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哀 歌 1:1−22     

第一の歌 エルサレムの悲痛

 

翻訳比較


                                                                                                    

聖書協会共同訳2018
◆第一の歌 (アルファベットによる詩)
哀 1:1 ああ、民に溢れていた都が/寂しく座っているとは。/国々の間で偉大であった者が/やもめのようになるとは。/諸州の女王が苦役に服すとは。
哀 1:2 彼女は夜通し泣き続け、涙は?を伝う。/彼女を愛した者の中に、慰める者は誰もいない。/友は皆、彼女を裏切り、敵となった。
哀 1:3 苦しみと過酷な労役の末に/ユダは捕らわれの身となった。/諸国民の中に住み/憩いを見いだすことはできない。/追う者たちが皆で/彼女を苦境の 中に追い詰めたのだ。
哀 1:4 シオンの道は嘆き悲しむ/定めの祭りに来る者がいないことを。/その城門はすべて荒れ果て、祭司たちは呻き/おとめたちは悲しみ、シオンは苦し む。
哀 1:5 彼女を苦しめる者が頭となり/敵が栄えている。/背き続けた罪のために/主が彼女を悩ませているのだ。/子どもたちは捕らわれ/苦しめる者の前を 歩かされた。
哀 1:6 娘シオンから輝きはことごとく消え去った。/高官たちは草地を見つけられない鹿のように/追い立てる者の前を力なく歩いて行った。
哀 1:7 エルサレムは思い出す、苦難と放浪の日々を/かつて持っていた宝のすべてを。/その民が苦しめる者の手に落ちても/助ける者はいない。/その破滅 を見て、苦しめる者たちは嘲笑う。
哀 1:8 エルサレムは罪に罪を重ね/汚れた者となった。/彼女をたたえていた者は皆/その裸を見て蔑んだ。/彼女もまた呻き声を上げ/恥じて退いた。
哀 1:9 衣の裾に汚れが付いても/彼女は自分の行く末を思いもしなかった。/驚くほど落ちぶれても、慰める者がいない。/「主よ、私の苦しみを御覧くださ い。/敵は勝ち誇っています。」
哀 1:10 苦しめる者は財宝のすべてに手を伸ばす。/異国の民が聖所に入るのを、彼女は確かに見た。/彼らはあなたの集会に加わってはならないと/命じら れていたのに。
哀 1:11 彼女の民は皆、呻きながらパンを求め/財宝を食べ物に換えて、命をつなごうとした。/「御覧ください、主よ。目を留めてください/私がどれほど 卑しい女に成り果てたかを。」
哀 1:12 あなたがたは何とも思わないのか。/道行くすべての人よ、見よ、目を留めよ。/これほどの痛みが私に負わされたことが/あっただろうか。/主は 燃える怒りの日に私を苦しめられた。
哀 1:13 主は高い所から火を送り/それを私の骨に下した。/足元に網を張って私を引き倒し/見捨てられた者、一日中病む者とされた。
哀 1:14 私の背きの罪が束ねられて軛となった。/御手で編まれて、私の首に掛けられた。/こうして主は私の力を挫き/刃向かうことのできない者たちの手 に/私を引き渡された。
哀 1:15 主は、私のうちにいるつわものたちを皆/退けられた。/私に向かって定めの祭りを召集し/若者たちを打ち砕いた。/搾り場でぶどうを踏むように /主はおとめである娘ユダを踏み潰された。
哀 1:16 そのために、私は泣き/私の目から、この目から涙が溢れ出る。/私を慰め、魂を生き返らせてくださる方が/私から遠ざかったからだ。/敵はあま りに強く、私の子らは見捨てられている。
哀 1:17 シオンが両手を広げても/彼女には慰める者はいない。/主は、ヤコブを取り囲むように/苦しめる者たちに命じられた。/エルサレムは彼らの間で 汚れた者となった。
哀 1:18 主は正しい。私は主の口に逆らった。/すべての民よ、聞け。/見よ、私の痛みを。/私のおとめたちも若者たちも/捕らわれて行ってしまった。
哀 1:19 私を愛した人々に呼びかけたのに/彼らは私を欺いた。/私の祭司や長老たちは都で息絶えた。/命をつなぐため、食べ物を求めている間に。
哀 1:20 御覧ください、主よ。/私は本当に苦しいのです。/私のはらわたは痛み/心は私の内で動転しています。/私が逆らい続けたからです。/外では剣 が子を奪い/家の中を死が支配しています。
哀 1:21 聞いてください、私の呻きを。/私には慰めてくれる者がいません。/敵は皆、私の災いを聞いて/あなたがそうされたことを喜びました。/あなた が告げられた日を来させ/彼らを私と同じ目に遭わせてくださいますように。
哀 1:22 彼らの悪事のすべてを御前に引き出し/彼らも懲らしめてください。/私の背きの罪すべてについて/私を懲らしめられたように。/私の呻きは大き く/心は打ちひしがれています。


フランシスコ会訳2013

哀歌1

フランシスコ訳聖書 Lam <1>章 聖書本文

◆第一の歌 エルサレムの悲痛

001ああ、人々で溢れていたこの町 が、

ひとり寂しく座っている。

国々の間で力をふるっていた者が、

やもめのようになってしまった。

諸州の女王も、

今は苦役に服する身となった。

002彼女は泣きながら夜を明かし、

溢れ出る涙が?を伝う、

かつて愛したすべての者は、

今誰一人慰めず、

その友はみな彼女を裏切り、

敵となった。

003ユダは苦悩ときびしい労役の末 に、

囚われの身となった。

異国の地に住み、

憩うこともできず、

彼女を追う者がみな

彼女を苦悩の中に追い詰めた。

004シオンへの道は喪に服してい る、

誰も祭りには行かないので。

その門はみな荒れ果て、

祭司たちは呻いている。

おとめたちは憂いに沈んでいる。

シオンの苦渋ははなはだしい。

005彼女を圧迫する者たちが頭とな り、

彼女の敵が栄えている。

主が、その多くの罪のために

彼女を打たれたのだ。

その幼子たちも囚われの身となって、

圧迫する者たちの前を、引かれていった。

006娘シオンから

その栄華はことごとく離れ去った。

その長たちは、青草を見出せない鹿のようになり、

追い立てる者の前を力なく歩む。

007エルサレムは苦しかった時のこ と、

放浪の時代を思い起こす、

いにしえの日に持っていた

もろもろの宝を。

その民が敵の手に落ち、

誰も助ける者がなかったとき、

敵はその破滅を見て

あざ笑った。

008エルサレムはこの上もない罪を 犯し、

汚らわしいものとなった。

彼女を尊敬していた人もみな、

その裸を見て、これを卑しめる。

彼女も呻き、

背を向ける。

009その汚れは服の裾まで染みつい ていたが

彼女は、自分の行く末を思わなかった。

こうして、彼女は驚くほど落ちぶれ、

慰める者は誰もいなかった。

「主よ、わたしの苦しみに目を留めてください、

敵は勝ち誇っているではありませんか」。

010彼女のあらゆる財宝に

敵が手を伸ばし、

異邦人がその聖所に入り込むのを

彼女は見ました。

彼らがご自分の集会に加わることを

あなたが禁じておられたにもかかわらず。

011彼女の民はみな、呻き声をあ げ、

パンを求めて歩く。

生きる力を取り戻そうとして、

自分の宝物を食物に換える。

「主よ、しっかりと目を留めてください。

わたしは卑しい女に成り果てました」。

012道行くすべての人たち、

目を留めて、しっかりと見よ。

わたしほどきびしい痛手を

受けた者がいるだろうか。

それは、主がその激しい怒りの日に、

わたしに下された苦しみなのだ。

013主は天から火を放って、

わたしの骨の中に入り込ませ、

足元に網を張り、

わたしをのけぞらせた。

わたしをすさんだ状態にし、

終日、病んでいる者とされたのだ。

014わたしの足どりは絶えず見張ら れ

主の手でもつれる。

その軛はわたしの首に置かれ

わたしの力を衰えさせる。

主は、わたしを渡された、

刃向かうことのできない者の手に。

015主は退けられた、

わたしに仕える勇士たちをみな。

わたしに従う若い男たちを打ち破るため、

わたしを攻める集会を召集された。

主は、酒ぶねを踏むかのように、

おとめユダの娘を踏みつぶされた。

016それ故、わたしは泣き悲しみ、

わたしの目は涙を流す。

わたしを慰め、力づけてくれる者が

遠く離れているからだ。

わたしの息子たちは荒れすさんでいる。

敵があまりにも強かったから。

017シオンが手を差し出しても、

彼女を慰める者は一人もいない。

主が、ヤコブを取り囲むように、

敵に命じられたからである。

エルサレムは彼らの間で

汚らわしいものとなった。

018主は公正な方、

わたしがその掟に背いたのだ。

すべての民よ、聞け、

わたしの痛みについて思い巡らせ。

わたしのおとめたちも若者たちも

囚われの身となってしまった。

019わたしはわたしを愛する者たち を呼んだのに、

彼らはわたしを見捨てた。

わたしの祭司や長老たちも

町の中で息絶えた。

生きる力を取り戻そうと、

食物を探し求めていた時に。

020「主よ、ご覧ください、わたし の苦しみを、

わたしのはらわたは煮え返り、

わたしの心はわたしのうちで転倒しています。

わたしはほんとうに不従順だったのです。

外では剣が子供の命を奪い

家の中は死が住んでいるかのようです。

021わたしの溜息を聞いてくださ い。

わたしを慰める者は誰もなく、

敵はみな、わたしの不運を聞いて喜んでいます。

あなたがそうされたのだと。

あなたがかつて告げられた、その日を来させてください。

彼らがわたしと同じ運命になるように。

022彼らの悪をことごとくあなたの 前にさらけ出し、

報い返してください。

わたしの不従順の罪に対して

報い返されたように。

なぜなら、わたしの溜息は重く、

わたしの心は打ちひしがれているからです」。

 

                                                                                                           

 

新共同訳1987

1:1 なにゆえ、独りで座っているのか/人に溢れていたこの都が。やもめとなってしまったのか/多くの民の女王であったこの都が。奴隷となってしまったのか/ 国々の姫君であったこの都が。

1:2 夜もすがら泣き、頬に涙が流れる。彼女を愛した人のだれも、今は慰めを与えない。友は皆、彼女を欺き、ことごとく敵となった。

1:3 貧苦と重い苦役の末にユダは捕囚となって行き/異国の民の中に座り、憩いは得られず/苦難のはざまに追い詰められてしまった。

1:4 シオンに上る道は嘆く/祭りに集う人がもはやいないのを。シオンの城門はすべて荒廃し、祭司らは呻く。シオンの苦しみを、おとめらは悲しむ。

1:5 シオンの背きは甚だしかった。主は懲らしめようと、敵がはびこることを許し/苦しめる者らを頭とされた。彼女の子らはとりことなり/苦しめる者らの前を、 引かれて行った。

1:6 栄光はことごとくおとめシオンを去り/その君侯らは野の鹿となった。青草を求めたが得られず/疲れ果ててなお、追い立てられてゆく。

1:7 エルサレムは心に留める/貧しく放浪の旅に出た日を/いにしえから彼女のものであった/宝物のすべてを。苦しめる者らの手に落ちた彼女の民を/助ける者は ない。絶えゆくさまを見て、彼らは笑っている。

1:8 エルサレムは罪に罪を重ね/笑いものになった。恥があばかれたので/重んじてくれた者にも軽んじられる。彼女は呻きつつ身を引く。

1:9 衣の裾には汚れが付いている。彼女は行く末を心に留めなかったのだ。落ちぶれたさまは驚くばかり。慰める者はない。「御覧ください、主よ/わたしの惨めさ を、敵の驕りを。」

1:10 宝物のすべてに敵は手を伸ばした。彼女は見た、異国の民が聖所を侵すのを。聖なる集会に連なることを/主に禁じられた者らが。

1:11 彼女の民は皆、パンを求めて呻く。宝物を食べ物に換えて命をつなごうとする。「御覧ください、主よ/わたしのむさぼるさまを見てください。」

1:12 道行く人よ、心して/目を留めよ、よく見よ。これほどの痛みがあったろうか。わたしを責めるこの痛み/主がついに怒ってわたしを懲らす/この痛みほどの。

1:13 主は高い天から火を送り/わたしの骨に火を下し/足もとに網を投げてわたしを引き倒し/荒廃にまかせ、ひねもす病み衰えさせる。

1:14 背いたわたしの罪は御手に束ねられ/軛とされ、わたしを圧する。主の軛を首に負わされ/力尽きてわたしは倒れ/刃向かうこともできない敵の手に/引き渡さ れてしまった。

1:15 わたしのもとにいる力ある者を/主はすべて退けられた。わたしに対して時を定め/若者らを砕かれた。主は、酒ぶねを踏むかのように/娘ユダのおとめらを踏 みにじられた。

1:16 それゆえわたしは泣く。わたしの目よ、わたしの目よ/涙を流すがよい。慰め励ましてくれる者は、遠く去った。敵は勢いを増し/わたしの子らは荒廃に落ちて ゆく。

1:17 シオンは手を差し出すが、慰める者はない。主は敵に命じてヤコブを包囲させられた。エルサレムは敵の中で、笑いものになっている。

1:18 主は正しい。わたしが主の口に背いたのだ。聞け、諸国の民よ/見よ、わたしの痛みを。わたしのおとめらも若者らも/捕えられ、引かれて行った。

1:19 わたしは愛した人々に呼びかけたが/皆、わたしを裏切った。わたしの祭司ら長老らは、都で息絶える/命をつなごうと、食べ物を乞いながら。

1:20 御覧ください、主よ、この苦しみを。胸は裂けんばかり、心は乱れています。わたしは背きに背いたのです。外では剣が子らを奪い/内には死が待っています。

1:21 聞いてください、わたしの呻きを。慰めてくれる者はありません。敵は皆、わたしの受けた災いを耳にして/あなたの仕打ちを喜んでいます。彼らにも定めの日 を来らせ/わたしのような目に遭わせてください。

1:22 敵の悪事が御前に届きますように。あなたの懲らしめを受けますように。あなたに背いたわたしが/こんなにも懲らしめられたように。わたしはこうして呻き続 け/心は病に侵されています。

 

新改訳1970

1:1 ああ、人の群がっていたこの町は、ひとり寂しくすわっている。国々の中で大いなる者であったのに、やもめのようになった。諸州のうちの女王は、苦役に服し た。

1:2 彼女は泣きながら夜を過ごし、涙は頬を伝っている。彼女の愛する者は、だれも慰めてくれない。その友もみな彼女を裏切り、彼女の敵となってしまった。

1:3 ユダは悩みと多くの労役のうちに捕え移された。彼女は異邦の民の中に住み、いこうこともできない。苦しみのうちにあるときに、彼女に追い迫る者たちがみ な、彼女に追いついた。

1:4 シオンへの道は喪に服し、だれも例祭に行かない。その門はみな荒れ果て、その祭司たちはうめき、おとめたちは憂いに沈んでいる。シオンは苦しんでいる。

1:5 彼女の仇がかしらとなり、彼女の敵が栄えている。彼女の多くのそむきの罪のために、主が彼女を悩ましたのだ。彼女の幼子たちも、仇によってとりことなって 行った。

1:6 シオンの娘からは、すべての輝きがなくなり、首長たちは、牧場のない鹿のようになって、追う者の前を力なく歩む。

1:7 エルサレムは、悩みとさすらいの日にあたって、昔から持っていた自分のすべての宝を思い出す。その民が仇の手によって倒れ、だれも彼女を助ける者がないと き、仇はその破滅を見てあざ笑う。

1:8 エルサレムは罪に罪を重ねて、汚らわしいものとなった。彼女を尊んだ者たちもみな、その裸を見て、これを卑しめる。彼女もうめいてたじろいだ。

1:9 彼女の汚れはすそにまでついている。彼女は自分の末路を思わなかった。それで、驚くほど落ちぶれて、だれも慰める者がない。「主よ。私の悩みを顧みてくだ さい。敵は勝ち誇っています。」

1:10 仇が彼女の宝としているものすべてに手を伸ばしました。異邦の民が、その聖所にはいったのを彼女は見ました。あなたの集団に加わってはならないと、あなた がかつて命じられたものが。

1:11 彼女の民はみなうめき、食べ物を捜しています。気力を取り戻そうとして、自分の宝としているものを食物に代えています。「主よ。私が、卑しい女になり果て たのをよく見てください。」

1:12 道行くみなの人よ。よく見よ。主が燃える怒りの日に私を悩まし、私をひどいめに会わされたこのような痛みがほかにあるかどうかを。

1:13 主は高い所から火を送り、私の骨の中にまで送り込まれた。私の足もとに網を張り、私をうしろにのけぞらせ、私を荒れすさんだ女、終日、病んでいる女とされ た。

1:14 私のそむきの罪のくびきは重く、主の御手で、私の首に結びつけられた。主は、私の力をくじき、私を、彼らの手にゆだね、もう立ち上がれないようにされた。

1:15 主は、私のうちにいたつわものをみな追い払い、一つの群れを呼び集めて、私を攻め、私の若い男たちを滅ぼされた。主は、酒ぶねを踏むように、おとめユダの 娘を踏みつぶされた。

1:16 このことで、私は泣いている。私の目、この目から涙があふれる。私を元気づけて慰めてくれる者が、私から遠ざかったからだ。敵に打ち負かされて、私の子ら は荒れすさんでいる。

1:17 シオンが手を差し出しても、これを慰める者はない。主は仇に命じて、四方からヤコブを攻めさせた。エルサレムは彼らの間で、汚らわしいものとなった。

1:18 主は正義を行なわれる。しかし、私は主の命令に逆らった。だが、すべての国々の民よ、聞け。私の痛みを見よ。私の若い女たちも、若い男たちも、とりこと なって行った。

1:19 私は愛する者たちを呼んだのに、彼らは私を欺いた。私の祭司も長老たちも、町の中で息絶えた。気力を取り戻そうとして、自分の食物を捜していたときに。

1:20 「主よ。ご覧ください。私は苦しみ、私のはらわたは煮え返り、私の心は私のうちで転倒しています。私が逆らい続けたからです。外では剣が子を奪い、家の中 は死のようです。

1:21 彼らは私のため息を聞いても、だれも私を慰めてくれません。私の敵はみな、私のわざわいを聞いて、喜びました。あなたが、そうなさったからです。あなた が、かつて告げられた日を来させてください。そうすれば、彼らも私と同じようになるでしょう。

1:22 彼らのすべての悪を、御前に出させ、あなたが、私のすべてのそむきの罪に対して、報い返されたように、彼らにも報い返してください。私のため息は大きく、 私の心は痛みます。」

 

口語訳1955

1:1 ああ、むかしは、民の満ちみちていたこの都、国々の民のうちで大いなる者であったこの町、今は寂しいさまで座し、やもめのようになった。もろもろの町のう ちで女王であった者、今は奴隷となった。

1:2 これは夜もすがらいたく泣き悲しみ、そのほおには涙が流れている。そのすべての愛する者のうちには、これを慰める者はひとりもなく、そのすべての友はこれ にそむいて、その敵となった。

1:3 ユダは悩みのゆえに、また激しい苦役のゆえに、のがれて行って、もろもろの国民のうちに住んでいるが、安息を得ず、これを追う者がみな追いついてみると、 悩みのうちにあった。

1:4 シオンの道は祭に上ってくる者のないために悲しみ、その門はことごとく荒れ、その祭司たちは嘆き、そのおとめたちは引かれて行き、シオンはみずからいたく 苦しむ。

1:5 そのあだはかしらとなり、その敵は栄えている。そのとがが多いので、主がこれを悩まされたからである。その幼な子たちは捕われて、あだの前に行った。

1:6 シオンの娘の栄華はことごとく彼女を離れ去り、その君たちは牧草を得ない、しかのようになり、自分を追う者の前に力なく逃げ去った。

1:7 エルサレムはその悩みと苦しみの日に、昔から持っていたもろもろの宝を思い出す。その民があだの手に陥り、だれもこれを助ける者のない時、あだはこれを見 て、その滅びをあざ笑った。

1:8 エルサレムは、はなはだしく罪を犯したので、汚れたものとなった。これを尊んだ者も皆その裸を見たので、これを卑しめる。これもまたみずから嘆き、顔をそ むける。

1:9 その汚れはその衣のすそにあり、これはその終りを思わなかった。それゆえ、これは驚くばかりに落ちぶれ、これを慰める者はひとりもない。「主よ、わが悩み を顧みてください、敵は勝ち誇っていますから」。

1:10 敵は手を伸べて、その財宝をことごとく奪った。あなたがさきに異邦人らはあなたの公会に、はいってはならないと命じられたのに、彼らがその聖所にはいるの をシオンは見た。

1:11 その民はみな嘆いて食物を求め、その命をささえるために、財宝を食物にかえた。「主よ、みそなわして、わたしの卑しめられるのを顧みてください」。

1:12 「すべて道行く人よ、あなたがたはなんとも思わないのか。主がその激しい怒りの日にわたしを悩まして、わたしにくだされた苦しみのような苦しみが、また世 にあるだろうか、尋ねて見よ。

1:13 主は上から火を送り、それをわが骨にくだし、網を張ってわが足を捕え、わたしを引き返させ、ひねもす心わびしく、かつ病み衰えさせられた。

1:14 わたしのとがは、つかねられて、一つのくびきとせられ、主のみ手により固く締められて、わたしの首におかれ、わたしの力を衰えさせられた。主はわたしを、 立ちむかい得ざる者の手に渡された。

1:15 主はわたしのうちにあるすべての勇士を無視し、聖会を召集して、わたしを攻め、わが若き人々を打ち滅ぼされた。主は酒ぶねを踏むように、ユダの娘なるおと めを踏みつけられた。

1:16 このために、わたしは泣き悲しみ、わたしの目は涙であふれる。わたしを慰める者、わたしを勇気づける者が/わたしから遠く離れたからである。わが子らは敵 が勝ったために、わびしい者となった」。

1:17 シオンは手を伸ばしても、これを慰める者はひとりもない。ヤコブについては、主は命じて、その周囲の者を、これがあだとせられた。エルサレムは彼らの中に あって、汚れた物のようになった。

1:18 「主は正しい、わたしは、み言葉にそむいた。すべての民よ、聞け、わが苦しみを顧みよ。わがおとめらも、わが若人らも捕われて行った。

1:19 わたしはわが愛する者を呼んだが、彼らはわたしを欺いた。わが祭司および長老たちは、その命をささえようと、食物を求めている間に、町のうちで息絶えた。

1:20 主よ、顧みてください、わたしは悩み、わがはらわたはわきかえり、わが心臓はわたしの内に転倒しています。わたしは、はなはだしくそむいたからです。外に はつるぎがあって、わが子を奪い、家の内には死のようなものがある。

1:21 わたしがどんなに嘆くかを聞いてください。わたしを慰める者はひとりもなく、敵はみなわたしの悩みを聞いて、あなたがこれをなされたのを喜んだ。あなたが さきに告げ知らせたその日をきたらせ、彼らをも、わたしのようにしてください。

1:22 彼らの悪をことごとくあなたの前にあらわし、さきにわがもろもろのとがのために、わたしに行われたように、彼らにも行ってください。わが嘆きは多く、わが 心は弱りはてているからです」。



文語訳1917
1:1 ああ哀しいかな古昔は人のみちみちたりし此都邑 いまは凄しき樣にて坐し 寡婦のごとくになれり 嗟もろもろの民の中にて大いなりし者 もろもろの州の中に女王たりし者 いまはかへつて貢をいるる者となりぬ
1:2 彼よもすがら痛く泣きかなしみて涙面にながる その戀人の中にはこれを慰むる者ひとりだに無く その朋これに背きてその仇となれり
1:3 ユダは艱難の故によりまた大いなる苦役のゆゑによりて?はれゆき もろもろの國に住ひて安息を得ず これを追ふものみな狭隘にてこれに追しきぬ
1:4 シオンの道路は節會の上り來る者なきがために哀しみ その門はことごとく荒れ その祭司は歎き その處女は憂へ シオンもまた自から苦しむ
1:5 その仇は首となり その敵は享ゆ その愆の多きによりてヱホバこれをなやませたまへるなり そのわかき子等は?はれて仇の前にゆけり
1:6 シオンの女よりはその榮華ことごとく離れされり またその牧伯等は草を得ざる鹿のごとくに成り おのれを追ふものの前に力つかれて歩みゆけり
1:7 ヱルサレムはその艱難と窘迫の時むかしの代にありしもろもろの樂しき物を思ひ出づ その民仇の手におちいり誰もこれを助くるものなき時 仇人これを見てその荒はてたるを笑ふ
1:8 ヱルサレムははなはだしく罪ををかしたれば汚穢たる者のごとくになれり 前にこれを尊とびたる者もその裸體を見しによりて皆これをいやしむ 是もまたみづから嗟き身をそむけて退ぞけり
1:9 その汚穢これが裾にあり 彼その終局をおもはざりき 此故に驚ろくまでに零落たり 一人の慰さむる者だに無し ヱホバよわが艱難をかへりみたまへ 敵は勝ほこれり
1:10 敵すでに手を伸てその財寳をことごとく奪ひたり 汝さきに異邦人等はなんぢの公會にいるべからずと命じおきたまひしに 彼らが聖所を侵しいるをシオンは見たり
1:11 その民はみな哀きて食物をもとめ その生命を支へんがために財寳を出して食にかへたり ヱホバよ見そなはし我のいやしめらるるを顧りみたまへ
1:12 すべて行路人よ なんぢら何ともおもはざるか ヱホバその烈しき震怒の日に我をなやましてわれに降したまへるこの憂苦にひとしき憂苦また世にあるべきや考がへ見よ
1:13 ヱホバ上より火をくだしわが骨にいれて之を克服せしめ 網を張りわが足をとらへて我を後にむかしめ 我をして終日心さびしくかつ疾わづらはしめたまふ
1:14 わが愆尤の軛は主の御手にて結ばれ諸の愆あひ纒はりてわが項にのれり 是はわが力をしておとろへしむ 主われを敵たりがたき者の手にわたしたまへり
1:15 主われの中なる勇士をことごとく除き 節會をもよほして我を攻め わが少き人を打ほろぼしたまへり 主酒?をふむがごとくにユダの處女をふみたまへり
1:16 これがために我なげく わが目やわが目には水ながる わがたましひを活すべき慰さむるものわれに遠ければなり わが子等は敵の勝るによりて滅びうせにき
1:17 シオンは手をのぶれども誰もこれを慰さむる者なし ヤコブにつきてはヱホバ命をくだしてその周圍の民をこれが敵とならしめたまふ ヱルサレムは彼らの中にありて汚れたる者のごとくなりぬ

 

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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳   14:19

14:19 そこで、御使はそのか まを地に投げ入れて、地のぶどうを刈り集め、神の激しい怒りの大きな酒ぶねに投げ込んだ。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口 語訳 マタ 11:28-30

11:28 すべて重荷を負うて苦 労している者は、わたしのもとにきなさい。あなたがたを休ませてあげよう。

11:29 わたしは柔和で心のへりくだった者であるから、わたしのくびきを負うて、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたの魂に休みが与 えられるであろう。

11:30 わたしのくびきは負いやすく、わたしの荷は軽いからである」。

 

口 語訳 ヨハ 10:9

10:9 わたしは門である。わたしをとおってはいる者は救われ、また出入りし、牧草にありつくであろう。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

口 語訳 ヨハ 13:18

13:18 あなたがた全部の者について、こう言っているのではない。わたしは自分が選んだ人たちを知っている。しかし、『わたしのパンを食べて いる者が、わたしにむかってそのかかとをあげた』とある聖書は成就されなければならない。

 

口 語訳 使  21:28

21:28 「イスラエルの人々よ、加勢にきてくれ。この人は、いたるところで民と律法とこの場所にそむくことを、みんなに教えている。その上、 ギリシヤ人を宮の内に連れ込んで、この神聖な場所を汚したのだ」。

 

口 語訳 マタ 24:21

24:21 その時には、世の初めから現在に至るまで、かつてなく今後もないような大きな患難が起るからである。

 

(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

新共同 黙  18:7

18:7 彼女がおごり高ぶって、/ぜいたくに暮らしていたのと、/同じだけの苦しみと悲しみを、/彼女に与えよ。彼女は心の中でこう言っているからである。『わた しは、女王の座に着いており、/やもめなどではない。決して悲しい目に遭いはしない。』

 

新共同 黙  18:9

18:9 彼女とみだらなことをし、ぜいたくに暮らした地上の王たちは、彼女が焼かれる煙を見て、そのために泣き悲しみ、

 

新共同 マタ 24:21

24:21 そのときには、世界の初めから今までなく、今後も決してないほどの大きな苦難が来るからである。

 

新共同 黙  14:19-20

14:19 そこで、その天使は、地に鎌を投げ入れて地上のぶどうを取り入れ、これを神の怒りの大きな搾り桶に投げ入れた。

14:20 搾り桶は、都の外で踏まれた。すると、血が搾り桶から流れ出て、馬のくつわに届くほどになり、千六百スタディオンにわたって広がった。

 

新共同 黙  19:15

19:15 この方の口からは、鋭い剣が出ている。諸国の民をそれで打ち倒すのである。また、自ら鉄の杖で彼らを治める。この方はぶどう酒の搾り桶を踏むが、これには 全能者である神の激しい怒りが込められている。

 

新共同 ルカ 21:24

21:24 人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」

 

新共同 黙  18:10

18:10 彼女の苦しみを見て恐れ、遠くに立ってこう言う。「不幸だ、不幸だ、大いなる都、/強大な都バビロン、/お前は、ひとときの間に裁かれた。」

 

新共同 黙  18:15-17

18:15 このような商品を扱って、彼女から富を得ていた商人たちは、彼女の苦しみを見て恐れ、遠くに立って、泣き悲しんで、

18:16 こう言う。「不幸だ、不幸だ、大いなる都、/麻の布、また、紫の布や赤い布をまとい、/金と宝石と真珠の飾りを着けた都。

18:17 あれほどの富が、ひとときの間に、/みな荒れ果ててしまうとは。」また、すべての船長、沿岸を航海するすべての者、船乗りたち、海で働いているすべての者 たちは、遠くに立ち、

 

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