を義としたからで ある。

32:3 彼はまた、その三人の友に向かっても怒りを燃やした。彼らがヨブを罪ある者としながら、言い返すことができなかったからである。

32:4 エリフはヨブに語りかけようと待っていた。彼らが自分よりも年長だったからである。

32:5 しかし、エリフは三人の者の口に答えがないのを見て、怒りを燃やした。

32:6 ブズ人、バラクエルの子エリフは答えて言った。私は若く、あなたがたは年寄りだ。だから、わきに控えて、遠慮し、あなたがたに私の意見を述べなかった。

32:7 私は思った。「日を重ねた者が語り、年の多い者が知恵を教える。」と。

32:8 しかし、人の中には確かに霊がある。全能者の息が人に悟りを与える。

32:9 年長者が知恵深いわけではない。老人が道理をわきまえるわけでもない。

32:10 だから、私は言う。「私の言うことを聞いてくれ。私も、また私の意見を述べよう。」

32:11 今まで私はあなたがたの言うことに期待し、あなたがたの言い分を調べ上げるまで、あなたがたの意見に耳を傾けていた。

32:12 私はあなたがたに注意を払っていたのに、ヨブに罪を認めさせる者はなく、あなたがたのうちで彼のことばに答える者もいない。

32:13 だが、おそらくあなたがたは言おう。「私たちは知恵を見いだした。人ではなく、神が彼を吹き払った。」と。

32:14 彼はまだ私に向かってことばを並べたててはいない。私はあなたがたのような言い方では彼に答えまい。

32:15 彼らはあきれて、もう答えない。彼らの言うことばもなくなった。

32:16 彼らが語らず、そのままじっと答えないからといって、私は待っていなければならないだろうか。

32:17 私は私で自分の言い分を言い返し、私の意見を述べてみよう。

32:18 私にはことばがあふれており、一つの霊が私を圧迫している。私の腹を。

32:19 今、私の腹は抜け口のないぶどう酒のようだ。新しいぶどう酒の皮袋のように、今にも張り裂けようとしている。

32:20 私は語って、気分を晴らしたい。くちびるを開いて答えたい。

32:21 私はだれをもひいきしない。どんな人にもへつらわない。

32:22 へつらうことを知らないから。そうでなければ、私を造った方は今すぐ、私を奪い去ろう。

33:1 そこでヨブよ。どうか、私の言い分を聞いてほしい。私のすべてのことばに耳を傾けてほしい。

33:2 さあ、私は口を開き、私の舌はこの口の中で語ろう。

33:3 私の言うことは真心からだ。私のくちびるは、きよく知識を語る。

33:4 神の霊が私を造り、全能者の息が私にいのちを与える。

33:5 あなたにできれば、私に返事をし、ことばを並べたて、私の前に立ってみよ。

33:6 実に、神にとって、私はあなたと同様だ。私もまた粘土で形造られた。

33:7 見よ。私のおどしも、あなたをおびえさせない。私が強く圧しても、あなたには重くない。

33:8 確かにあなたは、この耳に言った。私はあなたの話す声を聞いた。

33:9 「私はきよく、そむきの罪を犯さなかった。私は純潔で、よこしまなことがない。

33:10 それなのに、神は私を攻める口実を見つけ、私を敵のようにみなされる。

33:11 神は私の足にかせをはめ、私の歩みをことごとく見張る。」

33:12 聞け。私はあなたに答える。このことであなたは正しくない。神は人よりも偉大だからである。

33:13 なぜ、あなたは神と言い争うのか。自分のことばに神がいちいち答えてくださらないといって。

33:14 神はある方法で語られ、また、ほかの方法で語られるが、人はそれに気づかない。

33:15 夜の幻と、夢の中で、または深い眠りが人々を襲うとき、あるいは寝床の上でまどろむとき、

33:16 そのとき、神はその人たちの耳を開き、このような恐ろしいかたちで彼らをおびえさせ、

33:17 人にその悪いわざを取り除かせ、人間から高ぶりを離れさせる。

33:18 神は人のたましいが、よみの穴に、はいらないようにし、そのいのちが槍で滅びないようにされる。

33:19 あるいは、人を床の上で痛みによって責め、その骨の多くをしびれさせる。

33:20 彼のいのちは食物をいとい、そのたましいはうまい物をいとう。

33:21 その肉は衰え果てて見えなくなり、見えなかった骨があらわになる。

33:22 そのたましいはよみの穴に近づき、そのいのちは殺す者たちに近づく。

33:23 もし彼のそばに、ひとりの御使い、すなわち千人にひとりの代言者がおり、それが人に代わってその正しさを告げてくれるなら、

33:24 神は彼をあわれんで仰せられる。「彼を救って、よみの穴に下って行かないようにせよ。わたしは身代金を得た。」

33:25 彼の肉は幼子のように、まるまる太り、彼は青年のころに返る。

33:26 彼が神に祈ると、彼は受け入れられる。彼は喜びをもって御顔を見、神はその人に彼の義を報いてくださる。

33:27 彼は人々を見つめて言う。「私は罪を犯し、正しい事を曲げた。しかし、神は私のようではなかった。

33:28 神は私のたましいを贖ってよみの穴に下らせず、私のいのちは光を見る。」と。

33:29 見よ。神はこれらすべてのことを、二度も三度も人に行なわれ、

33:30 人のたましいをよみの穴から引き戻し、いのちの光で照らされる。

33:31 耳を貸せ。ヨブ。私に聞け。黙れ。私が語ろう。

33:32 もし、言い分があるならば、私に言い返せ。言ってみよ。あなたの正しいことを示してほしいからだ。

33:33 そうでなければ私に聞け。黙れ。あなたに知恵を教えよう。

 

口語訳1955

32:1 このようにヨブが自分の正しいことを主張したので、これら三人の者はヨブに答えるのをやめた。

32:2 その時ラム族のブズびとバラケルの子エリフは怒りを起した。すなわちヨブが神よりも自分の正しいことを主張するので、彼はヨブに向かって怒りを起した。

32:3 またヨブの三人の友がヨブを罪ありとしながら、答える言葉がなかったので、エリフは彼らにむかっても怒りを起した。

32:4 エリフは彼らが皆、自分よりも年長者であったので、ヨブに物言うことをひかえて待っていたが、

32:5 ここにエリフは三人の口に答える言葉のないのを見て怒りを起した。

32:6 ブズびとバラケルの子エリフは答えて言った、/「わたしは年若く、あなたがたは年老いている。それゆえ、わたしははばかって、/わたしの意見を述べること をあえてしなかった。

32:7 わたしは思った、『日を重ねた者が語るべきだ、/年を積んだ者が知恵を教えるべきだ』と。

32:8 しかし人のうちには霊があり、/全能者の息が人に悟りを与える。

32:9 老いた者、必ずしも知恵があるのではなく、/年とった者、必ずしも道理をわきまえるのではない。

32:10 ゆえにわたしは言う、『わたしに聞け、/わたしもまたわが意見を述べよう』。

32:11 見よ、わたしはあなたがたの言葉に期待し、/その知恵ある言葉に耳を傾け、/あなたがたが言うべき言葉を捜し出すのを/待っていた。

32:12 わたしはあなたがたに心をとめたが、/あなたがたのうちにヨブを言いふせる者は/ひとりもなく、/また彼の言葉に答える者はひとりもなかった。

32:13 おそらくあなたがたは言うだろう、/『われわれは知恵を見いだした、/彼に勝つことのできるのは神だけで、/人にはできない』と。

32:14 彼はその言葉をわたしに向けて言わなかった。わたしはあなたがたの言葉をもって/彼に答えることはしない。

32:15 彼らは驚いて、もはや答えることをせず、/彼らには、もはや言うべき言葉がない。

32:16 彼らは物言わず、/立ちとどまって、もはや答えるところがないので、/わたしはこれ以上待つ必要があろうか。

32:17 わたしもまたわたしの分を答え、/わたしの意見を述べよう。

32:18 わたしには言葉が満ち、/わたしのうちの霊がわたしに迫るからだ。

32:19 見よ、わたしの心は口を開かないぶどう酒のように、/新しいぶどう酒の皮袋のように、/今にも張りさけようとしている。

32:20 わたしは語って、気を晴らし、/くちびるを開いて答えよう。

32:21 わたしはだれをもかたより見ることなく、/また何人にもへつらうことをしない。

32:22 わたしはへつらうことを知らないからだ。もしへつらうならば、わたしの造り主は直ちに/わたしを滅ぼされるであろう。

33:1 だから、ヨブよ、今わたしの言うことを聞け、/わたしのすべての言葉に耳を傾けよ。

33:2 見よ、わたしは口を開き、口の中の舌は物言う。

33:3 わたしの言葉はわが心の正しきを語り、/わたしのくちびるは真実をもってその知識を語る。

33:4 神の霊はわたしを造り、/全能者の息はわたしを生かす。

33:5 あなたがもしできるなら、わたしに答えよ、/わたしの前に言葉を整えて、立て。

33:6 見よ、神に対しては、わたしもあなたと同様であり、/わたしもまた土から取って造られた者だ。

33:7 見よ、わたしの威厳はあなたを恐れさせない、/わたしの勢いはあなたを圧しない。

33:8 確かに、あなたはわたしの聞くところで言った、/わたしはあなたの言葉の声を聞いた。

33:9 あなたは言う、『わたしはいさぎよく、とがはない。わたしは清く、不義はない。

33:10 見よ、彼はわたしを攻める口実を見つけ、/わたしを自分の敵とみなし、

33:11 わたしの足をかせにはめ、/わたしのすべての行いに目をとめられる』と。

33:12 見よ、わたしはあなたに答える、/あなたはこの事において正しくない。神は人よりも大いなる者だ。

33:13 あなたが『彼はわたしの言葉に/少しも答えられない』といって、/彼に向かって言い争うのは、どういうわけであるか。

33:14 神は一つの方法によって語られ、/また二つの方法によって語られるのだが、/人はそれを悟らないのだ。

33:15 人々が熟睡するとき、または床にまどろむとき、/夢あるいは夜の幻のうちで、

33:16 彼は人々の耳を開き、/警告をもって彼らを恐れさせ、

33:17 こうして人にその悪しきわざを離れさせ、/高ぶりを人から除き、

33:18 その魂を守って、墓に至らせず、/その命を守って、つるぎに滅びないようにされる。

33:19 人はまたその床の上で痛みによって懲らされ、/その骨に戦いが絶えることなく、

33:20 その命は、食物をいとい、/その食欲は、おいしい食物をきらう。

33:21 その肉はやせ落ちて見えず、/その骨は見えなかったものまでもあらわになり、

33:22 その魂は墓に近づき、その命は滅ぼす者に近づく。

33:23 もしそこに彼のためにひとりの天使があり、/千のうちのひとりであって、仲保となり、/人にその正しい道を示すならば、

33:24 神は彼をあわれんで言われる、/『彼を救って、墓に下ることを免れさせよ、/わたしはすでにあがないしろを得た。

33:25 彼の肉を幼な子の肉よりもみずみずしくならせ、/彼を若い時の元気に帰らせよ』と。

33:26 その時、彼が神に祈るならば、神は彼を顧み、/喜びをもって、み前にいたらせ、/その救を人に告げ知らせられる。

33:27 彼は人々の前に歌って言う、/『わたしは罪を犯し、正しい事を曲げた。しかしわたしに報復がなかった。

33:28 彼はわたしの魂をあがなって、/墓に下らせられなかった。わたしの命は光を見ることができる』と。

33:29 見よ、神はこれらすべての事を/ふたたび、みたび人に行い、

33:30 その魂を墓から引き返し、/彼に命の光を見させられる。

33:31 ヨブよ、耳を傾けてわたしに聞け、/黙せよ、わたしは語ろう。

33:32 あなたがもし言うべきことがあるなら、/わたしに答えよ、/語れ、わたしはあなたを正しい者にしようと/望むからだ。

33:33 もし語ることがないなら、わたしに聞け、/黙せよ、わたしはあなたに知恵を教えよう」。

 



文 語訳1917
32:1 ヨブみづから見て己の正義とするに因て此三人の者之に答ふる事を止む
32:2 時にラムの族ブジ人バラケルの子エリフ怒を發せり ヨブ神よりも己を正しとするに因て彼ヨブにむかひて怒を發せり
32:3 またヨブの三人の友答ふるに詞なくして猶ヨブを罪ありとせしによりて彼らにむかひて怒を發せり
32:4 エリフはヨブに言ふことをひかへて俟をりぬ 是は自己よりも彼等年老たればなり
32:5 茲にエリフこの三人の口に答ふる詞の有ざるを見て怒を發せり
32:6 ブジ人バラケルの子エリフすなはち答へて曰く 我は年少く汝等は年老たり是をもて我はばかりて我意見をなんぢらに陳ることを敢てせざりき
32:7 我意へらく日を重ねたる者宜しく言を出すべし 年を積たる者宜しく智慧をヘふべしと
32:8 但し人の衷には靈あり 全能者の氣息人に聰明を與ふ
32:9 大なる人すべて智慧あるに非ず 老たる者すべて道理に明白なるに非ず
32:10 然ば我言ふ 我に聽け 我もわが意見を陳ん
32:11 視よ我は汝らの言語を俟ち なんぢらの辯論を聽き なんぢらが言ふべき言語を尋ね盡すを待り
32:12 われ細に汝らに聽しが汝らの中にヨブを駁折る者一人も無く また彼の言詞に答ふる者も無し
32:13 おそらくは汝等いはん 我ら智慧を見得たり 彼に勝つ者は唯神のみ 人は能はずと
32:14 彼はその言語を我に向て發さざりき 我はまた汝らの言ふ所をもて彼に答へじ
32:15 彼らは愕ろきて復答ふる所なく 言語かれらの衷に浮ばず
32:16 彼等ものいはず立とどまりて重ねて答へざればとて我あに俟をるべけんや
32:17 我も自らわが分を答へわが意見を吐露さん
32:18 われには言滿ち わが衷の心しきりに迫る
32:19 わが腹は口を啓かざる酒のごとし 新しき皮嚢のごとく今にも裂んとす
32:20 われ説いだして胸を安んぜんとす われ口を啓きて答へん
32:21 かならず我は人に偏らず 人に諂はじ
32:22 我は諂らふことを知ず もし諂らはば我の造化主ただちに我を絶たまふべし
33:1 然ばヨブよ請ふ我が言ふ事を聽け わが一切の言語に耳を傾むけよ
33:2 視よ我口を啓き 舌を口の中に動かす
33:3 わが言ふ所は正義き心より出づ わが唇あきらかにその知識を陳ん
33:4 神の靈われを造り 全能者の氣息われを活しむ
33:5 汝もし能せば我に答へよ わが前に言をいひつらねて立て
33:6 我も汝とおなじく神の者なり 我もまた土より取てつくられしなり
33:7 わが威嚴はなんぢを懼れしめず わが勢はなんぢを壓せず
33:8 汝わが聽くところにて言談り 我なんぢの言語の聲を聞けり云く
33:9 われは潔淨くして愆なし 我は辜なく惡き事わが身にあらず
33:10 視よ彼われを攻る釁隙を尋ね われを己の敵と算へ
33:11 わが脚を桎に夾めわが一切の擧動に目を着たまふと
33:12 視よ我なんぢに答へん なんぢ此事において正義からず 神は人よりも大なる者にいませり
33:13 彼その凡て行なふところの理由を示したまはずとて汝かれにむかひて辯爭そふは何ぞや
33:14 まことに神は一度二度と告示したまふなれど人これを曉らざるなり
33:15 人熟睡する時または床に睡る時に夢あるひは夜の間の異象の中にて
33:16 かれ人の耳をひらき そのヘふるところを印して堅うし
33:17 斯して人にその惡き業を離れしめ 傲慢を人の中より除き
33:18 人の魂靈を護りて墓に至らしめず 人の生命を護りて劍にほろびざらしめたまふ
33:19 人床にありて疼痛に攻られ その骨の中に絶ず戰鬪のあるあり
33:20 その氣食物を厭ひ その魂靈うまき物をも嫌ふ
33:21 その肉は痩おちて見えず その骨は見えざりし者までも顯露になり
33:22 その魂靈は墓に近より その生命は滅ぼす者に近づく
33:23 しかる時にもし彼とともに一箇の使者あり 千の中の一箇にして中保となり 正しき道を人に示さば
33:24 神かれを憫れみて言給はん彼を救ひて墓にくだること無らしめよ 我すでに收贖の物を得たりと
33:25 その肉は小兒の肉よりも瑞々しくなり その若き時の形状に歸らん
33:26 かれ若し神に祷らば神かれを顧りみ 彼をしてその御面を喜こび見ることを得せしめたまはん 神は人の正義に報をなしたまふべし
33:27 かれ人の前に歌ひて言ふ 我は罪を犯し正しきを抂たり 然ど報を蒙らず
33:28 神わが魂靈を贖ひて墓に下らしめず わが生命光明を見ん
33:29 そもそも神は是等のもろもろの事をしばしば人におこなひ
33:30 その魂靈を墓より牽かへし生命の光明をもて彼を照したまふ
33:31 ヨブよ耳を傾むけて我に聽け 請ふ默せよ 我かたらん
33:32 なんぢもし言ふべきことあらば我にこたへよ 請ふ語れ 我なんぢを義とせんと慾すればなり
33:33 もし無ば我に聽け 請ふ默せよ 我なんぢに智慧をヘへん


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

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(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳 Tコリ1:26

1:26 兄弟たちよ。あなたが たが召された時のことを考えてみるがよい。人間的には、知恵のある者が多くはなく、権力のある者も多くはなく、身分の高い者も多くは いない。

 

口 語訳 ルカ 15:21

15:21 むすこは父に言った、『父よ、わたしは天に対しても、あなたにむかっても、罪を犯しました。もうあなたのむすこと呼ばれる資格はあり ません』。

 

口 語訳 Tヨハ1:9

1:9 もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし、すべての不義からわたしたちをきよ めて下さる。

 

口 語訳 ロマ 6:21

6:21 その時あなたがたは、どんな実を結んだのか。それは、今では恥とするようなものであった。それらのものの終極は、死である。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口語訳 マタ 11:25

11:25 そのときイエスは声をあげて言われた、「天地の主なる父よ。あなたをほめたたえます。これらの事を知恵のある者や賢い者に隠して、幼な子にあらわしてくだ さいました。

 

口語訳 ヤコ 1:5

1:5 あなたがたのうち、知恵に不足している者があれば、その人は、とがめもせずに惜しみなくすべての人に与える神に、願い求めるがよい。そうすれば、与えられ るであろう。

 

口語訳 Tコリ1:29

1:29 それは、どんな人間でも、神のみまえに誇ることがないためである。

 

口語訳 Tヨハ1:9

1:9 もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし、すべての不義からわたしたちをきよめて下さる。

 

口語訳 ルカ 15:21

15:21 むすこは父に言った、『父よ、わたしは天に対しても、あなたにむかっても、罪を犯しました。もうあなたのむすこと呼ばれる資格はありません』。

 

口語訳 ロマ 6:21

6:21 その時あなたがたは、どんな実を結んだのか。それは、今では恥とするようなものであった。それらのものの終極は、死である。

 

口語訳 エペ 1:11

1:11 わたしたちは、御旨の欲するままにすべての事をなさるかたの目的の下に、キリストにあってあらかじめ定められ、神の民として選ばれたのである。

 

口語訳 ピリ 2:13

2:13 あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

口 語訳 ヤコ 1:5

1:5 あなたがたのうち、知恵に不足している者があれば、その人は、とがめもせずに惜しみなくすべての人に与える神に、願い求めるがよい。 そうすれば、与えられるであろう。

 

口 語訳 マタ 9:17

9:17 だれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れはしない。もしそんなことをしたら、その皮袋は張り裂け、酒は流れ出るし、皮袋もむだにな る。だから、新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである。そうすれば両方とも長もちがするであろう」。

 

(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

新共同 Tテサ2:5

2:5 あなたがたが知っているとおり、わたしたちは、相手にへつらったり、口実を設けてかすめ取ったりはしませんでした。そのことについては、神が証ししてくだ さいます。

 

新共同 使  17:25

17:25 また、何か足りないことでもあるかのように、人の手によって仕えてもらう必要もありません。すべての人に命と息と、その他すべてのものを与えてくださるの は、この神だからです。

 

新共同 ルカ 15:21

15:21 息子は言った。『お父さん、わたしは天に対しても、またお父さんに対しても罪を犯しました。もう息子と呼ばれる資格はありません。』

 

新共同 ヨハ 1:9-10

1:9 その光は、まことの光で、世に来てすべての人を照らすのである。

1:10 言は世にあった。世は言によって成ったが、世は言を認めなかった。

 

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