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ルツ記 2:1−23     

落穂拾い

 

翻訳比較

聖書協会共同訳2018

◆ボアズとの出会い
ルツ 2:1 さてナオミには、夫の親戚で、エリメレクの氏族に属する一人の有力者がいて、その名をボアズと言った。
ルツ 2:2 モアブの女ルツがナオミに、「畑に行かせてください。どなたか親切にしてくださる人の後に付いて、落ち穂を拾いたいのです」と言うと、ナオミは、 「娘よ、行っておいで」と答えた。
ルツ 2:3 そこでルツは出かけて行き、刈る者たちの後に付いて畑で落ち穂拾いをした。そこは、図らずもエリメレクの氏族に当たるボアズの畑の一角であった。
ルツ 2:4 その時、ボアズがベツレヘムからやって来て、刈る者たちに、「主があなたがたと共におられますように」と言うと、彼らは、「主があなたを祝福され ますように」と答えた。
ルツ 2:5 ボアズが刈る者を監督する僕に、「あの娘はどこの者なのか」と尋ねると、
ルツ 2:6 刈る者を監督する僕は答えた。「彼女はモアブの野から、ナオミと一緒に帰って来たモアブの娘です。
ルツ 2:7 『落ち穂拾いをしたいので、刈る人たちの後に付いて、刈り穂の束の間で拾い集めさせてください』と言いました。そしてやって来て、朝から今に至る まで、小屋でほとんど休むこともなく、立ち通しで働いています。」
ルツ 2:8 ボアズはルツに言った。「よく聞きなさい、娘さん。よその畑に落ち穂を拾いに行ったり、ここから移ったりしてはいけません。召し使いの女たちのそ ばを離れず一緒にいなさい。
ルツ 2:9 刈り入れをしている畑に目を留めて、彼女たちの後に付いて行きなさい。私は僕たちに、あなたの邪魔をしないように命じておきます。喉が渇いたら水 がめのところに行って、僕たちが汲む水を飲みなさい。」
ルツ 2:10 ルツはひれ伏し、礼をして言った。「どうしてあなたは私のような者に目をかけ、親切にしてくださるのでしょうか。私はよそ者ですのに。」
ルツ 2:11 ボアズは答えた。「夫が亡くなった後、あなたがしゅうとめに尽くしたこと、また、両親と生まれ故郷を捨てて、これまで知らなかった民のところに 出かけて来たことなど、何もかも聞いています。
ルツ 2:12 主があなたのそうした行いに報いてくださるように。あなたがその翼のもとに逃れて来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように。」
ルツ 2:13 ルツは言った。「ご主人様、ご厚意に感謝いたします。私はあなたの仕え女の一人にも及びませんのに、私を慰め、優しく語りかけてくださいまし た。」
ルツ 2:14 食事のとき、ボアズは言った。「こちらに来てパンを食べなさい。パン切れをこの酢に浸しなさい。」ルツが刈る者たちのそばに座ると、ボアズは炒 り麦をつかんで与えた。彼女は食べて満ち足り、余ったものは残しておいた。
ルツ 2:15 ルツが落ち穂拾いをしようとして立ち上がると、ボアズは僕たちに命じた。「刈り穂の束の間でも、穂を拾うことができるようにしてやりなさい。惨 めな思いをさせてはいけない。
ルツ 2:16 また、束から穂を抜き取って、あの娘が拾えるように落としておきなさい。とがめてはいけない。」
ルツ 2:17 こうして、ルツは夕方まで畑で落ち穂拾いをした。拾った落ち穂を打つと、大麦が一エファほどあり、
ルツ 2:18 彼女はそれを背負って町に帰った。しゅうとめが、拾って来た落ち穂を見ると、ルツは十分食べてから残しておいたものを取り出し、しゅうとめに渡 した。
ルツ 2:19 しゅうとめは言った。「あなたは今日どこで落ち穂拾いをしたのですか。どこで働いたのですか。あなたに目をかけてくださった人は祝福されますよ うに。」ルツは誰のところで働いたかをしゅうとめに告げた。「今日、私が働いたのはボアズという名の人のところです。」
ルツ 2:20 ナオミは嫁に言った。「その人は主に祝福されますように。主は、生きている者にも死んだ者にも、慈しみを惜しみませんでした。」ナオミはさらに 続けた。「その人は私たちの近親の者で、私たちの家を絶やさないようにする責任のある者の一人です。」
ルツ 2:21 モアブの女ルツは言った。「あの人は私に、こうも言いました。『刈り入れがすべて終わるまで、僕たちのそばを離れず一緒にいなさい。』」
ルツ 2:22 ナオミは嫁のルツに言った。「娘よ、あの人の召し使いの女たちと一緒に出かけるのはよいことです。よその畑でいじめられずに済みますから。」
ルツ 2:23 大麦の刈り入れと小麦の刈り入れが終わるまで、ルツは落ち穂拾いをするときには、ボアズの召し使いの女たちのそばを離れず一緒にいた。このよう にして、彼女はしゅうとめと共に暮らしていた。


フランシ スコ会訳2013

001
ナオミには、夫エリメレクの親戚、一族出身の有力 者がおり、その名をボアズといった。

002モアブの女ルツはナオミに言った、「畑に行かせて ください。どなたか厚意を示してくださる方の後について、落ち穂を拾ってきます」。ナオミは「行ってらっしゃい、わたしの娘」と 言った。

003彼女は出かけていき、刈り入れ人たちの後について 畑で落ち穂を拾った。彼女が行きあたった畑は、図らずも、エリメレクの一族、ボアズの所有地の一画だった。

004折よくボアズがベツレヘムから来て、刈り入れ人た ちに「主があなたたちとともにおられるように」と言うと、彼らも「主があなたを祝福してくださいますように」と答えた。

005ボアズは、刈り入れ人の監督をしている召使に尋ね た、「あの若い女はどこの家の者か」。

006刈り入れ人の監督をしている召使は答えた、「モア ブの野から戻ったナオミと一緒に来たモアブの女です。

007彼女は『刈り入れ人の後から、刈り穂の束の間で落 ち穂を拾い集めさせてください』と言い、やって来て、朝から立ち通しでした。今、小屋で休んでいますが、彼女が今まで拾い集めた ものはほんの僅かです」。

008そこでボアズはルツに言った、「わたしの娘、よく 聞きなさい。よその畑に落ち穂を拾いに行ってはならない。ここから出ていってもならない。わたしの所で働いている娘たちと一緒に ここにいなさい。

009刈り入れをする畑を確かめて、娘たちについて行き なさい。若者たちにはあなたの邪魔をしないように言いつけておく。喉が渇いたら、瓶の所に行って若者たちのくんでおいたものを飲 みなさい」。

010ルツは額を地につけ、ひれ伏して言った、「どうし てこれほどのご厚意にあずかり、お目を留めていただけるのでしょう、わたしは異国の女ですのに」。

011ボアズは答えた、「夫の亡くなった後もあなたが姑 に尽くし、父母と生まれ故郷を捨てて、まったく見知らぬ民の所に来たことを、わたしはすべて確かに伝え聞いている。

012主があなたの行いに報いてくださるように。あなた がその翼のもとに逃れてきたイスラエルの神、主から、報いが豊かにあるように」。

013ルツは言った、「ご主人さま、どうかこれからもご 厚意を示してくださいますように。あなたのはしための一人にも及ばぬこのわたしですのに、あなたははしための心に触れるお言葉を くださり、慰めてくださいました」。

014食事の時、ボアズはルツに言った、「こちらに来て このパンを食べ、あなたのパン切れを酢に浸しなさい」。彼女が刈り入れ人たちのそばに腰を下ろすと、ボアズは彼女にいり麦を勧め た。彼女は食べて満足し、なお余りがあった。

015ルツが落ち穂を拾いに立ち上がると、ボアズは若者 たちに命じて言った、「刈り穂の束の間でも拾わせてやりなさい。彼女を辱めてはならない。

016それだけでなく、穂の束から必ずいくらかを抜き落 として、彼女が拾えるようにしておきなさい。彼女を咎めてはならない」。

017こうしてルツは日が暮れるまで畑で落ち穂を拾っ た。拾った穂をたたいて取れた大麦は一エファほどもあった。

018ルツはそれを担いで町に帰った。姑はルツが拾い集 めたものを見た。またルツは、満腹するまで食べてなお余ったものを姑に差し出すと、

019姑はルツに言った、「どこで今日は落ち穂を拾った のですか。いったいどこで働いたのです。あなたに目をかけてくださった方に祝福がありますように」。するとルツは誰のもとで働い たかを告げて言った、「今日働かせてくださった方の名はボアズです」。

020ナオミは嫁に言った、「生きている者にも死んだ者 にも慈しみを惜しまれない主が、どうかその方を祝福してくださいますように」。ナオミは続けて言った、「その方はわたしたちの近 親で、わたしたちの贖い手の一人です」。

021モアブの女ルツは言った、「その方は『わたしの所 の刈り入れが全部終わるまで、わたしの若者たちと一緒にいるように』とも言ってくださいました」。

022ナオミは嫁ルツに答えた、「わたしの娘よ、その方 の所で働いている娘たちと一緒に出かけられるのは結構なことです。そうすれば、ほかの畑で嫌がらせを受けずにすみます」。

023そこでルツは、ボアズの所で働いている娘たちとと もにいて、大麦の刈り入れと小麦の刈り入れの終わるまで、落ち穂を拾った。こうして彼女は姑とともに暮らした。


 

新共同訳1987

2:1 ナオミの夫エリメレクの一族には一人の有力な親戚がいて、その名をボアズといった。

2:2 モアブの女ルツがナオミに、「畑に行ってみます。だれか厚意を示してくださる方の後ろで、落ち穂を拾わせてもらいます」と言うと、ナオミは、「わたしの娘 よ、行っておいで」と言った。

2:3 ルツは出かけて行き、刈り入れをする農夫たちの後について畑で落ち穂を拾ったが、そこはたまたまエリメレクの一族のボアズが所有する畑地であった。

2:4 ボアズがベツレヘムからやって来て、農夫たちに、「主があなたたちと共におられますように」と言うと、彼らも、「主があなたを祝福してくださいますよう に」と言った。

2:5 ボアズが農夫を監督している召し使いの一人に、そこの若い女は誰の娘かと聞いた。

2:6 召し使いは答えた。「あの人は、モアブの野からナオミと一緒に戻ったモアブの娘です。

2:7 『刈り入れをする人たちの後について麦束の間で落ち穂を拾い集めさせてください』と願い出て、朝から今までずっと立ち通しで働いておりましたが、今、小屋 で一息入れているところです。」

2:8 ボアズはルツに言った。「わたしの娘よ、よく聞きなさい。よその畑に落ち穂を拾いに行くことはない。ここから離れることなく、わたしのところの女たちと一 緒にここにいなさい。

2:9 刈り入れをする畑を確かめておいて、女たちについて行きなさい。若い者には邪魔をしないように命じておこう。喉が渇いたら、水がめの所へ行って、若い者が くんでおいた水を飲みなさい。」

2:10 ルツは、顔を地につけ、ひれ伏して言った。「よそ者のわたしにこれほど目をかけてくださるとは。厚意を示してくださるのは、なぜですか。」

2:11 ボアズは答えた。「主人が亡くなった後も、しゅうとめに尽くしたこと、両親と生まれ故郷を捨てて、全く見も知らぬ国に来たことなど、何もかも伝え聞いてい ました。

2:12 どうか、主があなたの行いに豊かに報いてくださるように。イスラエルの神、主がその御翼のもとに逃れて来たあなたに十分に報いてくださるように。」

2:13 ルツは言った。「わたしの主よ。どうぞこれからも厚意を示してくださいますように。あなたのはしための一人にも及ばぬこのわたしですのに、心に触れる言葉 をかけていただいて、本当に慰められました。」

2:14 食事のとき、ボアズはルツに声をかけた。「こちらに来て、パンを少し食べなさい、一切れずつ酢に浸して。」ルツが刈り入れをする農夫たちのそばに腰を下ろ すと、ボアズは炒り麦をつかんで与えた。ルツは食べ、飽き足りて残すほどであった。

2:15 ルツが腰を上げ、再び落ち穂を拾い始めようとすると、ボアズは若者に命じた。「麦束の間でもあの娘には拾わせるがよい。止めてはならぬ。

2:16 それだけでなく、刈り取った束から穂を抜いて落としておくのだ。あの娘がそれを拾うのをとがめてはならぬ。」

2:17 ルツはこうして日が暮れるまで畑で落ち穂を拾い集めた。集めた穂を打って取れた大麦は一エファほどにもなった。

2:18 それを背負って町に帰ると、しゅうとめは嫁が拾い集めてきたものに目をみはった。ルツは飽き足りて残した食べ物も差し出した。

2:19 しゅうとめがルツに、「今日は一体どこで落ち穂を拾い集めたのですか。どこで働いてきたのですか。あなたに目をかけてくださった方に祝福がありますよう に」と言うと、ルツは、誰のところで働いたかをしゅうとめに報告して言った。「今日働かせてくださった方は名をボアズと言っておられ ました。」

2:20 ナオミは嫁に言った。「どうか、生きている人にも死んだ人にも慈しみを惜しまれない主が、その人を祝福してくださるように。」ナオミは更に続けた。「その 人はわたしたちと縁続きの人です。わたしたちの家を絶やさないようにする責任のある人の一人です。」

2:21 モアブの女ルツは言った。「その方はわたしに、『うちの刈り入れが全部済むまで、うちの若者から決して離れないでいなさい』と言ってくださいました。」

2:22 ナオミは嫁ルツに答えた。「わたしの娘よ、すばらしいことです。あそこで働く女たちと一緒に畑に行けるとは。よその畑で、だれかからひどい目に遭わされる こともないし。」

2:23 ルツはこうして、大麦と小麦の刈り入れが終わるまで、ボアズのところで働く女たちから離れることなく落ち穂を拾った。

 

新改訳1970

2:1 ナオミには、夫の親戚で、エリメレクの一族に属するひとりの有力者がいた。その人の名はボアズであった。

2:2 モアブの女ルツはナオミに言った。「どうぞ、畑に行かせてください。私に親切にしてくださる方のあとについて落ち穂を拾い集めたいのです。」すると、ナオ ミは彼女に、「娘よ。行っておいで。」と言った。

2:3 ルツは出かけて行って、刈る人たちのあとについて、畑で落ち穂を拾い集めたが、それは、はからずもエリメレクの一族に属するボアズの畑のうちであった。

2:4 ちょうどその時、ボアズはベツレヘムからやって来て、刈る者たちに言った。「主があなたがたとともにおられますように。」彼らは、「主があなたを祝福され ますように。」と答えた。

2:5 ボアズは刈る者たちの世話をしている若者に言った。「これはだれの娘か。」

2:6 刈る者たちの世話をしている若者は答えて言った。「あれは、ナオミといっしょにモアブの野から帰って来たモアブの娘です。

2:7 彼女は、『どうぞ、刈る人たちのあとについて、束の間で、落ち穂を拾い集めさせてください。』と言い、ここに来て、朝から今まで家で休みもせず、ずっと立 ち働いています。」

2:8 ボアズはルツに言った。「娘さん。よく聞きなさい。ほかの畑に落ち穂を拾いに行ったり、ここから出て行ったりしてはいけません。私のところの若い女たちの そばを離れないで、ここにいなさい。

2:9 刈り取っている畑を見つけて、あとについて行きなさい。私は若者たちに、あなたのじゃまをしてはならないと、きつく命じておきました。のどが渇いたら、水 がめのところへ行って、若者たちの汲んだのを飲みなさい。」

2:10 彼女は顔を伏せ、地面にひれ伏して彼に言った。「私が外国人であるのを知りながら、どうして親切にしてくださるのですか。」

2:11 ボアズは答えて言った。「あなたの夫がなくなってから、あなたがしゅうとめにしたこと、それにあなたの父母や生まれた国を離れて、これまで知らなかった民 のところに来たことについて、私はすっかり話を聞いています。

2:12 主があなたのしたことに報いてくださるように。また、あなたがその翼の下に避け所を求めて来たイスラエルの神、主から、豊かな報いがあるように。」

2:13 彼女は言った。「ご主人さま。私はあなたのご好意にあずかりとう存じます。私はあなたのはしためのひとりでもありませんのに、あなたは私を慰め、このはし ためにねんごろに話しかけてくださったからです。」

2:14 食事のとき、ボアズは彼女に言った。「ここに来て、このパンを食べ、あなたのパン切れを酢に浸しなさい。」彼女が刈る者たちのそばにすわったので、彼は炒 り麦を彼女に取ってやった。彼女はそれを食べ、十分食べて、余りを残しておいた。

2:15 彼女が落ち穂を拾い集めようとして立ち上がると、ボアズは若者たちに命じて言った。「あの女には束の間でも穂を拾い集めさせなさい。あの女に恥ずかしい思 いをさせてはならない。

2:16 それだけでなく、あの女のために、束からわざと穂を抜き落としておいて、拾い集めさせなさい。あの女をしかってはいけない。」

2:17 こうして彼女は、夕方まで畑で落ち穂を拾い集めた。拾ったのを打つと、大麦が一エパほどあった。

2:18 彼女はそれを持って町に行き、しゅうとめにその拾い集めたのを見せ、また、先に十分食べてから残しておいたのを取り出して、彼女に与えた。

2:19 しゅうとめは彼女に言った。「きょう、どこで落ち穂を拾い集めたのですか。どこで働いたのですか。あなたに目を留めてくださった方に祝福がありますよう に。」彼女はしゅうとめに自分の働いてきた所のことを告げ、「きょう、私はボアズという名の人の所で働きました。」と言った。

2:20 ナオミは嫁に言った。「生きている者にも、死んだ者にも、御恵みを惜しまれない主が、その方を祝福されますように。」それから、ナオミは彼女に言った。 「その方は私たちの近親者で、しかも買い戻しの権利のある私たちの親類のひとりです。」

2:21 モアブの女ルツは言った。「その方はまた、『私のところの刈り入れが全部終わるまで、私の若者たちのそばを離れてはいけない。』と私におっしゃいまし た。」

2:22 ナオミは嫁のルツに言った。「娘よ。あの方のところの若い女たちといっしょに出かけるのは、けっこうなことです。ほかの畑でいじめられなくても済みま す。」

2:23 それで、彼女はボアズのところの若い女たちのそばを離れないで、大麦の刈り入れと小麦の刈り入れの終わるまで、落ち穂を拾い集めた。こうして、彼女はしゅ うとめと暮らした。

 

口語訳1955

2:1 さてナオミには、夫エリメレクの一族で、非常に裕福なひとりの親戚があって、その名をボアズといった。

2:2 モアブの女ルツはナオミに言った、「どうぞ、わたしを畑に行かせてください。だれか親切な人が見当るならば、わたしはその方のあとについて落ち穂を拾いま す」。ナオミが彼女に「娘よ、行きなさい」と言ったので、

2:3 ルツは行って、刈る人たちのあとに従い、畑で落ち穂を拾ったが、彼女ははからずもエリメレクの一族であるボアズの畑の部分にきた。

2:4 その時ボアズは、ベツレヘムからきて、刈る者どもに言った、「主があなたがたと共におられますように」。彼らは答えた、「主があなたを祝福されますよう に」。

2:5 ボアズは刈る人たちを監督しているしもべに言った、「これはだれの娘ですか」。

2:6 刈る人たちを監督しているしもべは答えた、「あれはモアブの女で、モアブの地からナオミと一緒に帰ってきたのですが、

2:7 彼女は『どうぞ、わたしに、刈る人たちのあとについて、束のあいだで、落ち穂を拾い集めさせてください』と言いました。そして彼女は朝早くきて、今まで働 いて、少しのあいだも休みませんでした」。

2:8 ボアズはルツに言った、「娘よ、お聞きなさい。ほかの畑に穂を拾いに行ってはいけません。またここを去ってはなりません。わたしのところで働く女たちを離 れないで、ここにいなさい。

2:9 人々が刈りとっている畑に目をとめて、そのあとについて行きなさい。わたしは若者たちに命じて、あなたのじゃまをしないようにと、言っておいたではありま せんか。あなたがかわく時には水がめのところへ行って、若者たちのくんだのを飲みなさい」。

2:10 彼女は地に伏して拝し、彼に言った、「どうしてあなたは、わたしのような外国人を顧みて、親切にしてくださるのですか」。

2:11 ボアズは答えて彼女に言った、「あなたの夫が死んでこのかた、あなたがしゅうとめにつくしたこと、また自分の父母と生れた国を離れて、かつて知らなかった 民のところにきたことは皆わたしに聞えました。

2:12 どうぞ、主があなたのしたことに報いられるように。どうぞ、イスラエルの神、主、すなわちあなたがその翼の下に身を寄せようとしてきた主からじゅうぶんの 報いを得られるように」。

2:13 彼女は言った、「わが主よ、まことにありがとうございます。わたしはあなたのはしためのひとりにも及ばないのに、あなたはこんなにわたしを慰め、はしため にねんごろに語られました」。

2:14 食事の時、ボアズは彼女に言った、「ここへきて、パンを食べ、あなたの食べる物を酢に浸しなさい」。彼女が刈る人々のかたわらにすわったので、ボアズは焼 麦を彼女に与えた。彼女は飽きるほど食べて残した。

2:15 そして彼女がまた穂を拾おうと立ちあがったとき、ボアズは若者たちに命じて言った、「彼女には束の間でも穂を拾わせなさい。とがめてはならない。

2:16 また彼女のために束からわざと抜き落しておいて拾わせなさい。しかってはならない」。

2:17 こうして彼女は夕暮まで畑で落ち穂を拾った。そして拾った穂を打つと、大麦は一エパほどあった。

2:18 彼女はそれを携えて町にはいり、しゅうとめにその拾ったものを見せ、かつ食べ飽きて、残して持ちかえったものを取り出して与えた。

2:19 しゅうとめは彼女に言った、「あなたは、きょう、どこで穂を拾いましたか。どこで働きましたか。あなたをそのように顧みてくださったかたに、どうか祝福が あるように」。そこで彼女は自分がだれの所で働いたかを、しゅうとめに告げて、「わたしが、きょう働いたのはボアズという名の人の所 です」と言った。

2:20 ナオミは嫁に言った、「生きている者をも、死んだ者をも、顧みて、いつくしみを賜わる主が、どうぞその人を祝福されますように」。ナオミはまた彼女に言っ た、「その人はわたしたちの縁者で、最も近い親戚のひとりです」。

2:21 モアブの女ルツは言った、「その人はまたわたしに『あなたはわたしのところの刈入れが全部終るまで、わたしのしもべたちのそばについていなさい』と言いま した」。

2:22 ナオミは嫁ルツに言った、「娘よ、その人のところで働く女たちと一緒に出かけるのはけっこうです。そうすればほかの畑で人にいじめられるのを免れるでしょ う」。

2:23 それで彼女はボアズのところで働く女たちのそばについていて穂を拾い、大麦刈と小麦刈の終るまでそうした。こうして彼女はしゅうとめと一緒に暮した。

 


文 語訳1917
2:1 ナオミにその夫の知己あり 即ちエリメレクの族にして大なる力の人なり その名をボアズといふ
2:2 茲にモアブの女ルツ、ナオミにいひけるは請ふわれをして田にゆかしめよ 我何人かの目のまへに恩をうることあらばその人の後にしたがひて穗を拾はんと ナオミ彼に女子よ往べしといひければ
2:3 乃ち往き遂に至りて刈者の後にしたがひ田にて穗を拾ふ 彼意はずもエリメレクの族なるボアズの田の中にいたれり
2:4 時にボアズ、ベテレヘムより來り その刈者等刈者等に言ふ ねがはくはヱホバ汝等とともに在せと 彼等すなはち答てねがはくはヱホバ汝を祝たまへといふ
2:5 ボアズその刈者を督る僕にいひけるは此は誰の女なるや
2:6 刈者を督る人こたへて言ふ是はモアブの女にしてモアブの地よりナオミとともに還りし者なるが
2:7 いふ請ふ我をして刈者の後にしたがひて禾束の間に穗をひろひあつめしめよと 而して來りて朝より今にいたるまで此にあり 其家にやすみし間は暫時のみ
2:8 ボアズ、ルツにいひけるは女子よ聽け 他の田に穗をひろひにゆくなかれ 又此よりいづるなかれわが婢等に離ずして此にをるべし
2:9 人々の刈ところの田に目をとめてその後にしたがひゆけ 我少者等に汝にさはるなかれと命ぜしにあらずや 汝渇く時は器の所にゆきて少者の汲るを飮めと
2:10 彼すなはち伏て地に拜し之にいひけるは我如何して汝の目の前に恩惠を得たるか なんぢ異邦人なる我を顧みると
2:11 ボアズこたへて彼にいひけるは汝が夫の死たるより巳來姑に盡したる事汝がその父母および生れたる國を離れて見ず識ずの民に來りし事皆われに聞えたり
2:12 ねがはくはヱホバ汝の行爲に報いたまへ ねがはくはイスラエルの神ヱホバ即ち汝がその翼の下に身を寄んとて來れる者汝に十分の報施をたまはんことを
2:13 彼いひけるは主よ我をして汝の目の前に恩をえせしめたまへ 我は汝の仕女の一人にも及ざるに汝かく我を慰め斯仕女に懇切に語りたまふ
2:14 ボアズかれにいひけるは食事の時は此にきたりてこのパンを食ひ且汝の食物をこの醋に濡せよと 彼すなはち刈者の傍に坐しければボアズ?麥をかれに與ふ 彼くらひて飽き其餘を懷む
2:15 かくて彼また穗をひろはんとて起あがりければボアズその少者に命じていふ 彼をして禾束の間にても穗をひろはしめよ かれを羞しむるなかれ
2:16 且手の穗を故に彼がために抽落しおきて彼に拾はしめよ 叱るなかれ
2:17 彼かく薄暮まで田に穗をひろひてその拾ひし者を撲しに大麥一斗許ありき
2:18 彼すなはち之を携へて邑にいり姑にその拾ひし者を看せ且その飽たる後に懷めおきたる者を取出して之にあたふ
2:19 姑かれにいひけるは汝今日何處にて穗をひろひしや 何の處にて工作しや 願くは汝を眷顧たる者に福祉あれ 彼すなはち姑にその誰の所に工作しかを告ていふ 今日われに工作をなさしめたる人の名はボアズといふ
2:20 ナオミ?にいひけるは願はヱホバの恩かれに至れ 彼は生る者と死る者とを棄ずして恩をほどこす ナオミまた彼にいひけるは其人は我等に縁ある者にして我等の贖業者の一人なり
2:21 モアブの女ルツいひけるは彼また我にかたりて汝わが穫刈の盡く終るまでわが少者の傍をはなるるなかれといへりと
2:22 ナオミその?ルツにいひけるは女子よ汝かれの婢等とともに出るは善し 然れば他の田にて人に見らるることを免かれん
2:23 是によりて彼ボアズの婢等の傍を離れずして穗をひろひ大麥刈と小麥刈の終にまでおよぶ 彼その姑とともにをる


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各国旧約聖書における新約聖書の引照

・・・標題区分内にある新約聖書引照のすべてを 拾う・・・

 

(英)AUTHORIZED KING JAMES VERSION 1611・・・ZONDERVAN PUBLISHING HOUSE 1994

口 語訳 ルカ 1:28

1:28 御使がマリヤのところ にきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。

 

口 語訳 Uテサ3:16

3:16 どうか、平和の主ご自身が、いついかなる場合にも、あなたがたに平和を与えて下さるように。主があなたがた一同と共におられるよう に。

 

(米)THE NEW SCOFIELD STUDY BIBLE・・・NEW YORK・OXFORD UNIVERSITY PRESS 1977

口 語訳 ルカ 1:28

1:28 御使がマリヤのところにきて言った、「恵まれた女よ、おめでとう、主があなたと共におられます」。

 

口 語訳 Uテサ3:16

3:16 どうか、平和の主ご自身が、いついかなる場合にも、あなたがたに平和を与えて下さるように。主があなたがた一同と共におられるよう に。

 

(仏)THE NEW JERUSALEM BIBLE・・・・DARYON,LONGMAN & TODD 1985

 

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(独)DIE BIBEL MARTIN LUTHERS 1534 ・・・DEUTSCHE BIBELGESELLSCHAFT 1984

 

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(日)新共同訳・・・・日本聖書協会 1987  

 

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