哀 歌 5:1−22
第五の歌 シオンの祈り
翻訳比較
聖書協会共同訳2018
◆第五の歌
哀 5:1 主よ、私たちに何が起きたかを思い出してください。/目を留めて、私たちの受けたそしりを/御覧ください。
哀 5:2 私たちの相続地は他国の民のもの/私たちの家は外国人のものとなった。
哀 5:3 私たちはみなしごとなって父はなく/母はやもめに等しくなった。
哀 5:4 自分の水を、金を払って飲み/自分の薪を、代価を払って手に入れる。
哀 5:5 私たちは首に軛を負わされ、追い立てられ/疲れ果てても、休むことさえできない。
哀 5:6 私たちは十分なパンを得るために/エジプトやアッシリアに手を差し伸べた。
哀 5:7 私たちの先祖は罪を犯して亡くなり/彼らの過ちを私たちが背負っている。
哀 5:8 奴隷が私たちを支配し/その手から救い出してくれる者はいない。
哀 5:9 私たちは命懸けで食べ物を手に入れる。/荒れ野の剣を恐れながら。
哀 5:10 私たちの皮膚はかまどのように熱くなった。/焼けつくような飢えのためだ。
哀 5:11 女たちはシオンで/おとめたちはユダの各地の町で辱められた。
哀 5:12 高官たちは敵の手でつるされ/長老たちも尊ばれない。
哀 5:13 若者は挽き臼を負わされ/子どもは薪を背負ってよろめく。
哀 5:14 長老が城門に集うことも/若者が楽器を奏でることもなくなった。
哀 5:15 私たちの心から喜びは消え/踊りは喪の嘆きに変わった。
哀 5:16 冠は私たちの頭から落ちた。/何という災いだ。/私たちは罪を犯したのだ。
哀 5:17 そのために私たちの心は病み/このために目は暗くなった。
哀 5:18 荒れ果てたシオンの山を/ジャッカルがうろついている。
哀 5:19 主よ、あなたこそ、とこしえに座する方。/あなたの御座は代々に続きます。
哀 5:20 なぜ、いつまでも私たちを思い出さず/これほど長く捨てておかれるのですか。
哀
5:21 主よ、私たちを御もとに立ち帰らせてください。/私たちは立ち帰りたいのです。/私たちの日々を新たにし/昔のようにしてください。
哀 5:22 それとも、あなたは私たちをどこまでも退け/激しい怒りのうちにおられるのでしょうか。
フランシスコ会訳2013
哀歌5
フランシスコ訳聖書 Lam <5>章
聖書本文
◆第五の歌 シオンの祈り
001主よ、思い起こしてください、
わたしたちに起こったことを。
顧みて目を留めてください、
わたしたちの受けた辱めに。
002わたしたちの土地は、他国の民
のものに、
家は、異国の民のものとなりました。
003わたしたちは孤児となり、父は
なく、
母もやもめとなりました。
004自分たちの水を飲むにも金を払
い、
薪も買わなければなりません。
005わたしたちの首は軛を負わさ れ、
疲れ果てても、体を休めることもできません。
006わたしたちは、エジプトと、
またアッシリアと手を結びました。
食べ物を十分得るために。
007わたしたちの祖先は罪を犯しま
したが、
今はもういません。
わたしたちがその罰を担っています。
008奴隷がわたしたちを支配し、
その手からわたしたちを救ってくれる者は、
誰もいません。
009荒れ野の暑さのために、
命懸けで、食べ物を得なければなりません。
010とてつもない飢えのために、
皮膚はかまどのように熱くなりました。
011シオンで女たちを、
ユダの町々でおとめたちを彼らは辱めています。
012指導者たちは彼らの手で首吊り
にされ、
長老たちも尊敬されることはありません。
013若者たちは、碾き臼を負わさ れ、
少年たちは、薪を負わされて、よろめいています。
014長老たちは町の門から立ち去 り、
若者たちはもう楽を奏でることもありません。
015わたしたちの心から喜びは消 え、
踊りは哀悼に変えられました。
016冠はわたしたちの頭から落ちま
した。
何と災いなことか、
わたしたちはほんとうに罪を犯したのです。
017それ故、わたしたちの心は衰 え、
そのために、わたしたちの目は暗くなりました。
018荒れ果てたシオンの山には、
狐がうろついています。
019主よ、あなたは永遠に支配し、
あなたの王座は代々に続きます。
020なぜ、いつまでも、わたしたち
を忘れ、
これほど長い間、見捨てておかれるのですか。
021主よ、わたしたちを、
あなたのもとに立ち返らせてください、
そうすれば、わたしたちは立ち返ります。
わたしたちの日々を、昔のように、
新たにしてください。
022しかし、あなたは、わたしたち
をまったく退け、
わたしたちに対して、激しく怒っておられます。
新共同訳1987
4:1
なにゆえ、黄金は光を失い/純金はさげすまれているのか。どの街角にも/聖所の石が打ち捨てられているのか。
4:2
貴いシオンの子ら、金にも比べられた人々が/なにゆえ、土の器とみなされ/陶工の手になるものとみなされるのか。
4:3
山犬ですら乳を与えて子を養うというのに/わが民の娘は残酷になり/荒れ野の駝鳥のようにふるまう。
4:4
乳飲み子の舌は渇いて上顎に付き/幼子はパンを求めるが、分け与える者もいない。
4:5
美食に馴れた者も、街にあえぎ/紫の衣に包まれて育った者も塵にまみれている。
4:6
ソドムは、その罪のゆえに/人の手によらず、一瞬にして滅んだが/わたしの民の娘は/それよりも重い罪を犯したのだ。
4:7
この民のナジル人らは雪よりも清く/乳よりも白く輝いていた。骨は真珠よりも輝き、姿は水晶のようであった。
4:8
だが、彼らの容姿はすすよりも黒くなり/街で彼らと気づく者もないほどになり/皮膚は骨に張り付き/枯れ木のようになった。
4:9
剣に貫かれて死んだ者は/飢えに貫かれた者より幸いだ。刺し貫かれて血を流す方が/畑の実りを失うよりも幸いだ。
4:10
憐れみ深い女の手が自分の子供を煮炊きした。わたしの民の娘が打ち砕かれた日/それを自分の食糧としたのだ。
4:11
主の憤りは極まり/主は燃える怒りを注がれた。シオンに火は燃え上がり/都の礎までもなめ尽くした。
4:12
わたしたちを苦しめる敵が/エルサレムの城門から入るなどと/地上の王の誰が/この世に住む誰が、信じえたであろう。
4:13
これはエルサレムの預言者らの罪のゆえ/祭司らの悪のゆえだ。エルサレムのただ中に/正しい人々の血を注ぎ出したからだ。
4:14
彼らは血に汚れ/目は見えず、街をさまよう。その衣に触れることはだれにも許されない。
4:15
「去れ、汚れた者よ」と人々は叫ぶ。「去れ、去れ、何にも触れるな」と。「こうしてさまよい歩け」と国々は言う。「再びここに住むことはならない」と。
4:16
主は御顔を背け/再び目を留めてはくださらない。祭司らは見捨てられ/長老らは顧みられない。
4:17
今なお、わたしたちの目は/援軍を求めていたずらに疲れ/救ってはくれない他国をなお見張って待つ。
4:18
町の広場を歩こうとしても/一歩一歩をうかがうものがある。終りの時が近づき、わたしたちの日は満ちる。まさに、終りの時が来たのだ。
4:19
わたしたちに追い迫る者は/空を飛ぶ鷲よりも速く/山々にわたしたちを追い回し/荒れ野に待ち伏せる。
4:20
主の油注がれた者、わたしたちの命の息吹/その人が彼らの罠に捕えられた。異国民の中にあるときも、その人の陰で/生き抜こうと頼みにした、その人が。
4:21
娘エドムよ、喜び祝うがよい/ウツの地に住む女よ。お前にもこの杯は廻って来るのだ。そのときは、酔いしれて裸になるがよい。
4:22
おとめシオンよ、悪事の赦される時が来る。再び捕囚となることはない。娘エドムよ、罪の罰せられる時が来る。お前の罪はことごとくあばかれる。
新改訳1970
4:1
ああ、金は曇り、美しい黄金は色を変え、聖なる石は、あらゆる道ばたに投げ出されている。
4:2
純金で値踏みされる高価なシオンの子らは、ああ、陶器師の手で作られた土のつぼのようにみなされている。
4:3
ジャッカルさえも乳房をあらわし、その子に乳を飲ませるのに、私の民の娘は、荒野のだちょうのように無慈悲になった。
4:4
乳飲み子の舌は渇いて上あごにつき、幼子たちがパンを求めても、それを裂いて彼らにやる者もない。
4:5
ごちそうを食べていた者は道ばたでしおれ、紅の衣で育てられた者は、堆肥をかき集めるようになった。
4:6
私の民の娘の咎は、人手によらず、たちまちくつがえされたソドムの罪より大きい。
4:7
そのナジル人は雪よりもきよく、乳よりも白かった。そのからだは、紅真珠より赤く、その姿はサファイヤのようであった。
4:8
しかし、彼らの顔は、すすよりも黒くなり、道ばたでも見分けがつかない。彼らの皮膚は干からびて骨につき、かわいて枯れ木のようになった。
4:9
剣で殺される者は、飢え死にする者よりも、しあわせであった。彼らは、畑の実りがないので、やせ衰えて死んで行く。
4:10
私の民の娘の破滅のとき、あわれみ深い女たちさえ、自分の手で自分の子どもを煮て、自分たちの食物とした。
4:11
主は憤りを尽くして燃える怒りを注ぎ出し、シオンに火をつけられたので、火はその礎までも焼き尽くした。
4:12
地の王たちも、世に住むすべての者も、仇や敵がエルサレムの門に、はいって来ようとは信じなかった。
4:13
これはその預言者たちの罪、祭司たちの咎のためである。彼らがその町のただ中で、正しい人の血を流したからだ。
4:14
彼らは血に汚れ、盲人のようにちまたをさまよい、だれも彼らの着物に触れようとしなかった。
4:15
「あっちへ行け。汚れた者。」と人々は彼らに叫ぶ。「あっちへ行け。あっちへ行け。さわるな。」彼らは、立ち去って、なおもさまよい歩く。諸国の民の中で
人々は言う。「彼らはもう立ち寄ってはならない。」
4:16
主ご自身も彼らを散らし、もう彼らに目を留めなかった。祭司たちも尊ばれず、長老たちも敬われなかった。
4:17
それに、私たちの目は、衰え果てた。助けを求めたが、むなしかった。私たちは見張り所で、見張った。救いをもたらさない国の来るのを。
4:18
私たちの歩みはつけねらわれて、私たちは広場を歩くことができなかった。私たちの終わりは近づいた。私たちの日は満ちた。私たちの終わりが来たからだ。
4:19
私たちを追う者は、大空の鷲よりも速く、山々の上まで追い迫り、荒野で私たちを待ち伏せた。
4:20
私たちの鼻の息である者、主に油そそがれた者までも彼らの落とし穴で捕えられた。「この者のおかげで、諸国の民の中でも私たちは生きのびる。」と私たちが
言った者なのに。
4:21
ウツの地に住むエドムの娘よ。楽しみ喜べ。だが、あなたにも杯は巡って来る。あなたも酔って裸になる。
4:22
シオンの娘。あなたの刑罰は果たされた。主はもう、あなたを捕え移さない。エドムの娘。主はあなたの咎を罰する。主はあなたの不義をあばく。
口語訳1955
4:1
ああ、黄金は光を失い、純金は色を変じ、聖所の石は/すべてのちまたのかどに投げ捨てられた。
4:2
ああ、精金にも比すべきシオンのいとし子らは、陶器師の手のわざである土の器のようにみなされる。
4:3
山犬さえも乳ぶさをたれて、その子に乳を飲ませる。ところが、わが民の娘は、荒野のだちょうのように無慈悲になった。
4:4
乳のみ子の舌はかわいて、上あごに、ひたとつき、幼な子らはパンを求めても、これに与える者がない。
4:5
うまい物を食べていた者は、落ちぶれて、ちまたにおり、紫の着物で育てられた者も、今は灰だまりの上に伏している。
4:6
わが民の娘のうけた懲らしめは、ソドムの罰よりも大きかった。ソドムは昔、人の手によらないで、またたくまに滅ぼされたのだ。
4:7
わが民の君たちは雪よりも清らかに、乳よりも白く、そのからだは、さんごよりも赤く、その姿の美しさはサファイヤのようであった。
4:8
今はその顔はすすよりも黒く、町の中にいても人に知られず、その皮膚は縮んで骨につき、かわいて枯れ木のようになった。
4:9
つるぎで殺される者は、飢えて死ぬ者よりもさいわいである。彼らは田畑の産物の欠乏によって、刺された者のように衰え行くからである。
4:10
わが民の娘の滅びる時には/情深い女たちさえも、手ずから自分の子どもを煮て、それを食物とした。
4:11
主はその憤りをことごとく漏らし、激しい怒りをそそぎ、シオンに火を燃やして、その礎までも焼き払われた。
4:12
地の王たちも、世の民らもみな、エルサレムの門に、あだや敵が、討ち入ろうとは信じなかった。
4:13
これはその預言者たちの罪のため、その祭司たちの不義のためであった。彼らは義人の血をその町の中に流した者である。
4:14
彼らは盲人のように、ちまたにさまよい、血で汚れている。だれもその衣にさわることができない。
4:15
人々は彼らにむかって、「去れよ、けがらわしい」、「去れよ、去れよ、さわるな」と叫んだので、彼らは逃げ去って放浪者となったが、異邦人の中でも人々は
「もうわれわれのうちに/宿ってはならない」と言った。
4:16
主はみずから彼らを散らして、再び彼らを顧みず、祭司を尊ばず、長老をいたわられなかった。
4:17
われわれの目は、むなしく助けを待ち望んで/疲れ衰えた。われわれは待ち望んだが、救を与え得ない国びとを待ち望んだ。
4:18
人々がわれわれの歩みをうかがうので、われわれは自分の町の中をも、歩くことができなかった。われわれの終りは近づいた、日は尽きた。われわれの終りが来
たからである。
4:19
われわれを追う者は空のはげたかよりも速く、彼らは山でわれわれを追い立て、野でわれわれを待ち伏せる。
4:20
われわれが鼻の息とたのんだ者、主に油そそがれた者は、彼らの落し穴で捕えられた。彼はわれわれが「異邦人の中でも/その陰に生きるであろう」と思った者
である。
4:21
ウズの地に住むエドムの娘よ、喜び楽しめ、あなたにもまた杯がめぐって行く、あなたも酔って裸になる。
4:22
シオンの娘よ、あなたの不義の罰は終った。主は重ねてあなたを捕え移されない。エドムの娘よ、主はあなたの不義を罰し、あなたの罪をあらわされる。
文語訳1917
5:1 ヱホバよ我らにありし所の事をおもひたまへ 我らの恥辱をかへりみ觀たまへ
5:2 われらの?業は外國人に歸し われらの家屋は他國人の有となれり
5:3 われらは孤子となりて父あらず われらの母は寡婦にひとし
5:4 われらは金を出して自己の水を飮み おのれの薪を得るにも價をはらふ
5:5 われらを追ふ者われらの頸に迫る 我らは疲れて休むことを得ず
5:6 食物を得て饑を凌がんとてエジプト人およびアッスリヤ人に手を與へたり
5:7 われらの父は罪ををかして已に世にあらず 我らその罪を負ふなり
5:8 奴僕等われらを制するに誰ありて我らを之が手よりすくひ出すものなし
5:9 荒野の刀兵の故によりて我ら死を冒して食物を得
5:10 饑饉の烈しき熱氣によりてわれらの皮膚は爐のごとく熱し
5:11 シオンにて婦人等をかされユダの邑々にて處女等けがさる
5:12 侯伯たる者も敵の手にて吊され 老たる者の面も尊とばれず
5:13 少き者は石磨を擔はせられ 童子は薪を負ふてよろめき
5:14 長老は門にあつまることを止め 少き者はその音樂を廢せり
5:15 我らが心の快樂はすでに罷み われらの跳舞はかはりて悲哀となり
5:16 われらの冠冕は首より落たり われら罪ををかしたれば禍なるかな
5:17 これが爲に我らの心うれへ これらのために我らが目くらくなれり
5:18 シオンの山は荒はて 山犬はその上を歩くなり
5:19 ヱホバよなんぢは永遠に在す なんぢの御位は世々かぎりなし
5:20 何とて我らを永く忘れ われらを斯ひさしく棄おきたまふや
5:21 ヱホバよねがはくは我らをして汝に歸らしめたまへ われら歸るべし 我らの日を新にして昔日の日のごとくならしめたまへ
5:22 さりとも汝まつたく我らを棄てたまひしや 痛くわれらを怒りゐたまふや
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各国旧約聖書における新約聖書の引照
・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを
拾う・・・
(英)AUTHORIZED
KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE
1994
・・・・
(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW
YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977
・・・・
(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN
& TODD 1985
・・・・
(独)DIE
BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE
BIBELGESELLSCHAFT 1984
・・・・
(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987
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